青海省、チベット旅行記-6
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6日目)成都 文殊院 成都→上海→名古屋
地下鉄「桐梓林」入口
文殊院1
市内バス、地下鉄1号線を乗り継いで「文殊院」へ行く。市内バスは通勤時間帯で渋滞と満員で、
車掌が切符を対面販売している。珍しい。
地下鉄は新しいので、均一料金ではなく距離に応じて2、3、5元になっていてICカードの
リサイクル切符である。
文殊院2
文殊院3
「文殊院」は、南北朝時代に創建された仏教寺院。入場料無料がいい。市内中心部にあるにも
拘わらず、大変落着いた雰囲気で心があらわれる。
タクシーにも乗ったが、運転手を防御する鉄格子やアクリル板がない。市内ではバイクに乗って
いる人は、ヘルメットをかぶっていない。
地下鉄は前回訪れた時、初めて1号線が開通したのだが、今は1号線は2倍に延伸し2号線もある。
空港線も工事中だ。全く発展が速い。
成都双流空港
成都上空
成都周辺や四川省は、世界遺産などの見どころが一杯。たとえば九寨溝、黄龍、峨眉山・楽山大仏、
青城山・都江堰、パンダ保護区など。3年前に訪れて感激した記憶がある。
昼ごろリムジンバスで成都双流空港へ行く。高速道路経由で30分、10元(約180円)だ。
長江三峡ダム1
長江三峡ダム2
成都から上海までは重慶、武漢上空を飛ぶので、「長江」が見られるのではと期待した。
運よく雲の間から、巨大な「長江」の蛇行している様子がときどき見られた。
圧巻は幅2km以上もある世界一の「長江三峡ダム」が、はっきりと見えたことである。
ダム湖までは濃い藍色、ダム下流は茶色の濁流のような河で、まるで生きているようだ。
ダム横の人工的な上昇下降水路、即ち「シップロックゲート」を通過しようとする大型貨物船が、
列をなして順番待ちをしているのも、機内から豆粒のように見える。
あまりに感動したので、隣の席に座っている中国人にこの話をした。デジカメでは残念ながら
ぼんやりとしか映らない。なおこの2枚の画像はグーグルマップから引用したものである。
孫へのお土産
シルクのショール
帰路の飛行機は、上海上空に台風接近で大幅遅れ。名古屋到着は翌日午前1時過ぎ。結局4時間以上遅れた。
早朝自宅へ到着。6日前真夜中に自宅を出発しており、こんな旅行は初めてだ。
今回の旅のまとめ
1)「青海省・チベット自治区」の特徴
中国大陸西南に位置する両地区は、面積では中国の20%(日本の5倍強)を占める。
しかし人口はわずか850万人で0.6%にすぎず、31行政区の中で青海省が30位、チベットが最下位。
主要な民族構成では、青海省が漢民族54、チベット族23、回族16%に対し、チベットではチベット族が93%。
両地域ともに中国の屋根と呼ばれる高地にあり、人口密度が極めて低い。
2)チベット暴動
北京オリンピックを前にした2008年3月、チベットで暴動が発生。自治区という名称は与えられていても、
実際は漢民族に支配され、独自の文化や宗教は抑圧されている。日頃の抑圧に耐えかねたチベットの僧侶たちが、
抗議デモでチベット独立を求めたが、治安部隊が弾圧。
これに怒った人々が暴動を起こし、漢族の経営する商店などを襲撃した。結果的に多数の死傷者や拘束者を出した。
一方「新疆ウイグル自治区」では、ウイグル族の暴動が恒常的に発生している。
3)高山病
青海省の西寧は海抜2,300m、青海チベット鉄道は平均4,500m、チベット自治区のラサは3,600m。
高山病対策として、走らないでゆっくり胸をはって歩く、時々深呼吸をする、空腹を避け水分補給、
酒を控えて十分な睡眠をとるなどの予備知識を得ていた。
しかし旅の疲れと高齢のため、高地にいた4日間ともに頭痛や身体がだるい、疲れるといった軽い高山病にかかり、
頻繁に携帯用酸素ボンベを吸っていた。列車内では、酸素チューブを鼻の孔に入れ酸素を吸引していた。
4)初めての団体ツアー
チベットへの「入境許可書」を個人で取得するのは困難なので、N観光のチベットツアーで行くことができた。
しかし、旅行費用が6日間で33万円弱と高額だ。日本からの添乗員の他に、現地ガイドが6日間でのべ9人と豪華だ。
日本人団体客が激減している影響か。オプショナルツアーは、訪れたことがある場所なので2回とも断った。
その代わり1日目午後北京では「前海・后海」を歩いて散策し、6日目午前成都では、
バス、地下鉄を乗り継いで「文殊院」を訪れた。その後は成都双流空港へ直行し合流。
しばしの間、「独り歩き」を楽しんだ。
旅の途中でお世話になった中国の皆さんや、同行者に感謝しつつ、これで終了。ありがとうございました。
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