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9月20日〜26日 <念願の裏銀座を歩く、そして赤牛岳へ>

4日目以降はこちらから 

はじめに
年初に5日取れる休みのうち3日を海の日につけ、残りの2日はこの5連休につけて9連休を設定した。特にどこって考えてなかったけれど、2週間位前から私は7年前のお盆に行ってガスガスだった裏銀座を歩きたくなった。
毎日そんなことを言い続けていたらペーターもさすがにその気になったらしく、1週間位前にとりあえず水晶小屋だけ予約を入れてくれた。ただすでに予約がいっぱいだからと言われて予約したのは火、水の2日間、それだと出発は月曜日。連休に入っても2日間待ち遠しいなぁ、と思っていたところ、天気が最初の方が良さそうだったので、日曜日に出発することになって、前日高天原山荘も予約した。ラッキー。

<1日目> 9月20日(日) (七倉からタクシーで)高瀬ダム〜烏帽子岳(2,628m)〜四十八池 (烏帽子小屋泊)
<2日目>    21日(月) 烏帽子小屋〜三ツ岳(2,844m)野口五郎岳(2,924m)真砂岳(2,862m)
〜水晶小屋横通過〜岩苔乗越〜高天原〜竜晶池〜温泉  (高天原山荘泊)
<3日目>    22日(火) 高天原〜雲ノ平〜祖父岳(2,825m)〜岩苔乗越〜水晶小屋       (水晶小屋泊)
<4日目>    23日(水) 水晶小屋停滞  夕方は感動的な雨上がり                  (水晶小屋泊)
<5日目>    24日(木) 水晶小屋〜水晶岳(2,977m)赤牛岳(2,864m) ピストン       (水晶小屋泊)
<6日目>    25日(金) 水晶小屋〜東沢乗越〜南真砂岳(2,713m)湯股岳(2,378m)〜湯股 (晴嵐荘泊)
<7日目>    26日(土) 湯股〜高瀬ダム湖沿いに歩き〜高瀬ダム、(タクシーで七倉へ戻る)

<1日目> 9月20日 (七倉からタクシーで入り) 高瀬ダム〜烏帽子岳(2,628m)〜四十八池 (烏帽子小屋泊)

七倉の景色
5時半頃到着した七倉の駐車場はすでに連休2日目とあって満杯。
仕方がないので、トンネルを出たすぐ右の路肩に車を止め準備し、タクシーの列に並ぶ。戻って来た時はうちの車だけぽつんと1台止まっているんだろうなぁぁ。
七倉から高瀬ダムまではタクシーで10分ほど、1台2,000円となっている。ここにタクシーが入れるようになったのは15年くらい前のことで、それまでは2時間ほどかけて延々と歩いていかなくてはいけなかった。タクシーの通行を許可してくれた東京電力に感謝。
かといって限りなく入れるわけではなく、通交証を持っているタクシーだけで1社5枚ほどしか割り当てられていないらしい。まずは大町駅から来たタクシーが入り、その後、七倉からのお客を乗せて入るので、うちが乗ったのは7時を過ぎていた。北鎌尾根を行く2人組と一緒に乗り1,000円で済んだ。2時間のところを1,000円で行けるとは実に安いものだと思う。
高瀬ダムでは北鎌尾根行きの人は左、ブナ立て尾根を登る人は右と別れる。

どん詰まりの滝
登山口までしばらく河原みたいなところを歩き、どん詰まりの滝を見に行った後、いよいよ登り開始。
この登りは「ブナ立て尾根」と言って北アルプス3大急登の1つになっているが、しっかり整備された道なので、そんなに大変なことはないよなぁぁ・・・ってのが前回と今回の感想。
2時間くらい登ったところから展望が開けた。
左のてっぺん奥が烏帽子岳のところ。
予想外に紅葉が始まっていた。
以前登った唐沢岳〜餓鬼岳、燕岳を背に登ること4時間半ほどで小屋に到着。
12等分の標識があるので、いい目安になった。

これは烏帽子方面

三ツ岳方面を見る
小屋の周辺も紅葉が始まっていた。
まずは受付を済ませ、小屋の前で昼食にした。この時点ではどのくらいの宿泊になるか不明なため、布団は2人で1枚の割り当てだった。
烏帽子小屋までだとお昼に着くので、このまま野口五郎まで行く人も多かった。でも、その人たちは烏帽子岳の山頂はパスすることになるので、残念なこと。
ちなみに烏帽子岳往復は2時間ほど。

