カサンドラ症候群とは

カサンドラ症候群(カサンドラ情動剥奪症候群)とは、特性症(下記) のある方との生活を長く続けているうちに、

心が疲弊しうつなどの症状を発症してしまうことです。

 

◆カサンドラ症候群に陥る理由◆
 1.心が通じ合わずコミュニケーションが成立しない
 2.人には辛さを理解してもらえない。
  「どこにもあることだよ」などと言われてしまう。
 3.人には言えない(誤解や偏見が起きることが怖い)。
 4.自分が悪いのではないかと追い詰めてしまう。  など

                                   

特性症とは                                             

特性症とはこれまで発達要がいと限定した考え方から改めた概念で、発達障がいやパーソナリティ症、その他精神疾患のある方や、

診断されていない場合においてもその傾向があるために、他人とのトラブルが生じたり、生きにくさを感じたりすることです。

 

◆発達障がい◆

発達障がいとは、様々な要因により生まれもって脳に機能障害があり、行動に偏りやくせがあり、社会的コミュニケーションに支障をきたす状態のことです。

知能には問題がないことが多く、子供の頃に親であっても気づきにくく、診断されることが難しいと言われます。

 

◆パーソナリティ障がい◆

パーソナリティ障がいとは、大多数の人とは違う思考や行動をすることで当事者が苦しんだり、周囲の方が困惑してしまう状態のことです。

 

◆その傾向について◆

何らかの傾向があるものの特に診断は受けていないという状態を言います。

 

特性症の方は、周囲の方に与える影響がありますが、多くの場合自覚を持てないことが問題になります。

本人や周囲の者に特性症の知識がない場合、問題が発生しても原因がわからず問題解決ができないなどの問題が起きたりします。

心の通わないなどコミュニケーションが成立しないことで

*当事者が社会での生きにくさを感じ、人間関係のトラブルなどから本人がうつ病になってしまうことがある→二次障害

*周囲の人がストレスを感じ疲弊したり、うつ症状を発症してしまうことがある→カサンドラ症候群

 

サポーターが抱える問題

当事者が配偶者の場合・・・夫婦としての関係が築きにくく、日々の生活の中で接する時間も多いため問題も多い

当事者が親の場合・・・・・親子関係が成り立たない 母親からの愛情を受けられなかった方の自己肯定感の問題が多い

当事者が子供の場合・・・・責任を感じてしまったり、子供の将来を悲観してしまう

当事者が同僚の場合・・・・まだ特性症について知られていないことが多く、上司が助けてくれないなどの問題がある

 

中には、当事者が特性症ではないかと感じていても、“人権”を考えて言えないで苦しんでいる方もいます。

経済的な問題で、離婚したくてもできないと悩まれていらっしゃる方もいます。

当事者を責めてしまうことに、パートナーが落ち込んでしまうます。

カサンドラ症候群の症状は、その方と当事者との関係や自覚があるかないか、知識があるかないかなど状況によって様々です。

カサンドラの問題は、当事者を何らかの障がいと決めつけることではなく、それぞれ違った価値観の偏りやズレによって生じる心の負担を

どう捉え、どう理解していくかを考えていくことが解決への道だと思います。

 

これからの課題 ”人権”と私の願い

◆これからの課題◆

カサンドラ症候群に陥ってしまった方の中には、大変辛い状況からご自分が被害者のような気持ちになり、相手を責めてしまうことがあります。

また逆に、相手を責めたり無意味に説得を続けることにより相手を追い詰めてしまい、自分が加害者だとおっしゃる方もいます。

同じ状況でありながら、全く反対の立ち位置にいることもあるんです。

本来被害者加害者関係ではないのですが、あまりにも辛い状況がそう思わせてしまうのです。

誰にもある”人権”。社会の皆様にもわかってほしいという思いの中に、”誤解しないで”という思いもあります。

正しい理解ととと特性症の方との上手な距離のとり方が課題となります。

 

◆私の願い◆

私は長い間カサンドラ状態でした。そこから抜け出したいという思いと、同じ状況にいる方々を助けたいという思いからこの会を立ち上げました。

勉強していないと不安になるほどの時間を費やしてきましたが、まだまだ未熟者です。

ただ私にも信念があります。それは“共生していく”ということです。

そのために、誰もが心や思考に偏った部分があり、独特な感性があり、気づかぬうちに自分も誰かを不快にしているかもしれないという

考え方を持っていることが大切だと思います(持論です)。

これまでの辛い状況から当事者を悪とし、自分が被害者とするその気持ちは否めませんし、私自身もそう感じていました。

しかし、いつかカサンドラから抜け出したときには、当事者には罪はなかったと思っていただけたらうれしく思います。

特性症の症状には不可能や限界があります。変容できることにも不可能や限界があります。

変われる余力や能力があるあなたから変わっていきませんか?