いらっしゃいませ
Ver.20

2005/07/28

この前の喫茶室 次の喫茶室
グラジオラスの絵手紙 暑中お見舞い申し上げます

 隣町に、捨て猫の世話をする方がいて何時も新聞の広告に「子猫もらって貰えませんか。」等と載せています。その方が、わたしに、「困っているから1匹お願い。」といってきたのです。家にはまだ3代居た猫の最後(モー)が残っているので躊躇したのですが、次の日今度は写真を持ってきて「すごく可愛いですよ。」とみせてくれました。その写真を見た私の心は、可愛い子猫姿に動かされて「飼います。」と言ってしまっていたんです。
 段ボールの箱に入れられてやってきた子猫は、まだ本当に小さくて「2ヶ月くらいだ。」とのことでした。ふたを開けてのぞき込むと、その小さい体の毛をせいいっぱい逆立てて「シャー」と威嚇しています。何か怖い想いをしてきたのでしょうか。こんなに小さくてもせいいっぱい自分の存在を主張してくる姿は、いっぺんに私の心を捕らえてしまいました。「ここが今日からあなたのお家よ。」箱から取り出してやりながら、いとおしさで一杯になりました。
 それからは、朝に晩に、姿が見えないと、私も夫も子供達も「ミュー」と名付けた名を呼んで探し求めるようになっています。

 もらわれてきた日の夜中のことでした。午前3時頃どうしているかと気になり、見に行ってみると「ミャー ミャー」と小さい声が聞こえるけれど姿が見えません。懐中電灯まで持ち出してそれでもと、戸棚の後ろ側を見てみると、壁とのほんの少しの隙間に挟まって身動きがとれず泣いていたのでした。やっとの事で出してやって「このまま朝まで居たら死んじゃったね。ごめんね。」と抱きしめてやると、「グルグル」と喉を鳴らしてしがみついてきます。「あなたはもう家族の一員よ。」
 日が経つうちに人懐っこくなってきてこのごろは、お客さんが来ると玄関まで出迎えます。この間は「お宅に似合わぬ可愛い猫だね。」といわれてしまいました。20年近く3代にわたって居た猫は、人に懐きにくい猫だったので、今度の猫が誰にでも愛されることが願いです。
 突然やってきたこの小さな生き物が、いつのまにか私たちの生活の中心的存在になっています。

子猫の絵手紙 今日からミューと一緒の暮らし
この前の喫茶室 次の喫茶室
おしながきへ戻る

ご感想をお寄せください。 ふきこ宛メール