鉄道乗車レポートMENU国鉄に乗って旅に出よう?!  第1話 第2話 第3話

「目指せ最北の地」

第3話 今はなきローカル線に乗る

旭川から稚内までの行程を考えてみます。ふつうに行くなら、宗谷本線に乗るのが最も早いです。けれど、当時は赤字ローカル線の廃線問題が現実味を増していました。そこで、今では実現不可能となった稚内行き3パターンを紹介します。(MAP をクリックすると時刻表地図が出ます)

最初はオーソドックスな宗谷本線。そのなかでも、6時22分発の急行礼文号なら一目散に稚内に到着する。けど、せっかくならそのあとの7時58分発幌延行き普通列車でのんびりと北上するのがよい。約6時間かけて幌延に到着し、1時間半の待ち合わせ後に稚内行きに乗る。稚内には16時45分に着く。

現在、宗谷本線は、旭川から北へ向かう唯一の路線となってしまいました。ただ、夜行を含む4つの急行は今も健在なほか、季節特急も運行されるようになり、風光明媚な観光路線として人気を呼んでいます。MAP

※2003年8月現在、急行に代わって特急列車が運行されています

次は天北線を経由するルート。旭川からは13時26分発の急行天北に乗れば、そのまま天北線経由で稚内に18時10分に着く。途中下車を楽しむなら、7時58分発で音威子府まで行き、ここで1時間半ほど待って、普通列車で鬼志別まで行く。さらに1時間の待ち合わせで急行天北に乗るというのが楽しい。

天北線も廃線になってしまいました。音威子府から分離し、一時は宗谷本線と「本線」を競い合ったほどの路線だったそうです。現在はバスが代替運転しています。MAP

最後に日本海を北上する羽幌線を経由するルート。まず8時10分発の急行るもい号で留萌へ行く。ここで2時間待ち合わせで、11時44分発幌延行き普通列車でのんびりと北上する。幌延からは稚内に16時45分に到着する宗谷本線の普通列車に乗り換える。海を眺める路線には特別のあこがれがあるので、捨てがたいルートではある。

羽幌線も残念ながら廃線の憂き目をみています。もし今も走っていたのなら、東北の五能線、山陰本線と並ぶ、サンセットロードとして人気を呼んでいたことでしょう。MAP

諏訪から東京経由で北上し、旭川までは一直線にやってきた。そして旭川からの3つのルートは、いずれも旅心を誘うローカル線ばかり。さて、あなただったら、いったいどの路線を選ぶ?そして、マイケルオズはどの路線を選んだのだろうか?国鉄の旅、次回はどこへと足を運ぶことになるのやら・・・

(この項おわり)
時刻、列車名は84年版国鉄時刻表当時のものです。

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蛇足ですが、3ルートのほかにもうひとつ、国鉄の路線構想が完結していたら実現していた幻のルートがあります。名寄から名寄本線で興部まで行き、そこからオホーツク海沿いを北上して天北線の浜頓別に出るというものです。興部−雄武の興浜南線、北見枝幸−浜頓別の興浜北線は運行しており、雄武−北見枝幸が工事中でした。それも赤字ローカル線廃止の波に飲まれて、すべての路線が廃線になってしまい、オホーツク海を北上する壮大な構想は幻のルートに終わってしまいました。MAP