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西鹿児島行はやぶさ号に乗る 第1回

はやぶさ号について
(97年11月の旅)

西鹿児島行きの表示

「はやぶさ」に乗車

  「はやぶさ」号は、以前中国路旅行の時に小郡まで使っており、これが2回目。今までは終着の西鹿児島到着が午後3時ということで、なるべく現地での時間を長く使おうという私の旅行の趣旨に反することもあり、この列車を鹿児島行に使うことをためらっていた。うまく列車を乗り継げば、午前中に鹿児島に着く「なは」号が使えたからである。だが、今回ばかりは、この「はやぶさ」号に乗ることがメーンだったので、何のためらいもなく計画が立てられた。

 名古屋までいつものとおりしなの号に乗り、定刻に到着。ここで20数分の待ち合わせののち、「はやぶさ」に乗る。

 ここから1000キロを超える旅路である。乗り込んだ直後は、これが本当に西鹿児島まで行く列車なのだろうか信じられなかった。鹿児島は北海道とほぼ同じくらいの距離にある。当然、飛行機でひとっ飛びというのがだいたいのパターンなのだ。夜行列車はこれが7回目になるが、もちろん最長距離の乗車である。ちなみに純粋に距離だけを計算すれば上野−札幌の「北斗星」の方が長くなるが、所用時間はこの列車が一番である。もっともそれも11月末までの話なのだが・・・。

 名古屋を22時49分に出発した。B個室寝台を確保してあったため、周りの乗客を気にすることなく列車に乗れる。車掌の検札を受け、熊本までの間に西鹿児島行となる1から6号車に乗り移るよう指示された。実はこの個室寝台がある後続車両は、熊本で切り離しとなり、前6両編成で西鹿児島まで向かう。当然のことながら、西鹿児島行がなくなれば切り離し作業を必要なくなる。この作業が熊本で見れるのもラストなのだ。

 岐阜駅を通過したところで、浴衣に着替えて睡眠をとることにする。今回の場合は、明日のほぼ夕方前まで列車に乗っているため、気分的にも「別に無理して寝なくてもいい」と比較的リラックスしていた。まあ、そうはいっても夜は車窓を眺めるというわけにもいかないので、横になりながら列車の揺れに身をまかせていた。

 途中何度か目が覚めたりしていたが、本格的に起きだしたのは柳井駅を通過したころからだ。周りが明るくなってきたので車窓も眺めることができる。寝たり起きたりしながら、次々とやってくる通過駅をぼんやりと眺めていた。夜が明けたにもかかわらず、まだこの列車、本州を走っている。旅はまだまだ長い。

 下松からは立席乗車の乗客が乗ってくる。西鹿児島行の車両となる1から5号車がそれに割り振られたが「3号車はテレビ収録で貸し切りのため、ご乗車できません」とのアナウンスがあった。「テレビ収録?」と私は首を傾げた。いったい何を収録しているのであろうか?。

 防府を通過し、ゆっくりと着替えを始めた。熊本までは個室が確保してあったので、別に浴衣のままでもよかったのだが、下関で下車して駅弁を購入する計画だったため、身支度を整えたというわけだ。

(つづく)
間もなく下関駅です!