[Home]-[以前のひとこと]-[2007年9月後半]

以前の「ひとこと」 : 2007年9月後半



9月16日(日) 関係体(その6:最終回)

 以前途切れていた話題の最終回を突然書きたいと思います。ちょうど3ヶ月前、07年6月16日のひとことで書き始めた、ピンポン球を2つ、短いゴムひもでつないだものを使ってデルタ多面体の頂点構造を作る、という話をしていました。ユニット2つ(ピンポン球4個)で正四面体骨格、ユニット3つ(ピンポン球6個)で正八面体骨格、ユニット4つ(ピンポン球8つ)で、正六面体の骨格ではなくてデルタ十二面体ができる、というところで話が止まっていました。

 次は当然ユニット5つ(ピンポン球10個)でできるデルタ多面体、デルタ十六面体になるのですが、写真を撮っていなかったので、このシリーズ最後ということで、ユニット6つ(ピンポン球12個)で、正二十面体の頂点モデルを作ったものをご紹介します。

図 1 図 2

 6月に書いたように、このユニットはゴムひもの長さを2.5cmくらいにしています。本来ならば、1つのユニットをなすゴムひもでつながれたピンポン球どうしは、相対する頂点に位置するのが美しいのですが、このゴムひもはそこまで伸びません。無理に伸ばすと外れてしまいます。

 では、6つのユニットはどのような配置になっているでしょうか? これを作ったり分解したりするのは、思いのほか楽しいパズルでした。ぜひ自作をお勧めします。

<おまけのひとこと>
 これ、ピンポン球で作るとかなり大きくなってしまうので、最初に材料を探しに100円ショップに行ったときにはピンポン球だけでなくて、まるい銀の鈴も買ってきました。



ところがそれを使った場合、ゴムを非常に短くしても形がきれいに決まりませんでした。残念。これはこれで別の方式で多面体頂点構造を作れないかな、と思っています。






9月17日(月) 代車

 通勤で使っている車が、購入してからちょうどまる1年になりました。23,000キロ走っています。12ヶ月点検に出しました。この三連休はできないとのことだったので、18日(火)にまる一日預けてやってもらうことにして、代車を借りました。suzuki のMRワゴンです。 オートマ車なのですが、やっぱり軽自動車はマニュアルがいいなあと思いました。

<おまけのひとこと>
 更新をちょっとためると大変です。






9月18日(火) 角の二等分と格子点(その3)

 ちょっと間があきましたが、角の二等分と格子点の話の続きです。多くの方にとって直観的に明らかかもしれませんが、「任意の格子点がなす角の二等分線が格子点を通るのは当たり前ではない」という例をご紹介しました。というわけで、三辺の長さが[3,4,5]という直角三角形の一番小さい鋭角を二等分した線が(3,1)という座標を通ったり、

 同じく三辺の長さが[5,12,13]という直角三角形ならば、(5,1)という座標を通ったりする

 というのがおもしろいな、と思うのです。この続きを書いておくと、

 と、なります。青い線はいずれも角の二等分線です。高さ3の直角三角形の底角を二等分する線が(3,1)を通り、高さ5の直角三角形の底角を二等分する線は(5,1)を通り、以下同様に、高さ7の直角三角形では(7,1)、高さ9の直角三角形では(9,1)、となっています。面白いと思いませんか? また、この続きがどうなるかわかりますか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 今日の話、私は気がついたときに「面白い!」と思ったのですがいかがでしょうか? これは三角関数にある程度馴染んでいないと納得しにくいというか、面白さが伝わりにくいかなと思います。






