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以前の「ひとこと」 : 2005年12月後半



12月16日(金) 理系は損?

 いつも見ているITmediaというサイトを見ていたら、エンジニアに贈るエール、「理系思考」とは?という記事が目にとまりました。なんでも、生涯賃金の平均は、理系よりも文系のほうが5,000万円ほど上回るのだそうです。理科大好きでも科学者イヤ 中3男子56%・女子81%なんていう記事もありました。

 先日、職場の若手と話をしていたら、彼の好きな言葉に「理系は文系の上位互換だ」というのがある、という話になりました。(これは森博嗣さんの言葉なのですね。)でも、文系のほうが生涯賃金は高いんですよね、と残念そうに言うので、「それでバランスがとれているんじゃない? 文系は、理系よりも収入がそれだけ多くて初めて理系と同じくらい人生の満足を得られるっていうことじゃないかな」と言っておきました。 もしも理系が文系の上位互換だとしたら、より満足の得られる理系の仕事よりも、満足度の少ない文系の仕事を敢えて行う代償が収入の多さなのだ、という理屈です。

 平均を比較することの無意味さや、そもそも理系文系の二分法に無理があるとも思いますが、そのあたりの(根本的な)問題には目をつぶって、敢えてこの論法の中で自分はどう思うか考えてみると、私は自分は理系のつもりで、他人の収入には興味がないので知りませんけれどもおそらく文系の人のほうが収入は多いのでしょうきっと。でも、一生涯の収入を5,000万円増やしてあげるから、今の理系としての知識や喜びを捨てて、人生をさかのぼって最初から文系になりなさいと言われたら、断れるものならお断りしたいと思います。(無意味な仮定ですが)



 昨日は、「ひょっとすると必要かも」と思って、打ち合わせに三角スケールを持っていきました。案の定役に立ってとても嬉しく思っています。

図 1

 実はこれ、しばらく前にリサイクルショップで見かけて、180円というあまりの値段の安さに哀れを感じて買ってきたものです。とはいえ、実は必要になることはほとんどないんだよなあと思ってとりあえず職場に置いておいたものです。

 三角スケールというのは、縮尺の異なる6通りの「ものさし」の目盛がふられた定規で、図面の縮尺にあわせた目盛を使うことで、計算をせずに図面から寸法を読み取れる道具です。

図 2

 図2では、1/300と1/400のスケールの目盛が見えます。

 子供の頃、家にも三角スケールがありました。子供のころは生意気にも、縮尺がわかっているのだから普通の定規があればいいのではないかと思っていました。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 「過去のひとこと」も、12月後半、今年最後のページになりました。






12月17日(土) 1600年代のエリザベス風舞曲

 ちょっと楽譜を整理していたら、こんな旋律の載った本が出てきました。タイトルは“Robbin”だそうです。作曲者は不明です。

 出だしはヘ長調かニ短調(どっちもフラット1つの調)かなあと思わせておいて、でもシの音にはフラットはついていないので、4小節目で「あれっ」と思います。譜面を見てもピンと来ない方はこちらにMIDIデータも置いておきますので、楽譜を見ながら聴いてみてください。テンポは指定がないのですが、どうでしょう、もっと遅いほうがいいでしょうか。それとももっと速い?

 なんだか哀愁のある、不思議な旋律です。MIDIだとほんとうにつまらないのですが、素朴な旋律楽器で奏でるととても似合いそうです。 もしこれに和声をつけるとしたらどんな和声が似合うか、ちょっと想像してみるのですが、なかなかよい案が浮かびません。

<おまけのひとこと>
 上の子がクリスマス会に行って、プレゼント交換で猫のマグカップをもらってきました。






12月18日(日) 工事

 毎年、夏と冬のボーナスの季節には生協のフェアがあるのですが、そこでリフォームの相談をしました。雪で雨どいが傷んでいたので、それを替えて貰う相談です。ついでに雪止めもお願いしました。うちの屋根には長い棒状の雪止めがついているのですが、これだけだと大雪の時には屋根で凍った雪が軒先に張り出して、雨どいを壊してしまうのです。

 以前、別の業者に見積りだけお願いしたことがあったのですが、結局工事は頼みませんでした。今回はそれと比べて妥当と思われたのと、生協でのその業者への過去の実績を聞いて、お願いすることにしました。

