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以前の「ひとこと」 : 2005年8月前半



8月1日(月) FOREVER UP-DOWN

 先日、「これは何でしょう?(その1)」と写真をご紹介したものの解説です。実は、写真を掲載した日のうちに、正解をメールでいただいています。ありがとうございました。 これは製品名が“FOREVER UP-DOWN”(直訳すると「無限に上下」)と言って、日本語のパッケージには「フリップ・ボード」と訳されています。

図 1

 ボールが2個付属品としてついていて、そのボールを表面の溝に入れて、落とさないようにぐるぐる回転しながらボールを転がして遊ぶものです。そんなに簡単ではありません。パッケージには「3歳以上」とかかれていますが、3歳でできたらかなりバランス感覚と手をコントロールする能力が高いと思います。

図 2

 パッケージの写真です。小さくて文字はよく読めないと思いますが、フリップ・ボード(S) と書かれています。同じ形でサイズ違いの製品があって、これはSサイズ、小さいほうです。買値は1,280円とかそのくらいの値段だったと思います。

 このかたち、「オロイド」を思い出します。床の上で転がしてみたのですが、うまく転がりませんでした。斜面で試してみたいのですが、ものが大きいので、試せるよい場所がみつかりません。変なところで試して本体を傷めてしまいたくないですし。

 <おまけのひとこと>
 8月ですね。今週・来週は仕事が詰まっていて忙しいです。






8月2日(火) INFINITE LOOP

 昨日に続いて、先日「これは何でしょう?(その2)」と写真をご紹介したものの解説です。昨日のものと同じシリーズの製品で、こちらは製品名は“INFINITE LOOP”、日本語の方は「サイクル・ループ」と訳されています。

 以下、連続写真でこの「サイクル・ループ」の使い方をご覧いただきましょう。これもやっぱり溝にボールを転がし続けるおもちゃなのですが、昨日の「フリップ・ボード」が本体をくるくる回転させてバランスをとりながらボールを転がしたのに対して、こちらは2つの半円型の軌道をかちゃかちゃと交互に接するようにしてボールを落とさないように転がし続けます。

図 1 図 2 図 3 図 4

 図1〜図4は、上半分の側を時計回りにボールが進んでいるところです。その間に2つの半円のコースを組み替えます。

図 5 図 6 図 7 図 1

 図5〜図7は、今度は下半分の側を反時計回りにボールが進みます。その間にまた、コースの位置関係を元に戻します。(図1へ)

図 8

 パッケージの写真です。これもやっぱり(S)の文字があって、同じ形でサイズ違いのSサイズです。買値はこれも確か昨日のものと同じで、1,280円とかそのくらいだったと思います。

 これ、スピードを出そうとするとけっこう大変です。また、任意のタイミングで転がるのを止めて方向を逆転させる、とか、ボールを2個にする、とかするととても難しくなります。

 <おまけのひとこと>
 昨夜は子供たちは地区の花火大会でした。今朝は後片付けのお掃除に行っています。うちのあたりは夏休みは3週間しかないのですが、合唱コンクールがあったり、公民館で子供お楽しみ会をやったり、夜に花火大会&肝試しをやったり(田舎なので、神社の鎮守の森とかが格好の肝試しの舞台になるのです)、あとは子供映画祭りをやったり、いろいろと多忙なようです。






8月3日(水) 展開図

 久々に多面体ブロックのパーツをいじってみています。とりあえず今日は面数の少ないかたちを1つご紹介します。

 正方形2枚、正三角形8枚を下の図1のようにつないで展開図を作ってみました。これを組み立てると、どんな立体になるでしょうか?

図 1

問1 : これを組み立てると何面体になるでしょうか?(2+8=10、と言いたくなりますが…)

問2 : この多面体は空間を充填するでしょうか?

問3 : この多面体の体積を求めるとしたら、どうやって計算するのが簡単でしょうか?

