【 薪ストーブ お役立ち情報 】



 H 着火にもいろいろ。ガスバーナーは邪道か 

 八ヶ岳富士見高原の別荘週末族にとって薪ストーブは欠かせないアイテムの一つです。
 そしてその利用の方法となると人によって様々です。ストーブの上にただヤカンを乗せてお湯を沸かすだけの方、鍋を乗せてストーブクッキングをされる方、あるいは何もせずただ暖房機本来の働きだけを享受されている方など様々です。
 
 で、別荘週末族にとっての問題は薪ストーブの着火方法にあります。
 週末族は文字通り週末にしか別荘を利用できないのでそれ以外の期間は別荘は無人状態になっています。ということは当然火の気もないわけですから住宅内は限りなく外気温度に近づいていきます。

 八ヶ岳富士見高原の場合、冬季期間は近年暖冬化の影響を受けつつも平均−10℃くらいにまでは冷え込みます。
 すると当然室内も氷点下と化す訳で、週末に別荘へ訪れた時は室内は間違いなく氷点下になっています。

 その点F・K Home住宅の場合は全天候型非氷点下住宅のため氷点下にはならないので非常に助かりますが、一般的な週末族のみなさんにとっては室内が氷点下の場合の薪ストーブを着火させる方法には多くの問題を抱えています。

 それは 

 1. 煙突が冷え込んでいるため窓ガラスから冷気が降りるダウンドラフト効果と同様な現象が起きていて、
    焚き付けた際に煙が立ち上らない。
 2. 薪が凍っているため着火しづらい。
 3. 薪ストーブ本体も冷え込んでいるため、炉内温度が上昇しない。
   等の問題があります。

 一方、薪ストーブ愛好家にとって着火方法は「古来」からのスタイルがあり、それを忠実に守っている方がいます。
 薪ストーブガイドブック等にも書かれていますが、新聞を丸めその上に小枝を乗せて、細い薪を井形に組んだり小山のように組んだりしマッチで着火させるとの案内が書かれていることが多いです。 
 その「古来伝来」のような儀式めいた着火方法を忠実に何の疑問もなく行っていた薪ストーブ愛好家がいました。 
 
それはそれで古式豊かで火を楽しむ儀式のようでとてものどかで良いのですが、室内が氷点下で薪も凍り付く凍てつく寒さの中「儀式」などやっている場合ではありません。
 一刻も早くストーブに火を入れて暖を取りたい一心の家族が寒さに震えながら待っている絵は洒落にはなりません。
 


       

    薪ストーブ着火方法についてのアルバムをUPしました。
   
 ある週末、我が家に友人が訪れました。
 我が家も週末族でこれから別荘生活を始める為に丁度ストーブを焚こうとしているところでした。
 
我が家の焚き付け行程は

 1. いつものようにまずガスバーナーで薪ストーブの炉内を暖めます。
 2. そして次に煙突の入口付近を入念にバーナーで空だきします。
    こうすることで煙突のドラフト効果を前もって発生しやすくしておきます。
 3. それからはじめて炉の中に適当に枝を入れてその上に細い針葉樹の薪を2〜3本入れ、
    最後に太めのナラの薪を2本ほど乗せておきます。
 4. そして我が家の「儀式」ガスバーナーで一吹きするとすでに炉内が暖まっているので、
    小枝全体に火が入ります。そこで薪ストーブの扉を1p程の隙間を残して閉めてしまいます。

 以上、そうするとすでに煙突のドラフト効果が発生しているため、もの凄い勢いで薪全体に炎が回っていき扉の隙間から吸い込む空気によって火力が増していきます。

 そして太い薪にある程度炎が移ったところで扉を全部閉め、一次燃焼用の空気調整バルブを開いてしばらく放置しておきます。

 これが我が家の薪ストーブ着火「儀式」です。
 この間時間にして数分です。
 
 この作業を観ていた友人は「目からうろこ」といって驚いていました。
 彼は今まで何の疑いもなく古来伝来の方法で着火作業をしていたのでした。そして同じ週末族でしたので冷え切った薪ストーブを着火させるのに大変な思いをしていたのでした。
 
 しかし何の疑問も感じることなく、この着火方法しか気づかなかった彼にとっては古来伝来のこの方法が、普通のことであって大変な作業とは自覚していなかったそうです。
 
 だから「目からうろこ」ということなんでしょうが、本来の薪ストーブの着火方法はこれだ!との古典派としてはガスバーナーでの着火は「邪道」なのかもしれません。

 では次回は【 I 美味しい焼き芋の作り方いろいろ 】をお送りします。