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以前の「ひとこと」 : 2019年7月後半



7月16日(火) 全ての面が偶数角形の多面体(その2):切隅八面体の頂点を1つおきに結ぶ

 7月6日のひとことで、全ての面が偶数角形の多面体の頂点を、互いに隣接しない2つのグループに分ける話をご紹介しました。例えば立方体ならば、こうなっていました(小さく表示します)。

 では切隅八面体は?という問いかけで「つづく」としてありました。今日はその解説を書きます。



 切隅八面体を2つのグループに分けると、図1のようになります。前回同様、赤と青の小さな球でマークしてみました。

再掲図 図 1

 青のほうに注目してみましょう。このように結んでみます(図2)。 ごちゃごちゃしてわかりにくいので、薄い半透明な面を張ってみます(図3)。

図 2 図 3

 頂点の青い球がちょっと鬱陶しいので描画するのをやめて、面も透過させるのをやめました(図4)。さらに、外側の切隅八面体のフレームも消してみました(図5)。

図 4 図 5

 いかがでしょうか。これは三角形が20枚の二十面体です。もともとの切隅八面体の正六角形の面の頂点を1つおきに結んだ正三角形の面が8つ、鋭角二等辺三角形の面が12あります。小さなgifアニメーションにしてみました(図6)。

図 6

 これは、正二十面体の30本の稜のうちの6本の長さを縮めたかたちになっています。面白いです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 7月後半になりました。このところずっと日照時間が短い日が続いています。昨日は実家にお邪魔して、猫と遊んだり折り紙をしたりピアノを弾いたりしてきました。






7月17日(水) 切隅八面体の頂点を1つおきに結んでできる二十面体(その2)

 昨日、切隅八面体の頂点を1つおきに結ぶと、全部の面が三角形の二十面体ができることをご紹介しました。

 この多面体の稜は2種類の長さがあります。切隅八面体は正方形6面と正六角形8面からできていますが、それぞれの辺の長さを1とすると、今回の二十面体の稜の長さとして、正方形の対角線に由来する√2と、六角形の1つおきの頂点を結ぶ長さである√3です(図1)。

図 1

 では、この操作でできる二十面体を正二十面体にすることはできるでしょうか? 言い換えると、切隅八面体の「頂点の切り落とし方」を変えて、上記の2種類の距離が一致するようにできるでしょうか?

 作図して計算してみました(図2)。

図 2

 もともとの正八面体の頂点を(±1,0,0)、(0,±1,0)、(0,0,±1)として、中心からの距離 p の平面で6つの頂点を切り落とすことを考えます。できた立体の六角形の対角線ABと正方形の対角線BCの距離が等しくなるためには、距離pはどのくらいにすればいいでしょうか? こんな結果になりました。

 pの値は正なので、p=0.618…です。もともとの切隅八面体はp=2/3=0.666…です。



 この値を用いてCGを作ってみました。左が通常の切隅八面体、右が新しく計算したpを用いて作図したものです。

再掲図 1 図 4

再掲図 2 図 5

再掲図 3 図 6

 いかがでしょうか。きれいに正二十面体になっていて気持ちがいいです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日は夕方の会議が遅くまでかかってしまって帰宅が遅かったため、今朝は起きるのが遅くなってしまいました。(起きたら4時を少し過ぎていたのでびっくりしました。) 今日もとても忙しいです。






7月18日(木) 切隅八面体の頂点を1つおきに結んでできる二十面体(その3)

 正八面体の頂点を、1/3のところで切断すると切隅八面体になりました。黄金比で切断すると、頂点を1つおきに結ぶと正二十面体になりました。切断ではなく、新たな頂点を生成すると考えると、1/2よりも大きな値を取ることができます。試してみました。

再掲図 1 図 1 図 2

 図1は立方八面体です。この時点で「全ての面が偶数角形」ではなくなってしまっています。図2、さらに正方形を大きくして、六角形は自己交差ありになっています。

再掲図 2 図 3 図 4

 同様に1つおきに結びます。図3の立方八面体は、2つの頂点が縮退しているとみなしています。図4、これはもはや凸多面体ではありません。

再掲図 3 図 5 図 6

 図5は立方八面体です。正方形の面は2つに分割されていますが…。図6、実はこれは頂点の位置は正二十面体そのものです。正二十面体の隣り合う三角形2枚を外して、鈍角二等辺三角形2枚で置き換えるという操作を、上下左右前後の6カ所で行ったかたちになっています。

