以前の「ひとこと」 : 2015年6月後半
6月16日(火) Oskar's cube
オスカーキューブというパズルをご存知でしょうか。(私のページを見に来て下さる方ならご存知の方も多いと思います。)
図 1 立方体の形状の「枠(フレーム)」の各面が迷路になっていて、ちょうどxyz軸のように直交する3本の棒が、その迷路の中を移動できるようになっています。向かい合う3組の面はそれぞれ同じ迷路になっています。
図 2 各面には○印のポイントと□印のポイントが刻印されています(図2)。写真のものは白・青・緑の3つの迷路がありますが、どの方向に移動するときにも2つの迷路が連動するため、1つの面だけを見ていても行きたい方向に行かれるわけではありません。
例えば図2では、青の迷路だけを見ていると黒い棒を左に動かすことができそうですが、白の面では(わかりにくいですが)左には動かせません。また、青の面を見ると黒い棒は下には動かせそうですが、もしも緑の面が下方向が空いていなければ下には動かせないことになります。(その場合は青の面としては位置を変えずに、図2の前後の方向に棒を動かしてゆくことになります。)
図 3 実はこのパズル、二十数年前の新婚旅行のときにロンドンで買ったものです。私はコレクターではないので、あまりパズル類は持っていませんが、数少ないコレクションの1つです。
昔々、MS-DOSの時代のフリーウェアでこのオスカーキューブが遊べるものがありました。問題をどんどん自動生成してくれて、簡単に遊べて楽しかったものです。今、調べてみるとiPhone用のアプリがあるようです。そのうち自分でも作ってみようかなあと思います。
<おまけのひとこと>
以前はこういったインタラクティブなパズルやゲームはJavaアプレットで書いていました。今はどんなプラットフォーム向けに何(どんな言語や処理系)で書くのがいいのだろうか、と思います。
6月17日(水) アルト ターボRS
ずっと待っていた新型アルトターボRSがようやく納車されました。楽しいです。
納車当日に、小淵沢のイカロスさんまで行ってみました。
図 1 図 2 AGS(オートギアシフト)というシステムです。ギアの選択は車に任せることもできますし、自分で指定することもできます。まだ車の気持ちが十分に把握できなくて、1速から2速への切り替えがなかなかスムーズにできません。加速はいいし、よく曲がるし、とても走りやすいです。制限速度の範囲内で、ちゃんと車の性能を使って楽しく走らせることができるのがとても楽しいです。徐々に慣れてゆきたいと思います。
<おまけのひとこと>
小学校のときに息子と同級で、一緒に少年野球をやっていたO君が、佐久長聖高校の野球部で活躍しているというニュースを見てとても感心しています。先日の高校野球春季北信越大会で、春の選抜の全国覇者である敦賀気比を破って優勝したのだそうですが、その時に捕手として出場し、決勝打も決めて攻守で大活躍したのだそうです。彼は控え捕手で、正捕手は2年生なのだそうですが、ぜひ夏の大会でも頑張ってほしいと思いました。
6月18日(木) ハートのスライドパズル
webブラウザで遊べるパズルを、時々やってみています。今日ご紹介するのは「ハートのスライドパズル」です。スライドパズルは有名な15パズルに始まって、いろいろな趣向のものが発表されています。もともとの15パズルは、ピースの14と15を入れ替えて、それをもとに戻せたら多額の賞金を貰えるというものでした。これは数学的に不可能であることが証明されています。
ところが、これを逆手にとって、本来不可能なのだけれども、実は… という仕掛けをしておくパズルがいろいろデザインされています。今回ご紹介するハートパズルもそういった「パズル的意地悪」を感じさせるデザインというか紹介がされていました(褒めています)。
図1はFour Hearts Puzzle、 図2はFive Hearts Puzzleを紹介している画像です。
図 1
図 2 上の図を見てから問題のページを開いてみると、「あれ…?」と思うはずです。
<おまけのひとこと>
まずはゴールのイメージ(どのピースがどのマスに入るのか)を考えてみてください。
6月19日(金) 150字で「私は何かな」