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 もうすぐ下の子の誕生日なので、昨日はプレゼントを買いに行ったそうです。






8月4日(木) 展開図から立体へ

 さて、昨日は正方形2枚と正三角形8枚のパネル状のブロックを使って作った多面体の展開図の写真をご覧頂きましたが、今日はこれを立体にしたものをCGでご覧頂こうと思います。

図 1

 昨日の展開図を組み立てると、図1のような形になります。面の数は全部で6面あり、正方形が2つと、正三角形が1つ、残った2面は、正三角形を3つ繋いでできる等脚台形の形の面になります。図1は、1つの正方形の面の方向から見てみたところです。

図 2

 いまひとつどんなかたちなのかわかりにくいかもしれないので、三面図を作ってみました。このように、この立体は2つの正方形の面は完全に直交する平面上に載っています。

 2つの正方形と2つの三角形が集まる頂点の方向からこの立体を見たCGを作ってみました(図3)。正三角形3つ分の台形の面は、3つの正三角形に分けて表示してみました。また、少しでも立体のイメージがわかりやすいことを期待して、「(仮称)ぷるぷる立体表示」してみました。

図 3

 さて、改めて問題です。これはどんな特徴がある立体でしょうか? 例えばこの多面体を集めて、もっと馴染み深い形を作れるでしょうか? 逆に、この形を切り分けて、もっと親しみやすい形に分解できるでしょうか?

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 我が家では8月は誕生日の季節です。私の実家からうちの子供たちに、プレゼントの本をもらいました。



 とてもうれしいです。






8月5日(金) おりがみ

 これはどんなかたちでしょう、という話の3回目です。今日は、この「正方形2つ、台形2つ、正三角形2つの6面体」の形のイメージを手近なものでつかんでいただこうと思って、ごくごく簡単な折り紙をご紹介します。折鶴用などの小さくて丈夫な折り紙か、身近な小さな紙から正方形を切り出して使ってください。

図 1:折り紙の手順

 最初に正方形を二つ折りにします。次にもともとの正方形の折り紙の4つの角が中心に来るように三角に折ります。そうしたら、折った三角2つずつで平らな正方形になるように直角に立てます。こうすることで1つの頂点を共有し、対角線が直角に交わった正方形2つを作ることができます。

 折り手順の最後の図をCGにしたのが図2です。(実際は、このCGから折手順の完成図を作りました。)図3はちょっと向きを変えて、正方形の面が下になるような向きに置いてみたところです。こうするともう一方の正方形は垂直になります。

図 2 図 3

図 4 図 5

 図4と図5は、図3と4に今回考えている多面体の稜を描き加えたものです。実はこの図3のかたちを作ってみたのが、今回この多面体についてご紹介することになったきっかけです。 しばらく前に会社の食堂でお昼ご飯の後になんとなくハンカチをもてあそんでいたら、図3のような形ができたのです。この7つの頂点に面を張ってできる多面体(図5)ってどんなかたちなんだろう、と思って考え始めたのが、今回このシリーズのきっかけでした。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 先日の展開図を作って組み立ててみました、というメールをいただきました。体積だとか空間充填に関して、私が意図していた通りの解やイメージが全て書かれていて、とてもうれしく思いました。ありがとうございました。このあたりの話は、CGを使ってあと2回ほど書きたいと思います。
 こういう折手順の図やCGを作るのはとても面白いです。出来上がった図にはかなり自己満足しています。もちろん欲を言えばいろいろ不満もあるのですが、趣味で作っているものなので、作業時間を極力かけずにそれなりの図を作る、というところに楽しさを見出しています。(それでも今回の折手順の図とCGとで、1時間以上かかっています。珍しく時間をかけた更新です。)

 今日は下の子の誕生日です。本人のリクエストで、誕生日プレゼントは家の中のどこかに隠されていて、メッセージカードとプレゼントの場所のヒントの紙が枕元にある、というのが最近の趣向です。私は今朝は5時半くらいに起きたのですが、本人はすでに起きていて、ちょうどプレゼントを開いていました。電池はあらかじめ用意してあったのですが、本人には入れられないので(電池ボックスのふたがネジ止めされているのです)、入れてやりました。プレゼントについてはまた改めてご紹介します。






