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以前の「ひとこと」 : 2005年12月前半



12月1日(木) キングと悪魔のパズル、アルゴリズム修正

 12月になりました。先日、クリスマスの用意のお買い物をしたのですが、そのときにボーネルンドで「おまけ」をもらいました。もみの木とトナカイのかたちをした、クリスマスツリー用の飾り(オーナメント)です。

図 1

 紐を通す穴が開いていて、片面には写真のようにボーネルンドのロゴが入っていますが、紐は通さずに、ロゴの見えない面を手前にして飾ってあります。



 思考ルーチンをバージョンアップして、「以前よりだいぶ賢くなりました」と見得を切ったキングと悪魔のパズルですが、昨夜遅くに帰宅したら、なんと11手で頓死してしまうパターンをメールでいただきました。ありがとうございます。(時間がない中で毎日更新していると、こういうこともあります。申し訳ありません。)

 実は昨日のアルゴリズムは、昔のものと新しいものと2種類の思考ルーチンを持っていて、序盤だけは昔の思考ルーチンで処理していました。いただいた11手解は、思考ルーチンが切り替わる前の「癖」、弱点を突くかたちになっていて、見落としていた自分が恥ずかしいです。

 というわけで、2つの思考ルーチンを融合したコードを昨夜ちょこちょこと書いてみました。バージョンが0.08から0.14にあがっています。リンク先は同じページ(こちら)ですが、アプレットのバージョン表示が 0.14 になっていますので、お試しいただけたらと思います。参考までにver 0.08のほうも残してあります。今度は、少ない手数で頓死はしないで欲しいと思っていますが、そのような解を見つけたら教えていただけるとありがたいです。

 また、ver 0.08 でも、ver 0.14 でもいいですが、見事キングを捕まえた画像をご送付いただいたら、対応するバージョンの思考ルーチンを視覚化したアプレットを差し上げたいと思います。(昨日、カウンタが24万を越えたようで(いつもご覧下さる方、大変感謝しております。ありがとうございます。)、最近カウンタの数値関連のイベントをやっていないので、その御礼も兼ねて、と思っています。)ただしソースはすみません、非常に汚いので、htmlファイルとclassファイルのみのご提供になります。

 無制限にいつまでも、というのは大変なので、一応期限は1ヶ月以内ということにして、差し上げる人数も10名程度にさせていただこうかと思っています。(そんなに希望はないかもしれませんが。)すでに画像をいただいているお二人には、興味を持っていただけると信じて差し上げようと思っています。

<おまけのひとこと>
 最近はまた、このページに書きたい話題のストックが増えているのですが、いかんせん時間がなくて用意ができません。いつも、月初めには自分の中での評価が高い話題を出したいと思っているのですが、今回は「キングと悪魔」のバージョンアップで精一杯でした。






12月2日(金) クリスマスのオーナメント(その2)

 昨日はボーネルンドの「おまけ」のオーナメントをご紹介しましたが、同じ日に、イカロスさんにも行きました。このお店にはパズルもたくさんありますが、私は主にカードゲームやボードゲームを購入することが多いです。今回も、ご主人の説明用(ご自宅用)のパッケージを使って、カードゲーム3種類、ボードゲームも3種類ほど、私と下の子とご主人と3人で、それぞれのゲームのさわりをプレイさせていただいて、その中からカードゲームとボードゲームを1種類ずつ購入してきました。おいおいご紹介したいと思います。

 また、最近のパズルのお話ですとか、私が今年の6月に初めて「葉樹林」に行ったこと、そのときに「イカロスさんによろしく」というおことづけをいただいてきたことなどもお話することができました。お店には復刻版「The 太陽」のパッケージがまだ3つほど飾られていました。

 そのときに、「イカロス」さんでも、「おまけ」のオーナメントをいただきました。

図 1 図 2

 外側の赤い木の輪、その内側のレースのリース、一番内側のベルの形がそれぞれ回転できます。たいへんきれいです。図1がシルエット、図2は色がわかるようにフラッシュを光らせて撮った写真です。



