里(S)から山(Y)へ移り住もう! という、我が家のプロジェクトの中で、様々なエクス
テリア用のオーナメントを、自分達で作ろうという計画です。まずはPart1として、
2000年〜2003年までの作品と製作風景を紹介します。


 
オーナメントと呼べるかどうかはわかりませんが、ごみ収集もない山の中で生活していくための必需品として作成した「堆肥置場」から、ガーデンをより美しくするために、かつ実用性を持たせたオーナメントまで、いろいろ紹介します。完成した作品のみならず、製作の様子やコメントも織り交ぜて紹介します。DIY(Do It Yourself)ファンなら、見逃せませんよ〜。
門も扉もなかった2002年当時
← なんとなくどこかだらしのないと言いますか、しまりのないと言いますか、中途半端なエントランスですよね。


 ここに手作りの門柱を建てることにしました。門柱とバラのアーチで敷地外と隔てられ、下界と仕切られたプライベートガーデン。中は一体どんなお庭なのか、興味が沸くようなエントランスにしたいと思いました。
→ まずはドイツ産の線路の枕木を使って門柱を作りました。凍結深度を考慮し、地下80cmくらいのところまで掘ってセメントで固定しました。


← 次は、枕木の脇に、薪用に頂いた広葉樹を、皮を剥いて設置しました。横への広がりが出ましたね。


→ そして、まだ雪の残る三月に門扉の製作にとりかかり、完成させました。我ながら出来栄えのする作品になりました。
 製作を一緒にお手伝いしていただいた、気の置けないお仲間の”てるちゃん”のお宅から、我が家に運び込んで色を塗り、門柱に括りつけたところです。

 設置後の記念撮影。娘が撮影してくれました。三月とはいえ、まだ雪の残る寒い日でしたが、足の悪いおばあちゃんもわざわざ見に来てくれました。我が家の愛犬「ムトウ・ロッキオ・ネッロ」(雑種ではありますが、人懐こくて賢い犬です。名前はプッチーニのオペラ「トスカ」から頂きました)も新しくついた門にいささか興奮気味です。
第1部 堆肥を作るための堆肥置場の建設
                   (2000年秋)
 庭の植物が段々と揃っていく。すると欲しくなるのはオーナメントの類。2002年までは必死に植物の庭造りにいそしみました。ところが2003年になると、やっと皆様にお見せできるくらいのお庭になってきました。

 そこで、まず考えて創作に取り組んだのが、家の入り口に門柱・門扉を作ることです。まだ肌を突き刺す風が冷たい弥生三月。一念発起して門柱作りに取り掛かりました。その模様をお伝えします。
 何せ我が家の場所は住宅地ではないもんですから、ごみ置場というものがありません。でも我が家の場合は、前に住んでいた家の頃から生ごみは堆肥にしていましたので、新しい家では簡易な生ごみ用ポットではなく、イギリスのガーディナーが作るような、ある程度大きな堆肥置場を作ることにしました。家がまだ完成する前の、2000年9月末のことです。

 重量ブロックを積んで、その中に鉄線の芯を通し、上からコンクリートを流し込んで固定しました。おかげで丈夫な作りになりました。この広い土地から収穫(?)されるであろう雑草も、種をつける前に抜き取ったものなら堆肥にしてしまえ...という魂胆です。


 ブロックの両脇にある半円柱形の溝に、コンパネで作った上下スライド式の扉をつけました。トップは板材を何枚か使って、ちょうどお風呂の蓋のような形で設置し、板を何枚かどかすと、生ごみを入れたり、堆肥が取れる仕組みになっています。 

 ガーディナーにとっては大変重宝なものに出来上がったようです。製作担当としては、我が家のガーディナーが、いつ本場イギリスでの本格的な堆肥小屋(納屋みたいな立派な建物)にランクアップしてほしいと言い出すのか、ひやひやしているところです。
家を建設中の2000年秋に作った 堆肥置場
− 目次 −

