以前の「ひとこと」 : 2019年1月前半
1月1日(火) モンドリアン・キューブ
2019年になりました。本年もよろしくお願い致します。
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久しぶりにユニット折り紙で作りたい立方体に出合いました。モンドリアン・キューブ(Design by David Mitchell)という作品です。動画を見て自分でも作ってみました。
図 1 図 2 図 3 上の3つの画像は、同じ完成品を向きを変えて撮ったものです。ピエト・モンドリアンのコンポジションという有名な作品がありますが(名前をご存じなくても、見れば「ああ、これ知ってる」と思っていただけると思います)、そこから発想されたすばらしいデザインのユニット折り紙立体作品だと思います。
オリジナルのコンポジションのほうは黒いグリッド線で仕切られた領域が白・赤・青・黄色に塗られているというものですが、モンドリアン・キューブはグリッド線に相当するものはありません。頑張ればそういう折り紙作品を作ることもできるでしょうけれども、グリッドがないのにモンドリアンを連想させるこのキューブのデザインが秀逸だと思うのです。
これは12枚組です。私はユニット折り紙はそんなに好きではなくて、1枚折りのほうが好みです。複雑な構造の多面体ならば1枚折りは難しいので複数を組み合わせるのもやむなしと思うのですが、立方体を作るのに12枚もユニットを折るのは普通ならやりません。でも、この作品に魅了されてしまって、12枚、ユニットを折りました。それだけの手間をかけただけの甲斐のあるものが作れたと思いました。
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自分用に折り図を作ったので載せておきます。特に解説は書きません。
図 4 ユニット折り紙のユニットを折る作業そのものはあまり楽しいと思ったことがないのですが、このユニットに限っては折るのが楽しかったです。特に図4の最後の(14)から(15)を組むところが気持ちがいいのです。
工程の(2)で折る折り幅は適当です。この折り幅は、大・中・小の3種類を4つずつ作ります(図5)。
図 5 私は折り鶴用の7.5cm角の折り紙を6色×2枚用意して図1〜図3のキューブを作りました。黒がなかったので代わりにグレーを使いましたが、黒が入るほうがコントラストがはっきりして美しいと思います。
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動画が公開されているのになぜ手間をかけて折り図を作っているかというと、将来何らかの理由で参照先の動画が閲覧できなくなるのが心配なのです。(図を作る作業そのものが純粋に楽しい、というのもありますけれども。) おそらくこれは古い価値観なのだと思います。昔は、本とかレコードを自分で所有したい、という人は多かったのではないかと思うのです。欲しいものを買い集められる財力や、コレクションを管理・保管するためのスペースやコストをかけられることが前提なので、誰もがコレクターになれるわけではないですけれども、昔は集めて手元に置いておきたいという欲求があったと思います。
今は音楽や動画やテキストなどのコンテンツはネット上にあったり、手元にあったとしてもデジタル化されてスマートフォンとかの機器の中にデータとして入っていて、本とかCDとかの実体物を所有したい、という感覚は薄れてきているのではないかと思います。写真をプリントしなくなった、とか、新聞を購読しなくなった、というのもその一環だと思います。
今の時代は情報やコンテンツがあふれていて、多くの人は特定のコンテンツにそれほど執着がないのかな、どんどん新しいものが出てくるので、お気に入りのコンテンツのデータを手元に置いて、いつでも鑑賞できるようにしたい、という要求は昔に比べると少なくなっているのかな、と思います。単なる想像ですけれども。
<おまけのひとこと>
喪中なのでお正月らしいことは特にやる予定はありません。寒波が来て寒いお休みです。
1月2日(水) カレンダーで紙袋/初日の出を山頂で
元日は朝から初日の出を見に近くの里山に登りました。午後は実家にあいさつに行きました。今日は日記風の更新です。
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先日折った紙袋の折り紙が気に入って、何か長方形の要らない紙があると折ってみています。実家に行ったときに、昨年のカレンダーで折ってもいいよと言われたので折ってみました。