 キングと悪魔のパズル、「解けました」というメールを何通もいただいています。旧バージョンのver 0.08に関しては、さらに手数が短縮された9手解が送られてきて、びっくりしています。ありがとうございました。 また、ver 0.14のほうですが、47手解というかなり短い手数のものもいただいています。 楽しんでいただけているのならば大変嬉しく思います。

 画像を送ってくださる方、テキストで手順を書いてくださる方、ありがとうございます。ただ、デバッグ用の思考ルーチンの視覚化アプレットについて言及して下さる方がほとんどいらっしゃらなくて、そういう方にはお送りしたほうがいいのか迷っています。

 今後、もしも「解けました」メールをいただけるとしたら、「思考ルーチン視覚化アプレット」が必要かどうか書いていただけるとありがたいです。(今のところ5名の方に差し上げています。)

<おまけのひとこと>
 今週はずっと帰りが遅いのですが、今日は職場の忘年会なので、仕事ができる時間が限られています。久しぶりにお酒をたくさん飲むことになりそうです。






12月3日(土) フリーの楽譜を製本する

 フリーの楽譜をいくつかダウンロードして印刷してみているのですが、普通の紙に印刷しているので、扱いが面倒です。特にアンサンブルの鍵盤パートの楽譜は、1枚1枚の紙のままだとページめくりに困ります。透明なクリアフォルダとかに入れると、こんどは反射光が気になって見にくかったりします。そこで、少しずつスケッチブックやノートなどに貼っています。ポイントは、リング綴じになっているものを選ぶことで、そうしないと開いた状態で安定してくれません。

図 1 図 2

 図1、図2は、以前もご紹介したFree Sheetmusic from Johan Tufvessonという古楽の楽譜のページからいただいた、パッヘルベルの6つのアリアと変奏を横長のスケッチブックに貼ったものです。B5の用紙に印刷して、スケッチブックにぴったり合うように、縁を切り落としています。ちょっと前の型のプリンタを使っているので印刷に時間がかかるので、印刷しながらゆっくり作業しています。

図 3

 こちらはヘンデルのソロカンタータの楽譜です。こちらのページからダウンロードさせていただきました。これは縦長のノートに貼っています。

 いずれの楽譜にも、“Non-commercial copying welcome”(非商用のコピー歓迎)と書かれています。たいへんありがたく利用させていただいております。

<おまけのひとこと>
 今日・明日は上の子の学校のクラスの行事で、避難生活の体験をすることになっています。市役所や消防署からも講師の方をお招きして指導を受けたり、非常持ち出し袋を持ち寄って確認したり、灯りや暖房のない冬の夜の体育館(おそらく氷点下)を何時間か体験したりするのだそうです。






12月4日(日) ?

 週末なので、軽い話題です。先週は毎日帰宅が遅くて大変だったのですが(今週もそうなりそうですが)、数日前に朝起きたら、寝室の机の上に、なんだか見慣れないものがありました(図1)。

図 1

 最近は日の出も遅くてなかなか外が明るくなりませんし、まだカーテンも開けていないので、なんだかよくわからないのですが、なんだろう、大黒様の置物? まさか? と眼をこすりました。正解は別の話題をはさんでその下に載せておきますが、何に見えますか? (これは一般的な「シルエットクイズ」として適切な問題ではありませんので、真剣に考えていただかないほうがよいと思います。)











 下の子と将棋をちょっとやってみたら、まだ最後の詰め方がわからないようなので、基本的な詰め将棋を並べて遊んでみています。私が玉方を担当しているので、普通の詰め将棋とは向きが逆ですが、たとえばこんなものです。

図 2

 一手詰めです。まだ、実際に駒を動かしてみないとその後どうなるのかを考えるのが難しいようです。ちょっと手数が長くなると(といっても七手とか九手とかいうレベルですが)、私では受けや変化をきちんと説明できるか心許ないのですが、さすがに一手詰めや三手詰めならこちらが迷うことはなくて楽です。





















 さて、元の話題に戻って、冒頭のシルエットですが、正解はこれです。

図 3

 水栽培の球根で、根に光が当たらないようにハンカチを巻いてあったのでした。シルエットの左上の突起は、ハンカチの結び目でした。 また水栽培の季節になりました。

<おまけのひとこと>
 空気がすっかり「冬の感じ」になってきました。

 今回、キングと悪魔のパズルのアルゴリズム改良をちょっとやったのですが、本当はPositのアルゴリズムこそ改良しないといけないなあと思っています。






12月5日(月) サークルキューブL6 (その1)

