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フーガの歴史は古く、15世紀にはすでに同じ様式が用いられていました。
フーガと言う名称のないまま用いられたこの様式は、もともと
合唱曲の中から生まれたもので、多声部であることが原則となっています。
長い間、さまざまな模倣様式にまぎれていたフーガが、
その確固たる様式を確立し始めたのは17世紀にはいってからのことで、
バッハはまさにその洗練された様式の申し子となったのです。
さてこのフーガとはどのような様式か、
フーガ概論(←クリックして下さい)としてまとめました。
バッハの作品の中でも「フーガの技法」は特別な位置を占めています。
バッハの時代にはすでに難解なものとして嫌われつつあったフーガは、
当時、単一主題の形式化した作品がほとんどでした。
またフーガの作曲技法である対位法は、かつて音楽家達によって
さかんに研究され、様々な技術が育まれてきました。
しかし、これらの技術も次第に顧みられなくなっていました。
そうした中で「フーガの技法」は、歴史の中で淘汰され忘れられつつあった
様々な技法に注目し、1つの主題に基づく複数のフーガと言う形で
その技法の数々を網羅しようとしているのです。
そこで、「フーガの技法」と、音楽史の流れとの関わりを、
「フーガの技法」と対位法的技術の歴史(←クリック)としてまとめました。
こうした歴史的側面以外に、「フーガの技法」にはバッハ自身の人生や、
その亡き後に生じた謎など、多くのドラマが秘められています。
これを「フーガの技法」の概要(←クリック)にまとめました。
今日なお我々がフーガという様式に触れる機会があるのは、
バッハが残した「フーガの技法」をはじめとする多くの優れた作品と、
ベートーフェンを筆頭に、その価値を見出した後の作曲家たち、
さらには世にバッハの作品を知らしめた名演奏家達の功績のおかげです。
フーガの歴史はバッハに収束し、
その後にまたフーガの新たな歴史が築かれたのです。
今こうしてこの「フーガの技法」という類稀な秀作に
触れることが出来るのは大変幸せなことです。
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