9月19日(水) Fujimoto Cube

 Mrtn Directoryさんや、濱中さんの低次元日記で紹介されていた、正方形の折り紙1枚から折る Fujimoto Cube という作品を折ってみました。

 最初はわら半紙のような紙質の裏紙を使って折ってみたのですが、とても面白かったので、手元にあったキラキラの折り紙を使って折ってみました。

図 1

 つるつるして紙の摩擦が小さい用紙で作ると、なかなかきれいにかたちが決まりませんが、面白いです。

図 2

 1枚外してみるとこんな感じです。さらに、中をのぞいてみると

図 3

 うまく写真が撮れませんでしたが、キューブの内側も、すべて用紙の同じ側になっています。シンプルでたいへん美しい構造です。気に入りました。

<おまけのひとこと>
 昨日の続きの話の図や式を用意している時間がないので、以前撮った写真だけの簡単な更新です。






9月20日(木) Fujimoto Cubeを透明折り紙で

 昨日のFujimoto Cube、透明折り紙でも折ってみました。

図 1

 これもやっぱり摩擦が小さくて、きれいに形が決まりません。でも満足しました。



 USBメモリを買いました。

図 2

 SIREN というところの安いもので、たまたま店頭で見た中では容量単価が一番安かったので、これにしました。2GBで購入価格が2979円。webでちょっと調べてみると、もっと安く買えるところもあるようですが、近くのお店で買いたいので、この価格で満足です。

<おまけのひとこと>
 忙しい、忙しいと言いながら時間が過ぎてゆきます。






9月21日(金) 角の二等分と格子点(その4)

 ちょっと別の話題をはさみましたが、格子点を結んでできる角を二等分したときに、その二等分線もまた格子点を通るような例について考えています。火曜日のひとことでご紹介したピタゴラスの数[3,4,5],[5,12,13],[7,24,25],[9,41,42],… というのは、実は06年4月11日あたりでご紹介した、奇数からピタゴラスの数を導くやり方で得られたものです。一般式で書くと以下のようになります。

 最後の式の右辺にa2-b2=(a+b)(a-b) という関係を適用すると、この式が成り立っていることがよくわかると思います。

 さて、というわけで、2n+1から導かれたピタゴラスの数を、下の右側のような直角三角形だとして、角αを図のようにとります。そして、αの半角を計算してみると、このようになります。

 ご覧の通り1/(2n+1)ということになって、αの二等分線が三角形[3,4,5]ならば(3,1)を通り、[5,12,13]ならば(5,1)を通り、[7,24,25]ならば(7,1)を通り、…ということがわかるのです。

 ちなみに、一般の三角形で考えると、角αの半角は次のようになります。

 つまり、斜辺が整数であれば、その半角も格子点を通るのです。私はそんなふうに考えたことはなかったので、とても面白いと思いました。いかがでしょうか?

 このシリーズの話、もう1回だけ続けようと思います。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 数式が多くてすみません。三角関数って便利だなと思っていただけたらと思います。
 今日の午前中は2007年上期(4月〜9月)の仕事の報告会というのがあります。持ち時間が少ないので大変です。(多ければ多いで大変ですが。) 上の子の中学では、今日・明日と文化祭です。吹奏楽のステージ発表は今日の午前中なので、今年は聴けません。確か昨年は土曜日にやってくれたのですが、ちょっと残念です。






9月22日(土) 角の二等分と格子点(その5)

 間を空けつつ書いていた、格子点を結んでできる角を二等分したときに、その二等分線もまた格子点を通るような例についての話の最終回です。

 三角形の角の二等分線といえば、内心を求める操作を連想する方が多いと思います。昨日書いたように、格子点を結んでできるピタゴラス三角形の角の二等分線は格子点を通ります。ということは、今まで内角のうち一番小さな角度の二等分線について注目してきましたが、そのほかの2つの角度の二等分線もまた格子点を通るということです。

 [3,4,5]、[5,12,13]、[7,24,25]、[9,41,42]の4つのピタゴラス三角形の内接円を描いてみました。

 ご覧の通り、内接円の半径は、1,2,3,4…と増えてゆくのです。

 円の中心を揃えて描きなおしてみます。

 いかがでしょうか。面白いと思いませんか?