 先日、11月18日のひとことで、下の図のようなかたちをご紹介しました。

再掲図

 このかたちが気に入ったので、カーペンターブロックで作ってみることにしました。

 作る際には配色をどうしようかと考えるのですが、とりあえず最初は1色で作りたいと思います。さてパーツはいくつ必要でしょうか? (再掲図の単位立方体の1辺の長さを1とすると、表面積はどのくらいでしょうか?)



 残念ながらカーペンターブロックの1セットでは1色だけでは作ることはできませんが、とりあえずは白で作ってみました。どういう手順で作ってもいいのですけれども、再掲図でちょうど見えている部分に相当する形を2つ作って、それを組み合わせることにしました。

図 1 図 2

 図1が外側、図2が内側になる方向から見たところです。

図 3 図 4

 これを組み合わせると、図3、図4になります。実際に手にとって見るとつくづく面白い形です。この形に名前がないと不便なので、とりあえず「サークルキューブL6」と呼ぶことにします。あんまり気に入っていない名前なのですが、仕方がありません。一応名前の由来を説明しますと、立方体3つがL字につながっているところが、表と裏どちらからも3つずつ見えるので、あわせてLが6つ、ということです。

 さてそれでは例によって問題です。この形(体積は13あります)は空間を充填するでしょうか? するとしたらどのように?



 昨日はお昼前から小雪が舞い始めて、夕方にはしっかり積もっていました。子供たちは、土曜日の避難生活体験に続いて昨日の日曜日も朝から学校の体育館に行って親子レクリエーションをやってきたのですが、2時半くらいに帰ってきてから大喜びで雪で遊んでいました。元気で何よりです。

 庭に下りるコンクリートの階段に雪を突き固めてスロープを作ってそりで遊んでいました。ヘルメットはかぶるように言いました。デジタルカメラはシャッターラグがあって、タイミングが難しいです。

<おまけのひとこと>
 土曜日の避難生活体験が地元の地方紙に載りました。webではテキストの記事だけでしたが、新聞には写真が載ったので、雪の中を近くのコンビニエンスストアまで買いに行きました。
 カーペンターブロックのクリスマス限定商品のページに、なんだか見覚えのあるかたちがいくつも採用されていて、とても嬉しくなりました。






12月6日(火) 年齢

 先日の飲み会の席で、職場の若手と話をしていたときに、その日出席していなかった職場の人の話題になりました。で、彼は年齢不詳なんだけれどおいくつなのかご存知ですか、とたずねられたので、「彼は確か昭和エックス年生まれて、今年の誕生日でちょうどエックス歳になったはずだよ」と答えておきました。「え、どういう意味ですか?」と言うので、「いや、だから生まれた年を昭和で表したときの数値と、本人の今年の年齢の数字が同じ、ってこと」と説明しておきました。 かなりお酒が入っていたので、ちょっとヒントを出してあげましたが、しばらくしたら正解を出してくれました。(あ、もちろん私も誰彼かまわずこういう話題を振るわけではありません。面白がってくれる人を選んでいます。)

 というわけで問題です。

1.今年誕生日を迎えるとN歳になる、昭和N年生まれの人は何歳でしょうか?

2.上記のような「昭和X年生まれで、誕生日を迎えるとX歳になる」人は、毎年必ず居るでしょうか?







ここで一応ちょっと考えていただくとして











































 問題2のほうは、一応「昭和」に限定したいと思います。昭和の範囲を昭和元年から64年までだとして、「昭和X年生まれで、誕生日を迎えるとX歳になる」人が存在するのは西暦何年から何年の間でしょうか? (昭和元年は西暦1926年です。)

<おまけのひとこと>
 きっと多くの方がそうなのだと思うのですが、自分と世代が離れると、「あの人はだいたい何歳くらい」というのがわかりにくくなります。

 昨日は雪のせいで朝の通勤路が渋滞して大変でした。そう思っていつもより45分ほど早く出たのですが、それでもいつもより遅く着きました。






12月7日(水) サークルキューブL6 (その2)

