以前の「ひとこと」 : 2014年12月後半
12月16日(火) 正方形と菱形による等稜十二面体(その2)
辺の長さが等しい正方形と菱形による十二面体を作りました。(多面体の全部の稜の長さが等しいので、等稜多面体といいます。)過去ログではページが変わるので、もう一度図を載せておきます。
等稜十二面体 正五角形12枚の正十二面体も、白銀菱形の菱形十二面体も、黄金菱形の菱形十二面体も、すべて等稜十二面体です。さらにこれら3つは、12の面がすべて合同です。本日ご紹介するのは面のかたちが2種類の菱形で、そのうち1種類が正方形になっているものです。
図 1 図 2 図 3 図1は正八面体です。頂点が、天・地・東・西・南・北の6つあります。このうち、東西南北の4頂点を切り落とします(図2)。そうすると今回作った等稜十二面体になります。切り落とした切り口は正方形です。4面あります。もともとの正八面体の正三角形は、狭いほうの角が60度の菱形になります。
図 4 図 5 図 3(再掲) 別な考え方をすると、立方八面体というかたちがあります(図4)。この立方八面体の上下に、底面が正方形の正四角錐(ピラミッド)を貼り付けても同じ図3のかたちになります。
なお、このかたちも平行多面体の仲間で、空間を充填します。
(つづく) <おまけのひとこと>
この系統の対称性の図を描くのは簡単で楽しいです。
12月17日(水) 正方形と菱形による等稜十二面体(その3)
今回の等稜十二面体、型紙を印刷する関係で2つ作りました。
図 1 正方形の面を接して置いたところです。床に接しているのも正方形の面です。
図 2 菱形の面どうしが接するように置きました。床に接しているのもはやり菱形の面です。
図 3 昨日の図からもわかるように、正方形は4枚、菱形が8枚です。菱形が4枚集まる尖った頂点の回りに4回回転対称軸があります。
実は、2010年9月21日のひとことで、正方形6枚と菱形6枚の等稜十二面体をご紹介したことがありました。そのときの作り方はこうでした。
図 4 図4のように、立方体を2つに分けて、その間を菱形のジグザグの帯でつないだかたちです。
図 5 なのでこのかたちは正方形3枚が集まる頂点を中心に、3回回転対称軸があります。
(つづく) <おまけのひとこと>
これらも実際に作って手に取ってみると、かたちの面白さがよくわかります。写真だとおそらくピンとこないと思うのです。
12月18日(木) 正方形と菱形による等稜十二面体(その4)
このかたち、面白いしきれいだと思うのでCGでも描いてみました。
図 1 木目のテクスチャにしてみました。
図 2 木目のパターン(木質)を変えたテクスチャのものを並べてみました。
図 3 2次元に並べてみました。すべて正方形の面どうしが接しています。この図3の板状になったものを積み重ねることで、空間を隙間なく充填することができます。
<おまけのひとこと>
実はこの週末(12/13(土))は、別の紙模型シリーズを4つほど作りました。それは次の週末にご紹介しようと思います。
12月19日(金) 2枚の長方形の紙を編む
上原隆平さんの2011年のページの[2011/12/04]に載っていた「市松模様のパズル」を作ってみました。
図 1 「初心者バージョン」のほうです。1週間くらい本の間に挟んでおいたのですが、それでもまだ「ふっくら」しています。そのためあんまり不思議だという感じはしません。制作者(私)の技術と、選んだ素材の問題です。でも作ってみてちょっと面白かったです。
<おまけのひとこと>
来週は23日(火)が祝日なので、今回は19日(金)〜23日(火)の5日分の更新です。
12月20日(土) Winged Card
昨日と同じく、上原隆平さんの2011年のページの[2011/12/14]からリンクされていた不可能物体ぎゃらりぃ (Gallerie Impossible) のHyperCard5のページで紹介されているWinged Card(羽のカード)、両面折り紙を切って作ってみました。
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図1:Winged Card (Don England 1973) 季節がら、クリスマスカラーで緑と赤です(たまたま両面折り紙の一番上の紙がこの配色でした)。
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図2 これは、ご覧いただくとわかるように図2のように長方形のカードに4か所切り込みを入れて、折り曲げると作れます。
図 3 図 4 ちょっと考えると図3,図4の右側のかたちになりそうです。でも、左側が作りたいかたちです。 お手元の適当な紙に切り込みを入れるだけで試せます。やってみると楽しいです。
<おまけのひとこと>
実家のあるU市に行って、仕事のお付き合いのある方と忘年会をやりました。楽しかったですが飲みすぎました。
12月21日(日) 日本の文様:麻の葉(その1)
とあるところで、こんなパターンを見ました。
図 1 これを見て、まず「麻の葉」文様の仲間だなと思いました。でも、格子は正方格子になっているように見えました。
図 2 基本は折り鶴の折り線のような、図2のパターンが見えました。(さらにいうと、正方形の半分の直角二等辺三角形が基本です。)とすると45度回転させると、もっと「麻の葉」らしく見えるかなと思いました。
図 3 図4が、正三角形を基本とした「麻の葉」です。
図 4 図1も「麻の葉」と呼んでいいのかなあとちょっと思いました。
(つづく) <おまけのひとこと>
12/20で定年退職された元事業部長のHさんと、近所のスーパーで偶然お目にかかりました。これまで一度も社外でお会いしたことがなかったのでびっくりしました。
12月22日(月) 日本の文様:麻の葉(その2)
正方形を基本とした格子の上に「麻の葉」のパターンを作れるのならば、任意の四角形を基本とした格子でも同じことができるなあと思ってやってみました。
図 1 図1の左側、適当に決めた四角形を、右側のように分割してみました。
図 2 図1の左側の四角形を敷き詰めると図2のようになります。
図 3 これを分割すると、(スケールは違いますが)図3のようになります。これ、「麻の葉」と呼べるでしょうか?