 言葉で説明してもわかりにくいので、gifアニメーションにしてみました(図7)。

図 7

 それでもわかりにくいかな…

(つづく)

<おまけのひとこと>
 7月18日(木)は、いつもの時間に更新ができませんでした。19日(金)の午前3時くらいに、18日と19日の2日分の更新をしています。見に来て下さった方、申し訳ありませんでした。






7月19日(金) 切隅八面体の頂点を1つおきに結んでできる二十面体(その4)

 切隅八面体のシリーズ、今日がいったん最終回です。最後に、連続して変化させる様子をご覧いただきます(図1)。

図 1

 切断する位置を0〜1に変化させてゆくと、最初と最後は同じ正八面体になります。なので、なめらかに繰り返し再生することができます。8つの正三角形の面は大きさが変わりながらぐるぐると回転してゆきます。ちょうど中間のところで立方八面体になって、正三角形の面は一番小さくなります。その後は凸ではない多面体になって、最後は正八面体に戻ります。



 先日、実家に行ったときにこんな折り紙の箱を折りました。一枚折りです。

図 2

 山梨明子さんの作品です。両面折り紙の片側が花柄の用紙を使いました。かたちを整えるのがなかなか大変な折り紙でした。

<おまけのひとこと>
 昨日(18日)、いつものように朝は7時過ぎには会社に到着して仕事をしていたので、18時過ぎにはそろそろ帰ろうかと思って準備をしていたら、隣の職場の若手メンバー二人から相談に乗ってほしいと頼まれて、それから2時間半ほど議論をしました。

 こういうのはにこやかに対応すると決めています。難しい相談で、一緒に考えて悩むことしかできませんでしたが、考えを整理して議論するのは楽しかったです。一応、進め方の案はまとまって、彼らの上司に説明できる状態にはなりました。(もちろん私は黒子に徹します。こういうときはいつも、「怒られたら私に相談したと言っていいけど、褒められたら私の名前は出さなくていいからね」と伝えています。)

 帰りは大雨の中、1時間運転して帰りました。雨の高速道路は緊張して疲れます。






7月20日(土) トポロジカル分子ナノカーボン

 すみません、また2日分まとめての更新です。(7/21(日)に、20日と21日の週末の2日分の更新をしています。)



 炭素の結び目、初の合成 〜複雑な幾何学構造をもつナノカーボンへ大きな一歩〜というプレス発表が国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST:Japan Science and Technology Agency)からありました。名古屋大学の伊丹健一郎先生の研究グループの発表です。これがたいへん面白かったので、簡単にご紹介します。

 といっても、上記のプレス発表の記事がたいへん丁寧にわかりやすく解説されているので、そちらを読んでいただければそれで十分なのですが、エッセンスだけを簡単に書いておきます。

 今回合成されたのは、最もシンプルな絡み目(カテナン)であるホップの絡み目(図1)と、自明でない(輪ゴムのようなただの輪っかではない)最もシンプルな結び目である三葉結び目(図2)です。

図 1:ホップの絡み目 図 2:三葉結び目

 これらはベンゼン環がパラ位(ベンゼン環の六角形の一番離れた頂点どうし)で連結された輪っかの構造になっています。炭素原子というのは極めて豊富な結合パターンを持っていて、これらを研究するのが有機化学です。まず、最もシンプルに炭素原子だけから成る分子を考えると、昔は黒鉛(グラファイト)とダイヤモンドの2種類が知られていましたが、ここ数十年でバックミンスターフラーレン(C60)が発見され、カーボンナノチューブが発見され、新素材として活発に研究されています。

 完全に炭素のみで構成される分子でもこのようなバリエーションがあるのですが、素材として次にシンプルなのが炭化水素(hydrocarbon)の仲間です。これは炭素原子と水素原子だけから成る分子の総称で、トポロジカルな構造による分類(鎖状炭化水素と環状炭化水素)や反応性(二重結合や三重結合を持たない飽和炭化水素と、多重結合をもつ不飽和炭化水素)、分子の幾何学構造(脂環式炭化水素や平面的な芳香族炭化水素)など、たいへん面白くて深い世界があります。

