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9月11日〜13日 <北アルプス 烏帽子岳〜蓮華岳を歩く>

1日目(9月11日) 扇沢〜(タクシー)〜高瀬ダム  高瀬ダム〜ブナ立尾根〜烏帽子小屋(泊)
2日目(9月12日) 烏帽子小屋〜烏帽子岳(2,628m)〜南沢岳(2,625m)〜不動岳(2,595m)〜船窪岳(2,459m)〜船窪小屋(泊)  
3日目(9月13日) 船窪小屋〜七倉岳(2,509m)〜北葛岳(2,551m)〜蓮華岳(2,798m)〜針ノ木峠(小屋)〜扇沢

1日目(9月11日) 扇沢〜(タクシー)〜高瀬ダム  高瀬ダム〜ブナ立尾根〜烏帽子小屋(泊)

今回、車は扇沢無料駐車場に止め、タクシーで七倉山荘まで行くことにした。
タクシーは前夜自宅から、「扇沢の無料駐車場に6時」と予約。
車を止めたと同時に、タクシーが到着、仕度の間待ってもらい、まず七倉へ。
七倉ではゲートが開くのが6時半なので、少し待ち(登山届けも提出)、そのまま高瀬ダムまで行ってもらった。
タクシー代は8,100円。(うち2,000円が七倉〜高瀬ダム間)
登山者は10人ほど、2〜3人は左岸を歩いて行ったので、湯股を経て竹村新道を登るのか?
うちは「ブナ立尾根」方面へ。
ここを使うのは今回3回目。
前回は停滞を含め6泊7日になった、2009年SWの大縦走(?)の時。その時の高天原山荘の混雑と、水晶小屋3泊は忘れられない。
トンネルを抜け、不動沢吊橋を渡ったところで、最後の仕度として、日焼け止めクリームを塗る。
この看板に、「野口五郎のテント場は崩落により、平成16年に閉鎖した」と書かれていた。これに関しては、知らない人もいるかも・・・(最新の地図には書いてあるかもしれないけど)
この看板のところもテント場になっているけど、(簡易トイレもあった)利用する人はいるのかな?


キャンプ場から登りが始まる地点までの道は、2年前とちょっと変わってた。
前はこんな木の橋はなかった。(・・・と思う)


いよいよ登りが始まる地点。
前回はここから滝を見に行ったけれど、今回は行かずに登りに入る。
(道もはっきりしなくなっていたし・・・)
烏帽子小屋まで、約4時間。
今が7時半だから、順調に行って11時半に小屋到着。
お昼は小屋の前で食べることになるだろう。


登って行くには程よい曇り空で、歩きやすかったかも。
展望が開けるところからの展望がなかったのは、残念と言えば残念だったけれど、
今回のメインとなる明日が快晴だと信じて、良しとする。


順調に登って、烏帽子小屋に着いたのは、11時。
小屋前のベンチで、正面に赤牛岳、奥に薬師岳を見ながら、お昼にして、その後小屋で受付した。

受付後、テント場の方に散歩に行く。
ヒョウタン池の周囲はナナカマドの実が赤く色づき始めていた。
池の先の見晴らしのいい場所まで行き、小屋に戻ったのは、まだ1時半。
この時間からビールを飲むのは早いな〜〜ということで、翌日も行くけど、前烏帽子岳まで散歩。
戻って、2時から小屋の前でミニ宴会。
350mlの缶を一人2本。(いつもながら控えめ)
夕食は5時からで、宿泊はわずか4人。テン泊者の方が多かった。
メニューに天ぷらがあったので、ちょっと苦笑。
なぜかって言うと、翌日泊まる船窪小屋も天ぷらで有名なので。
消灯は早めの7時半だったけど、ミニ灯り(LED)があって、真っ暗になることはなく、夜中にトイレに行った時もヘッドランプを使わずに済んだ。
最近、こういう小屋が多くなっている。

2日目(9月12日) 烏帽子小屋〜烏帽子岳(2,628m)〜南沢岳(2,625m)〜不動岳(2,595m)〜船窪岳(2,459m)〜船窪小屋(泊)

いよいよ今回の山行のメイン・その1、烏帽子〜船窪小屋まで歩く日。
その2は翌日の、船窪小屋〜針ノ木峠。
どちらも北アルプスの稜線で、歩いたことのないコースなのである。