 一昨日、「サークルキューブL6」と呼ぶことにとりあえず決めた形、これの空間充填の可能性を考えてみようと思って、同じ形をカーペンターブロックでもう1つ作ってみようと思いました。

図 1 図 2

 とりあえず赤と黄色で半分作ったところで、いろいろ組み合わせてみています。

図 3

 これはこれでおもしろいです。





 一昨日の月曜日の朝は、結局いつもの3倍くらい通勤に時間がかかってしまいました。要所要所の信号の近くでは、のろのろと20秒くらい動いては30秒くらい止まっている、というパターンが続きます。車の窓の雪はもちろん払って出発するのですが、屋根の上の雪までは全部下ろさないで出かけたので、雪が溶けた水が少しずつフロントガラスにたれてきます。

 今日のパターンは、きれいにクランク状の水路になっていたので、渋滞で停車しているときにその様子を写真に撮ってみました。

図 4 図 5

 縦方向はもちろん重力で流れの方向が決まるのですが、横に曲がるときはワイパーの軌跡に沿って流れています。おそらく、何か疎水性のもの(油とか)がワイパーでガラスに塗りつけられてしまって、そこで曲がっているのだと思います。一番最初に水滴が下りてくるときには速度はとてもゆっくりで、進みたい先を探しながら迷いながら進んでいるように見えるのですが、一度流路が出来てしまうと、流速はかなり速く見えます。

 ワイパーでぬぐってしまっても、また同じ流路で流れます。 一度出来た流路から外れるのは難しいようです。

<おまけのひとこと>
 昨日はもう一台の車のほうもタイヤを交換しました。まあこれでしばらくは雪は降らないとは思うのですが。






12月8日(木) プログラミングコンテスト

 久々に「エキスパートCプログラミング」という本を手に取る機会がありました。本論もとても面白いのですが、コラムが話題豊富で楽しいのです。その中に、とある大学のプログラミングコンテストの話があります。コンテストの課題は、

 たくさんの数値の書かれたファイルを開いて、その数字の平均値を表示せよ。UNIXの上で、C か Pascal で書くこと。少しでも高速なプログラムが勝ち。

というものだったそうです。与えられるデータの特定の性質に期待したアルゴリズムであってもよく、複数のプログラムをエントリーしてもよい、という条件で、自分がエントリーしたプログラムの中で、とにかくもっとも実行時間が短いプログラムが勝ち、というルールだったそうです。条件を揃えるため、同じコンピュータの上で、マルチタスクでほぼ同時に(タイムシェアリングで)実行され、それぞれのプログラム(プロセス)が消費したCPUタイムの合計の数値のうち、最短時間のものが勝ち、というルールで実行されたそうです。

 コンテストを主催した教授会が予想した優勝タイムは10秒程度だろうということだったのだそうですが、なんとコンピュータが出力してきた優勝者のタイムはマイナス3秒、時をさかのぼってしまったのだそうです。また、2位のプログラムは、3ミリ秒、予想より3000倍も速く正解を出したそうです。3位のプログラムは、10秒を若干切る程度のタイムだったそうです。

 1位に関しては、OSの時間測定を「だます」テクニックを使っていたそうです。2位は、コンテストのルールの裏をかく技を使ったそうです。この1位と2位の扱いについて、教授会では、「不真面目であり懲罰の対象である」という意見と、「ルールを解釈した上で最善を尽くしたことは認め、とはいえ本来の趣旨から外れるのは明らかなので特別賞にしよう」という意見とに分かれたそうですが、結局コンテストそのものがとりやめになってしまったのだそうです。

 この話を書いたのは、先日、blogろくはロッパの…に載っていた協調と裏切というゲームを思い出したためです。今回のものは授業の課題ということで、別に高得点ならば無条件に評価が高いというものではないのでよいと思うのですが、これを「ゲーム」や「コンテスト」として捉えると、ルールをきちんと記述するのは意外と厄介で重要だな、と思うのです。 上記のblogでは、その後、こちらこちらでコメントいただいていますが(ありがとうございます)、私が正攻法以外でまず考えたのがご指摘の方法で、今回公開していただいている情報だけから考えると、今回のルールではそこまでは認めざるを得ないのでは、という気がしたのでした。 ゲーム理論のアルゴリズムを考えるという観点からすると無価値ですが、コンピュータサイエンスのアルゴリズムという観点からは、提示された拘束条件の中での最適解を探すという点で意味があると思うのです。