 余談ですが、「炭化水素」というと、水素が炭化したもの、という風に解釈できると思います。一酸化炭素や二酸化炭素は炭素が酸化されたもの、です。英語のhydrocarbonは、炭素が「水素化」されたもの、という表現になっていますが、そのほうが正しいと思うのです。いまさら「水化炭素」なんて言えないですが…

 今回の伊丹先生が合成された分子は、最も簡単な芳香族炭化水素であるベンゼンを部品として円環状に連結されています。ベンゼンは極めて安定な共役二重結合系で平面状の正六角形構造をしていますが、これを単結合で連結したポリフェニル系炭化水素は、単結合のまわりで自由に回転することができます。

 ベンゼン環2つによる炭化水素というと、ベンゼンの六角形の一辺を共有しているナフタレン(図3)と、ベンゼンの頂点を単結合で結んだビフェニル(図4)があります。

図 3:ナフタレン 図 4:ビフェニル

 ナフタレンのほうは共役二重結合系が分子全体に広がっていて平面状分子ですが、ビフェニルのほうは共役二重結合系は2つのベンゼン環で完全に分離されており、中央の単結合のまわりに2つの六角形は自由に回転できます。この、ビフェニルの構造が2個、3個、4個…とつながっているものをパラフェニレンと呼びます。さらにそれが円環状に閉じたものをシクロパラフェニレンと言います。(この言葉も上記のプレス発表に出てきます。)

 こういった結合が、分子模型やブロック玩具であれば自由に組み立てられますが、相手がミクロな分子なので、切った貼ったは化学反応によって行わなければなりません。温度や光や圧力などの条件を変え、いろいろな物質を反応させることで何段階ものステップを踏んで目的の分子を合成するのです。このとき、目的の分子だけが100パーセント作られることはまずあり得なくて、例えば置換基の位置が違うところに付いてしまったり、鏡像体ができてしまったりといったことが起こります。

 それらを分離して目指す物質だけを単離し、反応を進めてゆくのです。また、そうやって作った物質の分子構造がどうなっているのか、どんなかたちなのか、意図した構造になっているのかを確かめなければなりません。相手はミクロな分子ですから、もちろん直接「見る」ことはできません。様々な分析手法を用いて推定し、「この構造以外あり得ない」ことを証明します。

 こうして作られた三葉結び目の分子模型が図5だそうです。

図 5

 X線結晶構造解析でこの形状が証明されていること、核磁気共鳴(NMR:医療系で馴染みのあるMRIは、NMR現象を利用して画像化する手法のことです)を用いて、非常に低温な状況でも全ての水素原子の「環境」が同じになっていることが観測されているそうです。これはにわかには信じがたい話で、図5の水素原子(白い球)を見ても、周囲にある他の炭素原子や水素原子との距離、位置関係は異なっているのが容易に見て取れます。ところが水素原子のシグナルはたった1種類しか観測されないというのです。

 これを合理的に説明しようとすると、この三葉結び目を構成するベンゼン環は、結び目のラインに沿って常に高速に位置を変えている、と解釈するのが妥当だということになります。図5の分子が、あたかもベルトコンベアのように動いているイメージです。X線結晶構造解析では分子の運動を見ることはできませんから、プレス発表でも「強く示唆される」と書かれています。

 余談ですが、最初にこのNMRの実験をしたときにこの結果を見た研究者はとても驚いたと思います。「あれ、入れた試料を間違えたかな?」とか「NMRの装置が壊れたか?」とか、ひょっとすると「核磁気共鳴現象の、何らかの知られざる効果を見つけてしまったのかも?(冗談)」とか思ったりしたのではないかなあと想像しました。しかも収率0.3パーセント、0.8ミリグラムしか試料がないのです。合成・単離を最初からやり直したら膨大な時間がかかります。

 「非常に美しい分子を革新的な方法で合成した例として、有機化学の教科書に載る金字塔」と書かれていますが、これは大袈裟でもなんでもなく、本当にその通りだと思います。すばらしい成果です。感動しました。

