直径 (π) 高さ (H) 重さ (W) 容量 (CC)
 碗 77π 72mm 119g 150cc
 皿 150π 30mm 211g ---


佐伯守美 象嵌釉彩樹木文 
益子焼

益子の象嵌と言えば島岡達三ですが、そのシンプルな紋様とはおよそ対極の風景象嵌は日本でも佐伯氏だけの作風です。花器、皿等が主な作品群の中でコーヒーカップは珍しいです。ソーサー縁の白線が詩的に物語を醸造させてカップの樹を惹き立たせています。



カップ内側の釉薬の垂れが見事です。天渕付近の二度掛け釉薬が筋状紋様になっています。



彫刻刀で削られた跡に白土を埋め込み、背景には鉄釉薬を掛けてあり、濃淡にて演出されています。倒れ逝く老木や今を盛りと葉をつける若木、白樺の木でしょうか、バックの小粒は空に浮かぶ星、下段は藪の潅木にも見えてきて、想像が膨らむ器です。

上皇后美智子様の「御印」は白樺です。長野県の県木でもあります。

銀色の霧が忍び寄り枝音が奏でる冬の夕。何かを求め、何かを捨てにやってきた旅人の睫は潤んでいます。シャツの襟元に落ちる目覚めの雫は星の贈り物。優しい春風を待ちあの人を想う。

暖かい珈琲を召し上がれ。
心に染み入る想いも召し上がれ。

大地と天使の輪に加護されて
明日という日に歩き出す、葉を落とした白樺もそして芽吹きます。