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【 寒冷地仕様 別荘建築のための予備知識とは 】



 第 10 回 屋根形状はどうあるべきか

 前回の建物の外観につづき、屋根について考えてみます。

 屋根の形状は主に切妻・寄棟・片流れ等がありますが、その形状を考える視点をどこに置くのかによって選択の内容が決まります。
 
 通常、建売住宅や建築士さんが示す図面などで屋根の形状について気にして見る方はそんなに多くはないと思います。
 建物全体のデザイン・バランスなどで屋根の形状について注意深く観察することなど無く、ほとんどが見た目で判断され、その性能についてまで考えている施主さんは少ないかもしれません。

 一般の都市住宅ならばそれでも良いのかもしれませんが、取り分け高原や積雪地帯に建築する建物にとって屋根の形状は時として致命的な問題を含んでいます。

 問題は“雪”です。
 屋根の積雪をどの様に処理をするのかを考えることによって、その形状は全く違ったものになります。
 積もった雪は当然落雪します。氷柱にもなります。
 このことを想定して屋根形状を設計しなくてはなりません。

 しかし高原の別荘地の建売住宅では、何の疑問も感じることないのかと不思議に感じるほど、多くの建売別荘で平気で玄関側に落雪するような屋根の形を目にします。
 また、高原の別荘に付きもののウッドデッキ側に落雪するような屋根形状だったり、まったく無神経に設計施工されている建売住宅が沢山あります。

 特に玄関出入口側に落雪するような屋根形状の場合は、雨ならば当然したたり落ちる雨水で玄関周りの痛みが早まり、その部分だけ早期な修理を余儀なくされている住宅をよく見かけますし、厳冬期ならば落雪や氷柱の落下の危険で安心して建物に出入りできない状態になります。

    
  
 住宅を設計する場合、建築士さんは何を基準に設計されているか素人には分かりませんが、少なくとも住む人にとって安全で住みやすい住宅を提供する責任があるはずです。
 玄関から出入りするのに雨が降っている場合は傘を差しながら開け閉めしないと濡れてしまうような造りだったり、デッキ側には屋根に積もった雪が大量に落ちてきて危険で、尚かつデッキの腐食が早まったり等々信じられないような設計施工の別荘が沢山あります。

 そこで積雪地での屋根形状のあり方として
 @ 玄関に雪・氷柱が落ちないようにすること
 A デッキ側に雪・氷柱が落ちないようにすること
 B あらかじめ雪・氷柱を落としても安全な場所を確保しておくこと
 C 住宅周辺機器に雪・氷柱が落ちないようにすること
 D 駐車場の出入り口に雪・氷柱が落ちないようにすること
以上の5点については最低条件として設計与件に組み入れて屋根形状を設計すべきです。

 この言われれば納得の与件ですが、建物を建築する際には案外見落とす場合があるので十分に注意が必要です。

 施主にとって住みやすい住宅は安全で快適でやさしい住宅であるべきですが、残念ながら現実は建築士の先生の言われるままにデザイン重視や身勝手さに押し切られ、施主の意向を親身になって考えてくれる建築士さんに巡り会うのはなかなか難しいです。 

 ですので、自らが主体的に建築設計に関わっていき、住みやすいやさしい住宅を建築するために僅かながらの勉強もしつつ、建築士さんや工務店さんと対等に「会話」出来る環境を作り出すことが大切なことです。
一生の買い物です。後悔することのないように少しの努力と少しの「強がり」でよりよい住まいを手に入れることができるので、ここは踏ん張りどころですので頑張りましょう。

 では、次回「 第 11 回 屋根付き駐車場の思わぬ利用方法 」をお送りします。