以前の「ひとこと」 : 2022年10月後半
それぞれの日の記事へのリンクです
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10月16日(日) 等辺凹平行八角形のタイリング(その1)、あやとり、他
10月後半です。多角形のタイリングの話とあやとりの話、他です。
○
正八角形2つを下図のように頂点を合わせて重ねて、共通部分が頂角45度の菱形になるようにします。そしてその共通部分を取り除いた、凹八角形を考えます。
図 1 このかたちは8つの頂点のうち7つが正八角形と同じ位置にあります。辺の長さは全て等しくて、4組の平行な辺から成っています。ただし向かい合う辺が平行ではないペアがあるのが面白いです。
このかたちは、単純に平行移動で平面を充填(タイリング)できます。
図 2 こういう規則的な格子を見ると、すぐに3色で塗り分けてみたくなります(のでやってみました)。
図 3 横方向に連なる帯は、反対向きにすることができます。1つおきに逆向きにしてみました。
図 4 右向きと左向きは一行ごとにランダムに決められますので、その意味でこの配置はランダムにすることができます。
この凹八角形のタイルを見ていると、こんな風に組み合わせてみたくなります。
図 5 このかたちから始めて、隙間なく重なりなくこのタイルだけで平面を充填(タイリング)できるでしょうか? 図5のパターンを平行移動すればできるような気が一瞬しますが、やってみると隙間ができてしまうことがわかります(図6)。
図 6 どうしたら良いでしょうか?
(つづく) ○
昨日ご紹介した3本指の状態のあやとり、「焼け焦げた葉のククイの終了処理」をしてみました。
これはなかなか良いかも、と思っています。上の手順7.で、人差し指の輪もひねったほうが良いかもしれません。
○
うちのちいさな女中さん(長田佳奈)のコミックス、最近3巻が出たタイミングで1〜3巻を入手しました。(正確には先週出かけたときに1巻を買って、昨日2巻と3巻を別の書店で買いました。)
舞台は昭和初期で、翻訳家で生計を立てているとおぼしき一人暮らしの若い女性の家に年若い女中さんが雇われてやってくるところから始まります。最初は雇い主と女中さんの二人だけが主な登場人物ですが、2巻、3巻と進むうちに徐々に新たな人物が現れます。基本は淡々と日々の生活が描かれています。
年代がちょうど私の両親が生まれたころで、雇い主さんはおそらく私の祖母と同年代かなあと思いました(フィクションですが)。私の実家は古い家だったので、古いものがたくさん残っていました。例えば、1巻の第5話「着物ばなし」で、雇い主さんの着物をもらった女中さんが着物を仕立て直す手順が丁寧に描かれているのですが、ここで登場する「張り板」という道具、見覚えがあるのです。まだ実家に何枚かあるかもしれません。
「うちのちいさな女中さん」1巻 p.117より 使われたところは一度も見たことはありませんが、これが何のための道具なのかは祖母からだったか母からだったか聞いた記憶があります。 このマンガはいろいろと資料を調べて描かれているようで、例えば物干し竿の支柱とか様々な家具や建具など、張り板以外にも「ああ、昔はこうだったよね」というものがたくさんでてきて感慨深いのです。このマンガを読むと当時の暮らしの大変さ、今の暮らしの豊かさを改めて感じます。だからといって当時人々が不幸だったか、現在私たちがものすごく幸せになっているかというと、そういうわけでもない気がします。もちろん昔の暮らしには戻れませんが。
<おまけのひとこと>
タイリングで遊んでいたらあっという間にお昼になってしまいました。
10月17日(月) 等辺凹平行八角形のタイリング(その2)、正五角形ベースのタイリング(その1)、あやとり、他
多角形のタイリングの話とあやとりの話、他です。
○
昨日ご紹介した、正八角形を2つ重ねて引き算した残りのかたちでのタイリング、下図の4回回転対称から周辺を埋めてゆくパターンを少し試してみました。
4回回転対称形 このように始められないかなと思ったのですが、この後がうまく続きません。
図 1 こんな風に始めると、なんとか続きそうです。
図 2 この試行錯誤が楽しいのです。
(つづく) ○
昨日、正八角形を2枚重ねて引き算したかたちのタイリングを考えましたが、
同じことを正五角形でやってみました。
図 3 この等辺凹五角形と正五角形で等辺平行六辺形ができます。これは素直にタイリングできます。
図 4 この等辺平行六辺形はランダムに左右反転できます。
図 5 この2種類の図形で、もっと別のタイリングはできないでしょうか。(これはペンローズタイリングの派生で見たことがある気がします。オリジナルがどなたのものなのかわからないです。すみません。)
(つづく) ○
しばらく前、「アルタイル→アクエリアス処理」を試していた時に取ったあやとりです。
