鉄道乗車レポートMENU>
寝台特急なは号 第1回 第2回 第3回
なは号を旅路に選んで 第2回
予想外のハプニング
京都を出て、さあこれから夜汽車の気分にひたろうと思った矢先、とんでもないハプニングが起こった。もはや車両の更新をする気もなかったのであろう、かなりボロイ車両だなあとは思っていたのだが、なんと窓枠から水漏れが発生してしまっていた。いったいどこが原因なのかもさっぱり分からず、列車が揺れたりするたびにぽたぽたと落ちてくる。すでに雨がやんでいるため、列車にたまっていた水が払われれば心配はないのであるが、それにしても困ったものである。
今までのようにガラガラの車両であるならば、車掌を呼び出して座席変更を促すということもできたであろう。しかし、廃止間もなくということでおそらくすべて満席のはず。ほかの個室車両でもドアのカギのことで車掌に苦情を言っていた人がいたが、どうにもならないと悟らねばならない。窓枠には物を置くことができず、シーツを敷き詰めて何とかベッドに水が垂れないようにとの苦肉の策で乗り切らざるを得なかった。
列車は新大阪、大阪にそれぞれ数分停車をする。その間、マニアたちはあわただしく動き回り写真を撮り歩いている。私も、と言いたいところだったが、窓の水漏れが気になってしまいまったく動けずじまいとなった。大阪駅を出発すると、あとはいつくか停車駅こそあるものの停車時間がわずかとなるので、撮影する人たちの動きもおさまっていく。途中、明石海峡大橋のアナウンスがあったので、ここだけはビデオクリップに収めた。
水漏れも徐々におさまっていき、夜も次第に更けていくと眠気も増してくる。岡山の手前でいつの間にか寝入ってしまったようであるが、今回は酔いがやや足りなかったせいか、下関よりもだいぶ前で目が覚めてしまう。そのあとは夢うつつという感じで時を過ごしていくが、下関と門司の間だけはしっかりと車窓に目をこらして関門トンネルを通過するようすに見入った。
その先も夢うつつのままだったが、鳥栖駅に近づくにつれ、「起きなければいけない」という気持ちになった。鳥栖はあかつき号との連結を外す駅であり、あかつき号見納めのラストチャンスだ。さすがに浴衣姿でホームに出ることははばかるので、あわてて着替えて支度を調えた。
(つづく)
鳥栖駅であかつき号とお別れです