4時起床、朝食は5時から。
4人宿泊者のうち1人はすでに出発し、残る3人で食事。
一言も話さなかったけど・・・。

食事後、小屋から少し離れたヘリポートまで急いで朝日を見に行く。
ぎりぎり日の出前の赤く染まっているタイミングに間に合った。
日の出前の赤く染まるのを見るべきだと思うけど、意外と見る人って少ない気がする。
日が昇り始めたのは、5時27分。
浅間山と、四阿山の中間位から昇った。


日の出後、三ツ岳を望む


そして、小屋前から赤く染まる赤牛岳を望む

6時前に小屋に戻って、仕度。
更に看板に惹かれてコーヒーを飲んだりしたので、出発は6時半になった。
出発時、小屋の前で、朝3時半に野口五郎の小屋を出発して歩いて来た単独の女性と一緒になった。
年齢は30歳ちょっとくらい。
のちに聞いたところによると、上高地から入って、裏銀座を歩いて来ていて、
槍まではご主人と一緒だったけど、仕事があるのでご主人は下山し、その後一人で縦走しているとのことだった。
テント泊装備で来ているけど、野口五郎だけは、テント場がないので、小屋素泊まりして来たとのこと。
この日、船窪でテント泊すれば、6泊目になるとのことだった。(停滞が一日あり)
その後も縦走は続くようだったけど、細身ながらしっかりした身体つきで、かっこいい女性だった。
話し方がまたかっこ良かった。

二日目の行程は
前烏帽子岳 烏帽子岳 南沢岳 不動岳 船窪岳 と、ピークが5つもある、実に魅力的な縦走、ではあるが、
ピークの数だけアップダウンがあり、樹林帯の中を歩くし、危険地帯もあるので、きつい一日になりそう。
コースタイムは7時間。

まず、前烏帽子岳を過ぎたところで、雷鳥さんが夫婦で登場。晴れていたけれど、朝のお散歩に出ていたんだろうな。


烏帽子岳は縦走路から反れて、15分歩く。
烏帽子岳直下はチェーンありのこんな道 (見た後は戻るボタンで戻ってね)


そして前回と同じく、私はここまで。 
OnMouse で、同じくてっぺんに座る(笑)男、ペーター


振り返ると、裏銀座の山々


そしてこれから行く南沢岳

   

烏帽子岳〜南沢岳間の四十八池は、その名の通り、多数の池が点在していて、見えただけで、15個くらいあった。
池は青く、正面の峰が写り込んでたりして、とってもきれい。まさしく雲上の楽園。
過去に、ここまでは歩いて来たことがあり、この先の道は蓮華岳へ行く日のために大事に取っておいた。
ので、ここから先がいよいよ初めて歩く道。

  


南沢岳への登り


烏帽子岳はずいぶん遠くなった


南沢岳最後の登り
夏場はコマクサ群生地帯。今回は黄色く色づいた葉で群生を確認。



南沢岳山頂は、広々していたが、標識はペンキで石に「南沢」と書かれていただけだったので、記念撮影なし。(後でちょっと後悔)
ここからの展望は、針ノ木岳、右奥に蓮華岳、中間の手前が船窪岳(?)
ここまでが快適稜線歩きで、次の不動岳に向かって、いよいよ危険地帯に入ることになる。
山頂でしばし休憩。




南沢岳を過ぎ、不動岳までの、危険地帯 その1(?) 右側が大きくざれている


右手は高瀬ダム湖畔がはっきり見え、その上に唐沢岳、餓鬼岳、燕岳ときれいに見えていた。


危険地帯 その2(?) 下って来た斜面を振り返る。左側が大きく崩れている。


安全地帯に出て、ほっとしたところで、振り返ると、烏帽子岳の形がずいぶんと変わっていた。
鶏のトサカみたいだ (byペーター)


再びコマクサ群生地でもある、快適な稜線に出て


眼下に黒部ダムを見て

不動岳山頂到着
この後の船窪岳、蓮華岳にも黄色い立派な山頂標識があったのに、どうして、さっきの南沢岳だけには標識がないんだろう

不動岳を過ぎると、いよいよ針葉樹林帯に入るので、暑さを覚悟していたら、真夏ではないせいか、思ったほど暑くはなく助かった。

そして、ここからの登山道は、地図に 「七倉岳〜不動岳の稜線は、不動沢側の崩壊が激しい。滑落に注意」 書かれているので、更に注意が必要。
でも一番危険だと思ったのは、南沢岳からの下りだったかな。


