今日の一言
005年7月9日(土)
つゆの雨が時おりコウモリ傘を強く打つなか、昼前から飲んだ法事の酒の酔い覚ましに夕方の山みち散策に出て、薄闇がひろがる雑木林で今夏初めてヒグラシを聞いた。カナカナカナカナと鳴くこのセミの声には爽涼の気分のほか何かしら心にしみいるものがある。
2005年7月1日
「イノシシは高さ1.2bの柵を越え、60`の石も軽々持ち上げる」と、農作物被害対策を伝える新聞記事。実に魅力的な野生の能力だが、被害を受ける農家はたまらない。容赦ない全面戦争なら事は簡単だけれど、野生動物保護とか生物多様性の言葉も重く、思わずもれた「えらいことだ」というつぶやきも紹介していた。
2005年6月16日
養魚場のニジマスを100万円分も食べたクマが、仕掛けた檻で捕獲され、トウガラシ成分入りスプレーを噴射する「お仕置き」をされて、奥山へ放された―と新聞、テレビが伝えていた。被害者感情をひとまず脇におけば、ひと頃のように「猟銃でズドン」という手法が後退しつつあるのは嬉しい。クマなどケモノが住む奥山は、神々や妖怪が住むという異界の地でもある。畏怖、畏敬の対象となるそうした存在は、人に謙虚な気持ちをいだかせる。科学がどれほど進歩しようと、けして消えてほしくないものだと思う。(日記参照)
2005年6月4日
「カタクリ、ササユリ、オキナグサ、イチリンソウ、アツモリソウ、ランの仲間等々、山野草は山で見るとその新鮮さに感動するけれど、里へ持ってくるとたちまち色あせ、あるいは枯らしてしまう。やはり野に置け―だ」と、山野草愛好家のその人は語っていた。業者の乱獲、一般住民の気まぐれ、愛好家の軽率さが、里山からこれらの山野草が姿を消している原因と嘆くのである。
2005年6月1日
山みちを歩いて今、最も目につくのはミズキ(水木)の白い花。数十個の花が空を向いて棚状に集まり、それが階段状に咲いている。若葉とのコントラストがハッとするほど素晴らしい。こんなにもミズキが多いとは―と改めて思わせる。ウワミズザクラの目立つ年、山フジの目立つ年など年々歳々主役が交替するのも、自然界のおもしろいところ。しかし、どんな理由があるのだろう。