 さらに、本日引用した「エキスパートCプログラミング」のコラムの「マイナス3秒」のプレーヤーの手法を使うとしたら、(つまり明らかな不正ですが、) 強引にスコアを積算しているメモリの中身を書き換えるという手があります。 実は、プラットフォーム非依存でこれをやろうとするとけっこう大変で、たとえばLinux上でもWindows上でも同じCソースで、main関数の狙ったauto変数のアドレスを別関数から取得しようとするとかなり厄介です。メモリのレイアウト(関数呼び出しの際にスタックに積まれる情報)はコンパイルオプション等によっても当然変わってきますし。評価する場合の環境(OSやコンパイラやコンパイルオプション)が公開されているのであれば、それをターゲットにすれば比較的易しいですが、それが明かされていないとすると、こういった技は非常に困難になります。

 なお、これに関連して、環境の違いによる結果の違いですが、とりあえず先日、正攻法で3845点を出せた(Windows 環境で VC++ 7.0です)と書いたのですが、同じものをCygwin の gcc でコンパイルしてみたら、3855点という結果でした。これはもちろん乱数が違うためです。 これは正々堂々と本来の趣旨に従ったコードで、コンピュータ側の対戦相手の対戦順をシャッフルしてもきちんと対応できるアルゴリズムです。



 ・・・すみません、こういう話に興味のない方には退屈な話題で失礼しました。といいつつ、そのうち、別関数のauto変数のアドレスを取得する技についてはちょっと書きたいと思っています。

<おまけのひとこと>
 もう1つ、もっと「とんち」のようなやり方もあって、ユーザが定義する関数が最初に呼び出されたとき、もっともらしいダミーの結果を端末に出力して勝手に終了してしまうようにする、という手もあります。さすがにこれはいくらなんでもひどすぎますが。






12月9日(金) ビリヤード問題

 先日、縁あって日本数学協会という団体に入会させていただきました。日本数学協会のニュースのページに、12月6日付で「安達太良高原数学セミナーの開催について」というお知らせが掲載されていて、そこに、「今回の算額」と題して正方形のビリヤード台の問題が出ています。問題の詳細は書きませんが、これを読んで、いつも楽しみに拝見している“ikuro's-homepage”のコラムの「ビリヤード問題」を読んだことを思い出しました。(類似の内容が「最短距離に関する問題」という回にも掲載されています。)

 以前、格子パターンがあるとついそれをビリヤードの軌跡のように眼で追ってしまうという話を書いたことがありましたが、とある図形の内部を、反射の法則(入射角と反射角が等しい)を満たしながら軌跡を想像してたどってゆくのは楽しいです。

 上記のコラムには、三次元ビリヤードの話がちょっとだけ書かれています。

 ビリヤード球が立方体の内部で各面で1回ずつ反射して,常に同じ軌道をぐるぐると周り続けることは可能でしょうか? これは可能であって,スタインハウスが発見した例は・・・

 という話が気になりました。コラムにはこの続きが簡潔にテキストで説明されているのですが、これを読んだときにそのアニメーションを作ってみたくなって、作ってあったのです。 日本数学協会のニュースのページを見て、そのアニメーションのことを思い出したのでした。ファイルは用意してあるのですが、それを公開する前に、それがどんな軌道になるのか考えていただきたいと思って、1日だけ公開を延期することにしました。



 “ikuro's-homepage”の佐藤郁郎さんは、積み木インテリアギャラリーいたち丸の中川宏さんの木工多面体に関して、たくさんの興味深い考察をされていて、大変面白いですし勉強になります。このお二人のコンビで、多くのすばらしいものが作り出されていて、いいなあと思います。

