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以前の「ひとこと」 : 2006年9月後半



9月19日(火) 忘却秘密復元問題

 この三連休は、運動会があったりアンサンブルの練習があったりで、更新ができませんでした。見に来てくださった方、申し訳ありません。



 最新号の「数学セミナー」(2006年10月号)が「符号の数理」という特集なのですが、これが面白い記事が多いです。こういう一般雑誌なので、書かれている内容のレベルが一般的過ぎたり、逆にちょっと内容が難しかったりということはあるのですが、おおむねわかりやすくて面白いです。

 この中で、「符号と暗号 ─ その織りなす世界に見られる共通点と相違点 ─ 笠原正雄」という記事がとても面白かったです。この記事の中で紹介されている忘却秘密復元問題というのがとても面白いです。以下、ちょっと紹介します。

3人の人がそれぞれパスワードを持っています。パスワードですから、お互いに秘密です。ただ、もしも忘れたときの用心のため、一人が忘れても他の2人が協力したら、忘れてしまった人の頭の中だけに、そのパスワードが復元できるようにしたいのです。どうしたらいいでしょうか?

 自分のパスワードを半分に分けて、半分ずつ覚えておいてもらう、というのはダメです。これだと、2人が集まれば3人目のパスワードがわかってしまうからです。

 このような暗号や符号の話には、いろいろと面白い問題があって非常に感心されられます。例えば「電話で公平なじゃんけんをするにはどうしたらよいか」とか、「お互いに自分の資産を知られずにどちらが資産が多いかだけを知るにはどうしたらよいか(金持ち比べの問題)」とか、「自分がある問題の答を知っていることを、答を明かさずに証明する方法(ゼロ知識証明)」とか、ややこしいのですが面白い問題がたくさんあります。

<おまけのひとこと>
 16日の運動会は、「曇天プログラム」で、子供たちの競技をとにかく全部やってしまって、午後まで天候が保ったら午後は親子競技などをやる、というものでした。午前中の最後に小雨が降り始めたのですが、一応お昼は学校で食べて、午後に改めて決めることになりましたが、結局午後の競技はやめになって、体育館で閉会式をやって終わりになりました。






9月20日(水) 確率

 とある本で、以下のような話を読みました。

 ある若者が初めてヨーロッパに飛行機で出かけることになりました。彼はハイジャックや爆弾テロをとても心配して、保険屋さんに、そういった事件に出会ってしまう確率はどのくらいだろうと尋ねました。相談された保険屋さんは、そんな爆弾テロに巻き込まれる可能性はとても小さいですよ、例えば万に1つ、いや10万分の1よりももっと小さいくらいでしょう、と説明しました。ところが彼は納得しません。それでも危険が大きすぎる気がするのです。
 若者は、それでは同じ飛行機に2つの爆弾が持ち込まれる可能性はどのくらいでしょうか、と尋ねました。保険屋さんは、「仮に1つの爆弾が持ち込まれる可能性が1万分の1ならば、2つであればその二乗になるから1億分の1ですね」と説明しました。若者はそれを聞いて、その数字ならば十分に安全だと言えるだろうと納得しました。

 数週間後、保険屋さんは新聞で、飛行機に手荷物の中に爆弾を入れて持ち込もうとして逮捕されたという記事を読みました。犯人は、自分が持ち込んだ爆弾は、爆発させるためのものではなく、他の爆弾が持ち込まれる確率を下げるためのもので、より安全性を高めるために持ち込んだのだと説明した、ということです。

<おまけのひとこと>
 昨日は久しぶりに仕事で東京に行きました。9月も後半だというのに、とても暑くて参りました。






9月21日(木) 楽譜をかく

 先日、久しぶりに手で楽譜をかきました。ト長調(シャープ1つ)の楽譜を一音下げてヘ長調(フラット1つ)にしたかったのです。

 いまどき手書きでもないだろうとは思うのですが、たった2ページですし、移調して楽譜をかく作業が楽しそうだったので、1時間ほどかけてかいてみました。ちょっと疲れましたが楽しかったです。

 自分が演奏するためのものではなく、他の人に使ってもらうために作ったものなので、少し丁寧にかいたつもりなのですが、それでも以前ならばもうすこし読みやすい楽譜がかけたような気がします。昔、こんなにパソコンが普及する前は、こうやって手で楽譜をたくさんかいていました。こういう作業はやっていないと下手になるし遅くなるなと思いました。

<おまけのひとこと>
 あたらしい車のナンバーが決まりました。(自分では選びませんでした。)9の倍数で、9で割った数値がちょっときれいで、覚えやすい数字でした。






9月22日(金) クープランの楽譜

 先日、ずっと欲しかったクープランの楽譜を入手しました。

 クリーム色のほうが今年の4月に甲府の古楽フェスティバルの時に買った第1分冊のほうで、水色のほうが今回手に入れた第2分冊です。

 第2分冊の中でも弾いてみたかったのが第15組曲の「ゆりかごのアモール」(La Dodo, ou L'Amour au Bereceau) という曲です。

 たいへんゆっくりな曲です。ピアノで弾いてもこの曲のよさは多分わからないと思います。メトードローズというピアノの入門者用の教科書がありますが、その中にでも出てきそうな感じの曲です。

