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以前の「ひとこと」 : 2015年7月後半



7月16日(木) 正三角形の帯4本を丸めて(その1)

 正四面体を連結した、正三角形の帯3本によるらせん構造を何度かご紹介してきましたが、帯を4本にしたらどうなるだろう?と思って実験してみました。多面体ブロック玩具はこういうときにとても便利です。

図 1

 こんなふうに正三角形を並べた帯を4本用意して、それを筒状にします。

図 2

 今回は帯が偶数本なので、図2の1番のように、一番近い辺どうしをつなぐことができます。そうすると、単なる四角柱になります(図3)。

図 3

 一方、図2の2番のように、1つずらして連結すると、らせん状になります(図4)。

図 4

 先日の帯3本によるらせん構造と比べてみました(図5)。

図 5

(つづく)

<おまけのひとこと>
 高3の息子が学校の文化祭で5日も学校に泊まっています。息子の高校は修学旅行はないのですが、文化祭には力を入れているそうで、さぞかし楽しいんだろうなあと思います。






7月17日(金) 正三角形の帯4本を丸めて(その2)

 帯4本による構造をJOVOブロックで作ってみました。gifアニメにしてみました。

図 1

 これも面白いです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 7月10日は健康診断でした。最近ストレスで食べまくっているのですが、意外と体重は増えていませんでした。






7月18日(土) 正三角形の帯4本を丸めて(その3)

 先日から、正三角形を帯状に並べたものを3本とか4本とか並べて、それを筒状に丸めてできる細長い立体を作ってみています。

再掲図

 前回までは再掲図の1番と2番のパターンを作ってみました。1番は単なる菱形柱になりました。2番はらせん状のかたちになりました。それでは3番のようにもう1つずらしてみたらどうなるでしょうか?

図 1

 ずらした分、両端がはみ出してしまっているので、その分を移動させます。

図 2

 これ、どんなかたちでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 今週末は三連休です。7/18(土)〜7/24(金)の一週間分をまとめて更新しています。
 2回に分けようかとも思ったのですが、更新できなくなるといけないのでまとめて更新してしまいます。






7月19日(日) 正三角形の帯4本を丸めて(その4)

 昨日のかたち、立ててみました。

図 1

 真上からのぞいてみました。

図 2

 これは断面が正方形で、きれいな層状構造になっているのがわかります。各層は正四角反柱です(図3)。

図 3

 このかたちは、パーツの色分けを考えると「右手型」「左手型」がありますが、パーツの色を無視すると「右手型」「左手型」はなくなります(キラリティが失われます)。

再掲図

 1番と3番の組み方はキラリティを持たず(自身と鏡像体が重なる)、2番の組み方だとキラルな性質が現れるというのが面白いです。もっとずらしてゆくと、筒の太さがどんどん太くなっていきますが、同様にずらし量が奇数なのか偶数なのかでキラリティを持つのか持たないのかが決まるのかなあと思っています。

 この話題、まだまだ発展できるのですが、今回はいったんここまでにしたいと思います。

<おまけのひとこと>
 7月16日(木)に台風11号が四国・中国地方に上陸しました。私の住む長野県は、高い山に囲まれているため、台風で大きな被害を受けることが少ないです。

 過去に、周辺の県にはすべて警報が出ているのに長野県だけ出ていない例が何度もあったのだそうです。大きな地震があったり火山の噴火があったり自然災害は少ないとは言えない土地ですが、こういう良い点もあるんだなと思うと、なんだかちょっと嬉しいです。

 たまたま、7月16日(木)は18時から会社の緊急連絡網の訓練がありました。その伝達内容が
「【訓練】7月16日(木)18時現在、長野県全域に大雨特別警報が出されており、すべての交通網が止まっています。17日いっぱい大雨が続くとの予報から、○○事業所は7月17日(金)を臨時休業とします。」
というものでした。真に受けて休む人はさすがにいないよなあと思いましたが、本当に臨時休業になったら連絡が大変だなと思いました。(実際、鳥取の事業所は本当に臨時休業になっていました。)






7月20日(月) Five Card Trick:5枚のカードの手品(その1)

 1組52枚のカード(トランプ)を使った、2人の演者による手品を知りました。大変面白いのでご紹介します。

 演者Aと演者Bの2名、それから観客の協力によって演じます。スペード(S)、ハート(H)、ダイヤ(D)、クラブ(C)それぞれ13枚ずつの通常のトランプ一組を使います。ジョーカーは使いません。観客は、52枚の中から任意の5枚のカードを選び、演者Bには見えないように演者Aに渡します。演者Aはその中から1枚を選び、残りの4枚を演者Bに渡します。演者Bはその4枚をみて、演者Aの手元に残ったカードが何なのかを当てる、という手品です。

