猫の「モー」も一緒に寝てくれなかった夜。ティッシュ、ティッシュ又ティッシュ、辛い想いで朝を迎え、病院へ行きました。点鼻液、点眼液、そして飲み薬をもらい帰宅しました。
私は目薬を差すのが下手で、なかなか上手く入りません。そんなとき、夫の一言。
「かあちゃんは大変だね、目が小さいから・・・。」
なんと言われようと、少し多めにたれようとも必死にさして、少しは楽になりました。
もうだいぶ時が経ってしまいましたが、大晦日の夜、近くのお寺で長い年月を経て、除夜の鐘の音が響きました。昨年、きとくな方が、梵鐘と鐘楼を寄付してくださったのです。
私がここに嫁いできたときは、古びた鐘楼だけが寂しそうに境内の片隅に今にも崩れそうに建っていました。梵鐘は太平洋戦争のまっただ中の昭和19年供出したのだそうです。それ以来、お寺では朝夕太鼓をたたいていたといいます。
夫は、紅白歌合戦も、終わりに近い頃出かけていきました。除夜の鐘を突かせて貰えるからです。「豚汁がうまかった。それよりも何よりも、ゴーンとおなかに響いて夜空へ伝わっていくような低い余韻が素晴らしい。」そう言って帰ってきました。もう年が明けた頃でした。
そして「この鐘が又供出されることが無いように、そんな世の中にならないように、祈りを込めて突いてきたよ。」というんです。
本当にこの鐘が、何時までも素晴らしい音色を響かせてくれることを祈っています。
皆さんのところへも鐘の音は響いていったでしょうか。 |