手順2.〜手順6.が1回の操作の単位で、それを2回繰り返しています。最後にもう一度「アルタイル→アクエリアス処理」をすると完全に2回になるのですが(やってみましたが)、ここで止めたほうがきれいかなと思いました。同じ手順を繰り返すことができますが、これ以上やってもあんまりきれいにならないかもしれません。少なくとも今使っている長さのあやとり紐だと3回目は難しそうです。
○
昨日の朝、ふと思い立って白駒の池に行ってきました。朝7時くらいに車で家を出て、7時半前くらいに駐車場に着きました。驚いたことにこの時間で駐車場はすでにほぼ満車に近い状態でした。
車を停めて15分ほど森の中を歩きます。歩道がしっかり整備されています。苔の森が神秘的です。
写真 1 日の出からまだそれほど時間が経っていないので、東のほうから光が斜めに差していて美しいです。
写真 2 池が見えてきました。湖面が光っています。
写真 3 池のほとりの紅葉が美しいです。ボートが出ています。絵本「よあけ」みたいです。
写真 4 デッキというかあずまやというかがありました。人が少なくなったタイミングで写真を撮ってみました。
写真 5 池をぐるっと一周しようかと思ったのですが、人が増えてきたのと、はやく駐車場を空けてあげたほうがいいかなという気もして、車に戻ることにしました。
写真 6
写真 7 8時過ぎくらいに車に戻ったら、駐車場待ちの車の列ができていました。観光の賑わいが戻ってきたようで良かったです。
<おまけのひとこと>
今までずっとお客さんが来なくて困っていた観光業界の景気が良くなって、地方の景気が上向いてくれるといいなと思います。
10月18日(火) 等辺平行六角形のタイリング、あやとり
多角形のタイリングの話とあやとりの話です。今日は簡単な更新です。
○
こんなタイリングパターンを描いてみたのです。
図 1 もうちょっと広い範囲を見てみました。
図 2 ここで使われているタイルはどんなかたちでしょう? 少ない色できれいに(=対称性が高く)塗り分けることはできるでしょうか?
(つづく) ○
対称性の高い模様をつくってみたくて試していた時にたまたまできたかたちです。いかにもありそうなかたちです。
hh221018-1
- 人差し指の構え
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- 親指で、人差し指向こうの糸を取る
- 小指で、人差し指の手前の糸を取る
- 親指・小指でナバホ取り
- 人差し指を外す
- CW90:パターン全体を90度回転
- カロリン展開
ここから始めて装飾処理や終了処理をしてみることにしました。
(つづく)
<おまけのひとこと>
昨日、今日と (つづく) というトピックがいくつもあります。早めにつづきを書きたいです。
10月19日(水) 等辺平行六角形のタイリングの塗り分け、あやとり
多角形のタイリングの話とあやとりの話です。
○
昨日ご紹介したこのパターン、
敢えて対称の中心からずらした画像にしたのですが、これはこんな5回回転対称性をもつタイリングパターンでした。中央の正五角形以外はすべて合同な六角形によるタイリングです。
図 1 一昨日、正五角形を2つ重ねたこんなかたち(下図の上のもの)をご紹介しましたが、この左右対称な等辺平行六辺形によるタイリングです。
なので、上の図の下の2種類の五角形で、図1のタイリングをすることができるのです。
図1のパターンの塗り分けには4色必要です。できるだけランダムっぽく、4つの色の出現頻度が近くなるように色を塗ってみました。こんな風にランダムっぽく塗ると、このパターンの構造(対称性)が少しわかりにくくなるような気がするのですがいかがでしょうか。
図 2 このパターンは中央の五角形のところ以外は六角格子と同相な構造になっています。バックミンスターフラーレンという炭素原子の化合物群がありますが、六角形だけだとシート状になるところが、1か所五角形があると、その五角形を頂点とした凸の五角推のような構造になります。このタイリングは、それを平面に写像したものと考えることもできます。
ほぼあらゆるところが六角格子と同相なので、六角格子を3色で塗り分けるときの着色法で1色を塗ってみました(図3)。
図 3 ここにあと2色を加えて出来る限り3色で塗っていこうとすると、こんな風になりました。
図 4 白が4色目だと考えると、白に接していない任意のタイルは、色を白に置き換えることができます。
○
昨日のあやとり、2本指の状態になるのですが(なのでカロリン展開で仕上げた)、そこからむりやり3本指の状態に持って行って「焼け焦げた葉のククイの終了処理」で仕上げてみました。
hh221019-1
- 人差し指の構え
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- 親指で、人差し指向こうの糸を取る
