ポール・ギヨームという人はパリの画商であって、シャイム・スーティンとアメデオ・モディリアーニの後ろ盾となっていた画商らしい。ポール・ギヨームが1934年に亡くなって、彼のコレクションを奥さんのドメニカが遺産として取得し、公開しているらしい。

 大作はないけれど、素晴らしいコレクションで感嘆させられました。

 合計145枚の作品が展示されているのですけれど、素晴らしいなと感じた作品のうちすこしだけピックアップしておきます。

 ポール・ギヨームはアフリカの芸術作品の収集も行ったようですが、会場には見当たらなかったように思います。ベルリンのベルクグリューン美術館でピカソの蒐集品であるベニン旧王国領、人形像浮彫の写真を掲示しておきましたが、この頃、アフリカ芸術に注目が集まったのでしょう。

画像:
シャイム・スーティン(1893-1943)
家並み、1920-1921年頃
カンバス、油
58x92cm

オランジュリー美術館

                        2014/05/21

画像:
アンリ・マティス(ル・カトー 1869 – ニース 1954)
三姉妹
1916-1917年
カンバス、油

画像:
ポール・セザンヌ
(エクサン・プロヴァンス1839 - 1906)

セザンヌ夫人の肖像画
1890年頃
カンバス、油

 思い出しましたが、私がパリを訪ねた5月には閉館中のパリのピカソ美術館が6月に開館する、とピカソ美術館HPにはっきり書いてあったのに、いまだに(10月)開館されていません。これがパリ時間というものなのでしょうが、時間のルーズさにはあきれます。


 では皆様、ご機嫌よう。

画像:
クロード・モネ(パリ 1840 – ジヴェルニー 1926)
アルジャントゥイユ(Argenteuil
1875年
カンバス、油

画像
大きな帽子を被ったポール・ギヨーム夫人
アンドレ・ドラン
1928年頃
92 x 73 cm
オランジュリー美術館、パリ

画像:
モーリス・ユトリロ(パリ 1883 – ダクス 1955)
オルレアン大聖堂
1913年頃
寄せ木合板、油

画像:
シャイム・スーティン(1893-1943)
小さなパティシエ(ケーキ職人)、1922-1923年頃
キャンバス、油

次の説明あり。
「アメリカ人の億万長者アルバート・バーンズ博士の心を捕え、ついにスーティンを極貧状態から抜け出すきっかけを作った作品の類似作品」
注:アルバート・バーンズ博士は1899年、淋病薬硝酸銀を発明した。これにより生じた巨万の富を絵画に使った。Ref:バーンズ・コレクション(The Barnes Foundation)、フィラデルフィア

モネーの睡蓮の大作が鑑賞できることで有名なオランジュリーだが、館内はすべて撮影禁止であるから、ご紹介するわけにはいきません。この日訪ねてみたら

The Jean Walter
and Paul Guillaume
collection
(ジーン・ウオルターとポール・ギヨームコレクション

という展覧会が催されていて、この展覧会(常設?)のなかでは撮影が認められていました。

画像:
パブロ・ピカソ(マラガ 1881 – ムージャン 1973)
タンバリンを持つ女
1925年
カンバス、油

画像:
アメデオ・クレメンテ・モディリアーニ(リボルノ 1884 – パリ 1920)
若い見習
1918 – 1919
カンバス、油

画像:
アンリ・ルソー、通称「ル・ドゥアニエ」(税関吏)(ラヴァル 1844 – パリ 1910)
ジュニエ爺さんの二輪馬車1908年
1911年アンデパンダン展
カンバス、油

画像
画商ポール・ギヨームの肖像画、1916
アメデオ・モディリアーニ1884-1920
市立現代美術館、ミラノ(Civico Museo d'Arte Contemporanea, Milan, Italy)
Oil on canvas, 54 x 81 cm