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天浜線の西半分を行く 第3回
(17年3月の旅)
大人気の転車台ツアー
天竜二俣駅は天竜浜名湖鉄道のほぼ真ん中にあり、最も大きいターミナル駅となっている。ここから掛川方面の方が列車本数が多く、新所原方面とそれぞれ折り返し運転をする列車もある。さて、お楽しみの転車台見学ツアーであるが、駅待合室はすでに見学者と思われる人たちが埋め尽くされていた。窓口で入場券を購入し、改札を出てみると、さらに多くの人がいた。予想以上の人気ぶりである。見回すとやはり親子連れの姿がかなり目立つ。また、見学会終了後に分かったのだが、半数を超える人は列車ではなくマイカーで駅を訪れていた。何だかなあと思いたくもなるが、それはそれで鉄道会社にとって宣伝の場になるのでよしとしておこう。
やたら元気のいいおばちゃんがガイド役を担い、見学ツアー一行はぞろぞろと駅のホームから構内を通過する。見たところ、50人ほどはいるだろう。もちろん連休中ということもあるが、やはり大河ドラマの効果がとても大きいのだとおばちゃんは話していた。ホームから少し歩いて車両基地に入る。当然、一般の人はふだん立ち入りできないので、貴重な経験でもある。
天竜浜名湖鉄道は第三セクターに移管されたため、できるだけ経費節減に努めながら列車運行をしている。したがって、使える施設は徹底的に使っているということである。それが、年月を経て文化財としての価値を生み出しているのだろう。車両基地内にある蒸気機関車用の水タンク、乗務員用の風呂などは、SLありし頃の面影を物語っている。
そしてツアー最大のハイライトが転車台である。もともとは蒸気機関車を方向転換させるための施設なのだが、今の車両は前後にそれぞれ運転席があるため、通常の運行をする分には不要である。この鉄道では車両点検で車庫に入れるために現在も転車台を使用している。ツアーでは車庫の気動車を転車台に乗せ、少し動かして線路の位置を変え、再び車庫に戻すという実演をしてくれた。みんながお目当てだったので、カメラやビデオを構えながら車両を映し込んでいた。転車台もかなり年数がたっていて老朽化も著しく、修理しようにも交換する部品もないそうだ。したがって、壊れてしまえば現役を引退せざるをえなくなるという。
車庫には先ほど乗った井の国号、さらに古い型のディーゼル号が並んでおり、これも撮影スポットになっていた。車庫の横には鉄道資料館があり、旧二俣線当時の懐かしい鉄道資料が並んでいた。ここは見学ツアーのわずかな時間だけで見るのはなかなか惜しいし、しかも人が大勢いてとても一つずつ見て回ることもできない。転車台が現役引退すれば、通年公開のできる施設になるのかもしれない。
というわけで、今回は新所原−天竜二俣の西半分だけの乗車となったが、いずれ機会があれば東半分の天竜二俣−掛川を乗り通してみたいものである。
(おわり)
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