<おまけのひとこと>
 雨どいくらい自分で替えられればいいのですが、一階からまっすぐ立ち上がっている二階の屋根なので、まず足場からなんとかしなければならないのです。いくら高いところが平気といっても、とても自分ではできません。






12月19日(月) 同じ長さの棒の輪で結び目を(その1)

 最近、また新しい種類のブロックを入手したのですが、それをいじっていて思いついた問題です。

 長さが1の線分(棒)をN本つないだ「輪」を考えます。平面上であれば、これはN角形になります。3次元空間内でこの輪を「結び目ができるように」繋ぐことを考えます。もちろん、線分同士は互いに交差できません。(でないとどんな結び目でもほどけてしまって、結び目ができません。)隣り合わない線分がかならず共有点を持たないように結び目を作るとしたら、線分は何本必要でしょうか?

 数学のこの分野をちょっとまじめに勉強した人なら即答して下さりそうな問題ですが、恥ずかしながら私はこの問題の答えがわかっていません。最近は忙しくて、こういうことを考える時間が取れないので、もしご存知の方がいらしたら教えてください。

<おまけのひとこと>
 今年もあと二週間。年内にやっておかなければいけないことがまだまだたくさんあって、大変です。






12月20日(火) 同じ長さの棒の輪で結び目を(その2)

 昨日、長さが1の線分をN本つないだ「結び目」を作るときの本数の最小値がいくつかという問題を考えているとご紹介しました。そうしたら、blog ろくはロッパの・・・で、ノットの専門家に聞けば一発だと思う・・・と、さっそく取り上げていただきました。ありがとうございます。

 上記の blog にもありますが、私も、最初にまず考えたのは、きれいに3回回転対称になる9本の解です(下図)。

 この結び目は、3回回転対称の条件を保ったままいろいろ変形できますが、そのなかの適当な1つを選んでCGにしてみました。これだけだときれいな対称性がわかりにくいかもしれないので、回転するアニメーションをこちらに用意してみました。(80kbyteほどあります。)手元にはもっとファイルサイズが大きい、なめらかなアニメーションも作ってあるのですが、サーバに置くには大きすぎるので、粗いアニメーションですみません。それでも眺めていて楽しいです。

 さて、これをどこまで減らせるか、ですが、まず少ないほうから考えてみると、1本や2本では輪にすらなりません。3本でようやく正三角形になって「輪」になりますが、これはこれ以上変形しようがありません。4本だと、平面に射影したときの交差数が最大で1にしかならないので、これも結び目にはなりません。では5本ならばどうでしょうか。星型の絵を描いてみれば、うまいこと星型の5本のうちの何箇所かを上下に編むようにできれば結び目になりそうです。でも線分を曲げずに、5頂点をそんな配置にできるでしょうか。

 では、多いほうはどうでしょう? 9本は上図のように可能です。ちょっと考えてみると、7本は可能だ、というのは私も思いつきました。(明日にでも別ページでヒントもしくは答を書こうと思います。)では6本は? 無理でしょうか。

 実は、昨日の段階で考えていたのはここまでで、答が7本でいいのか、わからなかったのです。 そうしたら昨日、こんなときにいつも助けていただくH.Hamanaka very private pageの濱中さんから、この問題に関しての詳しい情報の載ったページをメールで教えていただきました。ありがとうございます。教えていただいたページについても、明日にでもご紹介します。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 寒いです。昨日は、うちから一番近い測候所では真冬日だったようです。(当然うちもそうだったと思います。) 今朝も氷点下12度くらいです。






12月21日(水) 同じ長さの棒の輪で結び目を(その3)

 同じ長さの線分をつないで結び目を作るとき、最小本数は何本? という話の続きです。正解は6本、なのだそうです。濱中さんに教えていただいたのですが、「結び目」を(トポロジカルに)等価な折れ線で表現するということはよく研究されているのだそうで、

結び目に対して、

それをいくつかの線分で構成する際の線分の本数の最小を
(non-equilateral)stick number、

そして全て長さの等しい線分で構成する際の本数の最小を
equilateral stick number
と呼ぶ

のだそうです。線分の長さを規定しないほうが条件がゆるいので、stick number(勝手に「棒数」と呼ぶことにします)と equilateral stick number(同じく「等長棒数」と呼ばせていただきます)を比べると、同じ結び目ならばただの「棒数」のほうが少なくなるのかなと思うのですが、「棒数」と「等長棒数」は多くの場合同じ値になって、「等長棒数」のほうが大きい結び目というのはそう簡単には見つからないようです。

