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Aria mit verschiedenen Veranderungen
アリアと種々の変奏
BWV988


一般に「ゴルトベルク変奏曲」と呼ばれるト長調の変奏曲です。
1741年にクラヴィア練習曲集第4部として出版された鍵盤曲です。
変奏の主題となっているアリアは、バロック時代に
さまざまな作曲家によってしばしば用いられた
以下のような定旋律を1小節に1音ずつあてて用いています。



30からなる変奏には3曲ごとにカノンによる変奏が含まれています。
全9曲のカノンによる変奏は、順番に1度から9度までの
カノンになっています。またフーガによる変奏もいくつかあります。
以下の表にはそうした対位法的変奏をリストアップしました。
タイトル 拍子 声部数 様式
Variatio3. Canone all' Unisuono. a 1 Clav.
12/8
2+1
同度のカノン
Variatio6. Canone alla Seconda. a 1 Clav.
3/8
2+1
2度のカノン
Variatio9. Canone alla Terza. a 1 Clav.
4/4
2+1
3度のカノン
Variatio10. Fugetta. a 1 Clav.
2/2
4
フーガ
Variatio12. Canone alla Quarta. a 1 Clav.
3/4
2+1
4度の反行カノン
Variatio15. Canone alla Quinta. a 1 Clav.
2/4
2+1
5度の反行カノン
Variatio16. Overture. a 1 Clav.
2/2
3/8
フランス風序曲
Variatio18. Canone alla Sexta. a 1 Clav.
2/2
2+1
6度のカノン
Variatio21. Canone alla Settima. a 1 Clav.
4/4
2+1
7度のカノン
Variatio22. a 1 Clav. (alla brreve)
2/2
4
(模倣曲)
Variatio24. Canone all' Ottava. a 1 Clav.
9/8
2+1
8度のカノン
Variatio27. Canone alla Nona. a 2 Clav.
6/8
2
9度のカノン
Variatio30. Quodlibet. a 1 Clav.
4/4
4
(模倣曲)

後にバッハは変奏曲に用いた定旋律自体を主題として
14曲のカノンを作りました。このカノン集は、後に作られる
「フーガの技法」や「音楽の捧げ物」といった対位法的作品群の
出発点になったものと考えられています。

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