以前の「ひとこと」 : 2008年2月前半
2月9日(土) リスーピアワークショップ
すみません、先月末から2週間あまり更新をお休みしてしまいました。いろいろと忙しくて、なかなか時間が取れませんでした。まとめて数日分更新します。
○ 2月9日(土)、10日(日)の2日間、東京のパナソニックセンターの中にあるリスーピアで、「平らに畳める立体パズル〜紙で作る組木パズル〜」というワークショップをやってきました。両日とも11:00〜12:00、14:00〜15:00の2回開催で、2日間で4回です。4回とも80人〜100人くらいのお客様にいらしていただきました。ご参加いただいた皆様ありがとうございました。また、スタッフの皆様をはじめ、関係者の方々には大変お世話になりました。どうもありがとうございました。
今回は下の図1の3つの形、板状の三本組木と、板状六本組木、通常の六本組木の3種類を作っていただくという内容にしました。図1は、事前に用意した説明用の大きなサンプルです。
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図 1 同じ形状の小さなものを載せて写真を撮ってあります。
図 2 図 3 図 4 実際に作っていただいたものは、もっと手ごろな大きさです。パーツは400人分用意しないといけないということで、最初は会場で参加者の方に切り出しからやってもらおうかと思っていたのですが、時間と安全面を考えて、日本数学協会のほうで印刷・折り筋付け・カッティング・個別の袋詰めまでやっていただけるということになりました。本当にありがとうございました。
当日は、参加者の方には30分〜40分くらいかけて3つの作り方を説明しながら作ってもらって、その後でちょっとした変形モデルのサンプルを見ていただいて、パーツの形や型紙の形を想像してもらい、その後で分解して実際のパーツの形を確認してもらったりしました。終了後には、持参したもっと複雑なモデルや、とても小さいモデルなども見ていただきました。
○ 宿はゆりかもめの沿線にしました。ゆりかもめはぐるぐると遠回りして時間がかかるのですが、まるでプラレールのジオラマのような感覚でとても楽しみました。駅間が短くて隣の駅が見えたり、四角い人工島の縁をめぐるように走ったりするので遠くの駅も見えたり、ループがあったり橋があったり、本当に模型のようで楽しいです。朝8時半とかに乗っていると、乗客が少ないので先頭車両の先頭でゆっくり景色も眺められました。
下の2枚の写真は、ホテルでチェックインした直後に窓から撮ったものです。
図 5 図 6 結局2泊3日のあいだ、撮った写真はこの2枚だけでした。
<おまけのひとこと>
4月から市のPTA連合の副会長をやらなければいけないのですが、そろそろ引継ぎのための会合やら懇親会の連絡が入り始めました。さらに忙しくなるのか…と思っています。
2月10日(日) 白樺湖氷燈祭
1月に家族で地元の白樺湖の氷燈祭という展示を見に行ってきました。地元なので、小中学校で子供たちの分の入場券はもらってありました。
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図 1 なかなかきれいでした。
図 2 図 3 当たり前ですが会場は寒くて、あまり長時間はいられませんでした。
<おまけのひとこと>
節分のときに豆まきをしました。子供たちが「歳の数だけ」と豆を取り分けてくれました。
結構な数です。
2月11日(月) ずらし六本組木(その1)
リスーピアのワークショップのサンプルとして、こんな六本組木を作りました。これは実際に会場で皆さんに見ていただいたものです。
図 1 図 2 図 3 以前、ねじったものをご紹介しましたが(再掲図)、これもワークショップで紹介しました。
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再掲図 図1〜3のずらした六本組木、再掲図のねじった六本組木、いずれも合同な6つの筒を組んであるのですが、どんな形のパーツで、広げるとどんな型紙になっているか想像できますか? という話をしたのでした。
図1〜3のずらし六本組木は、パーツの形を想像しやすいのではないかと思います。
(つづく) <おまけのひとこと>
通勤途上の道路の温度計がマイナス14度でした。
寒いです…
2月12日(火) ずらし六本組木(その2)
ずらし六本組木、単純なようでなかなか形を理解するのが大変です。この形、思った以上に楽しんでいます。
同じパーツから、図1のような鏡像対称の形を組むことができます。(図1は、CGの中で鏡に映してみたところです。)
図 1 さて、この図1の2つの形、これは右手と左手のような関係、つまり「対称だけれども平行移動では重ならないペア」でしょうか? それとも、全く同じ形を別な角度から見ているだけ、つまり適切に回転させれば全く同じになるでしょうか? (すぐ下の翌日分の更新のところに答がありますので、それを見る前にちょっと考えてみてください。)
(つづく) <おまけのひとこと>
このところ、週末ごとに大雪が降っている気がします。リスーピアから帰ったら、庭に小さな「かまくら」が作られていました。
下の子が一人で作ったそうです。私も子供のころ、かまくらを作ってみたいと思ったものでした。でも、私が住んでいたところは今住んでいるところよりも標高も低くて、中に入れるかまくらを作れたことはありませんでした。
2月13日(水) ずらし六本組木(その3)
さて、昨日の問題の「ずらし六本組木の鏡像はそれ自身と合同か?」という問題ですが、もう一度図を載せておきます。
⇒ 図 1 図 2 図1を回転させて図2のようにできるでしょうか?