<おまけのひとこと>
このページの更新をしながら、日曜美術館を見ています。地元の画家である宮芳平の回でした。高校の非常勤講師で生涯を終え、生前は認められることのなかった宮芳平、特に大変な苦労をされ、後世に宮が認められることを知らずに若くして亡くなられた奥様のエピソードに胸を打たれました。
12月23日(火) 十三面体
先日、立方八面体の上下に四角錐を貼り付けて等稜十二面体を作れるという話をしました。
再掲図1 再掲図2 再掲図3 立方八面体は面が14面、頂点が12点あります。等稜十二面体は面が12面、頂点が14点あります。四角錐を1つ貼り付けることで、面が1つ減って頂点が1つ増えます。ということは、四角錐を1つだけ載せると、面が13面、頂点が13点ある多面体になるはずです。
図1が1つだけ四角錐を載せたかたちです。正方形が5つとひし形4つ、正三角形が4つです。四辺形9面と三角形4面で13面あります。
あとの都合で、図1の底の正方形だけを下に引っ張ります(図2)。それぞれの面の中心を結んだ多面体(正確にはこのままでは四角形が面になりませんが)を赤で描きました(図3)。
図 1 図 2 図 3
図 4 図 5 内側の赤い多面体だけを取り出しました(図4)。向きを合わせるためにひっくりかえすと図5になります。図2と比べてみてください。同じように四角形が9面、三角形が4面あるのがおわかりいただけると思います。
さてこのかたちの構造図、実は2014年7月12日のひとことでご紹介しています。
再掲図:骨格 7月に「頂点と面の数が同じ多面体」の話を書き始めたとき、これらの図も載せる予定だったのですが、半年も間があいてしまいました。すみません。
<おまけのひとこと>
21日(日)の朝に更新しています。今日(21日)は地区の役員の選挙があります。更新が終わったら選挙に行ってきます。
12月24日(水) 自己双対多面体(その1)
前回のひとことで、自分自身の双対多面体が自分と相似になっている、「自己双対多面体」をご紹介しました。
再掲図 双対多面体というのは上記の再掲図のように、各面の中心を新たな頂点とし、もともと接していた面の中心どうしを新たな稜として結んでできる多面体です。(単純にこの操作をするだけだと、新たにできる4角形以上の面は平面になるとは限らないため、何らかの調整が必要になることがあります。)双対多面体は、元の多面体の面の数と頂点の数が入れ替わったかたちになります。稜の数は変わりません。
多面体の基本である5つの正多面体においては、立方体と正八面体、正十二面体と正二十面体がそれぞれ双対多面体の関係になっています。
立方体 正八面体 立方体と正八面体は面と頂点の数が6と8になっていて、稜の数はどちらも12です。
正十二面体 正二十面体 正十二面体と正二十面体は面と頂点の数が12と20になっていて、稜の数はどちらも30です。
正四面体 最後に1つだけ残った正多面体の正四面体は、面と頂点の数が4で、自己双対多面体になっています。自己双対多面体であれば、必ず面と頂点の数が同じ多面体になります。
(つづく) <おまけのひとこと>
12/24から12/31までの分を、大晦日に更新しています。今年最後の更新になります。
12月25日(木) 自己双対多面体(その2)
自己双対多面体はどんなものがあるでしょうか。すぐに思いつくのは、角錐は自己双対だということです。
三角錐 四角錐
五角錐 六角錐 四角錐の例で見てみましょう。
図 1 図 2 図 3 図1の四角錐の各面の中心に頂点を取って、図2のように結ぶと、上下さかさまの四角錐になります(図3)。三角錐も同様ですし、五角錐、六角錐も同じ操作が可能です。
(つづく) <おまけのひとこと>
本業のほうで、来年度の予算をどうするかで頭が痛いです。
12月26日(金) 自己双対多面体(その3)
どんなかたちが自己双対多面体になるんだろう、と考えていたのですが、角錐の底面の頂点を切り落としたかたちも自己双対多面体になることに気が付きました。
図 1 図 2 もともとの三角錐の各稜の中点を取ります。もともとの三角錐の頂点は残して、それ以外の底面の頂点3つを切り落とします(図1)。この操作で、頂点の数は3つ増えて、全部で7つになります。また、3つの頂点を切り落としているので、新たに面が3つ増えています。なのでこの多面体(図2)は面も頂点も7つあります。