 ちなみに、教えていただいたのはこちらのKnotPlotというページです。非常に面白いです。



 さて、正解は6本という答が出てしまいましたので、いまさらですが、私が7本の解を考えたときの考え方を載せておきます。

図 1 再掲図

 最初に、9本の例を考えたときには、図1のような形を考えておいて、次数4の頂点を2つの次数2の頂点になるように動かして、右の図のような形になるようにすればいい、と考えました。(ろくはロッパの・・・で説明されていたものと全く同じ発想です。)

 では、下の図2から出発して、同じように次数4の頂点2箇所をそれぞれうまいこと2つに分離すれば・・・と考えたのです。

図 2

 図2は、正三角形を3枚、同じ辺で「本を綴じるように」まとめたものです。そのように見えますでしょうか。この頂点をうまいことちょっと動かしてやると結び目になりそうだ、というのはおわかりいただけるかと思います。(実際の結び目の図は省略させていただきます。)



 先日もご紹介したしごと・あそびごと・ひとりごとで、実際に線分をつないだ結び目の模型を作って写真を公開されています。やっぱり実際のものを使って考えるのは有力な手段ですね。

 私がそもそもこの問題を思い立ったきっかけは、両端が球状関節のようにつなげることができる短い棒状のブロックで結び目を作るのに何本必要かなと思ったのがきっかけなのですが、そのブロックはとても太いので、9本での結び目が精一杯だったのです。これもいずれご紹介します。

<おまけのひとこと>
 しごと・あそびごと・ひとりごとの立体ハトメ返しのシリーズ、とてもおもしろいですね。






12月22日(木) カーペンターブロックの多面体:切隅十二面体

 今年の春くらいに、カーペンターブロックというブロックで盛んに多面体を作っていたのですが、そのときにご紹介しそびれていた(と思う)写真を今日は掲載したいと思います。 ざっと「過去のひとこと」の画像を眺めた限りでは、まだご紹介していなかったと思います。(最近、既に書いた内容なのかまだ未掲載なのか、あやふやになってきてしまいました。)

図 1 図 2 図 3

 05年4月1日のひとことで正十二面体をご紹介しています。

 今日のものは、これをちょっとだけ変形しただけです。正十二面体モデルでは、各面を10個のパーツで五角柱にしていますが、今日のものは10個のパーツで十角形を作って、隣り合う十角形とは1個のパーツで接合しています。でも、かなり印象が異なるのではないかと思います。

<おまけのひとこと>
 最近、本業のほうが忙しくて、手の込んだ内容を書く暇がありません。この週末でちょっとだけ一息つけそうです。






12月23日(金) ドリア旋法

 お休みで、更新が一日遅れました。

 先週の17日(土)のひとことで、こんな旋律の載った楽譜を見かけましたという話を書いたら、今朝(24日の早朝です)、「これはドリア旋法ですね」というメールをいただきました。こういったヨーロッパの古い時代の旋法に関する詳しい情報を書いていただいて感激です。ありがとうございます。

 さらに、「こんな和声はいかがでしょう?」と、テキストで説明していただきました。 早速MIDIデータと楽譜を作って鳴らしてみました。 なるほど、感心しました。 ご提案いただいた和声を私が誤解していないとよいのですが。

 上記の楽譜の画像から、MIDIファイルにリンクしていますので、よかったらお聴き下さい。なるほどぴったりですね。おもしろいです。ありがとうございました。

<おまけのひとこと>
 いただいたメールには、「リディア旋法」や「エオリア旋法」といった言葉が書かれていました。こんなメールをいただいたんだよ、と喜んで妻や子供たちにみせたら、妻が「そういえばフォーレの歌曲でリディア旋法でかかれた“リディア”っていうのがあったねえ」と言って口ずさんでくれました。

 23日に、先日依頼しておいた雪止めと雨どいの工事をやってもらいました。幸い天気がよくてよかったです。

 子供たちが、「今日は文鳥がうちに来てちょうど1年だね」と喜んでいます。文鳥たちはすっかり大人になりました。






12月24日(土) クリスマスのゲーム

 昨日、いつも拝見しているMISDIRECTIONで紹介されていた、フラッシュのゲームのページRooney Design | Flash Gamesというページに行ってみました。クリスマスの関係のゲームがいくつもあって楽しいです。いくつかご紹介します。