船窪岳はピークが二つあって、2,459m地点は「第二ピーク」 
昭文社の「山と高原地図」ではここが山頂になっている。 
ただし、1997年版(そろそろ買い直した方がいいかな〜〜)


第二ピークからまたまた下り。
珍しくペーターがロープを持っている、ほど急でざれていた。


その後またまた危険っぽい箇所を通過

そして、船窪岳山頂、到着。
標識に標高は書いてないけど、ほんとの(?)山頂。
第二ピークともに広くはなく、通過点のような気がする山頂だった。
国土地理院の地形図は、ここが山頂になっている。

船窪岳を過ぎたあたりで、朝、烏帽子小屋で会った女性に追いついた。
思ったよりきつい道で相当ばてている様子だったけれど、それもそのはず、テント装備で、朝3時半出発で、野口五郎小屋から歩いて来ているんだから。

いったん追い越したけれど、テント場でペーターが水を汲みに行ってる間に、テント場に到着。
しかし、テントの受付は船窪小屋まで行かなければならず、なんと片道20分もかかる。
どうしますか?と聞いたら、ビール買いたいからちゃんと行きます!と。
もし我が家だったら、この日の受付は止めて、事後になっちゃうけど、翌日小屋を通る時に受付すると思う。
で、その女性はちゃんとやって来た。受付とビール&日本酒を買うために。

水場のこと
テント場から下ること5分の斜面に豊富に流れていた、とのこと。
     (ペーターが代表して翌日分を汲みに行った)
小屋からは片道30分もかかってしまうが、枯れることはないらしい。
数日前にテレビ東京の番組で「天空の宿・・・」っていう番組をやってて、この船窪小屋も登場。(この番組の内容に偽りなし!の小屋だった)
小野寺昭さんと伊吹吾郎さんが七倉尾根を登って来られていた。その番組内でも、小屋のお母さんとお二人が水場まで行ってた。以前行かれた人のレポで見てはいたけど、ほんとに凄いとこだな〜っと思った。

小屋へ到着(テント場から本当に20分かかり、到着は15:55だった)すると、まず鐘を鳴らしての歓迎があり。
そして、小屋前のテーブルにバイト8年目となるネパール人の「ペンバさん」がお茶を持って来てくれ、続いてやはりバイトの女性「ときちゃん」(時田さん)が、受付の用紙とサンダルを持って来てくれて受付をする。
いつもなら荷物を入れてからビールだけれど、時間が遅かったので、すぐにビールを飲む。
(夕食が近かったので、ここでは350ml:1缶のみ)
その後、小屋から宿泊者が出て来て話しをしているうちに、先ほどのテント泊の女性も来て、わきあいあいとした感じになった。
でも5時前から夕飯になってしまい、その女性とは別れた。もっと話しがしたかった。

食事はランプの下、 〜〜’ランプの宿’でも有名〜〜
天ぷら(アザミの若葉の天ぷらもあり)、生春巻き、酢の物、煮物など多数で、ご飯は古代米だった。
小屋のお父さんから「今夜のお茶会はちょっと早いけど6時半からです」と言われ、それまでに出しっぱなしだった荷物を部屋に入れ、歯を磨いたり、七倉尾根の方へ少し歩いて行ってみたりした。
お茶会では(多分ネパールの)紅茶を飲んで、先日のテレビ東京の番組と、お父さんが6年前に「針ノ木谷」のコース整備をした様子のDVDを見て、自己紹介をした。
この夜の宿泊者は6人で
翌日は野口五郎の小屋まで行って、その後水晶岳〜赤牛岳〜奥黒部ヒュッテに泊まって、針ノ木谷を登って再度船窪小屋まで来る人や、針ノ木谷を下って平の小屋に泊まり、また船窪小屋に戻って来る人など、一風変わったコースを取る人がいて印象深かった。
今年金婚式を迎えられる小屋の管理人のお母さん(お父さん)、アルバイトのときちゃんも自己紹介をしてくれた。ぺンバさんは日本語が話せないので、お母さんが代わりに紹介してくれた。
管理人さんご夫妻は、オフシーズンには何度かネパールへ行かれてるらしい。

夜は真っ暗にはせず、ランプを小さく灯してくれていたのがうれしかった。
ちなみにトイレは、女性優先で、小屋の中は女性専用トイレ、男性は外トイレだった。小屋の前には歯みがき用の洗面台もあったし、水は水場まで行かなくても500ml、100円で売っていた。
つづく・・・

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