直径 (π) 高さ (H) 重さ (W) 容量 (CC)
 碗 65π 64mm 103g 150cc
 皿 145π 20mm 132g ---


加藤卓男 ラスター彩
人間国宝 美濃焼 監修作

ラスター彩は、鈴・鉛・コバルト釉薬で焼成した素地に銅・銀酸化物で描き、低温還元焼成した、膜毎に異なる光到達屈折度の違いで虹色を生じる技法。後にシルクロードを通り中国の窯に影響を与えます。



中国天目茶碗が流れを継いでいます。しかし中国でも技法は完全には確立されず、鉄を含む釉薬素地に松等の樹液作用の天目茶碗となりました。ラスター彩は18世紀に途絶えてしまい、1970年このラスター技法を復活させたのが「加藤卓男」です。

滲み、ぼかし表現はあまり無く、全体的にキッチリした風合い。上のソーサー写真を見て金彩と勘違いされる方も多いと思います。血の滲む挫折と現地調査、古代発掘品の破片調査等を経て現代に蘇らせたのが加藤卓男氏であります。

現在は重金属を配合どおり混ぜなくとも、低温焼成しなくとも掛けるだけで、ラスター表現、天目表現できる釉薬が市販されております。ガス窯製の速攻作品が「天目」として出回っています、安価ならまだしも恐ろしい程の値で。

天目茶碗とは中国、天目山近辺の寺院で茶道具として使われていた品物。3日3晩松薪で焼いた万に一つ出るか出無いかの希少な鉄釉薬茶碗。更に天目の中で曜変した奇跡の器が「曜変天目」です。

現存確認されている中国建窯製「曜変天目」は3客。その全てが日本にあり、国宝となっています。海外製で日本の国宝と言うのも何だか?微妙ですが、本家中国には現存していません。(欠片は存在)

しかし、上記市販釉薬を使えば誰にでも焼けると言う事です。唯一無二。簡単には真似の出来ないオリジナル、そんな作品しかこのHPには掲載されておりません、先人の意思と伝統、美への追及、努力は尊重されるべき「宝」であります。

安易な「天目」はすぐに作品数が多くなって自ずから価値を下げてしまう事でありましょう。祥瑞も天目も敬意を最大限に払うべき中国の宝であって恐れ多いのです。