いらっしゃいませ
Ver.17

2004/12/01

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パンジーの絵手紙 出会うたびに、にこっと

 秋も終わり、街路樹の落ち葉を踏みしめながら歩くこの頃です。毎年楽しみにしている庭のもみじの紅葉も、きれいにならない内に、はらはらと散ってしまいました。葉が落ちてしまったけやきの木に北風がからんで枝を鳴らします。
上川には、今年も白鳥がシベリヤから冬を運んできて、白い羽を川の流れに写しています。
 このごろ、何故か筆が重くなり、いつの間にか紅葉の秋が終わってしまいました。「描かなくては」と思いながら、むなしく日が過ぎていきます。

 この間に、いろいろな出来事がありました。幾度となく上陸した台風による被害とそれに続く地震です。地震の時は、私の家も大きく揺れましたから本当に「人ごとじゃない」と思いました。テレビから流れる映像に釘付けにされる事も度々でした。
 山道を、年寄りの手を取って助け合いながら避難してきた人達。部落全員の避難を決めた山古志村の皆さん。そして次々と襲ってくる余震のなか、岩と車の間から幼い命が救い出された瞬間・・・。皆さんも、胸うたれたのではないでしょうか。
 たくさんの義援金や義援物資。「いくらかでも役に立ちたい。」と駆けつけるボランティアの皆さん。多くの好意が寄せられました。
「優しいな・・・。優しい心だな・・・。」こんなに優しい思いやりが、ここにはあるんだと思いました。
 しかし、悲しいことも起こっています。「大量破壊兵器がある。」ということで始まったイラク戦争も、いつの間にか「テロリストの撲滅」にすり替えられて、今もなお続けられています。
 ファルージャの空に、しだれ柳のように広がった爆弾で、どれだけの命が傷つけられ奪われたのでしょうか。突然襲った地震などでも、被災者の数は把握できるのに、ファルージャでのイラク人犠牲者の数は把握できていません。罪もない子どもや女性やお年寄りが大多数だと聞きます。テロリストはどこへ行ってしまったのか・・・。
 負傷して倒れている人に向けて、引き金を引く兵士。横たわっている遺体を踏みつぶして通る戦車。ホントにそこに有るのは狂気としかいいようがありません。
 誰もが、親の愛を受けて慈しみ優しく育てられるであろうと思うのです・・・。
兵士だって・・・。何がこんなにも人を変えてしまうのでしょうか。
 私は、「戦争を知らない子ども達」の仲間ですから、生まれたときから「もう戦争はしません。」と決めた社会の中で育って生活してきました。それが空気のようにそっと私達に寄り添って「優しい心」を持ち続けられたと思うのです。でもこのごろは、息が詰まって空気の存在を意識するように、憲法9条が大切だと感じるようになってきました。我が家を訪ねてくれる子ども達の世代から、もっともっと先の世代まで・・・。
そして、これが世界に広がっていくように・・・。考えていきたいものですね。

もみじの絵手紙 もみじの色の良い時は庭に出るのがうれしくてため息ついて見上げます
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