図 1 カレンダーは紙が丈夫なのでとてもしっかりした出来になりました。やや幻想的な雰囲気の水彩画のカレンダーで、それを外側にして折ってみたら、良い感じのものができました。
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元日の初日の出を見に、地元の里山に登りました。自宅から頂上まで、標高差が150mくらい、距離が5km弱くらいです。だいたい1時間で到着しました。昨年の秋から何度か上っているのですが、いつもはほとんど人には会わないのですが、さすが初日の出登山、山頂には100人以上の人がいたと思います。
日の出の時刻はだいたい7時ちょっと前くらいかなと思って調べずに行ったのですが、実際には7時15分過ぎでした。5時45分に家を出て、山頂には6時45分くらいに到着しました。家を出るときに外の温度計が氷点下12度くらいを指していましたので、頂上もだいたいそのくらいかそれより少し低いくらいだったのだろうと思います。
遠く東のほうに富士山が見えました(図2)。
図 2 汗をかかないように息が上がらないように登ったつもりが、少し背中が汗ばんでいて身体が冷えてしまいました。頂上のたき火に当たりながら日の出を待ちました。
30分近く待って、ようやく初日の出を拝むことができました(図3)。
図 3 山の北側から熱気球がのぼってきて、ゆっくりと頭上を越えてゆきました。熱気球のバーナーの「ごおっ」という燃焼音が大きく聞こえるくらい近くを通ってゆきました。
図 4 7時25分には下山を始めて、自宅には8時15分には到着していました。帰りのほうが下りなので早かったです。来年も行かれるといいなと思いました。
<おまけのひとこと>
実家への往復のドライブ中にCDをかけて、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲の10番と14番、15番と16番という2枚を聴きました。昔思っていたよりずっといい曲だなあと思いました。
1月3日(木) かつのうパズル「チーズ」
昨日本屋さんに行ったのですが、パズルコーナーをのぞいてみたらかつのう(活脳パズル)というのが何種類か置いてありました。有名で古典的なパズルが多かったのですが、「チーズ」「ダンサー」は遊んだことがなかったので買ってみました。
最初にかつのう チーズ(ハナヤマ:880円)をやってみたのですが、これがなかなか難しいのです。
5つの黄色い「チーズ」を表すパーツを並べ替えて、青い「ねずみ」を含めて四角い枠の中に収めてくださいというパズルです。パッケージにはチーズ5ピースが枠に収まっているけれども、ねずみのピースを入れることができない状態の写真が大きく描かれています。
図 1 図1、とりあえずねずみを入れてみたのですが、5つ目のチーズが入りません。
これは並べ替えることで隙間ができたり消えたりする(ように思える)系列のパズルです。こんな例が有名だと思います(図2)。
図 2 「横が13、高さが5の直角三角形を図2上のように4つに分割して、下のように並べ替えると、なんと単位正方形1つ分の面積が減ってしまう」というトリックです。検索してみると情報がたくさんあると思うので特に解説はしませんが、フィボナッチ数列との関連が興味深いです。
…というわけで「このパターンは知ってる」と思って、このパズル、正直甘く見ていました。ところが30分以上真剣に考えたのにできません。いったん諦めて、「ダンサー」にチャレンジしていた息子に渡しました。そのタイミングで妻が「ダンサー」を始めたので、私は別のことを始めました。
2〜30分経ったところで息子がちょっと休憩するといって「チーズ」を手放したので、私が再度チャレンジしてみたところ、ようやく解くことができました。感動しました。パッケージには「チーズに空いた丸い穴のトリックに惑わされないよう、先入観を捨ててチャレンジしてみてください」と書かれていますが、答にたどり着いてようやくその真の意味が理解できました。 その後、息子も自力で解いていました。 「このパズルはすごいね!」と言い合えるのは幸せです。
これは本当にすばらしいデザインのパズルです。お勧めです。
(つづく) ○
昨日(1月2日)は朝から雪が降って、2〜3cmくらい積もったのですが、お昼前には晴れてだいぶ雪も融けました。夕方、窓の外から小鳥のさえずりがたくさん聞こえてきたので窓から外を見ると、家のすぐわきに植えてある白樫の木に、スズメの群れが来ていました。
図 3 この写真にはスズメが何羽写っているでしょうか?