 
第1部 堆肥を作るための堆肥置場の建設 (2000年秋)
 第2部 オカメインコとセキセイインコのサマーハウスの建設 (2001年春)
 第3部 イギリス製 キットの物置小屋の建設 (2001年ゴールデンウィーク)
 第4部 薪置き場の製作 (2002年春〜秋)
 第5部 門柱と門扉 (2003年春)

 第6部 2×4工法で製作した 鶏小屋 (2003年ゴールデンウィーク)
 第7部 小物もろもろ・小物もろもろ・小物もろもろ (2003年春〜秋)
第2部 オカメインコとセキセイインコのサマーハウスの建設 (2001年春)
 2000年11月末に家が完成しました。(本当は手作りの建具はまだでした)

 年が明けて1月末には、Mamalinのお父さんお母さんを新しい家にお招きしました。白樺湖、女神湖を越えて、上信越新幹線の佐久平駅までお二人をお迎えに行ったのですが、それはそれはものすごい吹雪の日で、峠を越える頃には、車のフロントガラスに降り積もる雪がワイパーで払い落とせなくて、フロントガラスの上でそのまま凍り付いてしまうという日でした。ですから途中で何度も車から降り、フロントガラスの上にたまった雪を手で払い落としながら、普段の倍の時間をかけて何とかお迎えに行って来ました。
                ↑
 さて、例年よりもかなり多くの雪が降り積もった2001年の冬もようやく終り、雪解けを待って、次に製作したのが我が家の住人(?)でもあるインコ(オカメインコとセキセイインコ)たちのサマーハウスを製作しました。この時も"てるちゃん"が大活躍でした。
第3部 イギリス製 キットの物置小屋の建設 (2001年ゴールデンウィーク)
 この大雪の日の翌朝は前日の吹雪が嘘のような快晴になりました。群馬のおじいちゃんとおばあちゃんと一緒に、雪かきしたアプローチでの娘との記念撮影です。
 時に、2000年の秋に建てたビニールハウスを半分物置代わりにしていたのですが、やっぱりちゃんとした物置小屋が必要だね、でもホームセンター売っているようなトタン製の物置は我が家にはふさわしくないよなぁ...ということで、DIY系の雑誌を見ると、あるじゃないですか、私達の好みにぴったりなモノが。ということで、約40万円のイギリス製の物置小屋製作キットを手に入れました。

 畳一畳分くらいの大きさのパネルが既に出来上がっており、私達はそれをネジでジョイントしていくだけ。こりゃぁ簡単でいいや...と思っていたのですが、落とし穴がありました。イギリス製です。パーツの寸法が合わない! どうしたってそれは我々の施工の間違いではなく、キットの材料に問題があるのです。やはり日本製のものが一番信用できます。話はそれますが、イギリスの庭園めぐりの旅をした時に借りたイタリアのF社製のレンタカーは、ロンドンのヒースロー空港からケンブリッジに到着したあと、エンジンが全くかからなくなり、日本で言うところのJAFに相当するAAという修理屋さんに連絡をとって、車を診てもらったのですが、何をやってもエンジンがかからず、仕方なくAAの車に乗せられてヒースロー空港近くのレンタカー屋さんまで夜中に戻ったことがあります。それ以来、イタリア製のメカものには手を出さないようにしています。でも断っておきますが、私も妻もイタリアは大好きです。イタリア製の靴やもろもろの革製品はとても馴染みます。もちろん食べ物はおいしいし、オペラやカンツォーネも大好きです。モダンな家具のデザインなんかも素敵ですよね。ヨーロッパではスローフードが見直されています。午前の勤務が終ってワインを飲み、シエスタ(お昼寝)をとる国です。急がせちゃいかんのですよ。
 話を元に戻して、材料が合わなかったのは、製作も最終段階に入った屋根のところでした。ひと目でかっこ悪さがわかってしまうのですが、仕方なく何とかごまかしながら完成させました。屋根づくりでは、一番体重の軽い娘も登場しました。このあと、妻が壁を一面ビリジアンの塗料で塗り、扉を茶色に塗って、完成したのであります。

