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以前の「ひとこと」 : 2018年4月後半























4月26日(木) 合同な二等辺三角形24枚による穴あき多面体

 4月12日(木)の夜、妻の母が亡くなりました。職場のほうも何日かお休みをいただきました。このサイトの更新も、当初は1週間くらいお休みしようかなと思っていたのですが、仕事の挽回も忙しかったりして、しばらく間があいてしまいました。そうこうするうちに、連休になってしまいました。更新を再開しようと思います。



 前回までの更新で、正二十面体を基にした穴あき多面体のご紹介をしてきました。三角形の寸法を調整してやることで、全部の三角形を合同にできます、という話と、パーツの展開図をご紹介しました。今回の更新では、それを実際に組み立てた写真をご覧いただこうと思います。

図 1

 図1は、実際にパーツをA4用紙に入るように設計して、印刷して切り出したところです。「のりしろ」を写真のようにつけてみました。図1の左の三角形6枚の部分が「穴あき多面体」の穴の部分になるところで、これを最初に組み立てます。後は右側のパーツを順に貼ってゆきます。

図 2 図 3

 図2、図3は完成した模型の写真です。これもまたなかなか面白いかたちだと思うのですがいかがでしょうか。

<おまけのひとこと>
 4月29日(日)の朝に、4/26〜4/28の3日分の更新をしています。

 職場をお休みしている間に、居室のレイアウト変更があって、自分の机を運んでもらってしまいました。忌引のお休みに入ることになって、帰宅前に慌てて荷物の整理をしたのですが、結局ほとんど机の引き出しに押し込んで帰らざるを得ませんでした。とても重かったと思います。運んでくれた人(たぶん若手メンバー)に感謝とお詫びの気持ちでいっぱいです。






4月27日(金) デザインナイフ

 このサイトでたくさんご紹介している多面体などのペーパーモデルは、その大部分はパーツを手作業で切り出しています。使っているのはオルファのデザインナイフなのですが、まとめ買いしてあった替え刃がついになくなってしまって、探してみたのですがぴったりのものがみつかりません。(探し方が甘いのかもしれません。)

 先日、2月だったかの出張の帰りに、帰りの列車まで30分ほど時間があったので、新宿で東急ハンズに寄ってデザインナイフを探してみました。

図 1

 結局、本体(軸)から買い直すことにしました。色はやっぱり黄色がしっくり来るので黄色を選びました。今回も替え刃をいくつも買いました。これで一生持つかなと思います。(前回買ったのは40年以上前です。)

 道具が新しくなるとなんとなく嬉しくて、試してみたくなります。精密なカッティングといえばこれだよね、というのをさっそくやってみました。

図 2

 手暗がりにならないように低い位置から照明を当てて、カッティング作業をしてみました。私は、こういうカッティング作業のときには、カットする紙を移動する回数をできるだけ少なくしたくて、同じ角度のカットラインを全部切ってゆく、というやり方が好みです。この図案の場合、基本は5つの角度の線の組み合わせになっているので、カットする紙の角度を変えるのは基本は5回です。ただし紙の端のほうになると、紙全体を180度回転させることもあります。

 図2のパターンの場合、カットして残す部分の幅は2mmよりも狭いと思います。1箇所のミスもなくカットできると気持ちがいいです。でも本当は、レーザカッターやカッティングプロッタを使うべきだと思うのですが。

 出来上がったものをクリアフォルダにはさんで、窓に立てかけてみました。

図 3

 五角形の星、十角形の星を使ったパターンですが、模様そのものは長方形を基調としたシンプルな対称性です。

<おまけのひとこと>
 おそらくだんだんこういったものを作るのも億劫になっていくのだろうな、と思います。私はありがたいことにまだ細かい文字を読むのは苦にならないのですが、職場の同世代の多くは、小さな文字はもうダメ、という感じです。






4月28日(土) Signpost(その2)

 あいかわらず、Simon Tatham's Portable Puzzle Collectionにはまっています。その中でも、先日もご紹介したサインポスト(Signpost)というパズルのプレイ回数が多いかなあと思います。

 サインポスト、というのは「道しるべ」「道標」のことです(図1)。

図 1

 各マスには「次のマスはこちら」という方角だけが示されています。最初のマスから最後のマスまで、矢印の道しるべに従ってすべてのマスを1回だけ訪れるのが目的です。

 上記のサイトには、標準では4×4=16マスの問題が用意されていますが、もっと盤面を広くすることもできます。先日、10×10=100マスの問題を解いてみました、ということを書きましたが、さらに物足りなくなって、12×12マスとか、15×10マスなんていう問題もやってみました。