一応答を用意しました(図4)。
・
・
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ちょっとだけ間をあけます
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・
・
スズメを赤丸 ○ で囲ってみました(図4)。
図 4 庭の木に小鳥が来てくれるのは嬉しいです。でも、車が鳥のフンで汚れてしまうのが困ったものです。
<おまけのひとこと>
昨年の暮れに本屋さんで買い物をしたときに「福引券」を貰っていました。昨日、息子が引いたところ、なんとB賞(二等賞)の図書カード1,000円分が当たりました。嬉しいです。
1月4日(金) かつのうパズル「ダンサー」
ハナヤマのかつのう(活脳パズル)シリーズのご紹介の2日目です。今日はかつのう ダンサーのご紹介です。
左が「ダンサー」、右が昨日の「チーズ」のパッケージです。
図 1 パーツは5ピースあって、そのうちのどの4つを選んでもはみ出さず重ならずに枠に収めることができるというパズルです。これもなかなか難しいパズルで、そもそも3ピースをはみ出さずに入れるだけでもけっこう大変です。
3ピースがようやく入って、4つ目を入れてみようとしているのですがうまく入りません(図2)。
図 2 このような箱詰めタイプのパズルは、昔は全く隙間ができないタイプのものしか無かった気がします。私が「隙間ができる箱詰めパズル」として印象に残っているのがEdi Nagata氏のペンシルケースやアローケースパズルです。(リンク先には考案者自身が公開して下さっている自作用の図面があります。)
従来の隙間がないタイプのパズルならば、隙間ができてしまった時点でそのピースの置き方が間違っているということがすぐにわかるのですが、隙間ができるパズルの場合は、ピースを置いた時点ではそれが正しいのか間違っているのかはわからない、というところが辛いところです。
このパズルは5ピースのうち任意の4ピースを収めることができるということなので、全部で5つの問題がある、と考えることもできます。でも最初は使うピースを決めてしまわないで、「どれでもいいので4ピースをはめる」ことを目指すのが良いのではないかと思います。
結果を記録するために図を作ってみました(図3)。
図 3 ピースを見分けるためのマークも含めて本物に合わせてみました。(実はこの図を掲載する直前に、腕の長さが1つ間違っているピースがあることに気が付いて修正しました。) 解を記録するためにはピースの色が同じだと面倒なので、記録用に色を変えたバージョンの図も用意しました(図4)。
図 4 枠は単位正方形が15×15の寸法です。いずれのピースもタテヨコは8〜10単位分の長さがあるので、凹凸をうまく噛み合わせなければ15×15単位には入りません。
1月2日の午後に買って来て、その日のうちに2つの答がみつかって、翌日の3日の午前中に残りの3つが見つかりました。息子も1パターンを解いていました。こういうパズルは楽しいです。
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昨日(1月3日)はお昼過ぎから諏訪大社の上社本宮まで自宅から歩いてみました。単に最短距離を行くのではなくて、三角形の2辺を通るようなルートで行くことにしました。
途中、諏訪湖にそそぐ上川を渡る車橋という橋の上から富士山が見えました(図5)。昔、この近くに住んでいたことがあったのですが、この橋の上から富士山が見えるということに気が付いていませんでした。
図 5 まっすぐ行けば8.5kmくらいなので2時間もかからないのですが、遠回りして12kmくらい歩いたので、2時間15分くらいかかりました。