 この話、有名な話なのかどうか自信がなかったのですが、ろくはロッパの…格子ピタゴラス三角形で、「おもしろい」とコメントいただきました。本当にありがとうございます。私はそこまで一般化して考えてはいませんでした。ありがとうございました。

 この話、そもそものきっかけは、適当に描いた長方形の絵を使って、長方形の長辺を対角線に合わせるように折り紙を折る図を描こうとして、たまたま長方形が4:3だったため、作図してみたらどうやら角の二等分線が格子点を通りそうだ、ということに気がついて、「あれっこれ本当かな」と思って計算を始めてみたら…という経緯だったのです。これに気がついたときにはなんだか嬉しくなってしまいました。

<おまけのひとこと>
 お彼岸で、御住職さんに来ていただきました。






9月23日(日) 山本明彦さん

 以前、kawachoさんにもコメントいただきましたが、今年の春、TOKYO FIBER '07 SENSEWAREというイベントに参加しました。そのときに一緒に仕事をした山本明彦さんという方の作品を紹介しているblogを教えていただきました。こちらです。SENSEWAREの話もこちらにちょっと書かれています。ぜひご覧ください。

<おまけのひとこと>
 でもきっと、こういう立体的な造形物は本物を見ないと「わからない」んだろうなと思います。

 今日23日(日)に、市の「農業祭」というイベントがあって、小学生の綱引き大会というのがあったそうです。下の子がクラスで参加しました。おそろいのTシャツも作って張り切って参加しました。私は別の用事があって応援には行かなかったのですが、参加は21チームで、そのうち8チームが決勝トーナメントに進んだのだそうです。うちの子のチームは予選リーグを勝ち抜いて無事決勝トーナメントに進んで、1回勝って準決勝で負けたそうです。3位決定戦でも負けたそうですが、その相手は同じクラスの別のチームだったそうで、3位のトロフィーを教室に飾れることになったようです。連休明けに学校へ行くのが楽しみのようでよかったです。






9月24日(月) 銀河工房

 先日ご紹介した銀河工房という木のおもちゃの工房の作品ですが、とてもお勧めのものがあるので、明日からいくつかご紹介しようと思います。

 先日、職場の若い同僚から「小さな子供向けのプレゼントで何かお勧めのお店とかありませんか?」と尋ねられたことがあります。とりあえず近場では、ということでボーネルンドのお店とかをちょっと紹介したのですが、よく考えるとこの銀河工房もなかなかよいおもちゃがあるなあと思いました。

<おまけのひとこと>
 ネフ社の木のおもちゃもとてもいいんだけれども、ただ予算が潤沢でないと苦しい、というような話もしました。






9月25日(火) 赤ちゃん積木(その1)

 銀河工房のおもちゃの中でも特にお勧めできるのが、こちらの赤ちゃん積み木というおもちゃです。1つ1つが手作りのため、微妙なバランスと摩擦の関係で、上記のページにある「組み合わせの参考例」が必ずしも作れるとは限らないのですが、いろいろな形を作っているととても楽しいです。

 今日は、とりあえず下の子が最初に作ってくれたパターンを2つほどご紹介します。

 とっても楽しそうに作ってくれて、私としてもうれしかったです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 銀河工房では、自由積み木のシリーズが私は特に好きです。






9月26日(水) 赤ちゃん積木(その2)

 銀河工房赤ちゃん積み木という積み木のご紹介の2回目です。これも下の子が作ってくれたものです。

 なめらかで自然なシルエットのピースと、微妙なバランス感が気持ちがいいです。今日の写真のものは、なんだか頭が下向きで無理な姿勢が多い気がします。と、いうような感想を述べたら、ちょっと改良してくれました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 久しぶりに宿泊の出張があったため、26日の更新が遅くなりました。というわけで二日分まとめて更新しています。(内容は、単に写真を小分けにしているだけで、一日分しかありません。)






9月27日(木) 赤ちゃん積木(その3)

 銀河工房赤ちゃん積み木という積み木のご紹介のつづきです。もうちょっと自然な姿勢を意識してみたら? というようなまったく余計なお世話なコメントをしてみたら、今度はこんな形を作ってくれました。

 かたちも優しいですし、積み木として積んでみて面白いです。細かい部分がないので、欠けたり傷んだりする可能性も低いです。小さな子供にもお勧めな気がします。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 出張で、わずかな空き時間を利用して、また楽譜とか本とかいろいろ仕入れてきました。ちょっと別の話題としてはさみたいと思います。






