東大寺戒壇院四天王像

   − 截金

筆者注:

部分的に製作当時の文様が残っているのだから、

これを参考として製作当時の状態に修復すべき
である。

色彩の剥げた状態を古色であるとして賞賛する
人は、
製作者の美意識よりもおのれの美意識を
優先している。鑑賞者にそのような優先権を主
張する権利はない。

また、この状態を維持することにより、剥落は
進行する。
文化財を保存する目的は達成される
ことがない。

画像:

袴下の部分拡大図
袴下には
緑地に斜格子(しゃこうし)文に
菱の八弁花を入れ、
さらに斜線に三角形が互い違いにつく変わり文様。

文章、写真ともに

『日本の美術
6
No.373 截金と彩色
有賀祥隆
文化庁他監修
至文堂 1997

より引用させていただいた。