 演者Bはたった4枚のカードしか見ていないので、残ったカードの可能性は48枚もあります。この4枚のカードで、どうやったら「特定の1枚」の情報を伝えることができるのでしょうか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 この問題はとても面白かったので、次回更新のときに解説したいと思います。
 これは実際にやってみたい手品だなあと思いました。ただ、パートナーが必要というところが難しいですね。頭の中だけで情報伝達のルール通りカードを操作できないといけないので、そういうのが好きな人でないと辛いでしょうし、なかなか披露する機会もなさそうです。

 車を新調したときに、前の車に後付けしていたETCが余ったので、妻の車に取り付けました。先週末は高速に乗ってみようということで、私は助手席で高速道路を通りました。ゆっくり外が見られたり、写真を撮ることができたりして楽しかったです。



 1枚目が岡谷ジャンクションのあたり、2枚目は諏訪IC直前です。八ヶ岳が見えています。






7月21日(火) RHOMBA(ロンバ)

 息子の高校の文化祭に「差し入れ」を持って行ったとき、ちいさいおうちという子どもの本の専門店に寄りました。そこで、「ロンバ」という木製のパズルがあったので買ってきました。

図 1

 正三角形6枚をつなげたかたちのピース12種類のパズルです。テンヨーのプラパズルにも類似のものがありますが、それより大きいです。どちらかというと箱におさめることよりもシルエットパズルとして遊ぶことを想定しているようです。

図 2

 なかなか質感もいいですし、サンプルの問題が素敵です。問題は、12ピースすべてを使うわけではなく、使うピースを指定しているものもたくさんあります。若干高価ですが、よい製品だと思いました。

<おまけのひとこと>
 「ちいさいおうち」に行くのは久しぶりでした。お勧めのお店です。






7月22日(水) ペンシルパズル「ましゅ」をペンで解く

 先日も「ましゅ」をペンで解くというのをご紹介しましたが、ちょっと描き方を変えてみました。

図 1

 先日ご紹介したのは図1の左側のような描き方で、輪っかを1本の線で表しています。右側はやり方を変えて、チューブのような絵になるようにしています。左側で描いているところは右側では描かないところになります。書き間違いをしたらその問題はそれでおしまい、です。(100問に1問くらいの割合で失敗することがあるような気がします。)

 この解き方も面白いなと思ったので、慣れるためにも2問ほど解いてみました。

図 2

 ちょっと裏写りして汚いのが残念です。今回はボールペンで描いてみました。面白いです。

<おまけのひとこと>
 7月15日(水)は職場の飲み会がありました。19時〜21時で飲み放題という設定でした。いつも、飲み会のときにはいったん車を置いてから電車で移動しています。いつも最寄り駅18:21の電車に乗っています。次が18:35で、その次が19:34です。もうちょっと間隔が均等だといいのですが。
 今回、夕方に急に会議が入ってしまって、19:34の列車で行きました。お店に着いたのは20時10分くらいでした。お料理を取り分けておいてもらえたのでありがたかったです。のども乾いていましたし、すでに出来上がっているメンバーに追いつくために、30分でビールをジョッキで5杯くらい飲みました。
 飲み放題の時間が終わった後も、お店がすいていたので22時過ぎくらいまではお店にいました。週の真ん中の飲み会は翌日がちょっと辛かったです。






7月23日(木) Coffin's Quartet

 アークテックブロックを使って、Coffin's Quartetというパズルを作って遊んでみました。

図 1 図 2

 適度な難易度で面白かったです。

<おまけのひとこと>
 パーツを作るところから楽しいのです。このブロックは便利だなあと改めて思います。






7月24日(金) 1 in 2

 もう1つ、アークテックブロックでパズルを作って遊んでみるというのをやってみました。1 in 2という2ピースのパズルです。

図 1

 こんな風にパーツを用意しました。数がそろう色がこの2色しかありませんでした。

図 2 図 3

 シンプルですが面白いです。

<おまけのひとこと>
 この更新は7/19(土)、三連休の初日の朝に書いています。持ち帰りの仕事もあって大変ですが、三連休、ちょっと楽しみです。でも来週は大変な報告がいくつもあって、気が重いです。今週(7/13〜7/17)もいろいろなトラブルや問題が続出して、頭の痛い一週間でした。