図 6 上社本宮は3が日の初詣でかなり混雑していました。
<おまけのひとこと>
今日は少し更新が遅くなりました。
1月5日(土) すずめ雀
昨年末に買ったすずめ雀、最初は妻と二人でやってみて、息子が帰ってきたときに3人でもやってみました。
こちらのhttps://bodoge.hoobby.net/のサイトのすずめ雀のレビューのページにはたくさんのコメントや感想が載っていて、参考になります。
図1、最初に二人でやっていたときの画像です。二人だと全体の牌のうちの半分は自分が引くことになるので、それなりに高い手ができることもあります。最初に中と発が2枚ずつあったので、麻雀で言う字一色、字牌のみの手を狙ってみたところです。
図 1 なかなか手が進みませんでしたが、これは結局ロン上がりしました。
図2、これも二人でやっていたときの画像で、親の第一捨牌で上がったところです。このときには配牌がとても良くて、あと1つで全部が赤牌になるところでした。
図 2 本家の複雑な麻雀ではこんなことはめったに起こりませんが、こんな派手な手もそう珍しくなく完成するのが楽しいです。麻雀未経験者でも麻雀のエッセンスを楽しめる、とても良くできたゲームだと思いました。お勧めです。
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昨日、息子が帰省からUターンするときの「おみやげ」を買いに原村のほうに行ったのですが、途中でたてしな自由農園に寄りました。パン屋さんのお店の中から八ヶ岳がとてもきれいに見えました。
図 3 これは阿弥陀岳(2,805m)です。地理院地図の3Dビューで視点を合わせて画像を作ってみました(図4)。空の色だけは後から着色しています。
図 4 八ヶ岳最高峰の赤岳(2,899m)はちょうど阿弥陀岳の向こう側に隠れて見えません。
もうちょっと広い範囲の3Dビューの画像も作ったので載せておきます。
図 5 実際には近景の建物や樹木などがあって、こんなに広々とは見えませんが、山の稜線は正確に再現されていて楽しいです。
<おまけのひとこと>
長かった年末年始休みもそろそろおしまいです。
1月6日(日) カルカソンヌ
このお正月休みに、有名なボードゲームの「カルカソンヌ」を初めて家族3人でやってみました。https://bodoge.hoobby.net/のカルカソンヌのページにレビューがたくさん載っています。大変有名なボードゲームで、大会も開かれているそうです。
下の写真はすべてのタイルをプレイし終わって、これから終了時の採点を始めるところです。このお休み中に5回ほどプレイしてみたのですが、その最後の回のものです。
図 1 このゲームは3人とも初めてで、教えてくれる人もだれもいないという状態でルールを読みながらやってみたので、実は初めてのプレイのときにはルールを誤解してやっていました。
盤面が図2の左のような状態で、黄色のプレーヤーが引いたタイルが図2の右だったとします。
図 2 このとき、引いたタイルの城塞都市のところに自分の(黄色の)ミープルを載せて(図3)、完成直前の赤の城塞都市に連結することができる(図4)と誤解したのです。
図 3
図 4 これを認めてしまうと、まるで違った戦略のゲームになってしまいました。(ということが後でわかりました。)
これは楽しいゲームですね。お勧めです。
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昨日の午後の臨時列車で息子は東京に戻りました。次のボードゲーム3人プレイはとうぶん先になりそうです。
<おまけのひとこと>
図 5
