ルーヴル・エジプト (2)

                          2014/05/16

画像:
ホルス神の彫像
3中間期、前1069-前664
銅含有金属、蝋型鋳
高さ95.5cm、奥行き39cm
·1883年に購入
E 7703

このホルス神のブロンズ製彫像は、かつては高価な素材に覆われていた。腐敗することのない神の肉体を想い起させるように、金の上塗り、あるいは金の化粧張りが施されていた。また、色の付いたガラスやエジプトファイアンスの象嵌細工が駆使され、このような多様な装飾によって、蝋型鋳造で作られた各部分のつなぎ目が隠されていた。銘文は無いものの、技術や様式からこの作品が第3中間期のものであることが分かる。

日本語説明

画像:ラメセス三世の石棺
ラメセス3世の石棺の桶
20王朝、ラメセス3世治世下、前1184-前1153年頃
王家の谷、ラメセス3世の墓(11番)出土
陰刻、彩色の跡あり赤色花崗岩
高さ1.80m、幅1.50m、奥行き3.05m
1826年に旧ソールト・コレクション(Salt collection)から購入
D 1

画像:
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ラメセス2世の巨像
新王国時代、第19王朝、ラメセス2世治世下(前1279-前1213年)
タニス出土
丸彫り、インタリオ、閃緑岩
高さ2.56m、幅0.80m、奥行き1.17
1827年に取得
A 20

この彫像は、ラメセス2世の名が刻まれた玉座についた王を表している。元々は誰の彫像であったかをめぐって、激しい論争が行われた。というのも、冠、顔、胸部、玉座に修正の跡があり、ラムセス2世王が、先代の作品を自分のために再利用したのではないかという憶測が、長い間消えなかったから だ。今日では、67年にもわたるこの偉大なファラオの治世において、単に使用目的を変更するために修正が加えられただけであることがほぼ明らかにされてい る。

日本語解説


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セティ二世の像
紀元前1200-1194年(第19王朝)
砂岩

トリノ博物館に保存されている他一体とともに、カルナックのアモン神殿の第一中庭のなかで小船祭壇入口を囲んでいた。

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トゥトアンクアメン(ツタンカーメン)を守護するアメン神
新王国時代、第18王朝、トゥトアンクアメン(ツタンカーメン)治世下(前1336-前1327年)
カルナク、アメン大神殿出土
閃緑岩
高さ2.2m、幅0.78m、奥行き0.44
購入
E 11609

泳ぐ乙女の形の「化粧スプーン」については日本語解説あり。

画像:
新王国時代、第18王朝末期、前1400-前1300年頃
部分的に彩色されたイナゴマメの木彫刻(丸彫り)長さ34cm、幅7cm
1834年に購入
N 1704

日本語説明

この作例とよく似たスフィンクスが、かつてはサッカラのセラピス神の神殿(セラペウム)の参道に沿って、数百体並べられていた。古代エジ プト末期の巡礼の主要地としてきわめて有名であったこの神殿は、今日では廃墟と化し、地下部分だけが残されている。そこには、ラメセス2世の治世下から作られるようになった、聖なる雄牛アピスの墓がある。マリエットが行なった参道の発掘から、スフィンクスが次々に発見され、神殿のあった場所も判明した。

画像:(展示室内の表示の翻訳は以下。)
アヌケット女神の行列の小船
紀元前1250年頃(第19王朝)
エレファンティーヌ出土
木製、もともとは彩色されていた。

この暗色の閃緑岩で作られた、トゥトアンクアメンを守護するアメン神の大きな彫像は、1857年にカルナクで発見された。アメン神殿の神官の長であった王は、ネコ科の動物の毛皮を身にまとい、守護神アメンと同じ方向を向いて立っている。アメン神は、長い羽が縦に二本並んだ伝統的な被りものを掲げ、顎には三つ編みにされた神のひげをたくわえている。

日本語解説

日本語説明

赤色石灰岩で作られた、カルトゥーシュ(王名が記されている楕円形の枠)の形をしたこの石棺の桶の中には、ファラオ・ラメセス3世の内棺 がいくつか重ねられて入っていた。棺の蓋は、今日ケンブリッジにあるフィッツウィリアム美術館に収蔵されている。外面の装飾は『隠された部屋』の第7 章および第8章を、内面の装飾は『門の書』の第1章を表している。これらの文章の一部は、きわめてぞんざいに刻まれている。

  この写真は足下側(死者が置かれた足側の平らな面)。描かれているのは、翼を広げた大きなイシス女神。

画像:
王の頭部、家具あるいは神の小船の構成部分
紀元前1300-800年頃、新帝国末期あるいは第三中間期
青銅、むかしは多分ラピスラズリで象眼されていた。

画像:
鴨を持って泳ぐ乙女の形の「化粧スプーン」
木、象牙
E218

 じつに興味深い作品の数々で見飽きることがありません

 では皆様、ご機嫌よう。

画像:
スフィンクスの参道
末期王朝時代、第30王朝、ネクタネボ1世の治世下(前378-前361年)またはプトレマイオス朝時代初頭(前305-前246年)
サッカラ、セラペウ
彫刻(丸彫り)、石灰岩
台座の長さ(最大)1.30m、台座の幅(最大)0.43m、高さ(最大)0.74
1852年に発掘の分配分としてエジプト政府から寄贈
N 391

画像:
壺をかつぐ乙女のスプーン
新王国時代、第18王朝末期あるいは第19王朝初期(1350年-前1250)
イナゴマメの木、蓋はギョリュウの木に彫りと青い顔料で彩色(エジプトブルー)
高さ:31.50cm、幅:7cm
1886年、ティエール・コレクションより購入
E 8025 bis

画像:
ツタンカーメン王の財務官マヤの定規
紀元前1336-1327年(第18王朝)
ルーヴル美術館による画像

天井装飾

 じつにスタイリッシュな作品。素晴らしく美しい。

装飾が施された繊細なこのスプーンは、大きさと保存状態において卓越しており、青く塗られた顔料もよく保存されている。輪郭は小さい木の板から切り取り、一方、人物の細部は浅浮彫で表されている。壺をかつぐ召使いを表しているが、壺の部分はスプーン状の入れ物になっていて、壷を模った蓋 が、まだついたまま残っている。この作品は、主題に完璧に一致している。

日本語説明