<おまけのひとこと>
 学生時代に、1ヶ月かけて2kgの材料から数ミリグラムの物質を合成するという有機化学実習をやったことがあります。週5日、毎日13時から夕方まで(場合によっては20時過ぎまで)実験をやるのです。合成のステップで得られる物質はどんどん少なくなってゆきます。途中で失敗して「収率ゼロ」になってしまうと、その先に進めないので、先生の指示で別のチームから分けてもらったりするのです。実習なので、何がどのくらい作れるのかはあらかじめだいたいわかっているのですが、新しい物質の研究ということになると、やってみないとわからない部分が多くなってくるはずです。それはとても苦しくて楽しい仕事だろうなと思います。






7月21日(日) 太陽の塔

 大阪に行く機会があったので、太陽の塔を見てきました。実は本物を見るのは初めてでした。

図 1

 太陽の塔と観覧車(図2)。

図 2

 すごい存在感です(図3)。

図 3

 夜は「黄金の顔」の眼の部分が光るのですね。

図 4

 こうやって近景の上に塔の上部だけが見えていると、改めてなんだか巨大な生き物のようにも思えます。

 EXPO'70、もう半世紀も前なのですね…。 なんというか、ちょっと寂しい感じがしました。この感じは嫌いではありません。寂しい感じがしたのは、万博記念公園が閉園した後の夜と、翌朝6時くらいの早朝の誰もいない時間に散歩したからだとは思うのですが。



 そういえば昔、ロゴマークのこんなコマを持っていたことを思い出しました。

図 5

 なつかしいです。

<おまけのひとこと>
 早朝とはいえ1時間近く歩き回ったらかなり汗をかきました。さすが夏の大阪だと思いました。






7月22日(月) パン屋さんの石畳(その1)

 一週間前の三連休にパン屋さんに行ったときにこんな石畳を見かけたという話を書きました(7月15日のひとこと)。

 これがどんな規則性なのかなあと思って考えてみた結果、理解できたと思ったのでCGを作ってみました(図1)。

再掲図 図 1

 図1の赤枠で示した部分が、上の再掲図の写真のパターンになっています(なっているはず)。一部CG作成をさぼっているので、真っ黒になっている部分がありますが…

 最初は写真とCGのパターンとが合わなくて、少々デバッグしました。「間違い探し」のパズルをやっているみたいでした。プログラミングというのはパズルっぽいよなあと思います。



 せっかく部品ができたので、いろいろなパターンを生成して遊んでみました(図2〜図4)。

図 2 図 3 図 4

 図2は、描画範囲がやや狭いですが図1と同じです。図3と図4は、この描画範囲だとわかりにくいですが周期的なパターンです。

 これがどんな規則で作られているか、わかりますか?

(つづく)



 石畳のパターンを調べていると、いろいろ面白いものがみつかります。この画像はパターンの規則性がかなりわかりやすい部類だと思います。

図 5

 1x1、1x2、2x2の3種類1つずつが基本単位になっています。この3種類1つずつで平面を規則的にタイリングするパターンもいろいろ思い付きますが、図5は1x1どうし、1x2どうしが辺も頂点も共有していないのが美しいと思うのです。

<おまけのひとこと>
 最近また石畳のタイリングパターンにはまっています。今回の図2〜図4のようなパターン、スカーフとか手拭いのデザインにしても面白いかも、と思いました。






7月23日(火) ネットで見かけたタイリングパターン(その1)

 昨日(7/22(月))のお昼休みに個人のスマートフォンから自分のページを見てみたら、土日の2日分の更新のままで、7/22(月)の更新がアップロードされていなくてびっくりしました。昨日22日は午前2時半くらいにその日の分を作って、その後少し眠り直したのですが、夜中に作った時にサーバに転送したつもりになっていました。よもやの3回連続の「2日分の更新」になってしまいました。本当は昨日のパターンの解説を書こうと思っていたのですが、それではつまらないので今日は別のパターンのご紹介にします。



 最近、ネットで石畳の画像を検索してみています。多くは周期性が一目でわかる、パターンとしてはシンプルなものです。でも時々、規則性がにわかにはわからないようなパターンもあって、そういうのが面白いなあと思っています。例えばこんなパターンです(図1)。

図 1

 これは完全に周期的なパターンなのですが、この規則性はわかりますか?

