第0章:はじめに
2. 糸や輪の呼び方
このサイトでは、あやとりの手順を基本的には言葉だけで説明します。操作の説明で使う言葉として、方向や向き、糸や輪の呼び方をここで決めておきます。
Fig.0-21:「向き」の定義 両手の指は自然に上をむけて、掌を向かい合わせた状態をイメージします。自分の身体から見て遠い側(小指側)を「向こう」、近い側(親指側)を「手前」と呼びます。自然に立ったり座ったりしているとして、地面の方向が下、空の方向が上です。左手に注目すると、左手のさらに左側(外側)を(左手の)甲側とか(左手の)背側と呼びます。逆に内側を(左手の)掌側とか(左手の)腹側と呼びます。
なお、英語表記だとこれらの用語は以下のようになります。あまり馴染みのない単語が多いかなと思います。
掌 palmar 甲 dorsal 近(親指側) radial 遠(小指側) ulnar 下(指元) proximal 上(指先) distal 詳しくは、国際あやとり協会のあやとりトピックス061をご覧ください。
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次に、両手の親指と小指に糸を掛けて、それぞれの掌の糸を左右の人差指で取り合ったかたち(これを「人差し指の構え」と呼びます)を考えましょう。
Fig.0-22:糸や輪の呼び方(その1) 先ほど決めた「向き」の呼び方に従うと、それぞれの糸や輪はこのように呼ぶことになります。たとえば「左親指手前の糸」は「右親指手前の糸」につながっています。「左親指向こうの糸」は「右人差指手前の糸」につながっています。親指・人差指・小指それぞれの輪の名前、手前と向こうの糸の名前を確かめてみて下さい。
次に、親指の輪を人差指に移したとします。親指には糸がかかっておらず、人差指には2つの輪がかかった状態になります。若干手の指先を向こうへ倒して、両手を少し下から見上げるような姿勢にしてみた、と思ってください。
Fig.0-23:糸や輪の呼び方(その2) 1本の指(ここでは人差指)に2つの輪がかかっている場合、指先に近いほうを「上」、根元に近いほうを「下」と呼びます。パターンあやとりではこのように同じ指に2つ(以上)の輪がかかる、ということがしばしば起こります。他の指の操作をしているうちに上下が入れ替わってしまったりすることがありますので注意が必要です。上の輪はできるだけ指先で保持できると良いのですが、そうすると今度は外れやすくなってしまいます。
最後にもう1つ、各指の「背(側)の糸」「腹(側)の糸」の説明です。
Fig.0-23:糸や輪の呼び方(その3) 追記:石野さんは、この図の「人差し指の腹の糸」は「掌の糸」と表記しているとご指摘いただきました。ありがとうございます。「人差し指の腹の糸」は、指に糸が絡んでいる状態のことを指して、「腹の糸」「掌の糸」を使い分けているとのことです。図と用語を修正したいと思います。
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これで準備ができました。次のページから「パターンあやとり」の解説を始めます。
2021.05.01 作成
2021.05.08 加筆
長谷川 浩(あそびをせんとや)
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