<おまけのひとこと>
 クープランの楽譜は普通にそろえようとするとたいへん高価なのですが、この Dover の楽譜はかなり安くて助かっています。










9月25日(月) 文化祭など

 この週末は、お彼岸でお墓参りに行ったり、通勤用の車の納車があったり、子供の学校の文化祭があって見学に行ったりしていました。というわけで週末の更新はお休みです。

図 1

 久々に風船が飛んでゆくところを眺めてしまいました。

図 2

 階段に分割された文字が貼ってありました。これ、作るのはかなり大変だっただろうなと思います。全部で4文字ありました。今年の文化祭のテーマなのだそうです。後で、4文字全部撮ればよかったと後悔しました。

図 3

 吹奏楽の演奏。ステージが暗くて写真はちょっと難儀しました。

<おまけのひとこと>
 このところ「おもしろいこと」があまり書けなくて不本意です。






9月26日(火) チェスのパズル(その1)

 チェスのパズルです。チェスのルールをご存じない方はすみません。

 図1はチェスのゲームの初期状態です。以下の図は、http://homepage.ntlworld.com/adam.bozon/chess.htm というJava によるチェスのページを利用させていただいています。

図 1

 チェスの初期状態は、自陣の右端が白マスになるように盤を置いて、クイーンが自分の色のマスに入るように配置します。白が先手と決まっていますから、“White to Move”と表示されています。

 仮に、白の第一手が右側(キングサイド)のビショップの前のポーンを1マス進めるものだったとしましょう(図2)。当然、次は黒の番ですから、“Black to Move”と表示されています。

図 2

 さてそれでは問題です。白と黒が協力してプレイすることで、図1の初期状態からはじめて、盤面の状況が図2と同じ状態で「次が白の手番」にすることはできるでしょうか? できるとしたら最低で何手かかるでしょうか? できないとしたら、それを示すことはできますか?

(つづく)

<おまけのひとこと>
 これは有名な問題なのでしょうか? 私は初めて知ったのですがとても面白いと思いました。






9月27日(水) チェスのパズル(その2)

 昨日、以下のようなパズルをご紹介しました。

問題図

 チェスの通常のルールに完全に従って(つまり白が先手で)、図のようにキングの側のビショップの前の白のポーンが1つ前に出ているだけ、という盤面の状況で、「次が白番」という状態にできますか? できるとしたら何手でできますか?

 そうしたら、さっそくメールで正解を送って下さった方がいらっしゃいました。ありがとうございます。今日は、完全な解ではなくて、ちょっとした考え方のヒントだけ載せておこうと思います。

 この問題は、「できる」というのが正解です。順番としては、白の第1手が図のようにポーンを進めることになります。

⇒・・・⇒
初期状態(白番) 次は黒 次は白?

 あとは、白と黒で、どちらかが奇数回の手数で元に戻って、もう一方が偶数回の手数で元に戻れば目的が達成されます。 ・・・ヒントはこのくらいにしておきましょうか。

 なお、将棋では先手が指して後手が指すと「2手」と数えますが、チェスではそれを「1手」と数えます。

<おまけのひとこと>
 週の最初に出張があると、ちょっと疲れます。今月で上期も終わりなので、今週は忙しいです。(最近こんなことばっかり言っている気がします。)






9月28日(木) 帯分数と平方根

 先日、こんな式を見かけました。

 他に、同じような式を見つけられますか? 

(つづく)

<おまけのひとこと>
 今週から新しい車で通勤しています。ターボつきの車なので、こまめにアイドリングストップをするわけにはいかないなあと思っています。別にターボが欲しかったわけではないのですけれども、四輪駆動のマニュアル車だと、その車種ではターボつきのものしかなかったのです。 それでも四駆マニュアルがあっただけましで、そもそもそういうグレードが存在しない車種のほうが圧倒的に多い時代になってしまいました。
 あと、安全のためにクラッチペダルを踏み込まないとスターターのセルが回らないというのもマニュアル車としては残念に思います。緊急時にセルモーターで車を動かすということができないのです。もちろんそんな機会はないほうがいいに決まっていますし、もう10年以上毎日通勤で車に乗っていますがセルモーターで車を動かしたいというような状況になったことは一度もありません。とすると、車を製造する側としては、ほとんどありえない「緊急時の車の移動の可能性」と、「誤ってセルモーターを回した瞬間に車が動いて事故が起こる危険性」とを考慮して、事故防止の機能を付けているという事情は理解はできます。

 相変わらず高速道路は、(通勤で利用しているのが80km/h制限の区間なので)80km/hぴったりで走っています。5速でだいたい 3000rpm くらいです。エンジンブレーキを利かせるときを除いて、これ以上回転を上げることはありません。来週の前半くらいになるであろう最初の給油が楽しみです。






9月29日(金) 帯分数と平方根(つづき)

 昨日ご紹介したこの式

 の一般化をちょっと考えてみます。まずはこう置いてみましょう。

・・・(式1)

 の一般化をちょっと考えてみます。まずはこう置いてみましょう。これを整理してみると

 こんな具合になります。n=2 のときは最初の式の通りです。もう1つの解のほうは・・・使えませんね。 では次にこんな式にしてみましょう。

・・・(式2)

 これを解いてみても、実は別の解が出てきません。結局

・・・(式3)

 という一般的な形の解を探すことになります。

<おまけのひとこと>
 燃費の話:
 新しい車は燃料タンクの容量が30リッターです。昨日の段階で、燃料計の針がほぼ真ん中に近くなっていて、給油からの走行距離が約270km になっています。ということは燃料消費がタンク容量の半分として15リッターだとすると、リッターあたり18km走っている計算になります。
 この数値は「燃料計の針がほぼ中央だから15リッター」という推測に立脚しているのですが、これはそれほど信頼できる見積もりではないので、実際にはわかりません。でもカタログに書かれている20kmという数値を出すのは難しそうだなという印象です。








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