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Canon perpetuus super thema regium


8度のカノンです。王の主題は定旋律として扱われています。
印刷された楽譜にはカノンの先行声部と王の主題、
および記号が書かれており、演奏者は後続する声部を
補う必要があります。こうした表記の仕方は謎カノンと呼ばれ、
いわゆる14のカノン(BWV1087)などにも見られます。
今日の輪唱の表記法に類似しています。



上の楽譜の下段がカノンになる旋律です。ト音記号のあとに
ヘ音記号が書かれていますが、これは後続声部の音の高さを
現しています。また同じく下段の2小節目に書かれた※印は、
後続声部が開始する位置を示しています。
これに従って後続声部を補うと以下のようになります。



上の楽譜に青い音符で示したのが後続声部です。
1小節遅れて15度(8度)下で模倣しています。

対旋律として扱われる主題は、音符の長さが1/2になっているほか、
特に後半が装飾的に変形されています。



なお曲にはリピート記号がつけられており、
後続声部が先行声部をずっと追いかけ続ける形になります。
タイトルのCanon perpetuus(無限カノン)はこのことを表します。
またフェルマータなど終止を表す記号が無いため、
演奏者が終点を考えなければなりません。

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