直径 (π) 高さ (H) 重さ (W) 容量 (CC)
 碗 180π 66mm 236g 160cc
 皿 145π 13mm 272g ---


高橋春斎
無形文化財 文化功労者 信楽焼

綺麗で美しいものを手中にしてしまうと綺麗で無くなる場合があります。素朴で地味なものが味わい深い輝きを放つ場合があります。



カップ見込みに薄く掛けられた緑釉薬が渦巻き状に底に溜まってます。



通常は窯入れでセラミック板の四隅に作品高のレンガを支柱にして何層も重ね焼するのですが、皿等は石の支柱を置いて重ねる場合もあります。その支柱跡が炎方向に焼きついています。

支柱底は白く焼かれずに、真後ろは半分焼かれ、周りは充分に焼かれ、「魂の炎跡」そのものですね。良く見るとソーサーは始めの形の上に薄い生地を被せてあります。

皿のこの凄い切れ込み意匠は何だ?と観察していて気づきました。決して離れない絆で結ばれています。或いは離れないトリオウエア。二重皿形状は初めて見ました。

カップの天渕のカーブ、見込みの釉薬、持ち手の安定。優しい温和な人柄がそのまま伝わってきます。見事な造形美、素朴を超越してしまった「美」であります。