8月6日(土) 六面体を分解する

 正方形が2枚と正三角形が8枚で作った展開図から組み立てられる立体についての話の続きです。今日は、この多面体をもっと馴染み深い立体に分解してみる様子をご覧頂こうと思います。

図 1

 ちょっとわかりにくいですが、このかたちは、図1のように正四面体2個と正四角錐(いわゆるピラミッド)2個に分解することができます。正四角錐は側面が正三角形で、これを2つ正方形の面で張り合わせると正八面体ができるかたちです。この多面体の体積を考えるときには、こうして分解して見ると考えやすいです。

(つづく)

 <おまけのひとこと>
 この週末は更新するための図面が揃っていたので、珍しく土日も更新しようかな、と思っていたのですが、結局やっぱりいつものとおり週明けにまとめて更新になってしまいました。






8月7日(日) 六面体を連結する(その1)

 このところご紹介している六面体を、昨日は良く知っている多面体に分解してみました。今日は逆にこのかたちを連結してみます。 この六面体を2つ、正方形の面で貼り合わせると下の図1のようなかたちになります。

図 1

 上下の正方形は平行になります。貼り合わせた正方形の面は垂直です。側面は4面とも正三角形を4つ繋げた細長い平行四辺形になります。(ちょうど正四面体の展開図のかたちです。)このかたちは平行六面体ですから、空間を隙間なく充填することができます。というわけで、この六面体は空間を充填する多面体です。


(つづく)


<おまけのひとこと>
 この週末は、秋のコンサートに向けてのアンサンブルの練習と、会場としてお借りしようと思っているホールの打ち合わせがありました。会場はこちらをお借りしたいと思っているのですが、ここではちょうど今、高原音楽祭というのをやっています(スケジュール)。8月7日(日)の、「フルートによるイタリア音楽紀行」を聴きました。トラヴェルソ(フルートの古楽器)が2本と、ビオラ・ダ・ガンバとチェンバロのコンサートでした。コンサートの感想を書きたいのですが、今朝(8月8日に更新しています)は時間がないのでまた改めて。






8月8日(月) 六面体を連結する(その2)

 昨日は、この六面体を正方形の面で2つ連結して、平行六面体ができる様子をご覧頂きました。

再掲図

 この六面体1つについて考えて見ると、2つの正方形は直交する面に載っています。そこで、この六面体を4つ、正方形の面で円環状につないでみると、下の図1のようなかたちになります。

図 1

 図1の中から、その上の再掲図の1個の六面体の形を見つけてみてください。大きさも方向も揃えてあるつもりです。 この六面体を4つ繋いだかたちはどんな多面体でしょうか?

 これは、正八面体から、相似比二分の一の小さな正八面体を2つ切り取った形です。図2に簡単な説明図を作ってみたのでご覧下さい。

図 2

 この、六面体を4つ合わせたかたち、正八面体から2つの小八面体を取り除いたドーナツのようなかたち、このリング状の多面体(図3)についてもう少し考えてみましょう。

図 3

 このかたちは空間を充填するでしょうか?


(つづく)


<おまけのひとこと>
 5年ぶりに自動車運転免許証の更新をしないといけないのです。今は更新期間は誕生日の前後1ヶ月の計2ヶ月なのだそうですね。






8月9日(火) 古楽コンクール

 ちょうど一年程前に、無料のアクセス解析のサービスの利用をはじめたのですが、それを見ているとどうやら世間は夏休みの方も多いのか、このところアクセスが少ないようです。 昨日の角張ったドーナツのようなかたちの空間充填の話をする前に、そのうち書こうと思っていた音楽の話を2つ3つ書こうと思います。



 今年の4月25日のひとことでご紹介しましたが、毎年4月に山梨県甲府市で開催されている古楽フェスティバルに行くことにしています。このイベントのハイライトは古楽コンクールなのですが、今年は鍵盤楽器部門のコンクールがありました。ステージの上に、様式の異なる何種類ものチェンバロが並び、演奏者が曲目に応じてそれを使い分けて演奏するので、とても楽しみなイベントです。もっとも、全部聴くととても長時間なのでさすがに大変ですし、家族で行っているのであまりたくさんは聴きません。 毎年初日の土曜日が予選、二日目の日曜日が本選で、本選の審査のあいだに前年度の入賞者の演奏があります。 今年は本選の最初のほうを少し聴いて、その後で楽譜の展示即売に行って、一旦会場を離れて食事をしに行ったあと、もう一度会場に戻って昨年の入賞者の声楽などを聴いて帰ることにしました。