 MISDIRECTIONでも紹介されていたBreakdown at SantaLand、サンタクロースのテーマパーク(遊園地)の5つの乗り物を修復するゲーム(2002年の作品だそうです)が特に出来が良いなと思いました。初めてやったときには完成まで30分以上かかりましたが、2度目には10分はかかりませんでした。絵本を読んでやるような感覚で、このアドベンチャーゲームの目的や、今何をやっているかを説明しながらプレイすると子供たちに面白がってもらえました。

 Overtime at Santa's Factory。これは、自分の名前と住んでいるところと欲しいものを最初に入力すると、それがFAXでサンタクロースの工場に届いて、それを倉庫からフォークリフトで取ってきて、包装マシンで指定のラッピングをして、プレゼントを配っているサンタの位置を探して、そこに目標をセットしてロケットを飛ばして・・・というゲームです。今朝、子供たちの名前と欲しいものを入力して、それぞれ遊んでみました。(英語なので、操作や解説は私がやりました。) 短時間で終わりますが、クリスマスシーズンならではの遊びです。

 Alfie's North Pole Adventure。これはサンタさんと一緒に住んでいる小人のアルフィーが、プレゼントを配りに出かけるサンタさんに「帽子を取ってきて」と頼まれて、帽子を取りに行ったら・・・というアドベンチャーです。

 South Pole Santa。これもちょっとしたアドベンチャーゲームです。これは会話がそれなりに意味があるので、ある程度英語を読めないとわけがわからないかもしれません。

 昨夜、一通り「予習」しておいて、今朝は子供たちにお話を説明しながらやってみせました。割と面白がってもらえました。このほかにも、アドベントカレンダーがあったり、もっとシンプルなアクション系のゲームがあったりします。お勧めです。

<おまけのひとこと>
 今朝は雪が降っていましたが、今は晴れています。子供たちは雪がやんでしまってがっかりしていますが、大人はほっとしています。






12月25日(日) 奇妙なペア文

 とあるページで見かけた問題です。


「○○○」は「×××」である。
「○○○」は「×××」でない。

 上記の2つの文の「○○○」の部分と「×××」の部分に、それぞれ全く同じ言葉(もしくは文)を入れて、どちらも正しい文になるようにしてください。

 引用させていただいたページについては、明日ご紹介します。 (本当は本日ご紹介すべきなのですが、答が載っているので明日にさせていただきます。) シンプルで面白い問題だと思います。

 なんのことやらさっぱり? という方のために、ちょっとヒントを。
























 これを見て思い出したのが、「メタマジック・ゲーム」という本に載っていた、次の「奇妙なペア文」という文例です。

 次の文は、「次の」と「前の」が入れ替わって、「を除いて」と「において」が入れ替わって、「同じである」と「異なっている」が入れ替わっていることを除いては同じである。
 前の文は、「前の」と「次の」が入れ替わって、「において」と「を除いて」が入れ替わって、「異なっている」と「同じである」が入れ替わっていることにおいて異なっている。

 本日ご紹介したのは、こんなような種類の問題なのです。

<おまけのひとこと>
 昨日の午後、雪を掃くために竹箒と、暖房用の灯油と、子供たちが夜寒そうなので新しい厚手の毛布2枚、等々の買い物に行っていたのですが、その間、子供たちにクリスマスケーキのデコレーションを任せてみました。



 昨日の午前中に、(私以外の)家族みんなでケーキの台を焼いて、それをさましてありました。午後はホイップクリームを泡立てるところから全部子供たちだけでやったのですが、思いのほか良い出来で、感心しました。

 今朝は4時くらいに子供たちは起きていたようです。今年は子供たちから私と妻にもそれぞれプレゼントをもらいました。(朝4時にこっそり枕元に届けに来てくれたようです。)私がもらったのは手帳とハンカチ、それにクリスマスカードでした。

 下の子のプレゼントは、本人のリクエストでstarwars の LEGO だったのですが(こちらのLEGO STARWARS シリーズ 7259、部品点数396、8歳以上)、朝4時から組み立て始めて、6時間くらいかかって、まだ組み立てています(現在進行中)。

 さきほど、思いがけない人から思いがけない贈り物がとどいて、とてもびっくりしています。ありがたくいただきます。






12月26日(月) クリスマスのコンサートなど

 昨日の「奇妙なペア文」ですが、多胡輝さんの「頭の体操」のシリーズのどれかで見ました、というメールをいただきました。ありがとうございます。私、この有名な「頭の体操」シリーズはほとんど目を通したことがないのです。