パズル通信「ニコリ」の2015年夏号(vol.151)を買いました。76ページの 150字で「私は何かな」のコーナーがとても面白かったのです。「世の中にある物を1つ選び、150字以内でその「物」になりきって自己紹介文を書く」コンテストということで、入選作の1番をご紹介します。
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「しゅんけんがんばれ! 入間市」さんテキストではなく画像にしました。読んでいって「ああ、なるほど!」と思わせるところがすばらしいです。週末の夕食の席で、私が音読して息子と妻にこれが何なのかわかる?と尋ねたら、息子は即答でした。耳で一回聞くだけでわかるのはすごいなあと思いました。妻は「素足…」の部分が引っ掛かったと言っていました。
ニコリは本当に面白い情報の宝庫ですばらしいです。
<おまけのひとこと>
引用元は書いて、しかも検索エンジンの検索にはかからない画像データで公開していますが、権利関係で問題があるようでしたらお手数ですがご連絡をお願い致します。
6月20日(土) 「とっておきの数学パズル」
日本評論社のとっておきの数学パズルを買いました。続編のほうはいったん我慢しました。
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知っている問題もありましたが、知らない問題で面白いものがたくさんありました。最初のこの問題
Q2.2
任意の自然数nに対して、10進表記で0と1のみからなる、0でないnの倍数が存在することを示せ。も、とても感心しました。
<おまけのひとこと>
答は載せません。興味を持たれた方はぜひ本にあたってみてください。
6月21日(日) 「とっておきの数学パズル」
日本評論社のとっておきの数学パズルからもう一問ご紹介します。
Q10.1
1から100までの数が1つを除いてすべて、10秒おきに1つずつ読み上げられていく。ただし読み上げは、まったく予想もつかない順番で行われる。あなたは明晰な頭脳の持ち主だが、記憶力はごく普通であり、数が読み上げられている間に情報を記録する手段はないとする。1つを除いてすべての数が読み上げられたあと、読み上げられていない数を確実に当てるにはどうすればよいか?この問題も知りませんでした。実はこの問題、ちゃんと考える前にうっかり答を見てしまいました。悔しいです。
○ 6月20日(土)の朝、アルトturboRSでヴィーナスラインをちょっと走ってみました。
つつじがたくさん咲いていました。この週末は天気が悪いという予報でしたが、朝は晴れていたので、ちょっと大門峠を駆け上がって白樺湖からヴィーナスラインに入って、和田峠、扉峠経由で松本に抜けました。2時間くらいのドライブでした。少しずつ車の特性がわかってきました。
朝、ドライブの計画を立てるときに信州の道図鑑 3 長野県東部というページを参考にさせていただきました。
<おまけのひとこと>
息子から「父の日」にアサヒスーパードライ350ml缶6缶+グラスのセットをもらいました。いやあ嬉しいです。あと数年したら息子とも一緒にお酒が飲めるかな、と思います。
6月22日(月) 「アルゴリズムパズル――プログラマのための数学パズル入門」
オライリーのアルゴリズムパズル――プログラマのための数学パズル入門も買いました。これもとても面白い本です。まだ拾い読みしかしていませんが、ちょっとご紹介します。
p.9
トロミノ・パズル(tromino Puzzle)
2n×2nマスのうち1マスだけ欠けた盤がある。この盤を直角トロミノ(3マスからなるL字形のタイル)で覆え。トロミノは欠けたマス以外のすべての盤上のマスを重複なしに覆う必要がある。
図 1 ここでは詳しくは説明しませんが、図1は8×8の例です。8×8の問題を4つの4×4の問題に分解できれば、再帰的に2n×2nが解けるよね、という話です。図1の8×8、頭の中で解いてみてください。
<おまけのひとこと>
ちなみに、オライリーの本を買ったら、本と同じサイズのオライリーのデザインのレポート用紙がおまけについていました。
6月23日(火) 「アルゴリズムパズル――プログラマのための数学パズル入門」
オライリーのアルゴリズムパズル――プログラマのための数学パズル入門からもう1問ご紹介します。
図 1 図1のように並んだ10×10マスの数字の合計を求めなさい。暗算で何秒かかりましたか?