 一番最初の写真でわかるように、我が家の土地は、奥(東側)から入り口側(西側)にかけて、ゆるやかな傾斜をしています。そういう土地の上に、建造物を作る際の、水平の出し方が大変難しかったのです。今回は重量ブロックで適当に(なから平らに)したので、いい加減です。ブロックの下は土が丸出しになっているため、冬になると凍みあがって(方言です。地中の水分が凍って、その上にある建造物を持ち上げてしまう現象を言います)、入り口の扉の錠がかからなくなります。でも春になるとちゃんと元通りに錠がかえるようになるんです。建物をも持ち上げる自然の力ってすごいですね。
第4部 薪置き場の製作 (2002年春〜秋)
第5部 門柱と門扉 (2003年春)
 我が家では、暖は床暖房で賄っていますが、やっぱり寒冷地での田舎暮らしに薪ストーブを欠くことはできません。
 薪ストーブから発する遠赤外線には家族みんなを寄せ付ける力があるようで、ストーブに火がともると、みんなストーブの周りに集まってきます。
 田舎暮らしでの夏のお仕事は、ひたすら薪つくりです。知り合いの方から譲って頂いた材木や、昔の家を解体したときの廃材(これがバカにならないんです。昔の家の柱や梁に使われていた木材は、しっかりしていますし、当然のことながら変な化学物質は一切使用していないので、安全な薪になるのですね)なんかをいただき、それをチェーンソウでカットし、斧で薪割りをします。右のような簡単なものから、左のような屋根つきの立派なものまで、さて何基作ったかなぁ。
「ローズガーデン・むとう」
第6部 2×4工法で製作した 鶏小屋 (2003年ゴールデンウィーク)
 2003年のゴールデンウィーク! 毎年この時期は晴れたよい天気の日が多く、DIY屋たちにはもってこいの季節です。暑くもなく、かといって寒くもなく。

 というわけで、今回は鶏小屋の新設です。今まではビニールハウスの中で夜を過ごしていたのですが、やはりそこは山の中。獣が出るんですよ。今までに、いたち(?)、きつね、鹿、モグラ、野鼠、それにたちの悪い野良猫と遭遇しています。一方では空にはワシやとんび、カラス、猛禽類たちが、その鋭いまなざしで隙あらばと狙っています。現に残念ではありますが、お庭に放し飼いにしていたウコッケイ(鶏)を食べられてしまいました。息の根を止めたその場で食い散らかす動物、となると犯人像は限られてきます。

 さて、そんな自然の掟から鶏たちを守ってやるには、鍵のかかるしっかりとした小屋がベストです。獣は土を掘って侵入することもあるので、床つきの家が一番良さそうです。ということで、今回は壁面全体で強度を持たせる2×4工法をはじめて取り入れて作ってみました。大きさは3畳分とはいえ、結構な大きさになります。屋根はさらに壁から30cmくらいは出しましたので、道路を占領して製作していた屋根の大きさを見て、家族は大変驚いていました。

 入り口の扉と、そのちょうど対面にある壁には、娘の部屋と同じように、丸窓をつけてあげました。ワンポイントになって、ちょっとおしゃれな家になりました。もちろん外敵から守るために、窓にはチキンワイヤーが張られています。

 産卵用のボックス付きの結構丈夫な作りになっていまして、人間が卵を取りに中へ入っても、びくともしません。見栄えを考えて、一応「のき天」もつけてみました。

 でね、私と"てるちゃん"とで、全工程の90%以上は費やしたのですが、残りの10%は、最後に塗料を使って、娘と妻が小屋に絵を描いたのです。訪れる客人の大多数は、この"絵"を褒めて下さいます。大工仕事を担当した私としては、とても複雑な心境でもあるのです。
第7部 小物もろもろ・小物もろもろ・小物もろもろ (2003年春〜秋)
← 丸太をチェーンソウで切って立てた柱に、植木鉢をハンギング風にかざってみました。とてもお気に入りの小物です。面白いでしょ?

