上海旅行記




上海 江蘇省 浙江省

はじめに

 上海への出張の際に、休日を利用して社員の家庭を訪問したり、観光地を独り歩きしたときの、エピソードをご紹介します。



1)お札がいっぱい
 上海へ出張したときのことである。現地の工場で使う備品を購入するために、日本円で15万円ほど現金を持参した。そして、上海でも最高級の「錦江飯店」ホテルで、中国の貨幣である「人民幣」に両替した。

 びっくりしたことに、お札があまりに多く数えるのに一苦労し、今度は財布に入りきれないのだ。「100元紙幣では大きすぎて、タクシーでもお釣りはないよ」と言われていたので、50元や10元紙幣を多くしてもらったのも原因だ。

 しかも汚れがひどく、まるでごみくずのような感じであった。この金額は中国の人の年収の2から3年分だと思うと、ぞっと身震いがして恐ろしくなった。(ちなみに当時1元は13円ぐらい。)


2)南京行きが毎日欠航?
 休日を利用して、上海から南京へ飛行機で行こうとした。最新の時刻表を入手し、空港に行ったら、「没有」(欠航)と誠にそっけない。「なぜですか」と尋ねたら「不知道」(知らない)という。中国でも大手の「中国東方航空」のカウンターでの話である。

 どうしても行きたかったので、翌日も同じ時間に行って、今度は、時刻表を見せながら尋ねたが、やはり同じである。2日間も「虹橋空港」まで、タクシーで高速道路を往復してどっと疲れが出た。

 後でこの話を中国の「朋友」(友人)にすると、「中国ではよくあることだ」と別に驚かない。



3)西湖のボート代は10倍?
 杭州へ行ったときのことである。空港からタクシーに乗ったら、なんと20歳くらいの女性の運転手である。話が弾み、帰りの上海行きの「軟座的火車票」(特急列車のグリーン席の切符)を代わりに購入してくれた。

 また、風光明媚な「西湖」の観光案内もしてくれた。一緒にボートに乗ったのであるが、あまりにうまい話なので心配になり、ボート代を聞いたらなんと10倍近くも請求された。お互いにカッとなると、相手は早口の方言でしゃべるので、よく聞き取れない。

  親切にしてくれたあとで、お金を請求される。これはよくあることだそうだ。  それにしても、「蘇州」と並んで、「杭州」はきれいなところである。


杭州・西湖 蘇州



4)優しいおばさん
 今度は「火車」(列車)で南京へ行った。「輪タク」と呼ばれるリヤカー付き自転車のタクシーに乗った。眺めはいいが、運転手は50歳はとうに過ぎていると思われる、おばさんであった。一生懸命にペダルをこいでいる姿を見ると、私がお客とはいえ代わってやりたい心境で落ち着かない。

 やっと、「長江大橋」の近くに着いたので降りた。料金は「シークアイ」(10元)であるのに「スークアイ」(4元)と聞き間違えてお金を出した。そしたら身振り手まねで、一生懸命説明してくれた。お礼を言って別れると、心配そうな顔つきで、私が見えなくなるまで、ずっと優しく見守ってくれた。


上海・外灘



5)「寧波」近くのホテルで、突然
 商用で「寧波」近くの田舎町にやってきた。駅前商店街の道路は広く、人もいっぱいで混雑していた。しかし非常に静かである。まるでゴーストタウンのようだ。よく見ると、走っているのはほとんどが「自行車」(自転車)である。残りは「輪タク」とわずかばかりの軽自動車の箱型タクシーである。

 町はずれの小さなホテルで、現地社員と「紹興酒」をかなり飲みベッドに入った。すると突然電話がなり、若い女性の声で「要不要小姐?」(女が必要ですか?)と言うのである。酔っているし眠いので「不要。謝謝」(けっこうです。)と言って断ると、30分位してまた電話が来た。

 中国への出張者や旅行者には、こういう体験が少なからずあると思う。


上海・人民広場



6)孫君の家庭で
 ある休日に社員の孫君の家庭に招かれた。2DKのアパートの6階にあるが、エレベータがない。これは普通だと言う。真冬の上海は、東京と同じ位寒いが、暖房が全くない。家の中でもジャンバーやオーバーをたくさん着ているという。

もちろん分厚い「ズボン下」を、若い女性でもはいており、寒さに対してしっかり着ているから風邪をあまりひかないそうだ。私は孫君の家の中でも、寒さにずっと耐えしのんでいた。

 やがて中国料理の暖かいものを食べきれないほど、ご馳走してくれた。何もかもが、おいしかった。父親がずっとお勝手で料理を作っていて、居間にあまり出て来ない。一緒に食べようと言っても、私が帰るまで次から次へと、料理を作っていて、お父さんとはあまりお話ができなかった。

  後で聞いた話だが、中国では男性が料理を作って、お客をもてなすのは、決して珍しくないとのことである。


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