7月25日(土) 穴のあるラッピングペーパー(前川淳)

 雑誌「数学セミナー」の2013年4月号から、前川淳さんの「折って楽しむ折り紙セミナー」という連載が始まって3年目になります。2013年のころはこのホームページの更新を休止していたころだったのでそのころのものは作っても紹介していなかったのですが、連載の初期のころにも面白い作品がたくさんあります。

 本日ご紹介するのは、連載第1回の「穴のあるラッピングペーパー」(「数学セミナー」2013年4月号:前川淳)です。

図 1

 正三角形を3枚連結したものを4組、正方形の穴の周りに配置し、そのすきまに角度が15-75-90の細長い直角三角形を配置する型紙になっています。(山折、谷折は雑誌の記事をご参照ください。)

 たいへん面白くて美しい造形だと思います。ただ、自分で設計したものではないので、パーツ作成時(設計するときや切り出すとき)に微妙な調整ができないため、出来上がりの作品の精度がいまひとつです。紙の厚みをどこで吸収させるかがわかったうえで設計や製作(制作ではないです)をすると、もっときれいにできるはずです。用紙の選択も重要で、厚さや弾力性、滑りの良さや摩擦の大きさも出来上がりに影響します。モデルのデザインに合わせた素材を選ぶことが大事です。

<おまけのひとこと>
 先日ご紹介した「穴が「T」」、デザインされたジャグラー小田原氏ご本人からメールをいただいて感激しています。ありがとうございました。あのパターンはいろいろ調べた上で選んだものだそうです。さすがだと思います。

 7月25日(土)〜31日(金)までの分をまとめて更新しています。






7月26日(日) 立方体の中の双曲放物面(前川淳)

 昨日に続いて前川淳さんの数学セミナーの連載から。第5回の2013年8月号の「立方体の中の双曲放物面」です。

図 1 図 2

 これは24cm×24cmの正方形の折り紙から折り出してみました。あんまりきれいに折れていません。折り紙の世界にはもっとはるかに複雑な作品がたくさんありますが、この程度でも私にはうまく折れないなあと思いました。

 ほかにも2013年の前川さんの連載1年目の作品をいくつか作ってみているのですが、それはまたの機会にご紹介します。

<おまけのひとこと>
 7月24日(金)は会社の事業所の納涼祭でした。職場のレクリエーション委員から「誰かクーラーボックスを提供してもらえませんか」という依頼があったのですが、誰も提供者がいなかったようで、私に打診がありました。私はアウトドア派ではないのであまり大きなものはうちにはないのですが、それでも良ければ提供しましょうということで、出すことにしました。
 容量25リットルくらいのものと、容量7リットルくらいの小さなものと2つ提供しました。夏場に車で出かけるときに、出先で何か食べ物を買ったりするときに重宝するので、だいたいいつも車に積んでおくようにしています。
 納涼祭はお酒を飲むので(飲まない人もいますが、私としては飲みたいので)その日は車では行かれません。妻に、夕方会社まで届けてくれるように頼みました。17時に届けてもらって、20時過ぎに迎えに来てもらいました。大変だったと思います。






7月27日(月) Five Card Trick:5枚のカードの手品(たねあかし)

 先日ご紹介した「Five Card Trick」(5枚のカードの手品)の解説です。どんな手品なのか、再掲します。

 「演者Aと演者Bの2名、それから観客の協力によって演じます。スペード(S)、ハート(H)、ダイヤ(D)、クラブ(C)それぞれ13枚ずつの通常のトランプ一組を使います。ジョーカーは使いません。観客は、52枚の中から任意の5枚のカードを選び、演者Bには見えないように演者Aに渡します。演者Aはその中から1枚を選び、残りの4枚を演者Bに渡します。演者Bはその4枚をみて、演者Aの手元に残ったカードが何なのかを当てる、という手品です。」

 これは、ランダムに選ばれた5枚のカードの中から1枚を選び、残った4枚で選んだ1枚を特定できるようにできますか?という問題です。

 基本的な考え方は以下の通りです。手品の「たねあかし」は本来はルール違反ですが、これは数理的なマジックで、しっかり考えて読まないと解説も理解できないと思いますし(私の説明も下手ですが)、理解しても手品の面白味が激減するというタイプのものではないと思うので、紹介させていただきます。



