→ 我が家の食欲旺盛な鶏たちに食べてもらう(除草してもらう)ために作った移動式除草用小屋。洋書に載っていて見よう見まねで作ったのですが、これって本当に便利なんですよね。
← お庭でバーベキュー。自然身あふれるバーベキュー用の炉です。お肉を焼いたり、焼きそばを作ったり、時にはピザも作るんですよ。

→ 軒下の通称"犬走り"はコンクリート製で、いかにも無機的だったので、中国レンガを敷き詰めてみました。これだけで大分雰囲気が変わります。ちなみに、コンクリート用セメントを15袋ぐらい使いました。
→ こちらは薔薇が絡まる柵です。私は、この柵をデジタル式の柵と呼んでいます。

← 一方こちらは、アナログ式の柵です。薪ストーブ用に頂いたニセアカシアの幹や枝なのですが、燃やしてしまうのが忍びなく、こんな造形にしてみました。ここは、ホワイトガーデンとイエローガーデンの境になるところです。今は植物で一杯ですが、作った当時は何もなかったんですね。(笑)
← これは一体何をしている写真でしょう?
実は、ベーコンを作っている風景です。父が元気だった頃、前の家にいたときに、私の注文で作ってくれた手作りの燻製器なのです。ベーコンは豚のばら肉を様々な香辛料で一週間くらい漬けておき、燻製にする直前に軽く香辛料をキッチンペーパーで落とします。そして丈串とタコ糸を使って缶の上段に吊るします。下側の缶の底に桜や楓や楢のチップを金属製の網型ボールに入れ、その下から炭でチップをあぶります。缶の中の温度をちょうど60℃くらいに保ちながら、4〜6時間いぶします。すると、いい香りのするベーコンが出来上がります。真冬の寒い日に作りましたが、お日様の下でぽかぽか気持ちよく番をしていました。出来上がるまでにちびちび飲む恵比寿ビールが最高でした。
← これは"てるちゃん"がお得意のベンチです。ホワイトガーデンに設置させてもらいました。地面の敷き詰めた草よけシートの上に、赤松の皮を敷き詰めて、その上にベンチをセットさせてもらいました。木の香りと雰囲気がとてもマッチしていて、好きなエリアになりました。

→ こちらも"てるちゃん"作成の一輪車型のコンテナです。夏のお花にとても似合うつくりで、エントランスガーデンを入ってきた正面の街灯の手前に設置しています。ちょうど門から真正面に見える絶好の地に飾ってありますので、常に花がらを摘んで手入れをしています。手前にあるのは妻が一時期こったトールペインティングのお皿です。
↑ 2004年のオープンガーデンのときに、入り口の前に自転車を飾りました。じつはこの自転車は、私達夫婦の結婚祝いに知人達から頂いた、もう十八年くらい前のものなのですが、自転車全体をグリーンカラーに塗り直し、チェーンカバーには”Rose Cottage MUTO”とペイントしました。娘が才能を発揮してくれて、庭にあふれんばかりに咲き誇るシャスターデイジーのお花を摘んで、ウサギのLee君と共に、籐のかごに入れてのスナップです。なんだかとても雰囲気が出ているので、オープンガーデン終了後に、写真を葉書に印刷して、お友達に送りました。評判もそこそこで、お気に入りの写真の一つになりました。

→ 右側の写真は、門から玄関に続くアプローチ脇にある街灯です。今まではコンクリートむき出しで、著しく景観を損ねていましたが、2004年のTV取材で「ご主人が何かを創作しているところを映したい」という依頼をきっかけにして出来た木製の覆いです。これだけでも雰囲気が断然よくなりますね。
 さて、この八ヶ岳山麓の過酷な自然条件の中で、手作りの門柱と門扉は何年堪えうるでしょうか?ずっと堪えてもらいたいとい思っているのですが...。

 右の写真は、新しくついた門扉から仕事に向かう我が家のガーディナーです。どことなく足取りも軽やかに見えるのですが、気のせいでしょうか???
↑ 菜園の一つです。らせん状に作りました。アスパラが今年食べ頃の3年目を迎えます。

→ あひるのアシュピンちゃんの小屋です。絵が描かれた手前側が扉になっていて上に開きます。お掃除の時に便利です。
↑ これぞオーナメント! 薔薇を巻きつかせるために、ちょちょいと作ったタワーで、ホワイトガーデンに2基設置されています。