 図2は、上記のパターンとよく似たパターンの平面図です。これも完全に周期的です。図1より少し複雑な周期構造ですが…

図 2

 図3も実際の施工例の写真です。

図 3

 

 色を無視すると、使っているパーツとしては図1と同じです。たぶん図1〜図3の中で、これが一番わかりやすいかなあと思います。この周期性がわかれば、図1、図2の周期性もわかるのではないでしょうか。

(つづく)



 有名な、「星を見つけるパズル」という画像があります(図4)。

図 4

 ランダムなモザイクパターンの中から、星☆のかたちのシルエットを見つけなさい、という問題です。タイルパターンの規則性を読み取れ、というのは、この星のシルエットを探すパズルによく似ているなあと思います。



 「い」「き」「た」「ぬ」「ね」「り」という6つのひらがなを並べ替えて言葉を作りなさい、という小学校の国語のテストがあったのだそうです。ヒントとして「本当は起きています」というクロスワードのカギのような手がかりが与えられていました。この問題の誤答として、「ねたきりいぬ」(寝たきり犬)というのがあったそうです。

<おまけのひとこと>
 昨夜は私としてはかなり遅くに帰宅しました(22時くらい)。普段ならもう寝ている時間です。職場に14時間くらい居て、その前後に車で1時間ずつの通勤というのは疲れます。「おかえりなさい」「…ただいま」 「だいじょうぶ?」「…ああ」 なんて会話をしたのですが、疲れていて私の声が小さくて聞こえなかったらしく、「心配して待っていたのに無視するなんてひどい」と気分を害されてしまいました。そんなつもりはなかったのですが、ごめんなさい。今日も大変です。(今日こそちゃんとサーバに転送します)






7月24日(水) パン屋さんの石畳(その2)

 一昨日のひとことで、パン屋さんの石畳の図を作りました。

 このパターン、実はこんな基本骨格になっています(図1)。

図 1

 アニメーションgifにしてありますが、わかりますでしょうか。



 基本は2×4の「檜垣」のパターンで、そのタイルを図2のようにいくつかに分割したサブパターンを組み合わせて構成しているのが「パン屋さんの石畳」だったのでした。

図 2

 この部品を使うと、こんなサブパターンも使えるはずです(図3)。

図 3

 でも、このサブパターンは発見できませんでした。これらを使ったパターンも作ってみたいと思いました。



 図2の4つのパターンのそれぞれだけを使った「檜垣」を描画してみました(図4〜図6)。ただしパターンCは単なる正方格子ができるだけなのでやりませんでした。

図 4 図 5 図 6

 図4は檜垣そのものです。図5は、文京区の湯島のあたりで歩道に使われていたパターンと同じです(タテヨコの比率は若干違いますが)。図6は、この図だけを最初に見せられたら、これが檜垣の分割パターンだとはすぐに気が付かないような気がします。

(つづく)かも…



 全国の多くの小中学校ではそろそろ夏休みに入るようです。この季節は、毎晩短時間ですが観光用の花火が上げられるところがあります。通勤路の途中で見られる湖畔の花火は、毎晩8時半から15分間打ち上げられています。昨夜はたまたまその時間帯に高速道路のサービスエリア(SA)付近にいたので、SAに入って写真を撮ってみました(図7)。

図 7

 そろそろ梅雨が明けて暑くなってきそうです。

<おまけのひとこと>
 画像ファイルのサイズを小さくしたくてかなり圧縮しているので、品質が少し悪くなっていて申し訳ありません。






7月25日(木) パン屋さんの石畳(その3)

 昨日、下の図のような幅が[1-2-1]のパターンや[1.5-1-1.5]のパターンも2x4の檜垣パターンのサブパターンとして使えるはず、ということを書きました。

再掲図

 これが気になったのでCG化してみました(図1、図2)。

図 1 図 2

 図1の[1-2-1]のほうは目地の十字路ができてしまうのですね。図2の[1.5-1-1.5]のほうは大丈夫なようです。

 この図を見ていたら、こんな連続パターンを思いつきました(図3)。

図 3

 図1や図2が、正方格子から檜垣に移行する途中のパターンになっています。



 先日の出張で、JR中央本線の塩尻駅で中央東線から中央西線の乗り換えをしました。待ち時間が30分以上あったので、駅の中を少しうろうろしました。ホームの南端でそれぞれ中央東線・中央西線のほうに向かって左右に分かれてゆく線路を見ていたら、たまたまどちらからも列車が近づいてきたので写真を撮ってみました(図4)