 とはいっても少し間をあけて



























  • 5枚の中から一番近い2枚のペアを選ぶ。
  • ペアのうちの1枚を選んで手元に残す。
  • ペアのうち選ばなかった1枚を、残りの4枚の先頭に置く。
  • 5枚のうちペアとして選ばなかった3枚を規則に従って並べることで、最初に選んだ2枚のペアの「距離」の情報を伝える。
  •  表記のルールとして、スペードはS、ハートはH、ダイヤはD、クラブはCと決めます。数値はA,2,3,4,5,6,7,8,9,T,J,Q,Kと表します。Aはエース、Tは10(ten)、Jはジャック、Qはクイーン、Kはキングです。

     最初にランダムに選ばれた5枚の中には、同じスート(S,H,D,C)のペアが少なくとも1組はあるはずです(鳩ノ巣原理)。数値の値の差は、13枚ありますから最大で12になりますが、 A-2-3-4-5-6-7-8-9-T-J-Q-K-A-2-…と循環していると考えると、差は最大で6ということになります。

     そこで、同じスートのペアを選んで、その中で小さいほうを手元に残すことに決めます。大きいほうを1番目のカードとします。そうすると、残ったカードを当てるためには1番目のカードからどれだけ隔たっているかを、残った3枚で示せればよいことになります。隔たりは最大で6なので、3枚のカードの並び順で1,2,3,4,5,6が示せればよいことになります。

     そこで、52枚のカードの強弱を決めるルールを定めます。例えばエース(A)は1、キング(K)は13という値というルールにして、数値が大きいほうが強いカードだということにします。数値が同じ場合は伝統的にスートの強さをスペード(S)、ハート(H)、ダイヤ(D)、クラブ(C)の順に強いことに決めます。

     このルールで、残った3枚を強い順に3,2,1と数値で表せば、3枚の順列は辞書順で123,132,213,231,312,321と6通りになりますから、3枚の順序から、ペアの距離を示すことができます。

     いかがでしょうか。非常に面白いと思いました。いつかどこかでパートナーを見つけて演じてみたいものだと思いました。

    <おまけのひとこと>
     といっても機会がなさそうですが。






    7月28日(火) 「機械より人間らしくなれるか?」

     先週末の三連休に何冊か本を買って、仕事の合間に読んでいました。1冊目が「機械より人間らしくなれるか? 〜AIとの対話が、人間でいることの意味を教えてくれる〜」Brian Christian 草思社文庫 です。

    図 1

    知能とは何でしょうか。機械(コンピュータ)が知能を有するというのはどういう状態でしょうか。人間に勝てるチェスプログラムは知能を持つと言えるでしょうか。クイズ番組で人間に勝てるプログラムは知能を持つと言えるでしょうか。大学入試問題を解けるプログラムは知能を持つと言っていいでしょうか。

    チューリング・テストという有名な実験があります。機械(コンピュータ)が知能を有するかを判定する方法なのですが、人間の判定者がメールやチャットのように文字で機械と会話をしたときに、判定者に会話の相手が人間だと思わせることができれば、その機械は知能を持つと判断してよいという実験です。

    毎年、人工知能のコンテストの形式で、競技としてチューリングテストが行われているそうです。判定者は、機械と人間とそれぞれ5分間ずつ、コンピュータの端末を利用して会話(チャット)を行い、どちらが人間でどちらが機械なのか投票します。時間が5分間しかない、というところがポイントで、最近の進化している会話プログラムは、このくらいの時間だったらとても賢く(みえる)会話ができるのだそうです。

    この本は、哲学と詩とコンピュータを学んだ著者が、判定者と会話をする人間の役割でコンテストに参加したときの話です。原著のタイトルの“The Most Human Human”というのは、「もっとも人間らしい人間」という意味で(最初の human は形容詞で、2つ目の human は名詞です)、このコンテストで判定者から「自分の会話の相手は人間だ」と思ってもらったスコアが一番高かった人に贈られる副賞なのだそうです。

    このコンテストに被験者として参加した著者は、文字をタイプするという会話において、間違いなく自分は人間であると会話相手に理解してもらうということはどういうことなのか、ということを論じています。とても面白いです。

    私は20年以上昔に音声認識をやっていたことがあるのですが、当時の人工知能のレベルから見ると最近の進歩はすごいなあと感心します。音声認識の世界でも、昔は解析的な手法で研究がされていたのですが、大量のデータを用いた統計的な手法が結局有効でした。翻訳やチャットにおいても、このような統計的手法は有効なのだということも書かれています。