烏帽子岳の矢印がちょっとずれてます
昼食後、烏帽子岳を目指す。お盆に行った五色ヶ原に立山方面が良く見えている。

OnMouseで烏帽子岳に迫る
山頂直下はこんな岩場。楽しい。
登りきって山頂へ着くと

あっという間にペーターはてっぺんに座っていた。(さすがに立てなかったらしい) 私はここまで(OnMouseで見てね) 
そして山頂からの展望
見下ろすのは四十八池、南沢岳

OnMouseで山頂から下って見た四十八池の景色
ニセ烏帽子岳を振り返る。左に見える稜線が燕岳から続く表銀座。
四十八池のちょっと先まで散策して、小屋へ戻ることにした。その先の道はいつの日か船窪岳から歩いて来よう。
小屋へ戻ったのは4時を過ぎていて夕食の時間が迫って来ていたけれど、ビールを飲んで一日を振り返った。小屋前の景色は実に素晴らしかった。
物静かな裏銀座だけあって、宿泊者は少なく、結局1人1枚の布団になった。食堂では6時半頃からTVをつけてくれて天気予報を確認、翌日は素晴らしい天気になるらしいが、次から3日間は雨と曇りの予報だった。ちょっと先行き心配。。。。
残念ながらこの日の夕焼けはなかった。。

反対から見る烏帽子岳
<2日目> 9月21日 烏帽子小屋〜三ツ岳(2,844m)〜野口五郎岳(2,924m)〜真砂岳(2,862m)〜水晶小屋横通過〜岩苔乗越〜高天原〜竜晶池〜温泉  (高天原山荘泊)
夏と違って日の出は遅いので小屋で朝食を食べ、5時20分頃出発。
日の出を小屋からすぐのヘリポートで見た。
唐沢岳の左から上がった。
朝日があたりこれから歩いて行く稜線がまぶしい。
右奥の峰が三ツ岳。
テント場を過ぎるとヒョウタン池。池に紅葉と正面の山が写る。
すでにこんなに紅葉しているとは驚きだった。。
ヒョウタン池から約50分、三ツ岳手前で念願の槍ヶ岳が見えた!
7年前に見ることが出来なかった景色に会えた感動の瞬間。
そしてこれから先、常に槍を見ながら進むことになる。それが裏銀座。
赤牛岳と奥に薬師岳が堂々と聳える。
今回の中で赤牛岳まで行けるってことがうれしい。
私の中では(赤牛岳=読売新道下り=長くて大変、最後のアップダウンも大変)だった。でもピストンなら比較的余裕。
気持ちの良い稜線歩きが続く。
野口五郎小屋を過ぎ、野口五郎岳山頂に到着。
白砂の広い山頂である。槍がまぶしい。左にちょこんと見えるのは前穂。
うちが前穂に行ける日は遠い。

雄大な縦走路
真砂岳は普通に登山道を歩いているだけでは巻いてしまう。
ザックを置き、ガレ場を少し登り山頂へ。少しの登りではあったが歩きにくかった。

水晶岳 OnMouseで4日後の紅葉
真砂岳から先は左に槍ヶ岳、右に水晶岳を見ながら歩く。
この日は紅葉よりも山頂に目が行ってたが、4日後の下山時には紅葉に目を奪われた。
4日後に下ることになる竹村新道の分岐を過ぎ、東沢乗越から地図に「足元注意」と書かれているちょっといやらしい箇所を登り切り、水晶小屋横に到着。
小屋周辺は休憩の人が大勢いたのでパスし、ちょっと先でお昼休憩した。
ちなみにこの日の水晶小屋の宿泊は90人、連休2日目の9/20は過去最高の120人ったらしい。こんな経験はしたことないと小屋の人も言ってた。ここに限らずどこも混んだようだから小さい小屋はなおさら大変だったことだろうと思う。大混雑の日を避けて良かった。
ワリモ乗越から岩苔乗越へ下った後は、今回初となる高天原への道を下る。
そしてここからの紅葉が素晴らしかった。
ペーターはここの紅葉が今回の中で一番良かったと言ってた。

岩苔乗越方面を見上げる

水晶池 
OnMouseで赤牛岳への稜線から見下ろす(この3日後)
あまりにの素晴らしさにコースタイム1時間のところ2時間近くかけて水晶池に到着。
水はなく干上がっていたが、紅葉はきれいだった。
更に下りやっと高天原の湿原が登場。
展望用の台が階段付きで2つ用意されていて見下ろすことが出来た。
小屋到着は4時半、食事が5時からならお風呂はあきらめるしかないか・・・と思っていたところ、大混雑で食事は7時から。遅い時間になったのがかえってラッキーで、お風呂だけでなくあきらめていた竜晶池まで行けることになった。