9月28日(金) 菱形三十面体のサイコロ

 東京に行った帰り、新宿で1時間弱ほど時間が余ったので、南口の東急ハンズに行きました。そうしたら、「サイコロフェア 10月10日まで」というのをやっていたので、多面体系のサイコロのうち、自分が持っていないものをちょっと買ってきました。

 これは菱形三十面体です。美しい形です。大きさは、3.5cm角の立方体にちょうどすっぽり入るくらいの大きさです。球に近いので、よく転がります。止まる直前にゆっくり回転しているときに、よろよろと転がる方向が変わることがあって面白いです。

図 1 図 2
図 3 図 4

 一般的な視点(図1)と、様々な対称軸の方向から見た写真を載せておきます。

<おまけのひとこと>
 このサイコロの確率分布を実験的に調べたら面白いと思います。例えば何百回も投げて出た目の数の統計をとったらどのくらいばらつくのでしょうか?






9月29日(土) 四方六面体のサイコロ

 昨日に続いて、ちょっと変わったサイコロのご紹介です。今日は四方六面体という形のサイコロです。この形についてはThe polyhedra world(多面体の世界)準正多面体のページなどをご覧ください。立方体の各面に背の低い四角錐を貼り付けた形をしています。

図 1 図 2 図 3

 立方体の6つの面に4つずつ三角形ができたので、24面あることになります。貼り付けた四角錐の高さをもう少し高くして、上の写真の[3]と[23]の面、[16]と[17]の面などが同じ面になってしまうと、菱形十二面体になります。

 この形は見るからに立方体の系列の対称性を持った形だ、ということがわかります。

<おまけのひとこと>
 この週末は天気が悪いですね。






9月30日(日) 四面サイコロ

 先日購入したのは、変形サイコロ3種類でした。今日は3つめをご紹介します。4面のサイコロです。

図 1 図 2

 4面というと、普通は正四面体のサイコロというのがあります。これは転がって止まったときに頂点が上になりますから、サイコロとして使おうとすると出た目がちょっと読み取りにくいという欠点があります。

 このかたちは、数字ではなくて[赤][青][黄][緑]の色のサイコロですが、各面は球面状になっていて、図2に見えているように3つの面が合わさるところにくぼみができるので、これが下になって安定します。そのため4つの色の曲面が上になって止まります。

 今回購入してきた3つのサイコロの集合写真を撮ってみました。

図 3

 検索してみると、こんなページがありました。ここに載せた3種類がみんな出ています。

 菱形十二面体のサイコロがあったら、たくさん買って積み上げて遊ぶのに、と思うのですが、十二面サイコロといえば正十二面体があるので、菱形十二面体サイコロは作らないのですね。また、24面体ならば、四方六面体以外にも全ての面が合同な準正多面体の双対多面体がいくつもありますね。でも四方六面体がいちばん作りやすいのでしょうか。



 うちのあたりは田舎なので、GoogleEarthなどで自分の住まいのあたりを見ても、高解像度では表示されなくてあまりおもしろくありません。

 でも、そのかわりに市のホームページに、市内に限って航空写真と地図を見ることができるサービスがあるのです。下の子が少年野球をやっているのですが、その試合のあるグラウンドの場所を調べていて、このサービスでいろいろなところを見ていたら、あっというまに時間が経ってしまいました。

 例えば、このくらいの倍率までは表示が可能です(図4)。

図 4

 下の図5と図6は、このサービス(左)と、google map で表示されるほぼ同じ領域の写真(右)です。解像度がぜんぜん違うのがわかると思います。

図 5 図 6

 同じ領域を同じ大きさにして切り出すのにちょっと苦労しました。

<おまけのひとこと>
 で、結局下の子の野球ですが、昨日の練習も、今日の試合も雨でできなくなってしまいました。試合のほうは延期になるのだと思います。






[←2007年9月前半]  [↑表紙へ]  [2007年10月前半→]

[Home]-[以前のひとこと]-[2007年9月後半]
mailto:hhase@po10.lcv.ne.jp
2001-2007 hhase