     引用したくなるようなところがたくさんありました。例えば「ピザをオーブンから取り出してそれを閉じなさい」「ピザをオーブンから取り出してそれを調理台に置きなさい」「コーヒーカップと牛乳パックを手に持ち、賞味期限を確認せずにそれを注いだ」といった文の「それ」が何を指すのかを理解するには言語の仕組みではなく世界の仕組みを理解しなければならない、といった説明が出てきます。(たとえシステムで「コーヒーと牛乳は液体である」「カップとパックは容器である」「『注ぐ』ことができるのは液体だけである」といった基本的事実をプログラミングしていたとしても、「コーヒーをパックに注ぐこと」と「牛乳をカップに注ぐこと」のどちらがより自然であるか、システムには判断できないはずだ。以上引用)

     面白いです。お勧めです。

    <おまけのひとこと>
     妻がバーバラ・ピムの小説のファンで、読んでけらけら笑っています。






    7月29日(水) 脳はなぜ「心」を作ったのか

     これも三連休に読んだ本です。「脳はなぜ「心」を作ったのか 〜「私」の謎を解く受動意識仮説 〜」前野隆司(ちくま文庫)です。

    図 1

     昨日ご紹介した「機械より人間らしくなれるか」と一緒に買った文庫本です。これもとても面白い本で、やっぱり一気に読んでしまいました。

     人工知能研究では有名な、マーヴィン・ミンスキーの心の社会(リンクは松岡正剛さんの千夜千冊です)を読んでいると、よりわかりやすいかなあと思いました。(本の中でも「心の社会」には何度も言及されています。)

     進化の過程で記憶という機能はなぜ生まれてきたのか、感情という機能はなぜ生まれてきたのかといった議論(なぜ「感情」があるほうが種として生き残りやすいのか)や、機械が感情を持つとはどういうことか、「私」とはいったい何か、といった議論がとても興味深かったです。

    <おまけのひとこと>
     人工知能についての研究は昔から興味がありました。「感情」とか「意識」「心」って何だろう、「自分」を機械にコピーすることはできるのだろうか、という疑問をずっと持っていたように思います。「受動意識仮説」は、これらの疑問を完全に解決したとは思えませんでしたが、なかなか説得力のある仮説だと思いました。






    7月30日(木) 読む数学:数列の不思議

     三連休に買って読んだ本の3冊目は「読む数学:数列の不思議」瀬山士郎(角川ソフィア文庫)です。

    図 1

     基本的な等差数列や等比数列の話から始まって、調和級数の話とレンガ積みの問題、集合論の話に至るまで、読みものとして面白い本だと思いました。自分が高校生のころにこのような数学の基本素養を面白く平易に説明してくれている本があったらよかったのになあと思いました。まあでも今こうして面白く読めるのは幸せだと思うのですが。

    <おまけのひとこと>
     夏場は500ミリリットルの水のペットボトルをいくつか冷蔵庫に入れています。冷たい水が飲みたいので、ペットボトルの中身が半分くらいになったところで冷凍庫に傾けて入れて、ある程度凍らせます。傾ける理由は、後から水を追加したときに水と接触する面積を少しでも広げたいためです。ただしキャップの部分には水が来ない程度にします。完全に横倒しにすると、キャップの部分が凍ってしまって開けるのに苦労するのです。
     また、水をいっぱい入れて立てて凍らせると、なかなか溶けてこないため飲める水が少なくなってしまうのです。なので、「半分くらいを」「傾けて」凍らせるのがコツです。






    7月31日(金) 桔梗

     五角形の桔梗の花が好きです。40年以上前に亡くなった祖母が庭に植えていたのを覚えています。紫と白がありました。多面体のようなつぼみが好きでした。

     今の家に住み始めて、最初のころに桔梗を庭に植えました。毎年花が咲きます。つぼみも花も、昔の記憶にあるものよりも丸みを帯びたかたちのような気がします。妻がつぼみを切って来て正八面体の一輪挿しに挿してくれました。

    図 1 図 2

     なかなかいい感じです。

    <おまけのひとこと>
     「広報ながのけん」という県の冊子が年に4回配布されるのですが、夏号の特集が
    「長寿日本一」から「健康長寿世界一」へ
    でした。長寿の理由として、65歳以上の就業率が日本で一番であること、野菜の摂取量が日本で一番であること、が挙げられていました。野菜はおそらく日本全国どこでも近隣のおいしい野菜が手に入るのではないかと想像するのですが、確かにたくさん作っているしたくさん食べているなあという感覚はあります。子どものころはあまり好きでなかった野菜が、大人になって大好物になっていて不思議です。






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