 会場に戻ったときに、ロビーでどこかで見覚えのある方をお見かけしました。 どなただったっけ? と考えてみたら、昨年の6月にあづみ野でコンサートをやったときに楽器を提供してくださった、穂高の楽器製作者の吉岡さんでした。(04年6月27日のひとことに、調律中の吉岡さんと楽器の写真があります。) 「昨年、あづみ野で県内のアマチュア古楽団体でのコンサートをやったときに、吉岡さんの楽器を弾かせていただきました、その節はありがとうございました、」とお声をかけたら、憶えていていただけました。 コンクール出場の福間彩さんの応援に予選から来ていること、本選はなかなか期待できる演奏だったことを伺いました。

 その後、本選の結果発表を待たずに私は帰ってしまったのですが、つい先日、その吉岡さんからお電話をいただきました。吉岡さんが応援されていた福間さんは見事最高位(第一位が空席の第二位)だったこと、今度、山梨県都留市の古楽祭や栃木蔵の街音楽祭に出演のため帰国するので、あづみ野コンサートホールで吉岡さんの新作のヴァージナルを使って演奏会をされること、そのときに、2000年の甲府古楽コンクールで最高位だったリコーダーの宇治川朝政さんも出演されること、を伺いました。演奏会の詳しい案内はこちらです。(ちなみに、2000年に宇治川さんがコンクールに出場したときの伴奏者が福間さんだったのだそうです。)

 いまや私のやっている古楽アンサンブルはほとんどデュオという状態になってしまっているので、今度自分たちでやろうと思っているコンサートも、おそらく編成は「リコーダー2本」「ソロ+スピネット(鍵盤)」、もしくは鍵盤独奏とか無伴奏のソロという形式になります。なので、リコーダーとチェンバロの演奏会というのは非常に興味があります。 喜んで伺います、とお返事しておきました。

 数日前にまた、吉岡さんからお電話をいただきました。なんと宇治川さんがブリュージュ国際古楽コンクールで第二位(第一位の居る二位なのか、最高位の二位なのか、詳細は伺っていないのですが)になったのだそうで、受賞後初の国内コンサートが今度の19日になります、とのことだそうです。おめでとうございます。今度聴かせていただくコンサートがますます楽しみになりました。

<おまけのひとこと>
 自動車の免許証の更新をしました。以前までは「免許の条件等:眼鏡等」だったのですが、今度からは「免許の条件等:眼鏡等(小特車及び原付車を除く)」になりました。少し条件が緩和されました。といっても、私はいつも眼鏡をかけているので、関係ないんですけれども。






8月10日(水) 森のコンサート

 先日の日曜日、こちらに案内のある高原音楽祭のプログラムの1つである、「フルートによるイタリア音楽紀行」を聴きに行きました。プログラムは以下のような内容でした。


 1. コレッリ トリオソナタ op.2-3 C dur                       Flx2,Cemb,Bc 
 2. ロカテッリ ソナタ g moll                                 Fl,Cemb,Bc  
 3. ヴィヴァルディ 協奏曲 D dur                              Flx2,Cemb,Bc 
 
 4. バッハ イタリア協奏曲 BWV971 F dur                       Cemb     
 5. コレッリ ソナタ op.5-4 G dur                             Fl,Cemb,Bc  
 6. モーツァルト オペラ「魔笛」からフルート二重奏による5曲  Flx2     

 チェンバロの方以外はアマチュアなのだそうですが、大変レベルの高い演奏で感心しました。プログラムには出演者の経歴が書かれていたのですが、本業のほうでも超一流の方々で、さぞかしお忙しいだろうに、これだけのレベルの演奏を定期的に行っておられるとのこと、見習いたいなと思います。