昨日は毎年楽しみにしているニコリの漢字抜け熟語パズルをやりました。1時間半ほど、たっぷり楽しませていただきました。いくつか知らない言葉があって、この機会にそういう言葉を調べたりするのが楽しいです。
1月7日(月) 立方体の頂点を凹ませた一枚折りの折り紙(その1)
こんな折り紙を折ってみました。
図 1 昨年末、表に折り筋がつかない一枚折りの立方体を折ってみたというご紹介をしましたが(図2)、
図 2 この変形バージョンです。やっていることはデザイン上は簡単で、立方体の1つの頂点を内側に折り込んだかたちをしています。ただ、きれいに折るのはそれなりに大変です。(あまりきれいに折れていません…)
図 3 立方体の1辺の長さは折り紙の用紙の4分の1です。床に立方体が刺さっているようにも見えて面白いです。紙に弾力があるので、積み重ねた状態はあまり安定していません。たくさん作ってもっと積み重ねたり、輪にしたりしても面白そうですが、その場合は接着しないと安定しなさそうです。
(つづく) ○
図書館で「廃道を歩く」(石井あつこ:洋泉社)という本が新刊で入っていたので借りてきました。古い隧道に入ってみるといのはやめたほうがいいと思いますが、新旧の地図を見比べながら現地に行ってみる、というのはとても楽しそうです。
こちらの著者の方のブログも面白そうなので、読ませていただこうと思いました。
<おまけのひとこと>
結局、今年の年末年始休みに一番やったのは折り紙でした。図1のピンク色のくぼみのある一枚折りの立方体2つは、今年の年が明けた直後の元日の午前零時過ぎに折ったものです。
1月8日(火) 立方体の頂点を凹ませた一枚折りの折り紙(その2)
昨日の、立方体の1つの頂点を凹ませた一枚折りの折り紙ですが、展開図を載せておきたいと思います。最初に凹んでいない立方体です(図1)。赤い点線が谷折、青い一点鎖線が山折で、これは用紙の裏側、立方体の内側になる面から見ているところです。完成した立方体の外側の面になる部分に色を付けています。立方体の表面に余計な折り線が残らないのが美しいです。
図 1 これは先日ご紹介した動画にある折り方そのものですが、私がこの折り方を知ったのは「折り紙と数学のひろば」(堀井洋子:日本評論社(2004年))です。この本はとても素晴らしい本ですが、今は入手が困難なようです。 (著者の堀井洋子さんのプロフィールを拝見すると、私の両親よりやや年上の世代の方のようです。)
堀井さんの本の中にも、図1の立方体を基本として、立方体を様々な面で切ったモデルの折り方が紹介されています。昨日ご紹介した、1つの頂点を三角錐型にくぼませるのは、正方形の折り紙の用紙の中央に、図2のようのな折り線を加えることで実現できます。
図 2 実際に折ってみた途中図です(図3)。
図 3 さらに、立方体の切り口を不等辺三角形になるようにしてみました(図4)。
図 4 図3と同様にくぼみのところまで折ってみたところです(図5)。
図 5 完成したくぼんだ立方体です(図6)。
図 6 視点を思い切り下げて撮影してみました(図7)。この視点から見ると、立方体が「床に刺さっている」感じが強くなると思うのですがいかがでしょうか。面白い折り紙作品だと思います。
<おまけのひとこと>
図 7
この年末年始休みには珍しくマンガ(コミック)の単行本を何冊か買ったのですが、吉田秋生の「海街ダイアリー9巻(最終巻)」が良かったです。
1月9日(水) 立方体の頂点を凹ませたかたちの連結(その1)
立方体の1つの頂点を、他の立方体の頂点がちょうどぴったりはまるように凹ませるかたちを折り紙で折ってみていました。このかたちを複数作って組み合わせたら何かおもしろいかたちができないでしょうか?