- 小指で、人差し指の手前の糸を取る
- 親指・小指でナバホ取り
- 人差し指を外す
- CW90:パターン全体を90度回転
- 中央のパターンの左右の縦の糸の近いほうをそれぞれ左右の人差し指で取る
- 全ての指を外側に1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
なんだか見覚えのあるあやとり作品になりました(こちら)。
hh220722-1 取り方の手順は全然違うのですが。
○
昔、職場が一緒だった方から雑談で聞いたこどもの歌をふと思い出して探してみたのです。何をやるのも時間がかかるカメの歌で、サビの部分が「のんびりいこう、のんびりいこう」という歌詞だったということしか情報はありません。それでも検索してみたら見つかりました。YouTubeの [こどものうた]カメの遠足です。歌詞はこちらの カメの遠足(作詞:新沢としひこ) というページにありました。マイペースでポジティブなカメがいいなあと思いました。
<おまけのひとこと>
「あやとりの記録」のページの更新をサボっているので、「確かこんなあやとりを紹介していたはず」というのを探すのが大変なのです。「塵も積もれば山となる」で、毎日やっていれば大した手間ではないものが、溜めてしまうとえらいことになります。
10月20日(木) 等辺凹平行八角形のタイリング(その3)、あやとり
多角形のタイリングの話とあやとりの話です。すみません忙しくて簡単な更新が続きます。
○
月曜日のトピックの続きです。
正八角形を2枚重ねて引き算したかたちのタイルを
こんな風に4回回転対称になるように並べて、
その周囲にこんな風に並べていくと良さそうだ、というところまでご紹介しました。
これをさらに広げていってみました。
図 1 試しに4色で塗り分け始めてみました。
図 2 これ、どんな規則でタイリングしているかわかりますか?
(つづく) ○
一昨日からご紹介しているあやとりの開始処理、仕上げを変えてみました。
中央のパターンが面白いです。
<おまけのひとこと>
いつも感想をいただくKさんから、メールで「カメの遠足」についてコメントいただきました。ありがとうございます。コメントを頂けて嬉しいです。
10月21日(金) 等辺凹平行八角形のタイリング(その4)、あやとり
多角形のタイリングの話とあやとりの話です。
○
昨日のこのパターンですが、
こんな規則性なのです。(中央の4ピースの向きを変えて、境界線も太くしました。)
図 1 上の図1を見ていてもわかりにくいかもしれませんが、これは図2のようならせん構造の4回回転対称形なのです。
図 2 図2を見てから、改めて図1のらせん構造を確かめてみて下さい。面白いと思います。
○
正八面体ではなく、正十角形から同じことをやってみたらどうだろう? と思ったのです。
図 3a 図 3b 図3aのように2辺を内側に折り返すかたちと、図3bのように3辺を内側に折り返すかたちを考えてみました。これらのタイルを並べて、なにかきれいなかたちをつくることはできるでしょうか?
(つづく) ○
今週ご紹介しているあやとりの開始処理、もう少し複雑な装飾を加えてみました。
hh221021-1
- 人差し指の構え
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- 親指で、人差し指向こうの糸を取る
- 小指で、人差し指の手前の糸を取る
- 親指・小指でナバホ取り
- 人差し指を外す
- CW90:パターン全体を90度回転
- TTF拡張処理(2本指→4本指)
- 上下の小さな太陽の処理
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
ちょっとやりすぎかなあ。
<おまけのひとこと>
寒いです。昨日の朝は外気温がちょうど0℃でした。車の冬用タイヤ交換を自分でやらなくなって久しいですが、すでに11月中旬まで予約がいっぱいでした。びっくり。
10月22日(土) 正十角形ベースのタイリング、あやとり
タイリングの話とあやとりの話です。すみません、10/22(土) と10/23(日)の2日分をまとめて更新しています。
○
昨日のこの等辺凹十角形、
これはこんな風に平行移動だけでタイリング可能です。
図 1 1行ごとに逆向きにしてみました。(任意の行を逆向きにできます。)
図 2 これ、他の正多角形から始めても同じことができそうだなと思いました。
(つづく) ○
正十角形を2つ重ねてできる差分の等辺凹十角形、もう1つこんなものも考えてみましたが、
これは単独ではタイリングはできませんでした。ただ、この多角形をヒントに、円をベースとしたこんなパターンができました。
図 3 背景を1色として、残りを3色で塗り分けるとこんな風になりました。
図 4 これ、どんな規則性なのかわかりますか?