 やっぱりコレッリはいいなあと思いました(トリオソナタ、ソナタどちらも)。また、本来シャープ系の調が得意なはずのトラヴェルソで、ロカテッリのg-moll(フラット2つ)のソナタをやるのはかなり難しいのではないかと思うのですが、そんなことはまったく感じさせないすばらしい演奏でした。

 バッハのイタリア協奏曲は上り調子で内容がよくなって、特に三楽章がとてもよかったと思いました。こればっかりは二段鍵盤でないと効果が出ないので、自分の楽器では弾けません。(でも二段鍵盤があったとしても技術的に人前で弾けるレベルにはおそらくなりません。) チェンバロで特に驚いたのは、休憩時間にチューニングをしているのをちょっと見学したのですが、チューナーを一切使わずに音を揃えていて、とても感心しました。

 最後の同種楽器のデュオ、やわらかなトラヴェルソの音色が美しかったです。どちらがいい悪いではなくて、お二人のトラヴェルソの音色がぜんぜん違っていて、特にそれぞれのソナタ(プログラムの2番と5番)が、音量や雰囲気がそれぞれの曲にあっていて感心しました。一緒に聴きに行ったアンサンブルのメンバーのトラヴェルソ吹きの人が、楽器の素材が違うとかなり音が違うということを説明してくれました。



 コンサート終了後、最後まで残って、楽器を見学させてもらいました。チェンバロ奏者の方と話をしていたら、とても驚いたことに、「昔、学生の頃に合唱をやっていらっしゃいませんでしたか?」と言われました。 その団体名をずばり言われたときに(CMA合唱団という団体でした。創立は私が生まれる前という古い団体なのですが、webで検索してもほとんど情報はありません)、ようやく私も気がつきました。 実は一時期その団体に伴奏者としていらして下さっていた方で、私を入れて2名しかいなかった Tenor の方の奥様になられた方でした。 いやとても驚きました。

<おまけのひとこと>
 今日は仕事で出かけなければいけないのですが、「クールビズでいいですよ」と言われてほっとしています。






8月11日(木) 左手のためのピアノ作品集

 すみません、ご紹介しようと思っているCGの準備が整わないので、また音楽関係の話題です。

 先日実家に行ったときに、風のしるし-左手のためのピアノ作品集という、舘野泉さんのCDを聴かせてもらって大変感動しました。曲目はバッハのシャコンヌとスクリャービンの作品9の小品2曲、その他なのですが、すばらしい演奏です。

 家に帰って、さっそく楽譜を眺めてみました。バッハのほうは、ブラームスがクララ・シューマン(シューマンの奥さん)のために左手用に編曲しているので、全音のブラームス作品集の2の最後に収録されています。

図 1:表紙 図 2:譜例

 ちゃんと大譜表(ト音記号とヘ音記号で2段に書く方式)で書かれていて、ちょっと見ただけでは片手用の楽譜とは思えません。ただ、上の段には全休符がかかれていなかったりするところが片手用っぽいです。

 次の例はスクリャービンの小品です。こちらは初期のスクリャービンらしい、ちょっとけだるいショパンのノクターンのような曲で、これこそまるで片手用には見えませんし、聴いていてもこれが片手で弾いているとは知らないと気がつかないくらい立派な曲です。

図 3:表紙 図 4:譜例

 一番上の旋律線と、一番下のバス、その間を和声が刻みます。まるで手品のような技術の鮮やかさを感じます。以前、知り合いの家に遊びに行ったときにこれを余興で弾いて、最初は両手で弾いて、2回目に右手を上げっぱなしにして左手だけで弾いて、面白がってもらえたことがありました。

 ちなみに図3の楽譜は、「片手で弾くピアノ作品集」という音楽之友社の楽譜で、おもしろい曲がいろいろ入っています。お勧めです。

<おまけのひとこと>
 昨日は出張でした。訪問先は楽しかったのですが、その後の対応について、ちょっと意見が合わなくてどうしたものかと思っています。
 うちの庭の生垣に、下の道路からまたツタが上ってきました。週末には退治しないと生垣が傷んでしまいます。