たくさん作るのも大変なので、CGで少し実験してみることにしました。まずは3つ、まっすぐつないでみます(図1)。
図 1 凹ませた部分を再現すると煩雑になるので、単に切り落とした図にすることにしました。図1では最初の立方体を直交座標系の軸に合わせて置いてありますので、3つの立方体は斜めに伸びています。連結方向が鉛直になるようにしてみました(図2)。
図 2 1つの立方体の複数の頂点に連結したらどうなるでしょうか? 隣り合う頂点に連結すると立方体どうしが干渉してしまうので、1つおきにつないでみました(図3)。
図 3 中心の立方体から伸びる4本の枝の先端を結ぶと正四面体になっています(図4)。
図 4 これは炭素原子の構造ですね。ということはダイヤモンド格子を基本とする、いろいろな構造を作ることができるはずです。ただし「凹みが1つだけ」の立方体だけだと作れる構造は限られます。どんなかたちを作ったらきれいだろう? と考え始めました。
(つづく) <おまけのひとこと>
平日はなかなか時間が取れないです。年末年始休みに作り溜めたコンテンツを少しずつご紹介します。
1月10日(木) 立方体の頂点を凹ませたかたちの連結(その2)
折り紙で作った立方体の1つの頂点を凹ませたかたちをブロックのように組むことを考えてみています(再掲図)。
再掲図 立方体の頂点は8つありますが、そのうちの1つを凹ませていますので、凹のジョイントが1つ、凸のジョイントが7つあるブロックだ、と考えることができます。組み方としては一列に伸ばしていったり、どんどん枝分かれさせていったりすることはできそうです。
最初に作ってみたいなと思ったのはリング(輪っか)です。こんなCGを作ってみました(図1)。
図 1 全部で12個のユニットを用いています。このCGでは面を半透過にしています。水色のユニットが頂点になった、六員環の構造になっています。いわゆるシクロヘキサンの構造です。
図1のCGを作るのに先立って、位置関係を確認するためにこんな検討をしました(図2、図3)。
図 2 図 3 このジョイントが伸びてゆく方向は立方体の対角線の方向になります。普通の三次元空間の直交座標系において、立方体の対角線方向を単位としてリング(輪っか)を作るにはどうすればよいか、というのを考えたのが図2で、その頂点に立方体を配置してみたのが図3です。
この構造の美しさ、面白さはこのような図からはなかなかイメージするのが難しいだろうなと思います。丸善のHGS分子模型セットというのが大きな本屋さんとかで売っていますが、これで作ってみるとシクロヘキサンというのがどういう構造のものなのかよくわかります。
図 4:放課後化学講義室より 図4は放課後化学講義室というblogから借用させていただきました。残念ながら私は分子模型キットを持っていないのです。昔から「いずれは欲しいな」とは思っているのですが、欲しいものの優先順位としてはあまり高くないので、現物を手に取ってみると、「まあ買わなくていいか」と思ってしまうのです。
もう一度、凹んだ立方体12個の輪っかのCGを、今度は一般的な視点から見たものを載せておきます。今度は面は不透過にしました。
図 5 これを12個のユニットを折り紙で折って組んで作ってみたとしたら、まず接着が必要になりますし、おそらく精度が出なくて全体の構造もしっかり安定しないだろうな、と想像ができます。これはまあCGを作ったのでそれでいいかな、という気持ちになっています。
(つづく) <おまけのひとこと>
図1や図2のCGを作るのは意外と時間がかかりましたが、楽しい作業でした。図1のCGが作れて満足です。
1月11日(金) 正八面体を少し圧縮する(その1)
今日は少し違う話題です。
5つの正多面体のうち、CGを描いたり体積を計算したりするのが一番簡単なのは立方体ですが、次に簡単なのは正八面体です。
正四面体 立方体 正八面体 正十二面体 正二十面体 正八面体は、3次元空間の直交座標系のx軸、y軸、z軸の±1の6つの点を頂点として描くことができるので(図1)、描画も体積計算も簡単です。
図 1 正八面体を、1つの面が床に接するような向きに置いてみます(図2)。
図 2 これを鉛直方向に圧縮することを考えてみます(図3、図4)。
図 3
図 4 上下の正三角形の面は変わりませんが、反三角柱の側面の6枚の二等辺三角形の頂角が、最初は60度なのがどんどん大きくなっていって、最後に120度になったところで真っ平になって体積がゼロになって終わります。
このプロセスの途中で、側面の二等辺三角形が直角二等辺三角形になるところがあるはずです。図3はその段階の図のつもりです。これはどんなかたちでしょうか? 正八面体と同じくらい簡単に(暗算レベルで)体積を求める方法があるのですが、わかりますか?