<おまけのひとこと>
 今日は年に一度の職場周辺の清掃のボランティアの日です。朝早く、まだ暗いうちに出かけます。

 空間充填の話、図が用意できないので、続きはもうしばらくお待ち下さい。






12月10日(土) 3次元ビリヤード問題のCGアニメーション

 “ikuro's-homepage”「ビリヤード問題」に紹介されていた、  ビリヤード球が立方体の内部で各面で1回ずつ反射して,常に同じ軌道をぐるぐると周り続けることは可能でしょうか? これは可能であって,スタインハウスが発見した例は・・・ という話をCGアニメーションにしてみました。こちらをご覧下さい。

 いつもはCGアニメーションというとgifアニメを使うのですが、今回は試みにフラッシュアニメーションを作ってみました。使わせていただいたソフトウェアは、こちらのMotionSWFというフリーウェアです。連番ファイルの入ったフォルダをドロップするだけで、htmlファイルも含めて自動生成してくれるので、Povrayのアニメーション出力との連携がとりやすくてとても便利です。ファイルサイズも、画質にもよりますがgifよりも小さくできます。ただし、ブラウザのセキュリティ設定でブロックされてして、ひと手間かかってしまったりしますが。

 本日ご紹介するのは最初に作ってみた視点のものです。アニメーションのフレーム枚数を減らすために、6個のボールを表示するようにしています。

(つづく)

<おまけのひとこと>
 いつも楽しみに拝見しているMISDIRECTIONのページ、パズルをはじめとして、ものすごくおもしろいページがしばしば紹介されていて、おもしろすぎてとっても危険です(笑)。こちらで知ったA Sejima's Homepageという音楽のページの、音楽作品リスト:Hybrid Musicというページがものすごく面白いです。「ピアニスターHiroshi」というひとの、パロディー音楽作品が面白くて好きなのですが、ジャンルとしては同じ分野になると思います。






12月11日(日) 3次元ビリヤード問題のCGアニメーション(つづき)

 昨日に続いて、“ビリヤード球が立方体の内部で各面で1回ずつ反射して,常に同じ軌道をぐるぐると周り続ける”軌道のCGアニメーションです。昨日ご紹介した「その1」がいまひとつわかりにくいような気がして、視点を変えた「その2」も作ってみましたのでご覧下さい。





 誠文堂新光社から出ている「子供の科学」という雑誌があります。自分が子供の頃に買ってもらっていたのですが、下の子にも買ってやっています。定期購読はしていないのですが、近所の本屋さんでなかなか手に入りません。 それでも発売日だと手に入る確率が高いので、新しい号の発売日だった昨日、2006年1月号を買って来ました。

 付録が「子供の科学 オリジナル サイエンストランプ」というもので、1枚1枚のカードに科学者の名前とイラスト、ごく簡単な業績などが記載されているものです。1枚だけ、写真をご紹介します。

 誰がどのカードなのかな、というところが興味があるところなのですが、エース4人はそれなりに納得できました。このトランプで「ナポレオン」とかをやったらおもしろいだろうな、と思います。

 今月号の「子供の科学」(730円)は、この付録のために買ってもよいのでは、と思うくらい、この付録が気に入りました。お勧めです。

<おまけのひとこと>
 このごろ本業のほうが忙しくて、昨日も朝の更新をしたら、庭の水道の凍結防止帯の点検をしたくらいで、あとはたいしたこともせずに半日くらいずっと寝ていました。






12月12日(月) プラネタリウム

 しばらく前に話題になった、「大人の科学」の9号のピンホール式プラネタリウム、作ってみたいなあと思ってずいぶん以前に買ってありました。先日これを作ってみました。

図 1

 写真左側がパッケージで、その中に100ページほどの冊子がついています。いろいろな改造のヒントや作例がついているのですが、今回は素直にキットの通り作ることにします。必要な道具は、プラスドライバーとはさみだけです。

図 2

 パッケージからパーツの入った発泡スチロールを取り出したところです。もう、見るからにわくわくします。

図 3

 のんびりお酒を飲みながら、休み休み1時間くらいかけてゆっくり作りました。途中経過の写真を撮ろうかと思っていたのですが、面倒になってやめました。図3は出来上がりの写真です。なんといってもかたちが正十二面体だというところがとてもいいです。こういうきれいな多面体形状でなければ購入しなかったかもしれません。