図 2:12×12マス
図 3:15×10マス

 問題生成の待ち時間を少なくするためだと思うのですが、盤面を広くすると、ヒントの数字が多い問題が出題されるので、いろいろなところに手がかりがあって、楽しいです。

 さらに最近は、「敢えて1箇所だけ矛盾する」ように解く、というのにチャレンジしてみています。たとえばこんな問題があったとします。

図 4

 これを、こう解くのです。

図 5

 もちろんこれは不正解なのですが、16マスのうち、ゴール以外の15の矢印のうち、1つだけが間違った向きを指していて、あとは全部正しい、という状態です。ちなみに正解はこうです。

図 6

 こういうのを見比べるのは大変なので、gifアニメーションにしてみました。

図 7

 「狙って1箇所だけ間違う」というのはなかなか大変で、これも面白い遊びです。



 このサインポストというパズルについて、いろいろ考えてみたいと思っています。(まだ考えていません。)たとえば

  • 複数解がある盤面はあるか?
  • どんな盤面でも「1箇所だけ間違う」状態を作れるか?
  • 「任意の1箇所だけ間違う」ようにできるのか?
  • 基本格子を六角形にしたら解き味は変わるか?
  • 通過しないマス(黒マス)を設けたらどうなるか?
  • 3次元(例えば3×3×3=27セル)にしたら面白いか?
  •  などです。妄想が膨らみます。

    <おまけのひとこと>
     ちょうど今、甲府古楽フェスティバルをやっています。今年は行かないかな… 






    4月29日(日) 複数の経路を持つSignpost

     「サインポスト」というパズルの話のつづきです。盤面にスタートとゴールだけが示されているとして、複数の解が存在する盤面はあるのだろうか? と考えてみました。

     たとえば、5×5=25マスの盤面を考えてみます。これは、Signpostのページで問題を自動生成してみた例です。

    図 1

     この問題は、スタートの1とゴールの25以外に、3,6,10,17の4つの数字が明かされています。逆に言うと、これらの数字が隠されていたならば、解の経路が一意に定まらないということです。

     シンプルな例を考えてみましょう。例えば、図2のように4マスのうち2マスが確定したとします。

    図 2

     この場合、[4]のマスの左右のマスのうち、どちらを先に訪れても経路が作れます(図3)。

    図 3

     例えば、5×2=10マスの細長い「サインポスト」の問題で、下の図4のような矢印の配置になっていたとすると、これは経路がいくつも成立します。

    図 4

     複数経路が存在するのは、単に図2のような2つの数字が入れ替わるだけ、というパターンだけではありません。こんな例も考えられます(図5)。

    図 5

     この図5の場合、2つの経路が存在します。わかりますか?












































     一応、数字の色を少し薄くしてみました。

    図 6

     いかがでしょうか。この問題は斜めの矢印を使っていないところも面白いと思います。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     4月30日(月)の午前中に、4/29,4/30の2日分の更新をしています。 会社の年間休日カレンダーでは、4月30日(月)は出勤日の設定です。不思議なことに5月25日(金)は休日なのです。稼働日を平準化するのが目的のようなのですが、30日(月)は世間がお休みの日なので計画年休を取得することにしました。お休みを取っている人は多いです。






    4月30日(月) 3×3マスのSignpost(その1)

     「サインポスト」というパズルの話のつづきです。今回は敢えてサイズを小さくして、3×3マスのサインポストについていろいろ試してみました。これだと目だけで解くことができるので、簡単で楽しいのです。

    図 1 図 2

     まずは簡単な問題から。図1も図2も矢印を素直に追ってゆけば自然に経路ができます。特に図2のほうは、必ず隣接するマスに繋がっていてジャンプがないので簡単です。

    図 3 図 4

     図3と図4は、一番上の段が3マスとも下向きの矢印↓になっています。図3は、素直に隣接するマスに移動してゆくと、4ステップでゴールしてしまいます(ショートカット解)。図4のほうは、同じように隣接するマスに移動してゆくと三角形のループに入ってしまいます。図3は跳躍が多い経路です。

    図 5 図 6

     図5も、素直に移動すると4ステップでゴールする例です。いかに「回り道」するかがポイントです。

    図 7 図 8

     図7は上下に向かい合う矢印が2か所にあるのが面白いなと思った盤面です。図8は、右上の4マスが風車のようにループになっているのが面白いです。この4マスは連続する経路になるのか、ループにどこから入ってどこに出るのかが注目点です。



     さて、ここまで8つの問題を見ていただきました。いずれも目視で解けるのではないかと思います。これらを解きながら、2つの疑問が思い浮かびました。

     【1】3×3マスにも、複数経路が存在する矢印の配置は存在するでしょうか?

     【2】8方向の矢印すべてを1回ずつ使う経路は存在するでしょうか?

    図 9

     考えてみたのですが、どちらも答はYesでした。ただし【2】のほうはスタートとゴールの位置は図1〜図8とは違って対角線上の2点ではありません。

    (つづく)

    <おまけのひとこと>
     いろいろなことがあった4月でした。






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