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Canon 5 a 2


5度のカノンです。楽譜にはカノンの先行声部と王の主題が
記されています。王の主題は装飾変形され定旋律となっています。
楽譜の上段に青い音符で主題の原形を示しました。



この曲も謎カノンとなっており、楽譜下段のハ音記号は
後続声部の音の高さを、2小節目の※印は後続声部の入りを示します。
これに従って以下のようなカノンが出来上がります。



このカノンには、さらに独特のアイディアが盛り込まれています。
カノンが一周する間に、属調のさらに属調へと転調するのです。
つまり、一周ごとにハ短調→ニ短調→ホ短調・・・となります。



上の楽譜の上段は、カノンの1周目が終わり、
2週目が始まる部分の主題です。
主題の原形に忠実であれば、楽譜の下段のようになるのですが、
一音上がっていることがわかります。

楽譜にはラテン語で以下のような賛辞が書き添えられています。
Ascendenteque Modulatione ascendat Gloria Regis
(昇り行く調が如く王の栄光高まらんことを)

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