(つづく) ○
昨日のあやとりにちょっと似たものをしばらく前に取っていたなあと思って探してみました。
hh221022-1
- 上下に2つのナウルの太陽
- 2本指の構え
- 親指、小指それぞれの輪からナウルの太陽を取る
- 親指・小指を外側に1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
黄色いあやとり紐は背景が白だと背景とのコントラストが低くてうまくあやとり部分をきれいに残して背景を消せないです。失敗…
<おまけのひとこと>
スピードスケートの小平奈緒の引退レースがありました。うちの子供たちが通った小学校・中学校の偉大な先輩です。日本女子スピードスケートの初のオリンピック金メダリストで、他のスピードスケートのオリンピックメダリストがオリンピック出場権がかかる国内予選で敗退して引退する、というのが定番である中、自分で決めたラストレースで優勝して引退する姿が本当に素晴らしいと思いました。
10月23日(日) 正2n角形ベースのタイリング、あやとり
タイリングの話とあやとりの話です。
○
昨日の正十角形からのタイリング、これと同じことは正2n角形(正偶数角形)でできます。下の図のように頂点が上下になるように配置して、
図 1 上と下の頂点の両隣の辺を残し、その間にある左側のn-2本の辺(赤い楕円で囲んだ部分)をコピーして平行移動するのです。そうすると、これは上の図の右の平行六変形と同様にタイリングができるのです。基になる正偶数角形の辺の数を指定するとタイリングパターンを描画するようなプログラムを作ってみました。
8角形から タイリング 10角形から タイリング 12角形から タイリング 14角形から タイリング 16角形から タイリング 自動生成できるので、正64角形の場合の図も作ってみました。もはや円弧にしか見えません。
64角形から タイリング これらの等辺凹2n角形、平行移動ではなく回転対称性を持つように配置できないでしょうか?
(つづく) ○
ちょっと別系統のあやとりです。「二段ばしご」を連続して取ってみました。
長い糸を使えば、どんどん横に増やしてゆくことができます。
○
回転対称性と言えば、ペットボトルの対称性を見るというblogの記事が素晴らしかったです。
<おまけのひとこと>
昨日は久しぶりにpovrayのプログラミング三昧の土曜日でした。そちらが一区切りついたらこのサイトの更新をしようと思っていたのですが、夢中でプログラミングして、生成された画像に色を塗ったりして遊んでいたら、気が付いたら夕方でした。(まあ数日分のネタにはなりました。)
10月24日(月) 正2n角形ベースのタイリング(その2)、あやとり
タイリングの話とあやとりの話です。
○
等辺凹2n角形について調べてみています。(下のものは正十角形由来のものです。)
このかたち、昨日は平行移動でタイリングしましたが、こんな風に円環状に並べることができます。
一重 二重 三重 一重目の輪は正奇数角形から始めても作れますが、奇数角形から作った等辺凹多角形だと、二重目に困ってしまうのです。また、正偶数角形から始める場合でも、単なる平行移動でタイリングできないような等辺凹多角形だとやっぱり二重目に困ってしまいます。
アニメーションも作ってみました。こちらです(別窓で開きます)。
これは正十角形ベースのかたちなので、一番内側の輪は10の異なる方向を向いた10ピース、その外側は同じ向きのピースを2つずつ使った20ピース、3重目の輪は30ピース…という風になっています。同じ向きのピースに色付けするとこんな風になっています。
1つの色が連続して連なっている部分は、昨日ご紹介した平行移動によるタイリングの構造そのままなのです。この並べ方、中央に正十角形の穴があいてしまっているのが残念です。
○
この並べ方は正十角形ベースのものだけでなく、全ての正2n角形由来のかたちで同様な同心円状のタイリングをすることができます。(タイリングの図はクリックすると拡大します。)
8角形から タイリング 10角形から タイリング 12角形から タイリング 14角形から タイリング 16角形から タイリング 昨日と同様、64角形バージョンも作ってみました。
64角形から タイリング いずれも中央に正2n角形の穴があいています。この穴、無くしたいですね。
(つづく) ○
昨日ご紹介した「二段ばしご」を連続して取るあやとり、最初の「二段ばしご」の中央を交差から絡みに変えてみました。
