Contrapunctus 8 a 3
第2部分(39~92小節)
冒頭に、第1主題と並行して、第2主題が示されます。
第2主題もContrapunctus11に示されますが、
Contrapunctus11では断片的な呈示がほとんどです。
下の楽譜に青い音符で示したのが第2主題です。
同じモチーフの連続で作られており、主題としての性格が
やや弱いように思われますが、124小節~の主題呈示以降、
新たなモチーフが末尾に加わり、その個性を強めます(第3部分)。

42小節のバスにB''と示したモチーフはBの変形と思われ、
このあと反行形を交えながら曲中で頻繁に用いられます。
上の楽譜の47~49小節ではゼクエンツ風に用いられています。
また下の楽譜はモチーフB''の反行形によるゼクエンツです。

57小節ではモチーフB''の正置形と反行形が同時に現れています。
主題呈示は次第に自由になり、
74小節~のアルトや79小節~のバスの第2主題は、
モチーフの連続により延長されています。
74小節~の第2主題は珍しく単独で示されています。

77~79小節では、各声部に第2主題の断片も見られます。
また79小節~のアルトに第1主題が示されますが、
こちらも81小節で中断されています。
主題の断片はさらに89~90小節にも見られます。
下の楽譜の89~90小節のソプラノ、バスがそうです。

85小節~のソプラノにモチーフB''の反行形が延長されて
示されますが、これが87小節~のバスに正置形で模倣されます。
90小節からバスに16分音符の激しいフレーズが導入され、
93小節のドミナントを導くカデンツとなります。
これは第3主題=基本主題を呈示する準備にほかなりません。
第1部分 第3部分 第4部分 Contrapunctus8
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