高天原の湿原 OnMouseで赤牛岳への稜線から見下ろす(この3日後)
赤い屋根が山荘

竜晶池
竜晶池は数年前にあずささんとQさんが行かれた記録を見たときから絶対に行きたいと思っていた。
小屋からお風呂までは20分、更にその先20分で到着。
暗くなりかけていたのが残念だったけれど紅葉がきれいで「あ〜〜来て良かった」と思った。
お風呂は一番上が女性専用の露天風呂、真ん中が男女兼用の露天風呂、下が女性専用のお風呂でここだけ板で囲われていた。
私は一番上の露天風呂に入った。板で囲われてはいないが木が周りを囲っていて、入り口だけ気をつければ周りから見えることはなかった。浅くてお湯はぬるかったけれど、独り占めがうれしかった。
女性専用にはこの直前に野口五郎小屋〜水晶〜赤牛へ行って温泉沢のルートを下って来た人が入っていた。かなりハードだったようだ。
小屋に戻ってもまだ夕飯まで時間があったので、小屋前のわずかなスペースでビールを飲み一日を振り返った。

下2つの露天風呂 OnMouseで一番上の女性専用露天風呂
夕食は予定の7時をちょっと過ぎた頃で最終組だった。
大混雑だけあって、階段下、食堂、廊下でも寝なければならず、食堂で寝る人は朝4時には食事の準備のため起きて欲しいとのことだった。更に寝ようとしていた頃、下で布団が足りないので余っている布団があったら下ろして下さいと言われた。
ちなみにうちは予約の甲斐あってか、2人で1枚の布団であったものの、階段を上がったすぐの場所で寝やすかったし、なぜかペーターの横が一人分空いていたのでちょっと余裕があった。雲ノ平の小屋が改装のため8月いっぱいで営業を終了していたことも混雑の要因だったかもしれない。
寝る前に外へ出ると満天一歩手前の星空、翌日は本当に崩れるのだろうか・・・晴れに期待しつつ寝た。
<3日目> 9月22日 高天原〜雲ノ平〜祖父岳(2,825m)〜岩苔乗越〜水晶小屋       (水晶小屋泊)
小屋で一番遅い組で朝食を取った後、7時に出発。大勢泊まっていた中で最後から2番目くらいの出発だった。
始めから雨だったら前日下った道(直接岩苔乗越へ行く道)を登ろうと思っていたが、まだガスだったのと時間に余裕もあるので雲ノ平経由にした。
雲ノ平へは湿原を過ぎた所で「高天原峠」方面へと進む。
高天原峠を目指して。
ガスもそれほどなく、紅葉がきれい。
が、30分ほど歩くともう雨が降って来てしまい、まだ小雨のうちに雨具をつけた。
夏ならそのままでも気持ちがいいくらいの降りだったけれど、秋ともなると濡れるわけにはいかないからね。

雲ノ平、森の道
高天原峠の分岐を過ぎ、雲ノ平へ近づくとこんな素敵なネーミングの道があった。直登するのではなく、まだ新しそうな巻き道だった。

ペ:高天原峠から薬師沢へ抜ける道もいつかは歩いてみなくちゃいけないな〜〜〜。。
奥スイス庭園を経て雲ノ平に出る。
そこからちょっと進んだところで昼食にした。
この間すれ違ったのは僅か数人で前日までの混雑がまるで嘘のようで、みんな一瞬にして消えてしまったかのような感じだった。
雲ノ平の山荘は改装のためすでに閉鎖していたが、キャンプ場は開放していて、山荘で受付できるようだった。
数人ながらすれ違った人に聞くと上は横殴りの雨で、風も強いとのことだった。
気合いを入れて登らねば・・・

まもなく雲ノ平
水晶小屋に戻るには祖父岳に登る。
山頂から先が強風と横殴りの雨か、と覚悟していたところ、たいしたことなく高天原から登って来たのと同じくらいだった。
祖父岳から岩苔乗越を経て水晶小屋に着いたのが1時半頃、受付後いったん2人で1枚の布団が割り当てられた。
雨だけれどまずはビールと思い注文したら20日の混雑で売り切れになってしまったとのこと。大ショック!
唯一焼酎が湯飲み1杯300円であったので、小屋前で飲んだ。
夕飯は5時からで、大なべいっぱいに出て来たカレーの量にまずびっくり。そして食べたその味にまたまたびっくり。かつてないほどのおいしさだった。この日も含めて3泊することになるのだが、このおいしさに3食飽きることなく満腹食べてしまった。
夕食後、再度布団の割り振りがあって、当初2人で1枚の布団だったが、全ての布団を開放してくれ、1人1枚の割り当てになった。この日の宿泊は24人くらいだった。
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