昔、一刀彫りのキレの鋭い彫刻で牛の置物などを作っていた店もほとんど店を閉めていた。職人が死に絶えたのだと思う。

写真:スイスの一刀彫。昔の作品。

ブ リ エ ン ツ

               2012/05/23

 木材彫刻の専門学校は健在であったが、入口階段においてある木材彫刻は大きな芸術彫刻を狙うもので、これはこれで面白いけれど、大衆受けするものではないから、結論として、ブリエンツの木材彫刻は大量消費の現代に於ける存在価値を見失ったのではないかな、と感じた。

 では皆様、ご機嫌よう。

 だが、雨上がりのブリエンツの町とブリエンツ湖は素晴らしい美しさで、連れはその美しさに圧倒されてしまったようだ。

 ブリエンツにもロートホルンという蒸気機関車による登山電車があるのだが、Rothornも雲の中であった。だから、ブリエンツの街の中を散歩することにした。この町は木材彫刻の町として昔から有名で、スイスの精度の高いオルゴールの箱もここで作られている。だが、Jobinの大きな店は木材彫刻を扱う店舗を閉めてしまっていた。

 昨日の長距離運転でくたくたに疲れて熟睡し、朝目を覚ましたらグリンデルヴァルドは雨もよいだった。雲が垂れ込めて、アイガー北壁も見えず、夜半の雨であたりはすべて濡れていた。

 疲れたので湖畔のカフェでアイスクリームを食べた。アイスクリームの上から熱いチョコレートをかけるものだが、日本にはないから、とても喜んでくれた。

写真:木材彫刻学校

 私は、土産物屋で私の初孫のための木製玩具を買い込んだ。結構大きな玩具だったが、カートンボックスの箱に詰めて貰い、郵便局で日本宛に発送した。エコノミー・クラスで一週間ないし十日ほどかかるということだった。

 これでは登山電車に乗ってもなにも見えないし、連れも「高い山には登りたくない」と仰有るので、登山はやめて山を下り、ブリエンツを見物することにした。