<おまけのひとこと>
Excel使用可としたら何秒でできるでしょうか?
6月24日(水) 「文様の幾何学」
牧野書店の文様の幾何学―文様における群作用と対称性(川崎徹郎)を買いました。先日のワークショップでも対称性の話を紹介しているのですが、多面体群、格子群、壁紙群をわかりやすく説明した本が欲しいなあと思っていたところ、この本を見つけたので買うことにしたのです。
簡潔にわかりやすく説明されていて、良い本だと思いました。
<おまけのひとこと>
こういった本は松本の丸善で買うことが多いです。車で行くので荷物が増えても大丈夫ですし、1万円以上買うと店内のコーヒーショップのコーヒーチケットがもらえるのも嬉しいです。しかもこのコーヒーチケット、ちゃんとモーニングサービスもつけてくれます。
6月25日(木) 人生を変える「数学」そして「音楽」
今週は、まとめて買った本のご紹介をしています。もう1冊、講談社の人生を変える「数学」そして「音楽」 教科書には載っていない絶妙な関係(中島さち子)を買いました。
著者の中島さんは1979年生まれで、高校時代は数学オリンピックで金メダルを獲得され、東京大学理学部数学科を卒業されているプロのジャズピアニストという経歴の方です。私は数学も音楽もアマチュアですが、どちらにも興味があるという点だけは一緒かなあと思って買って読んでみました。トピックスとしては面白いものがちゃんとおさえられていて、お勧めの本です。それよりも著者の中島さんは小さいころから本当にすごい人だったんだなあというエピソードがたくさんあって、その点も面白かったです。
<おまけのひとこと>
やっぱり「楽しい」と思うことが大切なのだなあと思います。
6月26日(金) Whistle(ウィスル)
ケルトやアイリッシュ音楽で使われる、Tin Whistle(ティンホイッスル、ウィスル)を買いました。千円台の入門用楽器です。
指孔は6つ、裏側には穴はありません。歌口はリコーダーと似ています。本体のパイプは金属製で、曲げて管になっていて、指孔と反対側で接合されています。横笛のバロックフルートと同じように、先端にゆくほど細くなっています。この楽器はD管で、全部穴をふさいだ際低音はd(レ)の音です。だいたい2オクターブくらいの音域があります。
ちょっと調べると、ウィスル用の楽譜はたくさん公開されています。ティンホイッスル(tin whistle)についてというページや、こちらのティン・ホイッスルのページなどが参考になりました。また、こちらのティン・ホイッスルの吹き方というページで、カットとかスライドといったテクニックについて説明されています。
さっそく何曲か吹いてみましたが、楽しいです。
<おまけのひとこと>
(たぶん)続きます。
6月27日(土) 穴が「T」(その1)
パズル通信「ニコリ」の2015年夏号(151号)に、フリーピースコンテストの結果が発表されており、入選作としてジャグラー小田原氏の穴が「T」が載っていました。とても感心しました。
図 1 このコンテストは、Tの形状を分割して並べ替えることで何かかたちをつくるパズルをデザインしなさいというものです。ジャグラー小田原氏の作品は、下の図2を、上の図1の5つのピースに分割して、それを並べ替えると図2の右のパターンができるというもので、とても完成度の高いパズルです。
図 2 コンテストの結果発表ではもちろんピースをどのように並べればよいか公開されていますが、もしもご覧になっていない方がいらしたら、ぜひ考えてみてください。そんなに難しくはないですがとてもよい作品だと思います。
(つづく) 【追記】考案者のジャグラー小田原氏ご本人からメールをいただきました。感激しています。このパズルは2013年9月17日に考案され、その約3か月後のパズル懇話会で発表された作品なのだそうです。すばらしいデザインだと思います。ありがとうございました(2015年7月25日)。
<おまけのひとこと>
