直径 (
π
)
高さ (
H
)
重さ (
W
)
容量 (
CC
)
碗
95π
60mm
131g
160cc
皿
148π
23mm
218g
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新川砂山
金彩大徳碗皿
京焼 特注品
血はやがて薄まり行き継承の時を迎えますが、永遠を手にした「器」は本来の時間的進行方向を停止させて、遠い昔へ、まだ見ぬ未来へ、或いは異次元へと旅立たせてくれます。
この不思議なタイムスリップは想像と認識の間を優雅に泳ぎ、五感に響き渡ります。それが「鑑賞」と言う表現であるならば、想いを馳せる空間的な余地と領域が、浮遊する時間に担保されていなければなりません。
しかし、「砂山」の作品にはその余地、余白が無く、緻密美の圧倒的な暴れくる力に引き擦り込まれ、心理的平穏はいやおうにも動かされてしまいます。
余白美の「柿右衛門」とは対極にある緻密美の「砂山」
脳の処理速度は遅れがちになり、心地良い認識覚は倍加されて溜息が出てしまう作品。近代を代表する
「名物」
と言えましょう。
緻密美を追求する作者はソーサーの裏、カップ内まで柄を描きます。美の優雅に侵食された想いはカップ内側で小粒の紫ダイヤになって収まります。聖徳太子の時代、銘の「金彩大徳碗皿」の大徳とは冠位12階の最上位、紫は最上色とされておりました。