 昨日の問題ですが、こちらのfumita's puzzleというページの問題7を引用させていただいたものです。 私にとっては問題2がちょっと新鮮でした。解答は想像したとおりだったのですが、それで本当に大丈夫? とちょっと心配になりました。





 昨日は、車で20分くらいの近所で、クリスマスのコンサートがあったので出かけてきました。こんな(写真1)白樺林の中の完全な凍結路を通って、完全に凍結した池のほとりの駐車場に車をとめて、そこから森の中の小道を雪をさくさく踏みながら歩いて、森の中にある小さな教会に行きました。途中で、雪に覆われた小川にかかる小さな小さな橋を渡りました。なんとなく「くまのプーさん」の百丁森を歩いているような気分になりました。

写真 1

 小さな教会で、座席数は50くらいだったでしょうか。ステージの後ろ側が大きなガラス張りになっていて、森の中がよく見えます(写真2)。珍しいつくりだと思います。

写真 2

 写真が小さくてわかりにくいと思いますが、うしろのカラマツでしょうか、木の幹にクリスマスのリースが飾られています。小さなステージの真ん中にはチェンバロが置かれています。プログラムの後半になると、ちょうど楽器やチェンバリストに日が射してきて、まぶしそうでお気の毒でした。

 出演者は

フルート:福永吉宏
メゾソプラノ:福永圭子
チェンバロ:春山操

 で、主にバッハやヘンデルのプログラムでした。モダンフルートだったので、バロックピッチ(A=415Hz)ではなくて、モダンピッチでした。途中で休憩をとらない、1時間くらいのショートプログラムでしたが、なかなか楽しかったです。普段、教会にいらっしゃる方々が対象のプログラムだったようで、親しみやすい曲が多かったのですが、フルートとメゾソプラノとチェンバロで演奏された曲目の中で、フルートと歌が全てユニゾンで演奏する曲が多くて意外でした。

 福永吉宏さんは、京都・バッハ・ゾリスデンを主宰されていて、20年近くかけてバッハのカンタータ全曲の演奏をなさったりされている方なのだそうです。そんな方ですから当然、バッハの数々の美しいフルートと歌のアリアを大変よくご存知のはずなのに、あえてそういった曲ではなくて、歌と全く同じ旋律を歌に重ねて演奏されたのはなぜなんだろうと思いました。

 今回のコンサートは、私のスピネット(小型のチェンバロ)を作っていただいた春山工房の楽器が使われていて、その関係で案内をいただいて聴きに行ったのですが、楽器に日が当たっているのが気になってはらはらしてしまいました。

<おまけのひとこと>
 昨日の25日(日)は、お昼近くに更新しました。下の子がプレゼントのレゴを組み立てていたのですが、棒状の部品の長さを間違って使ってしまったため、あと少しで完成というときにパーツが足りなくなって、間違えた可能性がある場所をばらして探したり、キーパーツのウォームギアを入れ忘れていることが完成直前にわかって(歯車を回しても動力が伝達しない)、ほぼ全部ばらして組みなおしたり、というのを手伝っていたらお昼になってしまいました。(できるだけ手を出さないつもりだったのですが、さすがに長時間になって本人もくたびれていたようだったので、最後だけちょっと手伝いました。)

 年内の最後の週になりました。今月中にやっておきたかったことがまだぜんぜん終わっていなくてちょっと困っています。

 いつも見せていただいている“パズル・マジック・トリック・イリュージョンなどを紹介するブログ”MISDIRECTIONこちらで、キングと悪魔のパズルをご紹介いただきました。ありがとうございます。






12月27日(火) 日時計(その1)

 先日、ふとしたきっかけで日時計を作ってみたくなりました。フリーで公開していただいている、日時計の文字盤を印刷できるソフトウェアがいくつか見つかったので、そのなかの1つを印刷して作ってみました。

写真 1

 これは、こちらのSeaGate HomepageというところのSundial Makerというのを使わせていただきました。ありがとうございます。

 直角三角形の板を垂直に立てて、その影を読みます。文字盤のほうに細長いスリットを切り抜いて、下から通すほうがきれいにできると思います。

 このソフトは、緯度経度を入力すると文字盤を自動生成してくれるのですが、「日付指定あり/なし」が選択できます。逆に言うと、日付が変わると厳密には文字盤が変わるべきなのです。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 すみません、また途中で中断している話題が増えてきてしまいました。(写真をご紹介するだけで手軽に書ける内容に最近は偏っています。)メールの御返事も滞っていてすみません。