いつもの更新ペースの「土曜日に次の一週間分の更新をする」パターンに戻ります。先日のリスーピアのワークショップでやった「作り方」のドキュメントの公開は終了しました。
6月28日(日) 穴が「T」(その2)
昨日の続きです。こういったポリオミノ系のパズルは、実際にいじってみるほうが楽しいので、久々にアークテックブロックを出してきて、パーツを作ってみました。
図 1 図 2 全部で20単位必要です。パーツごとに色分けしようかとも思ったのですが、そうすると写真に撮ると答がわかってしまうので、市松にすることにしました。(それはそれで新たな制約条件になって面白いです。)
次に、「T」以外のかたちができないかなあと考えてみました。説明を簡単にするために、以前もご紹介したペントミノ(正方形5つをつないだかたち)の名前を再度説明しておきます。
再掲図 正方形を5つつないだ形は、上の再掲図のように12通りあります。それぞれTペントミノ、Uペントミノ、などと呼びます。アルファベットのT以降(t,u,v,w,x,y,z)とフィリピン(f,i,l,p,n) と憶えるとよいそうです。(フィリピンは本当はFではなくPhで始まりますが)
ちょっとやってみると、「穴が[T]」の5種類のピースで、ペントミノの2倍体(4×4の正方形を単位とした一回り大きなペントミノ)は比較的簡単に作れることがわかりました(図3)。
図 3 実は、このセットでL-テトロミノ(正方形4単位がL字型につながったもの)とO-テトロミノ(正方形4つが2×2になっているもの)ができるので、L-テトロミノ+O-テトロミノで表されるペントミノの2倍体はすべて作れるのです(図4)。
図 4 また、I-ペントミノ(正方形が一列に5つ並んだもの)の2倍体も作れたので、全部で10個は作れました。
図 5 残った2つ、X-ペントミノとW-ペントミノの2倍体はどうやら作れないようです。
(つづく) <おまけのひとこと>
新しい車のナンバーをもらいました。どんな数字かなあと思って、まず素因数分解してみることにしました。4の倍数だということはすぐわかったので(4の倍数かどうかは下2桁でわかります)、4で割ってみました。そうしたら驚いたことに妻の西暦の生誕年になりました。とても覚えやすくて気に入りました。
6月29日(月) 穴が「T」(その3)
さらに続きます。この5つのピース
で作れるかたちをいろいろ研究しています。今度は5×5の中で、「穴」がT以外のペントミノになっているものはできないか考えてみました。
図 1 もともと図1の左の「穴が[T]」が、そもそもの作意解です。ちょっといじっていたら、穴がF-ペントミノ、W-ペントミノのものも見つかりました。
「穴」が5×5の中におさまるためには、ピースは3×3におさまる形である必要があります。12のペントミノのうち、この条件を満たすのは8つあります。(I,L,N,Yが満たさない4種類です。)
図 2 図2の5種類については解がありました。
図 3 図3の3種類については解がなさそうです。
(つづく) <おまけのひとこと>
新しい車に少しずつ馴染んできました。自意識過剰かもしれませんが、ちょっと目立つ車だと思っているので、いつも以上に安全運転をしているつもりです。無理な運転はしない、できるだけ相手に譲る、信号機の変わり際は後続車に追突される恐れが無ければ黄色はとまる、を心がけています。
6月30日(火) 穴が「T」(その4)
さて、このシリーズの最後に、穴が[P]と穴が[W]の市松解(があること)と、直方体の解についてご紹介します。
図 1 図 2 ご覧のようにきれいな解がありました。
このセットは全部で20単位なのですが、これを直方体に収めるやり方として、1×2×10、1×4×5、2×2×5が考えられます。(1×1×20が不可能なことは自明です。)このいずれも作ることができました。
図 3
図 4 シンプルなセットですが、面白かったです。ありがとうございました。
<おまけのひとこと>
今年は梅雨らしく雨が続いています。