結論から言うと、可能です。gifアニメーションにしてみました。
図 3 図1、図2を見ると、上下方向の2本と前後方向の2本がずれ方が逆になっていて、水平方向の2本だけがずれ方が同じです。そこで、左右方向を軸に180°回転させると、左右方向のずれ方は変わらないのですが、それ以外の2つの方向に関しては、ずれ方が共に反転するのです。
上下方向、左右方向、前後方向のそれぞれに注目しながら図3のアニメーションをご覧下さい。
では、3方向のうち、一方向だけがずれ方が逆になった形を考えると、その2つはどういう関係になるでしょうか? 鏡像対称でしょうか? それともこの場合もうまく回転させると一致するのでしょうか? それとも…
(つづく) <おまけのひとこと>
もうしばらく「紙の筒を組む話」を続けたいと思います。
2月14日(木) ずらし六本組木(その4)
昨日に続いて、ずらし六本組木の話です。昨日の最後に、上下・左右・前後の3軸方向の2本ずつのずらしたペアのうち、1方向だけのずれ方が違っているもの同士というのはどういう関係なのでしょうか? という話をご紹介しました。今日はそのペアを実際に作った様子をご紹介します。
最初に図1のようにパーツを2組分、つまり12枚切り出します。
図 1 これを全部筒状に折り曲げて、パーツを作ります。パーツはこんな形をしています。
図 2 これをこのように、1つのペアだけがずれ方が逆になるように、組んでみます。
図 3 下の図4が、組みあがったところです。左右方向のずれ方(遠い側の方が上にずれている)、前後方向のずれ方(上側が右にずれている)が左右のモデルで同じですが、上下方向のペアのずれ方が左右のモデルで逆になっているのがわかりますか?
図 4 さらに近づけてみました。これは昨日のものと違って鏡像対称になっていないのはわかると思います。
図 1 さて、この2つは同じ形でしょうか、それとも違う形でしょうか?
(つづく) <おまけのひとこと>
現物を手にとって見てみないとわからないかもしれません。(少なくとも私ならば画面の画像だけを見ていてもわからないと思います。)この、「ちょっとずらしてみる」という操作をしてみただけで、こんな面白いことが出てくるなんて思ってもみませんでした。
2月15日(金) ずらし六本組木(その5)
ずらし六本組木の話のつづきです。昨日は、上下・左右・前後の3軸方向の2本ずつのずらしたペアのうち、1方向だけのずれ方が違っているもの同士というのを実際に作った写真を掲載しました。今日は同じものをCGでご紹介します。
下の図1〜図4までそれぞれ2枚ずつ、計八枚をご覧下さい。まず、左右の(a),(b)を見比べていただくと、画面内垂直方向の2本のずれ方だけが逆になっているペアになっています。また、図1、図2、図3、図4はそれぞれ画面内垂直方向を軸に90度ずつ回転させた画像になっています。
図 1-(a) 図 1-(b) 図 2-(a) 図 2-(b) 図 3-(a) 図 3-(b) 図 4-(a) 図 4-(b) それぞれの縦の系列の4枚の画像の中に、対称性が高いものがあるのですが、どれだかわかりますか? また、その2つは「同じ」でしょうか?
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ちょっと間をあけて
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図1-(a)と図3-(b)が、3回回転対称軸方向から見た画像になっています。
図 1-(a)' 図 3-(b)' 中央部分に注目してみると、この2つの画像は明らかに異なります。回転させても、鏡に映しても、重ね合わせることができません。
最初に私が紙でこの模型を作ってみたとき、図3-(b)の向きから眺めるのがきれいだな、と思いました。一旦分解して、次に適当に組み立ててみたら、どんなに回転してみても図3-(b)の形に見えないのです。そんなばかな、と思って、改めて模型を組み立ててよく考えてみたら、この2つが違うということがわかったのでした。
(つづく) <おまけのひとこと>
この2つ、おそらく普通の方にはぱっと見て区別はつかないのではないかな、と思うのです。とするとうまいことやればマジックのネタに使えないでしょうか? 2種類のモデルをAとBとします。たった2つのうちの片方を当てる、というのは、何か隠れた目印を使っていると思われそうであまり面白くないので、例えば、A型を3つ、B型を3つ、同じ色で区別がつかないように用意します。赤、青、黄色のトレイを用意して、赤のトレイにはAA,青にはBB、黄色にはABのペアを載せます。演者からは3つのトレイが見えないように、観客からは3つのトレイが見えるようにセッティングして、観客の誰か一人に、演者だけにはわからないように3つのトレイのうち1つから、2個のモデルを取り出してもらいます。演者はその2つをみて、どのトレイから取り上げたものなのか当てる、というのはできそうですね。面白いかどうかはわかりませんけれども。