思った通りの結果です。まあこれは「すごく気に入ったあやとり」というわけでもないです。
<おまけのひとこと>
タイリングパターンをプログラムで自動生成するのがとても楽しいです。
10月25日(火) 正2n角形ベースのタイリング(その3)、あやとり
タイリングの話とあやとりの話です。
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昨日、平行移動でタイリングできる正2n角形をベースとした等辺凹多角形を同心円状にタイリングする話をご紹介しました。中央に正2n角形の穴が空いてしまうのが残念でした。無限に広がるタイリングのたった1か所、この穴だけが凹多角形ではなく凸の正2n角形で埋めなければなりません。
12角形から タイリング でも実は、この穴を無くすことができるのです。同心円状の配置に対して、以下のような操作をします。
図 1:ちょうど半分で色分けして 図 2:片方(半平面)を上に移動
図 3:そこから左に移動 図 4:下に移動 こうやって全体の半分を1ピース分動かすと、隙間をぴったり埋めることができるのです。同心円構造だったものが、らせん構造に変わります。図1〜図4の変化をアニメーションにしてみました。こちらです(別窓で開きます)。
○
昨日の同心円状のパターンと同様この「らせん構造」の並べ方も、全ての正2n角形由来のかたちでつくることができます。(タイリングの図はクリックすると拡大します。)
8角形から タイリング 10角形から タイリング 12角形から タイリング 14角形から タイリング 16角形から タイリング 昨日と同様、64角形バージョンも作ってみました。
64角形から タイリング この並べ方を、任意の正2n角形由来の等辺凹多角形で実現できるということがとても面白いと思うのです。また、これを2nの値だけを変えて、上記のような様々なパターンのCGが生成できるようなプログラムを書く作業そのものがとても楽しかったのです。
これらを塗り分けてみたくなりました。
(つづく) ○
21年4月10日にご紹介していたあやとり、まだ記録の取り方が定まっていなくて試行錯誤していたころのものでした。
これを取り直しました。
hh221025-1
- 「パプアニューギニアの亀」
- 「ビヤトエイディオウィナゴの処理」
- 全ての指を向こうへ1回転ひねる
- 「小さいアムワンギヨの終了処理」
すみません、手順のそれぞれの内容へのリンクは張ってありません。
改めて写真を見てみると、調整がまだ甘いですね。中央左側など、もう少し整えればよかったと思いました。
<おまけのひとこと>
来週の月曜日の夕方に、社内の偉い人に業務の報告をすることになっています。ところが、私の上司の上司を始めとする数名の方々が海外出張の日程が入り、さらに出席予定の別の偉い方々が別の社内の会議(行事)が重なるということで、当初の出席者の半分くらいが都合が悪いことになったようでした。これは延期か!と思ったのですが、幸か不幸か強行することになったようです。おそらく2回報告してね、ということになりそうです。やれやれ…
10月26日(水) 正2n角形ベースのタイリング(その4)、あやとり
タイリングの話とあやとりの話です。
○
昨日の「らせん構造」のタイリングを4色で塗り分けてみました。(図はクリックすると拡大します。)
図 1a 図 1b 図 2a 図 2b 図 3a 図 3b これは着色は自動生成ではなく手作業で塗っているので12角形ベースのものまでにしました。(左側の図をグレースケールにして2bitカラーに減色し、それを再び24bitのフルカラーに変換してペイント系のソフトでポチポチと色付けしています。そのため、オリジナルの解像度(VGA)では境界部分に白に近いグレーのピクセルが残ってしまっています。)
暖色系2色と寒色系2色、それぞれが渦巻状に外側に広がってゆきます。互いに「図と地」の関係になっていて、隙間も重なりもありません。これが任意の正2n角形(正偶数角形)を折り返した等辺凹偶数角形で同じことができるというのはとても面白いです。
このタイリングパターンは、任意の2n角形で作ることができますが、全体の対称性は2回回転対称になっています。一方、一昨日ご紹介した同心円状のタイリングは、中央に正2n角形の穴が空いてしまっていましたが、対称性は2n回回転対称でした。基になった正多角形の回転対称性を維持しつつ、中央の正2n角形の隙間が無いような並べ方はできないでしょうか?
