諏訪の平が御柱祭に燃えて、里引きも終わったのに夫は、まだその興奮さめやらぬようにテレビにかじりついて、繰り返し流されるあの場面に酔っていました。
私もそんな熱気に元気を取り戻していた五月十五日の朝十時少し前でした。
夫が「クロが車にひかれた!すぐ行って!!」と近くの家でお掃除をしている私を呼びに来ました。急いで帰ってみると、庭先にクロがうずくまっています。「クロちゃんどうしちゃったの?」と声をかけると「ニャーン」とひと声だけ・・・。
ぐったりしてしまった「クロ」を車に乗せ急いで近くの犬猫病院へ・・・。先生が首を横に振り、静かに「もうダメ!」・・・突然のクロとの別れ・・・流れ落ちる涙も拭かず、家まで抱いて帰りました。
夫は「道向こうの奥さんが見ていて知らせてくれて判った。」と言います。道から庭先の何時も出入りするガラス戸の前まで必死に走ってきて力つきたのでしょう。
「ミー」の子どもの「クロ」は、ペルシャ猫の血統を受け継ぎ毛並みは柔らかくフワフワしていて、足
|