図 4

 塩尻駅では、線路がちょうど漢字の「人」のかたちになっています。左右の足が中央東線・西線で、北に向かう線路が篠ノ井線です。昔は北に向かう線路が側線だったのですが、今や東線から西線に乗り入れる旅客列車は無く、どちらも松本、もしくはさらにその先の長野方面に向かいます。(一部、松本から大糸線に乗り入れる列車もあります。)

 google map と地理院地図でその付近を眺めてみました(図5、図6)。

図 5 図 6

 googleのほうは東西の連絡線は線路記号になっていませんが、地理院地図のほうは線路記号で描かれていて、線路が三角形になっています。昔はこの東西の連絡線のあたりに塩尻駅の駅舎がありました。

 帰りに中央西線方面から塩尻に戻ってきたとき、この連絡線の部分にE257系(今年の3月まで特急「あずさ」として運用されていた車両)が一編成とまっていました。三角形になっているので、編成の向きを入れ替えるのは簡単ですから、そういった操車に活用されているのかな、と想像しました。

<おまけのひとこと>
 朝5時前から外で仕事をしている人の声が聞こえます。昨日はいつもより遅く、6時15分くらいに家を出たのですが、途中でラジオ体操に向かっていると思われる小学生をたくさん見かけました。夏休みらしいです。私も2日くらい短いお休みを取ろうかなあと思って自分の予定表に「年休予定?」と書いておいたのですが、容赦なく会議が設定され始めて、諦めました。クエスチョンマークが良くなかったか…






7月26日(金) 不等辺六角形と不等辺四角形によるタイリング(その1)

 先日、ネットで見かけたタイリングパターンということでご紹介した2つの画像のパターンの図を作ってみました。左が元画像、右がそのパターンの平面図です。

再掲図 1 図 1

再掲図 2 図 2

 いずれも六角形と四角形の2種類のタイルを並べて作られています。それぞれのパターンの規則性がわかりますか? どちらのパターンのほうが好きですか?

(つづく)



 先週末、大阪に行ったときに大阪環状線の福島駅に停車した列車の窓からこんなタイルの模様が見えたので、写真に撮ってみました(図3)。

図 3

 UFOですね。検索してみたら福島聖天通商店街 - 大阪府というpdfファイルに経緯が簡単に紹介されていました。

<おまけのひとこと>
 こういったタイルのパターンに興味を持ち始めると、それはもう至る所に存在しますから、興味は尽きません。楽しいです。






7月27日(土) いろいろ

 週末なので軽い話題です。昨日の金曜日、急遽出張になりました。主目的は13時からの打合せだったのですが、せっかく東京に行くので午前中はビッグサイトに行くことにしました。

 多面体っぽいものを見るとつい嬉しくなってしまいます。こんな衝突防止用のガードがついたドローンが展示されていました。許可をいただいて写真を撮ってみました。

図 1

 うーむ、これは二十面十二面体の五角形の面を5つの三角形に分割したかたちかな、と思いました。とすると三角形は12×5+20=80個ですね。



 「ゆりかもめ」で豊洲に移動しました。こんな建築物が見えました。いったいこれは何でしょう?(調べればすぐわかりそうですが調べていません。) 内部はかなり暑いのではないかと想像しました。

図 2



 2週間くらい前から、隣家の庭にはみ出している木の枝などを何とかしなければ、と思っていました。今週末は台風が来そうなのですが、今朝(7/27(土))、まだ天気が良かったので朝5時くらいから2時間弱くらい庭仕事をしました。