このかたち(図2)の双対多面体ですが、図2そのものを上下ひっくりかえしたかたちになります。(すみません、図は面倒なので作りませんでした。)
図 3 図 4 四角錐の場合も同様です。新たにできるかたちは、底面は正方形(1枚)、切り口に新たに三角形が4枚できて、もともとの四角錐の側面だった三角形が四角形(ひし形)4枚になるので、全部で9面になります。頂点ももともと4+1で5面だったのが、新たに4つ増えて9頂点になります。
図 5 図 6
図 7 図 8 五角錐、六角錐の場合も同様で、それぞれ面と頂点の数が11、13になります。
図1の四角錐の各面の中心に頂点を取って、図2のように結ぶと、上下さかさまの四角錐になります(図3)。三角錐も同様ですし、五角錐、六角錐も同じ操作が可能です。
(つづく) <おまけのひとこと>
ようやく年末年始休みになります。
12月27日(土) 自己双対多面体(その4)
昨日、角錐の底面の頂点を切り落とす拡張でも自己双対多面体になるという話をご紹介しましたが、同じかたちを導くのに、別の考え方もできます。四角錐の例で説明します。
図 1 図 2 図1のように、四角錐の頂点につながる稜を切り開きます。そして、新たにできた「すきま」を面だと考えて延長します。すると図2のかたちになります。この操作で面が4つ増え、頂点も4つ増えます。なのでこの拡張(頂点の切り開き拡張)を行っても、面と頂点の数は変わりません。
同じ「切り開き拡張」を、図2に対してもさらに行うことができます。
図 3 図 4 図3、図4は、図2の頂点に対してさらに「切り開き拡張」を行い、それぞれの面が平面になるようにバランスを取ったものです。図3はこれまでと同じ視点から見ているところで、図4は上から見下ろしています。このかたちこそが、先日ご紹介した「立方八面体に正四角錐を1つ貼り付けたかたち」(再掲図)と同じ、三角形4枚と四角形9枚の13面体です。
再掲図 (つづく) <おまけのひとこと>
東京の大学に行っている娘が帰省してきました。家がにぎやかになりました。ずいぶん昔、もう30年以上昔に亡くなった父方の祖母が「若い人がいるとにぎやかでいいねえ」と目を細めていたのを思い出します。その父も亡くなって7年になります。
12月28日(日) 自己双対多面体(その5)
昨日の「頂点の切り開き拡張」、三角錐ベースのもの、五角錐や六角錐ベースのものもCGにしてみました。
図 1 図 2 三角錐に「切り開き拡張」を2回施したものです。図1は横からみたところ、図2は上から見下ろしたところです。面と頂点の数が10ずつになっています。切り開き拡張を1回やるごとに、面と頂点の数が3ずつ増えていきます。
図 3 図 4 同じく、五角錐と六角錐に「切り開き拡張」を2回施したものです。これは横からのみの図です。五角錐の場合は、面と頂点の数は6から始まって5ずつ増えてゆきます。六角錐は7から始まって6ずつ増えてゆきます。ですので、図3は面と頂点の数は16、図4は面と頂点の数は19です。
なんとなく、テントかドームのようなかたちになってきました。模型を作ってみても面白そうだなあと思います。
(つづく) <おまけのひとこと>
久しぶりにお休みなので、少しピアノを弾きました。なんとなく交響曲のピアノ版が弾いてみたくなって、手持ちのベートーヴェンとかブラームスとかシューベルトの交響曲のピアノ版の楽譜を出してみました。まずは「運命」の第二楽章から弾き始めたのですが、改めてとてもいい曲だなあと思いました。とか書くと、いかにもまともに弾けているように読めますが、ミスだらけでとても他人様に聴いていただけるようなレベルではありません。それでも、自分の手で音として鳴らしてみると、曲のつくりがよくわかって楽しいのです。
12月29日(月) 自己双対多面体(その6)
自己双対多面体シリーズの最終回です。角錐の頂点の「切り開き拡張」というアイディアで、自己双対多面体の系列が存在することがわかりました。最後に六角錐の切り開き拡張3回の図をご紹介します。
図 1 図 2 横から見たところと、上から見下ろしたところです。このかたちは6角形の面が1つ(底面)、そこに接する三角形の面が6面、さらにその上に四角形6つの輪が3段あるので、四角形が全部で18面、面の数は合計で25面になります。頂点の数も、床に接している6点、三角形の頂点の第1層に6点、次の第2層にも6点、第3層にも6点、最後に一番てっぺんの1点で、6×4+1=25点になります。