(つづく) ○
昨日に続いて、昨年4月に取ったあやとりの取り直しをしてみました。
hh221026-1
「古代の髪飾り」hh221025-1(再掲)
- 「パプアニューギニアの亀」
- 「ビヤトエイディオウィナゴの処理」
- 中指を向こうへ1回転ひねる
- 「小さいアムワンギヨの終了処理」
- 「パプアニューギニアの亀」
- 「ビヤトエイディオウィナゴの処理」
- 全ての指を向こうへ1回転ひねる
- 「小さいアムワンギヨの終了処理」
本日ご紹介したものは、昨年「古代の髪飾り」と呼んでみたものです。昨年ご紹介したときには、上記の2つのあやとりはまったく別のものとしてご紹介していました。実はこの2つのあやとり、違いは終了処理の直前に、親指・小指をひねるかひねらないかだけなのです。
上の右のものは、中央に六角形、その左右に五角形のようなかたちが見えますが、この五角形は上下の外周の糸に輪がかかっています。この「上下の外周の糸に輪がかかる」のは、親指・小指を1回転ひねっているためです。これをやめるとこの五角形は外周の糸にかからなくなり、上の左のあやとりのように小さな「結び目パターン」になります。(これを「髪飾り」と見立てたのでした。)
あやとりの研究をし始めてそろそろ2年くらいになるのですが、このような操作手順とその効果の関係がようやく少しずつ理解できるようになってきました。ありがたいことにまだまだ先は長そうで、楽しみには事欠かないようです。きれいな対称性やパターン、模様に興味がある方でしたらとても楽しめる世界だと思います。
○
昨日は寒かったです。各地で山の冠雪を観測したそうです。我が家から見える八ヶ岳も、上のほうが白くなっていました。
写真 1 写真 2 長く厳しい冬が近づいています。
<おまけのひとこと>
いろいろ間に合っていません…
10月27日(木) 正2n角形ベースのタイリング(その5)、あやとり
タイリングの話とあやとりの話です。
○
一昨日と昨日、平行移動でタイリングできる正2n角形をベースとした等辺凹多角形を同心円状にタイリングするパターンから、らせん状の構造に変える手順の話をしました。
12角形から タイリング この穴を埋める別の方法です。この、正2n角形から作った等辺凹2n角形はn個で円環状に並べることができるのです。これを同心円状のタイリングと同様に外側に広げると、こんな風になります。
図 1:平行移動で三角に配置 図 2:n回回転対称 このように並べると、隙間ができますが、実はこの隙間、図1と合同なかたちなのです。別の色で埋めてみました。
図 3:重なり・隙間なく配置できる 昨日のらせん状の配置は2回回転対称でしたが、これはn回回転対称です。この変化をアニメーションにしてみました。こちらです(別窓で開きます)。
○
上と同様なタイリングを、全ての正2n角形由来のかたちでつくることができます。(タイリングの図はクリックすると拡大します。)
8角形から タイリング 10角形から タイリング 12角形から タイリング 14角形から タイリング 16角形から タイリング これも64角形バージョンも作ってみました。
64角形から タイリング この塗り分けはどうなるでしょう?
(つづく) ○
昨年の4月に取ったあやとりの取り直しシリーズです。今日は「ケルトのタペストリー」→「ダンスの舞台」の変化です。これも過去に取っている気がします。
指をひねる部分を変えたらどうなるか試したのですが、いまひとつ違いがわかりにくいです。
○
ちいさなまきストーブランプという製品があるのですね。ちょっと興味があります。でも買わないだろうな、という気がします。生まれ育った家が材木屋で、お風呂も薪で焚いていました。小学校1年生から、お風呂を焚くのは私の仕事でした。居間では炭火の掘りごたつを使っていて、冬場は風呂焚きや薪ストーブを燃やした時にできる熾火(おきび)を火掻き棒で十能(じゅうのう)に載せてこたつに入れていました。鉈(なた)で細かい焚きつけを作って火をおこす作業は、おそらく何千回もやったと思います。
アラジンの石油ストーブが好きで、今年も自宅の自分の部屋の暖房として昨日から使い始めました。換気が必要ですし、給油も面倒です。気を付けて使っていますが、火事のリスクは他の暖房に比べて大きいのは間違いありません。でも、火が燃えているのを眺めるのは好きです。気を付けて運用したいと思っています。
<おまけのひとこと>
説明が必要な新たな手順のあやとりも少しストックがあるのですが、説明図を用意したりする時間が取れなくて、簡単に説明できるあやとりをご紹介しています。
10月28日(金) 正2n角形ベースのタイリング(その6)、あやとり
タイリングの話とあやとりの話です。
○
昨日の回転対称のタイリングパターンを塗り分けてみました。辺を共有する2つのタイルは異なる色で塗ること、全ての色は均等に用いて、それぞれの色の領域は回転対称になっていること(例えば1つの色のタイル全体を回転させると、別の色のタイルに完全に重ねることができること)、その上でできるだけ少ない色を用いること、という条件を自分で決めて塗ってみました。あくまでも一例です。
図 1a 図 1b 図 2a 図 2b 図 3a 図 3b それぞれの塗分け方の方針というかルールについては特に説明はしません。これもやっているとあっという間に時間が経つ遊びです。
○
「ケルトのタペストリー」から「エガラウィナゴ」です。これは初めてかな。
hh221028-1
