戦争の爪あとを巡って>姫路(98年11月訪問)

奇跡的に空襲をまぬがれた国宝

姫路市平和資料館

 世界遺産であり、国宝の姫路城を持つ兵庫県姫路市に、空襲の歴史を伝える平和資料館があるのをご存知でしょうか?。私も姫路に旅行するまで知りませんでした。
  空襲で思い浮かべるのは、東京大空襲くらいなものですが、実は空襲は全国各地を襲い、何と五十五万人の人が犠牲になっているのだそうです。原爆が投下された広島、長崎は、その顕著な例のひとつに過ぎません。この資料館には、さまざまな資料だけでなく、空襲を擬似体験できるコーナーもあります。もちろん本当の空襲は想像を絶する世界なのでしょう。空襲が永遠に擬似体験だけの世界であることを強く望みたいです。

 

 

平和慰霊塔

 平和資料館がある一帯は手柄山公園という高台になっており、近くには水族館もある市民憩いの場です。資料館の脇には平和慰霊塔が設置されています。一見すると奇妙なモニュメントは、刀剣を大地に突き刺した姿をイメージしているそうです。武器の必要がない平和な世の中への願いが込められています。
 そして、この高台からも眺めることができる姫路城。白鷺城の別名を誇る美しい姿。戦時下、この姫路城を空襲から守るために、城全体を黒い網で包み込んだそうです。姫路の人の城に対する思いが感じられるとともに、あの美しい城が黒い網で包まれた姿を想像すると、なんだかとても切ない思いがします。

今の姫路城の写真はこちら

 
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