こんな自己双対多面体の系列があるんだ、ということに気が付いてとても楽しかったです。ちょっと図が大きすぎたかなあと思いますが、作り直すのも大変なので、このまま掲載します。すみません。
<おまけのひとこと>
12月中旬に降った雪が、家の前で完全に凍ってしまっていました。その上に今朝(29日(月))はしっかり雪が降りました。早朝の地区の雪かき出動要請の放送はありませんでしたが、朝6時半くらいから家の前の道路と家の周りの雪かきをしました。朝8時半くらいに「出られる人は出てください」という電話があって、1時間ほど通学路の雪かきに行きました。都合3時間ほど、ずっと雪かきをしていました。
午後になってだいぶ気温が上がってきたので、ようやく道路の氷をはがすことができました。午後も1時間ほど作業をしました。これでだいぶ安心です。
12月30日(火) Ubuntu 14.10
娘が大学に入学するときにノートパソコンを買ったのですが、今年の夏、それが起動しなくなったということで、引き取ってきました。ハードディスクを交換して、リカバリディスクを入手して自分でなんとかしようと思ったのです。ところが全然時間がなくて、結局今まで手つかずで放置していました。
この年末年始には何とかしたいなあと思って、とりあえずLinuxでも入れてみようかと思って、DVDのメディアの付録のついたLinuxの雑誌を買ってきて、Ubuntu 14.10 をインストールしてみました。
本当に久々のUnix系OSで、なんだかわからないことだらけでした。いろいろ調べながらいじってみています。
<おまけのひとこと>
今年は年末年始休みは27日から始まっていたのですが、結局例年通り30日に年賀状を作りました。過去の年賀状フォルダを見ると、いつも暮れの30日の早朝に作り始めています。自分の分と妻の分をデザインして、宛先を全部印刷して、年賀状を出しに行くとこの日はだいたい終わってしまいます。
娘は年賀状は書かないそうです。息子は高校の仲間と相談して、「紙の媒体が一番長持ちしそうだから、メールとかではなく年賀状をやりとりしよう」ということになったそうで、十数枚作っていました。
12月31日(水) 大晦日
家から10kmくらいのところに、お魚のおいしいスーパーがあります。毎年大晦日には朝5時から営業しているのですが、大変混雑します。ここ数年、大晦日には朝5時過ぎに「お年越のごちそう」を買いに妻と買い物に行っています。
私は今日も朝3時過ぎから起きていろいろやっていたのですが、4時半過ぎに妻が起きてきたので、一緒に買い物に行きました。5時15分くらいにお店に着いたのですが、混雑の第一波は終わるくらいのタイミングで、ちょうどよかったです。今年はマイナス2度、いつもより寒くなくて助かりました。
昨年の年末年始、娘は地元の大きな神社でお正月の巫女さんをやりました。今年も問い合わせたところ「経験者なのでぜひ」と言われたとのことで、31日の夕方から元日の夕方までと、2日と3日の朝から夕方まで「ご奉仕」に行きます。(「アルバイト」ではなくて「ご奉仕」と言うそうです。) 昨年は大晦日の23時半過ぎに妻と息子と3人で車で二年参りに行って、様子を見てきました。巫女さんの写真撮影は禁止ということで、娘の写真を撮ろうとしたら叱られてしまいましたが、そのほうが安心です。今夜から3日まで、元日の朝を除いて朝夕神社まで送迎します。神社は北向きの山のふもとにあって、日の当たる時間がとても短いため、周辺の道路は凍結して危険な状態になっていることが多いです。
○ 2010年10月から、3年ほどこのページは更新できませんでした。今年の1月から、細々と更新を再開して、最近は週末に1週間分の更新をするスタイルが定着してきました。
ホームページの更新をしなくなっていた間は写真を撮ることが少なくなりました。最近はまたカメラを持ち歩いて、いろいろ写真を撮るようになりました。過去のページを見ながら、やっぱり更新を続けていたほうが楽しいなあと思っています。
このページをご覧下さる皆様、本当にありがとうございました。来年もよろしくお願いします。
<おまけのひとこと>
来年もよい年になりますように。