12月28日(水) 日時計(その2):アナレンマ

 web でダウンロードした日時計のデータを印刷して作ってみる話の続きです。今日は昨日のものとは別のタイプの日時計です。

図 1

 これは、鹿島宇宙通信研究センターというところのwebの日時計のページで、緯度と経度を指定して自動生成してもらった日時計データのpdfファイルから作ったものです。ありがとうございます。

 昨日ご紹介した分度器のような素朴な文字盤のタイプのものと違って、今日のものはかなり複雑に線が描かれています。 この線は何でしょう? この日時計、どうやって時刻を読み取ったらよいのかわかりますか?



 上の写真の日時計の文字盤をよく見ると、細長い8の字型が並んでいるのがわかります。8の字の上には赤い点が打ってあって、赤い文字で数字が振られています(図2)。数字は1から12です。

図 2

 さて、この数字は何でしょう?



 カメラをまる一年の間完全に固定しておいて、毎日全く同じ時刻に太陽の写真を撮ったとしたら、太陽の位置は一年間でどのような軌跡を描くでしょうか。太陽は、夏至に一番高くなって、冬至に一番低くなって、その間を結んだ直線上を一年間で行ったり来たりするのでしょうか。

 実はそうではないのだそうです。同じ観測点で毎日同じ時刻に太陽の位置を調べると、その軌跡は8の字の軌道になるそうで、これを「アナレンマ(analemma)」と呼ぶそうです。たとえば、こちらの太陽が空に描く8の字の軌跡――『アナレンマ』撮影奮闘記という記事や、そこからたどれる写真(たとえばこちらとかこちらなど)を見ると、太陽の軌跡がよくわかります。

 本日ご紹介した日時計は棒の影の先端を読むのですが、この文字盤の細長い8の字は、この「アナレンマ」を示しているのです。太陽が一年間で同じ時刻に8の字を描くので、棒の影の先端も同じように8の字を描くのです。赤い点と数字は、1月から12月を表しています。つまりこの日時計では、測定日の日付を使って時刻を読むのです。たとえば、影の先端が、下の図3の青い◎印の位置に来たとしましょう。

図 3

 この印は10:00を表す黒い線の上に乗っていて、赤い点11と12の間ですから、もしも観測日が11月上旬であれば、時刻はだいたい10時だということになります。 ところが、もしも観測日が2月上旬だったとすると、この印は10時よりも3つ右のグレーの線の上にあると解釈して、時刻はだいたい10時30分だと読むことになります。

 これをみると、昨日ご紹介したような分度器のようなシンプルな文字盤の日時計というのは季節によって誤差があることや、その誤差は冬場のほうが大きいということがわかります。本日ご紹介したような日時計は、一年間の太陽の位置の変化をすべて文字盤に反映しているので、きちんと読めばより正確な時刻が読み取れるはずですが、パッと見て読みにくいという欠点があります。

 日時計というのもおもしろいですね。

<おまけのひとこと>
 一応本日で今年の仕事は終わりだったはずなのですが、大きな「冬休みの宿題」が出来てしまいました。ちょっと大変です。






12月29日(木) 年賀状

 1日更新をお休みしました。30日の朝の更新です。お休みの間は、通常の話題ではない、単なる日記のような話が増えると思います。また、更新も不定期になると思います。

 我が家ではいつも年賀状を書くのはとても遅くて、毎年年末の仕事納めの日とその翌日にやっています。昨日(29日)は家族で朝から一日じゅうそれぞれの年賀状づくりをしていました。

 上の子のぶんは例年本人が絵を描いて、それをスキャナで取り込んで必要枚数だけ印刷してやります。下の子のぶんは、今年は本人が写っている写真を使いたいということで、それを探して使うことになりました。私や家内のぶんは、いつもこの1年間の写真から3パターンくらい作ってみて、その中からそれぞれ何枚ずつ印刷するのかを決めて使います。 下の写真はボツになった素材の1つです。(撮ったのは12月24日です。)

 うちでは、4年前の年賀状シーズンにそれまで使っていたプリンタが故障したときにあわてて買ったプリンタを使っているのですが、これが印刷が遅くて、賀状面を全員分印刷するのに半日近くかかってしまいました。その間に別のパソコンで宛名の確認をして、とりあえず表裏の印刷が終わったところでもう夜になっていました。最後に、手書きでひとことずつ書き加えていくのですが、それが終わったら夜中でした。