8月12日(金) 空間を充填する

 しばらく間があきましたが、8月8日のひとことでご紹介したこのかたち、

再掲図

 この立体は空間を隙間なく充填するでしょうか? という問題を出しておきました。CGの用意ができたので、その解説を書きたいと思います。





 これは一見どのように空間を充填するのかわかりにくいのではないかと思いますが、おそらくご想像の通り、充填立体です。以下に簡単に説明したいと思います。

 図1から図3は、この立体を4つ、四枚羽根の風車のように組み合わせる様子を示したものです。それぞれの突起が隣の立体の窪みにおさまるかたちになります。

図 1 図 2 図 3

 図4から図6は、同じものを真上から見下ろしたところです。

図 4 図 5 図 6

 これを水平方向にずっと広げてゆくことができます。そうすると、剣山のような、あるいはやすりのような、規則的に正四角錐の山と谷が繰り返し並んでいる形になります。このシート状の構造の両面が同じパターンになります。

図 7

 あとはこのシート状の構造を、うまく凹凸をあわせて積み上げれば、空間を隙間なく充填することができるのです。

<おまけのひとこと>
 今朝は久しぶりに雨が降っています。明日からお盆休みです。






8月13日(土) 空間を充填するブロック(その1)

 いろいろ事情があって、このお盆休みはぜんぜん更新ができませんでした。写真の用意だけはしてあったのですが・・・

 先日来ご紹介している、空間を充填するかたちを実際にブロックで作ってみて、積み木のように積み上げてみました。

図 1

 最初は色はランダムでつくったのですが、積み上げたときに写真だとわかりにくかったので、色別に作り直しました。下の子がパーツを集めたり、展開図を組んだりするところでかなり手伝ってくれました。

図 2

 まずはこのように積んでみましたなかなか楽しいです。

<おまけのひとこと>
 4日も更新をお休みすると大変です。






8月14日(日) 空間を充填するブロック(その2)

 昨日のブロックを、別な積み方をしてみました。

図 1

 4段です。この積み方、気に入っています。

図 2

 これは5段です。この「積み木」を1つ組むのには32枚の三角形のパーツが必要なのでけっこう大変です。紙でいくつもこの形を作ってみて、積み木のように遊ぶのもちょっと楽しいかもしれません。

<おまけのひとこと>
 この立体に関するシリーズ、思ったよりずっと長く続けてしまいましたが、これでおしまいです。






8月15日(月) ヒュッテ EOS-Ai 夏のリコーダーフェスティバル

 麻布リコーダーアンサンブル、という団体が近所で合宿をやっていて、その演奏会があると伺って、聴きに行ってきました。メンバーは7名で、楽器はそれぞれが4〜5本ずつくらい持ち替えて演奏されていました。もちろん樹脂製の楽器など一度も登場しませんでした。プログラムは非常に古い時代(一番古くて12世紀)から現代曲(20世紀)まで、いわゆる「リコーダーアンサンブル」でした。個人的には、特にカベソンの「イタリアのパヴァーヌによる変奏曲」が美しいと思いました。

 もう1つ、この麻布リコーダーアンサンブルとメンバーがほとんど重なる「動物バンド」というグループの演奏があって、バロックやルネサンスよりもまたさらに以前の笛だとか、ルネサンス(?)ハープやリュートの演奏がありました。 特にこのハープがとてもいいなあと思いました。休憩時間に奏者の方が KORG のチューナーで調律されていました。ピタゴラス音律だそうです。このハープはひざの間に抱えるタイプで、22本の弦が張られており、弦の1本1本ごとにレバーがついていて、それで音を半音だけ上下させられるのだそうです。(「弦は何本ですか?」と尋ねたら、「さあ、数えたことがないので」と言って、その場で数えてくれました。)

 また、古い時代の楽器を使ったスザートの音楽を何曲かやって、これがとても雰囲気があってよかったです。楽しませていただきました。ありがとうございました。

<おまけのひとこと>
 このお盆休みの前半は、かなり楽器の練習ができました。






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