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【 寒冷地仕様 別荘建築のための予備知識とは 】


 
第 15 回 割り切りと妥協は重要な鍵

 今回お送りするテーマは家造りに当たっての基本的な考え方をテーマとしたものです。

 別荘を建築しようとする場合の目的にもよりますが一般的には、日常生活からの「脱却」・「解放」といった「息抜き」によって非日常生活を味わうことを目的としている場合が多いです。

 従って日常的な「環境」から非日常的な「環境」への変化を演出する舞台が必要となるわけです。
 それが海であったり山であったり森であったりするわけです。
 そしてその環境に適した家造りが求められることになるわけですが、共通していえることは「割り切りと妥協」が必要であるということです。

 テレビで「あこがれの田舎暮らし・別荘暮らし」と題して様々なところで「優雅」に暮らしている様子を紹介する番組を観る機会がありますが、いつも疑問に感じることが多数あります。
 それは○○建築家先生設計による別荘として紹介する物件で、一風変わった建築様式を取り入れ確かに「非日常生活」を演出するには適した建物といえますが、それが非日常の中の「日常生活」を考えた場合、あまりにも不便に感じてしまう建物になっている場合が多いことがあります。

 別荘を維持管理してくれる管理人さんがいて面倒を見てくれるような「優雅な別荘族」の話となると今回のテーマからは外れますが、一般的な別荘族にとって非日常生活を求めても100%非日常生活を満喫できるものではありません。私どものように別荘生活をするにしても決められた予算の中で切りつめつつ・節約してやっと生活できているといった別荘族も多いのです。

 つまり食事を作り掃除をし浴室も清掃するなど普段と代わりのない生活を別荘でも送らねばなりません。ですから決められた予算の範囲で生活を強いられる「一般的」な別荘族にとって、別荘に何を求め何を求めてはいけないのかの判断がとても重要となってきます。

 例えば大きな窓を作り外の風景を観ながらお風呂に入りたいと考えたとします。檜や大理石で大きな浴槽を作りお湯に浸りながら景色を眺めるのは至福の一時といえるかもしれません。
 しかし、よく考えてみると毎日景色を眺めながらお風呂に入るということは毎回毎回昼間にお風呂に入るということなので現実的ではありません。また、大きな窓は冬はとても寒いのです。さらに夜は外は真っ暗なので大きな窓は「怖い」です。すると浴室内の窓にブラインドを下げざるを得なくなり、ブラインドはすぐにカビて管理が大変なことになるのです。という具合に現実と理想とはいたる所で相反します。

 本当に景色を眺めたいのならそこにお風呂場を作るのではなくベランダを作りそこで寝そべってビールでも飲んでいた方がよいのかもしれません。

 要するに考え方次第なのです。

             
 
 メリットがあればデメリットもあるという現実をどの程度認識して別荘を建築するのかが問われるわけです。

 それはすべての面でいえることで、建設地についても見晴らしのよいところは風雨が強くもしかしたら土埃が多いかもしれませんし、傾斜地だと基礎工事費がとてつもなく高額になることもあります。

 また、一風変わった外壁や屋根材にするとメンテナンスや管理が大変になり、数年に一度は壁を塗り替えなくてはならなくなったり、素材を選ばないで費用単価だけを考えて作ったベランダやデッキなどは常に防腐剤を塗らねばならないことになります。

 以上のようにどこで妥協しとこまでこだわるのかといった判断基準は極めて重要で、どこかで割り切って考えないと後々苦労することになってしまいます。

 我が家で考えたこだわりと割り切りの妥協点は・・・・

1.風呂場はユニットバスで窓は最小のも。
  景色や温泉気分を味わいたければ近くの日帰り温泉へ行って露天風呂を楽しめばよい。

2.建設地は森の中の平坦地。
  景観を楽しむのであれば近くを散歩すればよい。

3.薪ストーブは必需品
  別荘生活での大人の玩具+ストーブクッキングで楽しさ倍増。

4.メーターモジュールでの設計。
  廊下・クローゼット・各室にゆとりを求めたい。

5.屋内駐車場の設置
  雨・雪・対策+薪割り場+遊び場として有効活用。

6.全天候型非氷点下住宅
  水抜きは多分失敗する事を想定して、水抜き不要住宅を考案。

 細かな点は省くとして以上がこだわったところと、割り切ったところです。

 前提として「費用対効果」を考えねばなりませんが、別荘という非日常を演出する「場」であっても「日常生活」を考えると結果としてはあまり特異な住宅は避けた方が良いというのが私の結論です。

 他のシリーズ項目の中で、東京の生活をそのままお山で実現することとしたことは、良い意味でも悪い意味でも、特別な事をしたために特別な事をしなければならなくなることを避けたことに繋がりました。つまり普通の生活を環境を変えることで非日常的な雰囲気をかもし出すことを求めた私達家族の結論は今のところ成功しているということなのかもしれません。

 では、次回にその別荘を建設する場合の「 第 16 回 坪単価の魔法 」についてお伝えします。