- 5本指の構え
- ケルトのタペストリーの輪の交換処理
- 親指を上から中指の輪の中に入れ、薬指の輪を親指の上に移す
- 人差指の輪を薬指に移す
- 親指上の輪をつまんで外し、中指の輪の中に上から通して人差指に移す
- エガラウィナゴ
人差し指・薬指を外し、3本指状態になるまで- 親指・小指は外側へ、中指は向こうへ1回転ひねる
- 焼け焦げた葉のククイの終了処理
本来、射影図としては上下対称なはずなのですが、仕上げが甘くてやや偏ってしまっています。
○
昨日は出張で名古屋でした。関西方面への出張は、中央東線沿線に住む私にとってはいくつか不便なことがあります。中央西線の名古屋行き特急「しなの」への接続が良くないことと、最寄り駅駐車場でパーク&ライド(特急列車を利用する場合、駐車料金が一日500円の定額になるサービス)が受けられないことです。(駐車場については市の独自の施策で予約できる駐車場があるらしいのですが利用したことがありません。)
昨日の朝は寒くて、気温は氷点下でした。妻に駅まで送ってもらったのですが、車の窓が凍っていて大変でした。乗り換えの塩尻駅の待ち時間は40分くらいあって、駅ソバのお店が6:50に開店したのと同時におソバを食べました。(5人くらいが一斉に食券を買っていました。)塩尻はブドウとワインが名産で、駅のデザインもブドウやワインにちなんだモチーフがたくさんあります。橋上駅の窓の格子もブドウのつるのイメージなのですが、ハロウィンの飾りが飾られていました。
写真 1 時刻表を閲覧したり、何かの用紙を記入するための台もワインの樽のデザインです。
写真 2 氷点下なので、ジャケットの中にセーターを着てさらに薄手のダウンベストも着ていきました。この装備が必要なのは朝の駅の待ち時間だけで、あとはずっと荷物になりました。帰りも県内に戻ってきたときに必要になりました。軽くて小さく畳めてかさばらなくて、しわになることを気にしなくても良くて、便利です。
<おまけのひとこと>
現時点で一番気に入っているあやとりを10個くらい選んで、納得のいくまで仕上げて写真を撮る、というのをやってみようかなと思いつつ、その時間が取れないでいます。
10月29日(土) 等辺凹八角形のタイリングの塗分け、あやとり、他
タイリングの話とあやとりの話です。
○
昨日もご紹介した、正八角形から作ったこのタイル
正八角形から作ったタイルを 平行移動でタイリング による4回回転対称のタイリングですが、これをもう少し広いエリアで「塗り分け」をやってみることにしました。今日の画像はXGA(1024x768)サイズです。クリックすると別窓で拡大します。拡大したファイルをローカルに保存していただくと、ペイント系ソフトで着色してみることができますので興味があったらお試しください。
図 1 昨日ご紹介したのは、こんな4色の塗分けでした。
図 2 (右上隅、色を塗り忘れています…) これは、右上の第一象限は青以外の3色、左上の第二象限は黄色以外の3色、左下の第三象限は緑以外の3色、右下の第四象限は赤以外の3色の塗り分けになっています。これは4つの色は完全に均等です。
でも、特定の色が無いエリアが広いなあと思って、ちょっと変えてみました。
図 3 これは残念ながら色の対称性は下がってしまって、赤と緑は同じ、青と黄色は同じですが、4色が完全に均等な扱いではなくなってしまいました。
どうせ4色が不均等ならば、もともとのこのパターンの構造を生かして、同心円状の着色にしてみました。
図 4 楽しい…
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「ケルトのタペストリー」の途中に「ダブルハートの処理」を入れてみました。以前やったことがあったかもしれません。
hh221029-1a
- 5本指の構え
- ケルトのタペストリーの輪の交換処理
- 親指を上から中指の輪の中に入れ、薬指の輪を親指の上に移す
- 人差指の輪を薬指に移す
- 親指上の輪をつまんで外し、中指の輪の中に上から通して人差指に移す
- ダブルハートの処理
(これをやらなければ「ケルトのタペストリー」そのもの)- 親指・小指を外側へ1回転ひねる
- タイガーショベルノーズキャットフィッシュの終了処理
中央部分の模様の複雑さに対して使っている紐が太すぎるかなと思ったので、もっと細くてもっと長い紐で取り直してみました。
hh221029-1b ちょっとやりすぎな気もしますが、これが取れて満足です。
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名古屋の地下鉄の路線図がLEGOで作られていて、感心して写真を撮りました。
LEGOによる地下鉄路線図 これ、いいですね。
<おまけのひとこと>
昨日、4回目のワクチン接種をしてきました。夕方、若干熱が出そうな気配がありましたが、一晩寝たらだいぶ回復しました。
10月30日(日) 等辺凹八角形のタイリング様々、あやとり、他
タイリングの話とあやとりの話です。日曜日、朝からいろいろ試していたら、更新が午後になってしまいました。すみません。
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昨日塗り分けをご紹介した等辺凹八角形のタイリングをいろいろ試してみています。
8角形から らせん状のタイリング このらせん状のタイリング、以下のように芯になる部分を伸ばしてゆくこともできるのです。