(つづく) <おまけのひとこと>
年末年始開けの最初の週、いきなり仕事がハードです。週末が楽しみです。
1月12日(土) 正八面体を少し圧縮する(その2)
昨日、正八面体を正三角反柱だとみなして、その高さを低くして側面の正三角形が直角二等辺三角形になるまで圧縮したらどんな立体になるでしょうかという話を書きました。今日はその解説を書きます。
これはまあそんなにもったいぶる話でもないのですぐに書いてしまいますが、これは立方体の向かい合う2頂点の三角錐を切り落としたかたちなのです。
図 1 図 2 もとになる立方体の1辺の長さを1とすると、切り落としている2つの三角錐の体積はそれぞれ1/6ですから、この立体の体積は2/3ということになります。
図 3 この八面体は、正三角形の面を連結してゆくことで、側面が直角二等辺三角形だけで構成される塔のようなかたちにすることができます。
図 4 まあこれはCGを作れば現物は作らなくてもいいかなと思いました。ランプシェードとかにしたらきれいかもしれません。
(つづく) ○
「立方体 連結」で検索してみると、ジグザグ立方体(堀内正和:1974年)という作品が栃木県立美術館にあるのだそうです。
図 5 機会があったら現物を見てみたいです。水戸芸術館のタワーと一緒に見に行くツアーを計画しようかな…
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ジグザグ立方体については、かかしさんの窓というblogに情報がありました。展開図が素直になる、というのは納得です。
<おまけのひとこと>
お休みなのでのんびりした更新です。
1月13日(日) ジグザグ立方体
栃木県立美術館にあるという「ジグザグ立方体」の模型を作ってみることにしました。
最初に、A4の用紙の短い辺(210mm)を4等分した長さを単位とした正方形の格子を折って、適当に対角線の折り線を加えて1枚の長方形の用紙から折り出してみました(図1)。
図 1 一応それらしいかたちにはなりましたが、実はこのかたち、1箇所接着することでかろうじてかたちを保っています。不本意な設計です。
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いったん1枚で折るのは棚上げして、立方体3ユニットを接続することを考えてみました。これも接着が必要になってしまいますが…
先日からご紹介している正方形から立方体を折る手法で、3つのユニットを用意しました。1つはくぼみの無い立方体、2つは頂点を凹ませた立方体です(図2)。
図 2 これを連結します。対称性を考えて、くぼみの無い立方体は中央に配置することにしました(図3)。端に配置することももちろん可能です。
図 3 軽く接着しました(図4)。
図 4 面白い、美しいかたちだと思います。1枚の折り紙で折れないのであれば、ペーパークラフトの手法や面を連結した帯を編む手法などで作ったほうが仕上がりがきれいになると思いました。やってみるかもしれません。
(つづく) <おまけのひとこと>
昨日は地区の子供たちがどんど焼きのわら集めに来ました。今日は幟建てです。
1月14日(月) 立方体4つの複合体
先日、立方体の1つの頂点を、稜の1/2の点を結ぶ小さな正三角形で切り落としたものを4つ、正方形の頂点に配置するかたちのCGをご紹介しました(再掲図)。この切り欠きを大きくして、稜を完全に取り去るところまで切り落としたものを昨日ご紹介しましたが、そのユニット4つを同様に配置すると図1のようになります。
再掲図 図 1 真ん中の立方体は完全に隠れますので、これを取り除いたCGを作ってみました。上下2つずつを別な画像にしてみました(図2、図3)。
図 2 図 3 図4が4つの立方体の複合です。おもしろいかたちだと思います。
図 4 図 5 図5は、正方形の面を敢えて直角二等辺三角形に分割してみたものです。この立体全体で、直角二等辺三角形は36枚あります。(1つの立方体は6つの正方形の面がありますから、直角二等辺三角形に分割すると12枚になります。そのうち、頂点を切り落としたことで3枚減って、1つの切り落とし立方体は9枚の面を持ちます。それが4個あるので36枚です。)
この36枚の直角二等辺三角形を全て正三角形に置き換えたら、いったいどんなかたちになるでしょうか?