 いつも、以前の年賀状の使い残しで試し刷りをするのですが、今年のインクジェットプリンタ対応年賀状は、以前のものよりも反りやすい気がします。おそらく製造コストや運搬時の重量などを考えてのことなのだと思うのですが、賀状面を先に印刷しておいて、後から宛名面を印刷しようとしたら、何度やってもプリンタの紙送りに失敗してしまって難儀しました。 手で反りを直したり、いろいろ工夫をしてみたのですが、うまくいきません。どちらの面も印刷していない状態ならば一度も失敗しないのですが、片面を刷ってしまうともうだめです。確かに乾燥していて手で紙を扱うのも厄介なくらいでしたし、プリンタが古いので、気温や湿度の関係で紙送りのローラーが滑りやすいのだと思います。仕方がないので1枚ずつ、給紙のタイミングに手でアシストしてやって、ようやく全部刷れました。

<おまけのひとこと>
 新聞を読む人がだんだん減っているように、年賀状を書く人もこれからだんだん減るのでしょうね。






12月30日(金) 「小さな町の風景」

 杉みき子さんの「小さな町の風景」という本を読みました。この本は、作者の生まれ育った新潟の高田を舞台とした、4ページ程度の掌編が45編集まった本なのですが、大変気に入っている本です。

「小さな町の風景」

 「夜のくだもの屋」「白鳥」などがお気に入りです。

 もっとちゃんとご紹介したいのですが、今朝はこれから地区の集まりがあることになって、時間がないので続きはまた明日書きます。

<おまけのひとこと>
 昨日の夕方、「明日30日(金)の朝9時から八幡神社に鋤簾か鶴嘴を持って集合」という連絡がありました。なんでも、水路が凍結してしまって、このままだと水が道路にあふれて凍結してしまって大変危険なのでみんなで氷の撤去作業をするのだそうです。このところ数日間はずっと真冬日(最高気温が氷点下の日)が続いていて、今朝もマイナス12度くらいだと思うのですが、9時になればマイナス7度くらいには上がっていてくれるかなあと思っています。重装備で出かけます。

 こうやって朝から出かける日のほうが、かえって〆切の時間があるので更新をしようという気になります。不思議です。






12月31日(土) 杉みき子さんの本

 昨日の続きです。

 杉みき子さんの文章に最初に出会ったのは小学校の国語の教科書だったのですが(「小さな雪の町の物語」より「春のあしおと」だったと思います)、そのときには正直言ってあまりぴんと来ませんでした。学年が上がった後に本屋さんで「小さな雪の町の物語」を見つけて手にとってみたら、もっとずっとよいお話があったので、母に頼んで買ってもらいました。

 当時も今も私の住む県は他県に比べてお休みが短いのですが、2月に4〜5日間くらいの寒中休業というのがありました。このときの自由課題で、「小さな雪の町の物語」の中で特に気に入っていた話を1つ、全文をノートに書き写して提出したことがありました。本が手元にないので記憶だけで書いていますが、「ともしび」「おばあちゃんの雪段」「マンドレークの声」「小さな旅」とかが印象に残っています。

 「吹雪にあったら顔を下げるな。吹雪をにらんでゆけ。」(小さな旅)なんていうせりふは、冬の悪天候の日などによく思い出したものでした。



 今年は本業もプライベートも忙しい、充実した年でした。この一年、このページをご覧いただいた皆様に感謝いたします。来年もよろしくお願いします。

<おまけのひとこと>
 昨日は、凍結してしまった用水路の氷を上げる作業で、寒い中朝からお昼までずっと外で仕事をしていました。夕方、家のすぐ近くでまた水があふれそうになっていたので、ご近所に声をかけて氷を取り除く作業をしました。例年だと水を止めないのでもっと寒くても凍ることはないのですが、今年は上流で工事があった関係で一旦水をせき止めたため、氷が成長してしまったようです。そのため、水路の有効断面積が減って、ところどころから道路に水があふそうになっていて大変なことになっていました。
 昨日はとても寒くて、流れていると水は凍らないのですが、止まっている水は凍ってゆくのが見えました。でも、厚着で行ったため、力仕事をしているととても暑くなって、汗のコントロールが大変でした。






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