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ごめんなはり線に乗る 第3回

(10年2月の旅)

終点奈半利へ

 再び車内に静けさが戻ってきたと思ったのもつかの間、次の駅が下車する安芸駅だった。列車は奈半利行きとなっているが、安芸駅はさすがにこの路線のターミナル駅になっているためか、ほとんどの乗客が下車して車内は一転閑散となった。先刻、後免駅で土佐であい博記念の一日乗車券を買っていたので、これを有効活用する。

 安芸市での観光を終え、再び安芸駅から列車に乗り込む。ここからは終点の奈半利を目指すことになる。

 ごめんなはり線も安芸から先はさらにのどかな雰囲気の漁村、山村が続いていく。もちろん太平洋はずっと車窓向かって右側で常に見えているのだが、終点ひとつ手前の田野駅までくると、海から離れて市街地を走るようになる。田野といえば、奈半利川のほとりにある日帰り温泉・二十三士温泉を忘れてはならない。思えば、かつてこの地をひとり旅で訪れた際、この温泉のトイレで私の体調が急変したのである。時間があればリベンジをしたいところだが、ここは先を急ぐ。ちなみに二十三士とは、土佐勤皇党弾圧により集団処刑された清岡道之助らのことを言う。田野町には二十三士の墓もある。

終点奈半利駅。この先に線路はない

 田野駅から奈半利川の鉄橋を渡ると、すぐに終点の奈半利駅に到着する。田野駅が交換駅になっているため、奈半利駅は一線一ホームという簡単なつくりになっていた。そして駅でレールがぷっつりと途絶えており、その先に延びていきそうな雰囲気はない。ちょうど阿佐海岸鉄道の終点・甲浦駅と似ている。両端が結ばれる日がいつか来てほしいとの思いを秘めながら下車したのであった。
 

(おわり)

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