図 1
図 2
図 3
図 4 さらに、芯の部分を少し曲げることもできます(図5)。
図 5 らせん構造の芯の部分、ジグザグに伸ばすこともできます(図6)。これは色を塗らないとらせん構造が認識できないかなと思って暖色系と寒色系で塗り分けてみました。
図 6 これ、実際に何か(例えばマグネットシート)でタイルを作って並べたら楽しそうです。
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人差し指の構えで、人差し指の輪を交換すると中央の糸の交差が絡みになります。そこから取り始めると、完成したあやとりでも中央の交差が絡みに変わるものがあります。5本指の構えで、全ての交差を絡みに変えたものでこんなあやとりを取ってみました。
hh221030-1 ちなみに、普通の5本指の構えからエガラウィナゴ→中指だけひねって「焼け焦げた葉のククイの終了処理」だとこうなります。
hh221030-2 これは普通の長さの糸で取ってもきれいにできる、好きなあやとりの1つです。
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焼酎のお湯割りにグルタミン酸ナトリウムを入れると美味しいという話を聞いて、やってみたくなりました。我が家には「味の素」がなかったので、この機会に1つ買うことにしました。店頭にあったのは昔からのビンの容器ではなく紙のパッケージでした。簡単に開閉できる容器のほうがいいなあと思って、ちょうど中身が使い終わっていた調味料の容器を洗って乾かして、その中に入れてみました。
中身がなんだかわからなくなるのは怖いので、紙のパッケージの味の素のマークを切り取って容器に貼り付けました。
hh221030-2 なかなかいい感じです。
で、肝心の味の素入り焼酎ですが、何かで割って飲むことを前提としたような焼酎に入れて飲むのは有りだと思いました。(ストレートやロックで飲んでおいしい焼酎に、敢えて加える必要性は感じません。)食塩でも砂糖でも過剰に摂取すると健康に悪いのは当然で、グルタミン酸ナトリウムも大量に消費すべきではないと思いますが、少量なら美味しく味わえて良かったです。
<おまけのひとこと>
今使っているノートPCのキーボードの調子が悪くて入力の効率が悪くて若干ストレスを感じます。アルファベットの[E]のキーがチャタリングを起こして二重に入力されることがあるのです。
10月31日(月) 等辺凹多角形のタイリング、あやとり、他
タイリングの話とあやとりの話です。このところずっとこのトピックですみません。今日で10月も終わるので、明日からは別の内容を書きたいと思っていますが…
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今月後半は等辺凹多角形のタイリングの話をずっと書いてきました。まだまだいろいろ試していることもあるのですが、いったん月末ということで今日で一区切りということにしようと思っています。
このシリーズは、こんな風に正偶数角形を重ねて重なり部分を切り取ると、
正八角形を重ねて切り取る こんな風に平行移動でタイリングできる、というところから話が始まっていました。
全て同じ方向 1行ごとに逆方向 これは、同心円状に配置したときにも同じことができるのです。内側から1番目の円環、2番目の円環、…、を考えたとき、偶数番目と奇数番目で、欠けている方向を逆にしてみました。(図はクリックすると拡大します。)
図 1a 図 1b 図 2a 図 2b 図 3a 図 3b 左が同方向のもの、右が1つおきに逆方向にしたものです。右のほうがダイナミックで面白い気がします。
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上の図3bを見ていたら、こんな風に色分けしてみたくなりました。(図はクリックすると拡大します。)
図 4a 図 4a 一周ごとに向きが反転しているので、下の図5のように、細長く波状に一直線に並べる構造が見られます。
図 5:波状に連結 この波状のパーツは無限の長さがあると仮定して、一番内側の第1周目から始まるものは6本、2周目以降は新たに12本ずつ増やしてゆくことで、平面全体を埋めつくすことができるのです。この塗り分けも非常に面白いと思いました。
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「二段ばしご」が2本指の終了処理として使えるということに気が付いて、いくつか試した中の1つです。
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- 人差し指の構え
- ナウルの太陽
- 人差し指を外す
(親指・小指に輪がかかっている)- 親指の輪を人差し指に移す
- 二段ばしごの終了処理
- 親指で小指の向こうの糸を取る
- はしご展開
類似のあやとりはたくさんあると思いますが、中央の「太陽」のパターンの左右の絡みがちょっといいなと思いました。
<おまけのひとこと>
早朝(といか未明というか)、この更新のための図を作ったり説明を書いたりしていると、図を追加したくなったり別のアイディアを試したくなったりします。今朝は忙しいので昨日のうちに下準備をしておいたはずが、いろいろやっているうちに結局遅くなってしまいました。もう1つ、軽いトピックを考えてたのですが時間切れです。