これを個別に説明すると、
(a) 通常の人間のタイプ
彼らは、この五つのタイプのいずれをも、それはもっともである
と認める。人間は彼の受けた体験で、たったそれだけで、評価判断
を決定する傾向があるので、わけても魂のすべてを巻き込む特殊体
験があった場合、その特殊体験にもとづいて判断を下すのは当然の
ことなのである。
話は変わるが、神秘体験の数は一つではなく、
二つなのだという仮説に立脚する人たちは、唯
心論者あるいは、合理論者と称せられる人たち
が主張する「かたくな」な理論を超えて、「や
わらか」な理論を提示できる権利をもっている。
彼らは人間の提示する人間に関する理論を、
人間が受けた内的経験の履歴によってカテゴラ
イズして、そのどれもがまことにもっともであ
る、と同意するのである。彼らは彼ら独自の人
間性の哲学理論を持たない。彼らが主張するの
は、いままで述べた人間の心の構造と働きかた
だけである。
では、彼らが主張する「体験の履歴によりカ
テゴライズされた理論」とは何か、聞いてみる
こととしよう。
彼らは次のように説明する。
人間の思想は、おおまかに言って、5タイプにわかれる。それは人間の精神が受けた内的体験の履歴によって決定する。
量子力学モデルによってこれを図示すると、
江戸河原崎座上演の
「恋女房染分手綱」の六立目。
片はずしに打掛姿という
御殿女中特有の格好の半四郎が
守り袋を持っている。
……見れば見るほど我が子の与之助、
守り袋も覚えあり、飛びついて懐へ、
抱き入れたく気はせけども、
いいや大事のご奉公……