(つづく) <おまけのひとこと>
昨日は地区の新年会でした。昼間から飲みすぎました。
1月15日(火) 四角錐・五角錐の折り紙、他
過去のページの最下段の日なので、その他の話題が主な更新にします。
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最近、折り紙の折り方を説明している動画を見て真似をして折ってみています。自分なりにアレンジを加えてみたりしています。こちらのOrigami Pyramidというのを作ってみました。これは正八角形を作って、その8つの辺を1つおきに内側に折り畳むことで四角錐をつくる、というとてもシンプルな設計です。そのうちの1辺を折り込むのをやめて、五角錐にしてみました。
また、こちらのEasy Seamless Pyramidを作ってみました。これは外側に余計な折り線が残らない折り方で、なかなか美しいです。
この2つの写真を撮ってみました(図1、図2)。
図 1
図 2 いずれも底はふさがっていない設計の折り紙です。シンプルできれいだと思います。
写真は撮り忘れていますが、こちらのちゃんと底のある四角錐も折ってみました。これも側面には余計な折り線はありません。底がちゃんとふさがっているぶんだけ折るのは大変です。でも、完成品を置いてみた時のまとまりの良いのは底が無い設計のものでした。
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先週末のお休みの日に、上諏訪駅付近から立石公園の近くまで歩いてみました。ちょっと検索してみると、【信州撮影の旅】徒歩で行く諏訪湖・立石公園の夜景『君の名は。』聖地巡礼とか、君の名は。の聖地、上諏訪駅・立石公園へ徒歩で行ってみたといった、ブログがありました。
このあたりは土地勘があるので適当に歩こうと思ってあまり調べないで行ったのです。そうしたら上りでも下りでも行き止まりの道に入り込んでしまって引き返したりしたため、結局公園までは行きませんでした。でも歩くことが目的なのでそれでいいのです。
私は階段が好きで、階段になっている細い徒歩の道を見ると行ってみたくなります。このあたりは斜面の上のほうまで住宅地が続いているので、徒歩の道が整備されていて楽しいです。でも、中には「危険!通行禁止」なんていうところもありました(図3)。迷惑をかけてはいけないので、もちろんこういうところには行きません。
図 3 住宅の間を縫うような階段道を上って、振り返ってみたところです(図4)。こんな楽しいところが至る所にあります。
図 4 眺望はすばらしいですが、家の前まで車を乗り付けられないのは、特に歳を取ると日々の生活の中ではちょっと厳しいかなあという気もします。
いろいろな脇道などを歩いてみたりしていたら、諏訪湖畔のお店での妻との昼食の約束に遅れそうだったので、公園の手前で引き返すことにしました。下る途中、行きたい方向に向かっている竹やぶを切り開いた道があったので、そちらのほうに下ってみました(図5)。
図 5 お墓や石塔などがぽつりぽつりとある道だったのですが、そういったお墓の1つで大きな鹿2頭に出くわして、びっくりしました。彼らも驚いたようで、あっという間に藪の中に飛び込んで行きました。結局この道は行き止まりで、分岐点までもう一度この道を登りました。
最後に、長い直線の階段を下りました(図6)。正確には、写真中央付近の白い物置のようなところに児童公園があるのですが、写真右手のほうからの道がその児童公園に繋がっていて、そこから下ってきました。
図 6 歩行距離にして片道2km弱、標高差が200mくらいの1時間程度のウォーキングでしたが、楽しかったです。
<おまけのひとこと>
あんまり歳を取る前に、尾道とか長崎とか、坂が多くて有名な街を歩いてみたいなあと思っています。