リカーハウスながさきオンライン

オリジナル清酒 | 店主買付ワイン | 日本酒 | ワイン | ビール | オーダー方法
イベント情報 | ワイン会 | 利き酒会 | 葡萄畑 | 見学会・その他
リカーハウスながさきについて | リンク

トップページ

美知子のポストリカーハウス長崎バナー


珍笑、妙笑(ニヤ・ニヤ)?仏蘭西葡萄酒買い付け紀行


カルカッソンヌの夜は更けて

 カルカッソンヌは、フランスとスペインの国境近く、ピレネー山脈の入り口にある、中世の城下街。カルカッソンヌを見ずして死ぬなという日光みたいなところ。今年、はじめて日光にも行ってしまったし、ここにも来てしまったから、人生そろそろ終わっもいいと言うことか。スコットランドのエジンバラ城よりも大きく、二重の城壁でその長さが合わせて3キロ。丘の上のシテ(La Cite)と呼ばれるその中には、カフェ、ホテル、お土産やさんが立ち並んでいる。私たちは、お城へ歩いて10分程度の、比較的新しいホテルに泊まりました。到着後、1時間の休憩。同室のギャルソン田中(今回のツアーで唯一の独身者。独身者は歳が幾つでも、ギャルソンと呼ぼう)と話し込んでしまって、時間を忘れ、ご一行様に大顰蹙。スンマセンの気分。

 夕食は8時を回ったころ、シテのカフェで、最初は久しぶりのビール。フランスではなかなかキリッとしたビールが飲めないのだそうで、幸運な飲み口。フォアグラ、トリフにキャビア、金に糸目は付けないぞと意気込むが、割り勘と言うことで、スパゲッティにピザ、郷土料理の煮込みを適当数取って、みんなで分けて食べる。仲間意識のはじまり。ワインはa.c.コルビエール。2本注文すると、なんと違うヴィンテージ。ムッシュー伊藤の気配りか、それともおおざっぱなのか。色は熟成した茶色がかった赤。香りは・・利かなかったか、記憶にない。味は、おさまりすぎたタンニン。4時間前とはいえ、ヤング・ソクラテスのまだ若い恐怖のタンニンの後では、何を飲んでも一緒だったろう。

 食後はシテの中を散歩するが良いというお奨めに、一人群から離れ、シテの奥に進む。なるほどフランス有名観光地だけあって、シテの中はたくさんの人・人。午後10時近くとなれば、おみやげやさんは、全店閉店。レストラン、カフェばかりが明るく、笑い声。15分も歩けば、お城の裏口、つづらおりになった道を下って、城外に出、新住宅街にはいる。カルカッソンヌ城を浮かび上がらせる照明が、あたりをもやった感じのオレンジ色に包む。狭い路地を歩く。時々、犬が跳びだしては来るが、吠えたりはしない。方向を見失わないように、建物と建物の間にお城を確認しながらホテルに向かう。小一時間の散策。

 ホテルのバーで、先に帰ったムッシュー伊藤と、ヴィンテージポートを飲みながら歓談、その内にご一行様もお帰りなる。疲れ気味なのだろうマダム中山、マダム安見はお部屋へ、残りはバーに。ムッシュー小西が、食事をしたシテのカフェで食事代金が足りないと言われ、50フラン払ってきたという。「ちゃんと全額払ったわよ」「でも、・・・」てな会話があって、各自5フランほどを彼に払う。さすが、スペインとフランスの国境で生き抜いてきたカルカッソン人、大阪商人みたいに頑張るなと感嘆。東洋からのカルカッソンヌ語を全く話せないおのぼりさんが太刀打ちできるはずもない。段々仲間になる過程。総勢11人の旅なのです。

 時の過ぎゆくままに話が続き、おねむになるにつれて、欠けていくは世の習い。マダム西岡、同年輩のムッシュー西村、後は誰だっけ。後日、ムッシュー西村曰く、帰ろうとすると、眼鏡越しの長崎さんの目が、帰るなとすがるようだったからと話した。そんな気分ではなかったのですが、彼はどのタイプかなと窺ったことは確かです。ムッシュー西村は、人の心模様を察しようとする善人、苦労人なのです。たちまち、好きになった。かように、カルカッソンヌの夜は更けていったのです。

(カルカッソンヌの夜は更けて編 文、写真:Masanao Nagasaki)


オリジナル清酒 | 店主買付ワイン | 日本酒 | ワイン | ビール
オーダー方法 | イベント情報
ワイン会 | 利き酒会 | 葡萄畑 | 見学会・その他
リカーハウスながさきについて | リンク

トップページ

美知子のポストリカーハウス長崎バナー


Copyright 1998 Liquor House Nagasaki
Site developed by Nagasaki Parts, Inc.