 長時間露光が出来るディジタルカメラが手元になかったので、投影写真はありません。でも、雰囲気があってとてもいいです。

<おまけのひとこと>
 Hotwiredの、テクノロジーは幸福をもたらすかという記事を読みました。いろいろと共感するところがありました。たとえば

 以前はのんびり屋だった私も、今ではせっかちで怒りっぽくなった。欲求が即座に満たされないとイライラする。そして、これは私だけの話ではない。現代は世界中が不機嫌になっている。
という一節がありました。 便利になると幸せになるような気がするのですが、それは不便だった頃を知っているからで、便利が当たり前になってしまえば、その「当たり前」が基準・前提になってしまうため、ちょっとでもその「当たり前」が実現されないと、不幸せになってしまうのですね。 






12月13日(火) クリスマス・リース

 昨夜遅く帰宅すると、玄関にクリスマスのリースが飾ってありました。

 なんだかほっとして嬉しくなりました。さっそくカメラを取り出して写真を撮りました。

<おまけのひとこと>
 すみません、今週も本業が忙しくて、あまりたいしたことが書けません。メールの御返事なども遅れていて、すみません。






12月14日(水) マッサージ・ボール

 先日、缶ビールの6本パッケージの「おまけ」にマッサージ・ボールがついていて、それにつられて買ってしまいました。手で握って手のひらのツボを刺激するんだそうですが、このいがいがの形が気に入ったのです。

図 1 図 2

 例によって独楽のように回してみました。対称性があって壊れにくいものを入手すると、とりあえずバランスをとって立ててみようというのと独楽のように回してみようというのはよくやってみるあそびです。

 これ、小菱形立方八面体(斜方立方八面体)の面の位置にトゲが出ている構造になっているのかな、と期待したのですが、トゲの数やおおよその位置はそうなのですが、実は正方形の板と同じ対称性しか持っていない構造だということがわかってがっかりしました。

<おまけのひとこと>
 今日は、高所作業の安全対策の打ち合わせに出かけます。私のチームには、自称「ナントカと煙は高いところが好き」というのが何人かいるのですが、安全関係の専門家のところに図面を持って落下防止帯や安全帽(ヘルメット)の相談に行ったところ、そういう対策よりも作業環境の再検討をしたほうがよいと言われて、急遽その相談に行くのです。






12月15日(木) Kunterbunt (いっしょいっしょ)

 先日、クリスマスのお買い物に行ったときに、小淵沢のおもちゃ箱 イカロスに行ったのですが、そのときにカードゲームを1つ、仕入れてきました。

図 1

 図1はパッケージの写真です。この中にカードが15枚入っていて、その15枚には下の図2のような絵柄が描かれています。ご覧の通り、この2つのカードは同じではなくて、描かれているものの位置や色が違います。

図 2

 このゲームは、2枚のカードの中で、色も形もまったく同じものを早く見つけた人が勝ち、というあそびです。「間違い探し」ならぬ「同じの探し」です。遊び方は、最初にカードをよく切って伏せて山札にします。山札から2枚めくって、その中で同じものを最初に見つけた人が、カードのどちらか1枚をもらいます。それ以降は山札から1枚めくっては、表になっている2枚の中で同じものをみつける、という繰り返しです。

 たとえば図2ならば、何が「同じもの」かわかりますか? 何秒くらいで気がつきましたか?

 このカード15枚のうち、任意の2枚を選ぶと、その中に必ず1組だけ全く同じものが描かれているようになっています。パッケージには、対象年齢は5歳以上、人数は2〜8人、1回のプレイ時間は15分、と書かれていますが、一人でもタイムトライアルをして遊べますし、時間もそれほどかかりません。とても単純なゲームですが、子供と大人のどちらが有利ということもなくて楽しめます。

 我が家でやる場合は、とにかく同じものに気がついたら、そのものの名前を叫ぶというルールにしています。間違えたらその回の権利を失います。一番最後の2枚の回は、勝者は1枚ではなく2枚ともカードをもらえることにしています。14回の「同じの探し」で、一番カードをたくさん持っている人が勝ちです。

 とてもシンプルですがお勧めです。

<おまけのひとこと>
 このところとても忙しくて大変です。






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