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珍笑、妙笑（ﾆﾔ･ﾆﾔ)？仏蘭西葡萄酒買い付け紀行 ドメーヌ・ド・レーグル 　a.c.リムー 　カルカッソンヌから25kmスペイン側、ピレネー山脈の長く緩やかな山麓Roquetaill ade村、ﾑｯｼｭｰ伊藤は秘境中の秘境と言う。未舗装道路の幅はバス１台分。道ばたの木立がバスの窓を打ち、慎重な運転になる。どん詰まりの海抜450mの丘の上にドメーヌ・ドゥ・レーグルはある。南側には頂上にレーグル（ワシ）の棲むという雄大な眺望。 　妻のﾏﾀﾞﾑデノアが応対してくれる予定であったそうだが、ﾑｯｼｭｰデノアは、出張先のイタリアから急遽帰国、なにやら意気込みが恐ろしい。彼は、ブルゴーニュを視野に置いてワイン造りをしていると言うことで、シャルドネとピノ・ノアールが主要品種である。彼は言う。「ワイン造りにまやかしがあってはならない。新世界のワインの中には、樽の成分をワインに注入して、樽熟成しているような動きも見られる。これでは、本当のワインができるはずもない。」そしてまた言う。「ブルゴーニュのワインに負けない、いや、それ以上のワインを目指しているし、その日は近い。」彼のワインに対して多くのワイン専門家が、様々な賛辞を寄せている。Steven Spurrierは「デノアは、全フランスの中でもっとも興味深いワインを少量ではあるが生み出す、ピノ・ノアールとシャルドネを栽培している。・・」、Hugh Johnsonは「リムーでこれほどのピノがつくられているとは。これは、完熟したあのすばらしいメルキュレーの核心に当たる性格を持つものだ。」 　テイスティングは、100%シャルドネのクラシークClassique'95/'96/'91。色は麦 藁色。年代が若いほど薄い。香りはフレッシュな蜂蜜。味わいは甘味を含んで、酸とのバランスが極上。売り切れの'91はすばらしい。良いものを飲ませていただいた。レ・レーグル（Les Aigles)'95/'96/'92。色は黄金色、香りはやはりフレッシュな蜂蜜、味は甘味を含んで更に重厚。赤はピノ・ノアール'96/'97、グルナッシュ'97、ムーヴェドゥル'97。ピノの'96を除いて、未だ樽の中。ピノ'96はロゼっぽいルビー色。これらのワインは、デノアの畑の葡萄ではなく、近くの葡萄生産者から購入してつくったものである。クラシーク'96/'97、テル・ルージュ'96/'97は100%デノアの葡萄。いずれもブルゴーニュに負けないすばらしいワイン。特に、シャルドネはブルゴーニュをこえている！！？ 　ここにはクレマン・ド・リムーというヴァン・ムスー（発泡性ワイン）の原型があるということで、期待したが、既に、日本のワイン屋さんが契約済み、残念ながら試せなかった。 　デノアの訪問を持って、ラングドックでのお仕事は終了。ツールーズを経由して、バスはボルドーへ。一同疲れ果てたか、うつら、うつら。 (ドメーヌ・ド・レーグル, a.c.リムー編　文、写真：Masanao Nagasaki)

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