図 3 図 4

 始める前と作業後の写真です。あんまり違いがわからないかな…。でも白いフェンスがちゃんと見えるようになりました。

<おまけのひとこと>
 台風、被害がないといいのですが。






7月28日(日) 非常階段のカプセルトイ

 「階段」という構造が好きです。本物も好きですし、折り畳める「折り紙建築」で作るのも好きですし、模型や画像も好きです。

 先月だったかの出張のとき、新宿の東急ハンズに寄ったら、非常階段のカプセルトイがあって「面白いなあ」と思ったのです。でもそのときには買いませんでした。その後、地元のお店でもこの非常階段のカプセルトイ(300円でした)を見かけて、2つほど買ってみました。

 マグネット式で、貼り付けて飾るデザインなので、さっそく冷蔵庫に貼ってみました(図1)。無駄に大きな画像ですみません。

図 1

 消火栓や丸椅子などの小物もかわいいです。

 斜めからも見てみました(図2)。

図 2

 カプセルトイなのでどうしてもチープな感じが否めませんが、飾って楽しいです。すでに数週間、貼り付けたままになっています。さすがにこれ以上集めなくてもいいかなと思っています。



 「非常階段」のキーワードで画像を検索してみると、いろいろと素敵な画像が出てきて見飽きませんが、インテリアとしての高級な非常階段の模型(?)というのもあるのですね(図3)。

図 3

ROOMIEのお部屋の壁に非常階段(2015/09/18)という記事に載っていました。オリジナルのFire Escape Shelfのページを見ると、Sold Out(売り切れ)だそうです。

 部屋の壁に取り付けたら素敵だなあと思いますが、でも棚としての実用性は低そうです。これはやっぱり金属で作るのが似合っているなあと思います。値段がぜんぜん違いますが、こちら(図3)を見てしまうと、カプセルトイの成形樹脂製の非常階段はちょっと残念な感じがしないでもないです。

<おまけのひとこと>
 台風6号は熱帯低気圧に変わったようです。朝6時の段階では、茨城県、福島県の海沿いのあたりに強い雨の中心があるようです。うちのあたりは夜中に雨がすごかったです。






7月29日(月) ミニチュア ライフ展 〜田中達也 見立ての世界〜

 松本のデパート井上百貨店の郊外型大規模店舗のアイシティ21で、「ミニチュア ライフ展 〜田中達也 見立ての世界〜」という展示会が7/26(金)〜8/25(日)の約1か月間開催されています。面白そうだったので見に行ってきました。

図 1

 身の回りにある様々なものと、鉄道模型などで使われる小さな人形などを組み合わせたジオラマやその写真の展示がたくさんありました。写真撮影OKということだったので、たくさん写真を撮ってきました。その一部をご紹介します。

 テニスボールを道に見立てた作品(図2)。

図 2

 オカリナ(笛)を潜水艇に見立てた作品(図3)。

図 3

 テープカッターを立食形式のパブのような店舗に見立てた作品(図4)。

図 4

 ブロッコリーを木に見立てて、その木陰でピクニックをしたりくつろいだりする様子(図5、図6)。

図 5

 図5の右手前の木の下の家族のアップです(図6)。

図 6

 なんというか、本格的な鉄道模型のジオラマのようにしっかり作り込んでがっちり固定して創り上げる「作品」というよりは、身の回りにあるちょっとしたものをうまいこと見立てて、その場の思い付きやアドリブで小さな人形をちょこちょこと並べて写真を撮って楽しんで終わり、みたいな雰囲気です。鉄道模型でいうとフロア―運転みたいな、その時の思い付きでちょっとした小物やレイアウトを並べてみて、楽しんだら片付けて終わり、みたいな感じです。

 今のSNSの文化の手法をとんでもなく高いレベルで実現してしまった作品群、という感想を持ちました。写真だけで紹介されている作品、実物と、それを撮影した写真の両方が展示されている作品があるのですが、実物と、それをプロが撮った写真が見比べられるのもとても面白いです。



 この展示会のポスターになっている作品を基にした、会場内で一番大きな展示です(図7)。

図 7

 ジオラマですから、見る視点を変えられるのがいいです。食パンのホームには「ながの」と書かれた駅名標がありました(図8)。

図 8

 ホームで列車に乗り込もうとしている人の列を、今度は横から見てみました(図9)。

図 9

 初日の7月26日には作者であり写真家の田中達也氏が会場にいらしていたそうで、会場の中の数カ所に、こんなイラストとサインが無造作に描かれていました。

図 10

 写真撮影は積極的に推奨してくれていて、トリックアート美術館みたいなコーナーもありました。とても面白かったです。お勧めです。私は朝10時、開店してすぐに入場したので、比較的すいていて写真も撮りやすかったですが、それでも前の方の写真撮影が終わるまで待ってから写真を撮ることがけっこうありました。混雑してくると思うように写真が撮れないかもしれません。

 会場の出口のところに小さなミュージアムショップのコーナーが設けられていて、作品の写真集を1冊買いました。とても楽しかったです。

<おまけのひとこと>
 今日は他の話題を紹介するつもりだったのが、すっかりこの作品展が気に入ってしまったので、このトピックにしました。






7月30日(火) 不等辺六角形と不等辺四角形によるタイリング(その2)

 ぽつぽつと間をあけながらご紹介しているこのタイリングパターンの話の続きです。今日はこのタイルのかたちについてご説明します。

 このパターンは、基本は六角形の格子です。四角形と六角形の2種類のパーツが組み合わさっていますが、この2つで単位となる正六角形1つ分の面積になっています。といっても2つで正六角形になっているわけではありません。図1のように、1つの頂点を原点Oに置いた、1辺の長さが1の正六角形OABCDEを考えます。  正六角形の1辺OEを斜辺とする60°− 30°の直角二等辺三角形OGE(面積は正六角形の1/12です)を切り取って、隣の辺に連結します。新たにできた頂点をHとします。 また、頂点CとDの中点をFとします。

図 1 図 2

 さらに、EGとOFの交点をPとします(図2)。OPを原点を中心に時計回りに120°回転させた点をQとします。図2に青と赤で色付けした四角形と六角形が、このタイリングパターンに登場する2つのパーツになります。

 そして、このペアが3つ組み合わさった三つ葉型が基本形になります(図3)。

図 3

 この前提で、先日のCGに着色をしてみます。

再掲図 1 図 4

再掲図 2 図 5

 いかがでしょうか。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 昨日の午後は雷が鳴って大雨だったようです。梅雨が明けて暑くなってきました。夜、寝るときは暑いのですが明け方はかなり気温が下がって涼しくなります。寝具の調節が難しいですが、最近は歳のせいで夜中に何度か目が覚めるので、そのときにこまめに調節出来て便利ではあります。






7月31日(水) 折り紙の日めくりカレンダー

 先日の出張のとき、新宿で1時間弱くらい空き時間ができたので、洋書専門の紀伊國屋新宿南店(タカシマヤタイムズスクエア)6階のBooks Kinokuniya Tokyoに寄りました。以前は1階から5階も紀伊國屋の本屋さんだったのですが、今はニトリとかになっていて、洋書フロアだけが残っています。

 ちょうど、カレンダーのバーゲンをやっていました。「今年もあと5ヶ月あります!」といって、おそらく元値は1,000円〜2,000円くらいはするであろうカレンダーが400円+税くらいの値段になっていました。

 そんな中に、折り紙(Origami)の日めくりカレンダーがありました(図1、図2)。

図 1 図 2

 日めくりの1日ごとに折り紙の折り図が描かれていて、前の日のページを折り紙用紙として使って折る設定になっています。まれに複数日に渡ってユニットを折ってゆく形式になっているところもありました。

 4月11日(木)のページを開いてみると、長方形から折る紙飛行機(グライダー)の折り図になっていました。前日のページは青海波のパターンです。

図 3

 具象物の簡単な折り紙が多いですし、はさみを使ったり、用紙も正方形でなかったりするものもありますが、なかなか面白いです。もったいないので「折り図集」としてこのまま持っていようかなと思っています。(そのほうが無駄というか、さらにもったいないかもしれませんが。)

 カレンダーのバーゲン、なかなかお勧めだと思います。新宿に行く機会がある方はちょっと寄ってみても面白いのではないかと思います。(私は新宿で時間がちょっとあると、東急ハンズ→紀伊國屋洋書フロアというパターンが多いです。)

<おまけのひとこと>
 このところ朝6時過ぎに家を出て帰宅が21時くらいという日が続いていて、ちょっと疲れています。更新も時間が取れなくて簡単な内容になってしまいました。






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